【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~

泰雅

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第11章:落星の森と紫煙の魔術師編

第8話:闇兎ダークラビット

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 ——翌日。
 メンバー全員で朝食をとり、再び「落星の森」へワープする。
 着いた先は昨日の花畑だ。
「早く進もう。ここにいたら、また幻惑作用で惑わされてしまう」
「ん……ファンシーネモフィラは個人での所持が禁止されてる……アイテムとしても採る意味はない」
 キアラの言葉にシレイドが同調する。
「そうか、よし。先に急ごう」
 そうして、『落星の森』を進んでいく。
 出現する魔物はボムスパイダー、ブラックビー、ブラックベアがほとんどだ。
 ボムスパイダーとブラックビーは俺の火属性魔法で離れた場所から先制し、瀕死になり生き残った個体をリズたちがトドメを刺していく。
 ブラックベアは標準の戦い方通り、俺とキアラとロウナが前衛として組み合い、後衛の援護を受けつつ倒す。
 レアモンスターであるゴールドパンサーとも数回戦った。
 これも、ブラックベアと同じように前衛後衛戦法を取りつつ、なんとか相手の隙を作ってそこから一気に突き崩すという作戦だ。
 詳しく言うと、シレイドの『ブラックスパイク』や、セーラの『ヘブンスプリズン』を使って動きを封じて前衛が仕留めるというやり方だ。
 シレイドの『ドクドクブッコロ投げナイフ』では一撃で斃せた。
 ただ、作成のための素材が貴重なため、普段使いはあまりしたくないらしい。
 相手は素早くて賢いため、なかなか手こずるが、他に手はないので仕方あるまい。
 言いにくいが、隠し素材である奴らの糞もいくつか回収する。
 もちろん、素材として反応したものを充分、殺菌・洗浄してからだ。
 これも冒険者の仕事のうちである。
 そうこうしていると、木々の色が変わる境目に差し掛かる。
「みんな。ここからが『落星の森』の深淵だよ」
 リズがアナウンスしてくれる。
「よし、みんな。気を引き締めて進もう」
 俺の言葉に五人は気を引き締めるように首肯する。

 深淵に入り、約十分。
 新顔の魔物が現れる。
 黒い兎の魔物が三匹。
 大きな角が生えている。
「あれ……ホーンラビット?」
「いや、違うぞ。纏っている瘴気の濃さがおかしい」
 リズの言葉にキアラが応える。
 鑑定を行う。

名前:ダークラビット
危険度:A
説明:瘴気を取り込み、ホーンラビットが進化した姿。素早く、闇魔法を扱うため危険。
素材:『闇兎の毛皮』
レア素材:『闇兎肉』

「ご主人様……気を付ける……あいつ、強い……」
 シレイドが髪を逆立てている。
 相当ヤバい魔物らしいな。
「キアラ、ロウナ! 行けるか!?」
「ああ!」
「もちろんだぜ!」
 俺たち前衛は注意をしつつ、三匹の闇兎に突撃する。
 距離が近づいてきた時、牽制で俺が魔法を放つ。
「『エルウェーブ』!!」
 勢いよく水の波が相手にぶち当たる。
「ギュイ!!」
 動きが少し止まるダークラビット。
「そこだ!!」
 キアラがその隙に素早く反応して突きを放つ。
 俺とロウナもほぼ同時に攻撃を放つ!!
 やったか!? そう思った直後、闇兎は跳躍してその突きを軽々躱す。
「は、速い!?」
「ゴールドパンサー以上の速さだ!!」
 キアラとロウナが歯噛みする。
 そして、跳躍した状態でダークラビットは身体に闇の波動を纏い——突撃してくる!!
「ぐああああっ!!」
「かはぁああああ!!」
 キアラとロウナが吹っ飛ばされる。
 俺も突撃をくらいそうになるも、直前で風神剣を薙ぎ払って闇兎を叩き切る。
 が、ギリギリだった。
 とっさの反応が運よく嚙み合っただけだ。
 次に突撃されてしまったら、同じ結果になるか分からない。
「『デッドスピード』!!」
 前衛二人がやられた所で、シレイドが後衛から飛び出して、闇兎への奇襲を狙う。
 ……が。
「くぬぬー……速い!!」
 ダークラビットの動きについて行けていない。
 正確には、ほぼ同じ速さで追いつけないという具合だ。
 あの様子だと、ブラックスパイクやヘブンスプリズンなどの拘束系の魔法を使っても避けられるのがオチだな。
 キアラとロウナは、闇の魔力のこもった突撃をもろにくらって、苦しそうに地面にうずくまっている。
 セーラが回復をしてくれているが、すぐには復帰できないだろう。
 どうする……!?
 万事休すかと思った、その時。
 リズが前に出てくる。
「レオ……!! あたし、新技試すよ……!!」
「この状況を打開できるのか?」
「分かんないけど、あの速さは並みの速度の攻撃じゃ無理。それこそ、弾丸くらいの速さがないと!」
 リズは「ふぅっ」と息を吐き精神を集中させる。
 ——そして。
「『ターゲットテリトリー』」
 リズの周囲に魔力の結界のようなものが張られる。
 いや、詳しく言えばリズの魔力の源『マナ』が周囲に伝搬して結界のように広がっている。
 ダークラビットたちも少し戸惑っているようだ。
 ——その時!
「弾丸は『隕石鼠弾』……見えた!! 『ヘビーショット』!!」
 何を思ったか、リズが上空に向かって弾を二発撃ち込む。
 当然、ダークラビットの方向とは全然違う。
 ——だが!
 ギュイイイン!!
 弾は空高く打ちあがった後、闇兎に見事に降り注ぐ。
「ギャピー!!」
 ダークラビット一匹の脳天に直撃し、弾が見事に爆発して仕留める。
 残り一匹も、素早く弾を躱そうとする——が!!
 ギュイイイン!!
 ホーミングのように避けた方向に弾が曲がり、残り一匹のダークラビットの腹部に直撃し、爆発。
 ピクピクと震えた後、最後の闇兎も絶命する。
「『エネミーカウント』……うん、反応消滅。倒せたよ!」
 リズがニッコリと俺に微笑んでくる。
「い、一体、何をしたんだ?」
 俺は少し戸惑い気味に彼女に尋ねる。
「ああー、『ターゲットテリトリー』っていう武技はね、使用者の半径10mの範囲に薄い魔力の膜を張って敵をターゲットとしてロックオンできるの。その範囲内なら、どんな動きをしても敵は弾を避けられない。領域内で遠距離攻撃を必中させる技なの」
「す、すごいな……」
 範囲限定とはいえ、遠距離攻撃を絶対に外さないようにする武技とは。
「ただ、消費MPは激しいし、テリトリーの持続時間も長くない。今回のダークラビットのように、とにかく素早いけど防御力があまりない魔物にしか使えないかも」
「だが、今回はお陰で助かったよ」
「えへへ……♪ あたしも、戦えるってとこ、ちゃんと見せとかなきゃね!」
 俺の言葉にウインクするリズ。
「キアラ、ロウナ。大丈夫か?」
 セーラに治療を受けている二人に声をかける。
「ああ。なんとかな。だが、久々に効いたよ。ロータスメイルでも防げんとは」
「あたたた、激突された腹が痛え……」
 渋い顔をする二人。
「とにかく、少し休もう。二人の体力が戻るまで」
 俺たちは少し休憩を取り、ある程度回復した後、冒険を再開した。
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