3 / 9
3
しおりを挟む
「その顔は図星みたいだな」
「ちが……っ」
冷たい顔をして見下ろしてくるお兄ちゃんに、つい、否定の言葉が出てしまった。
違ってないのに…
「あきの口から嘘が出るなんて、お兄ちゃんは悲しいよ。そんないけない口は塞いでおこうか…」
お兄ちゃんは左へ体を屈めて、ベッドの下から箱を引っ張り出し、自分の右隣へ置いた。
その箱から一つ、何かを取り出し掌に乗せる。
それは、小さな丸い穴がいっぱい空いているボールで、端には細く黒いベルトがついていた。
「さあ、大人しくしてるんだよ」
「ん!んんっ…!」
お兄ちゃんはそれを僕の顔まで持ってくると、口にボールを嵌め込んで、ベルトで頭に固定した。
(な、何……!?)
「ああ、可愛いよ。あき。これから、たくさんお仕置きしてあげるからね」
お仕置きってどういうこと?!
なんで?!僕、何もしてないのに!!
「んん…!!」
どこかおかしいお兄ちゃんに呆然としていると、お兄ちゃんが僕のズボンを脱がし始めた。
「白くて綺麗な脚だな。この脚を開いてアイツを誘ったのか?」
どこかうっとりした表情で僕の足を見ていたお兄ちゃんは、急に表情を変えると僕の膝裏を持って足を広げてきた。
誘ったってどういうこと?
女の子じゃないんだから、そんなことしないのに…
「あきは素直じゃないからな。身体にゆっくり聞いてみようか」
そういうと、お兄ちゃんは僕の左足を抱えてベルトで固定した。
脚用のベルトみたいで、膝を折った状態で固定されて、腕と鎖で繋がれる。
もしかして…腕も専用のベルトで固定されてるのだろうか。
手に繋がる鎖で、両脚が上がる。
鎖が太いからか、思ったより負担はないけど、足を広げた状態はすごく心もとなかった。
「あき、可愛くて堪らないよ。その怯えた目が、嗜虐心をそそられる」
クスクスと楽しそうに笑うお兄ちゃんに、すごく戸惑う。
甘く見えるたれ目が柔らかく細められてるのに、いつものような安心感はなかった。
「何されるか、解ってる?」
何……って?
下着姿で拘束されて、される事って…
頭の端で考えて、直ぐさま否定する。
何かの冗談だと思いたい自分がいた。
この状態だけでも充分悪夢なのに、まだ何かされるのだと思うと泣いてしまいそうになる。
「駄目だな…。あきの泣き顔を見ると、もっと虐めたくなる…」
ゆっくりとお兄ちゃんが近づいてきて、肩がビクッと揺れてしまった。
そんな僕を見て楽しそうに微笑みながら、お兄ちゃんは僕に触れてくる。
この、意地悪な顔で微笑んでる人は誰だろう。
僕の中の優しいお兄ちゃんの像がガラガラと崩れていく。
僕が泣いた時、優しく慰めてくれたお兄ちゃんはいないのだと思うと、堪えきれなくなった思いがぽたりと雫になった。
「ちが……っ」
冷たい顔をして見下ろしてくるお兄ちゃんに、つい、否定の言葉が出てしまった。
違ってないのに…
「あきの口から嘘が出るなんて、お兄ちゃんは悲しいよ。そんないけない口は塞いでおこうか…」
お兄ちゃんは左へ体を屈めて、ベッドの下から箱を引っ張り出し、自分の右隣へ置いた。
その箱から一つ、何かを取り出し掌に乗せる。
それは、小さな丸い穴がいっぱい空いているボールで、端には細く黒いベルトがついていた。
「さあ、大人しくしてるんだよ」
「ん!んんっ…!」
お兄ちゃんはそれを僕の顔まで持ってくると、口にボールを嵌め込んで、ベルトで頭に固定した。
(な、何……!?)
「ああ、可愛いよ。あき。これから、たくさんお仕置きしてあげるからね」
お仕置きってどういうこと?!
なんで?!僕、何もしてないのに!!
「んん…!!」
どこかおかしいお兄ちゃんに呆然としていると、お兄ちゃんが僕のズボンを脱がし始めた。
「白くて綺麗な脚だな。この脚を開いてアイツを誘ったのか?」
どこかうっとりした表情で僕の足を見ていたお兄ちゃんは、急に表情を変えると僕の膝裏を持って足を広げてきた。
誘ったってどういうこと?
女の子じゃないんだから、そんなことしないのに…
「あきは素直じゃないからな。身体にゆっくり聞いてみようか」
そういうと、お兄ちゃんは僕の左足を抱えてベルトで固定した。
脚用のベルトみたいで、膝を折った状態で固定されて、腕と鎖で繋がれる。
もしかして…腕も専用のベルトで固定されてるのだろうか。
手に繋がる鎖で、両脚が上がる。
鎖が太いからか、思ったより負担はないけど、足を広げた状態はすごく心もとなかった。
「あき、可愛くて堪らないよ。その怯えた目が、嗜虐心をそそられる」
クスクスと楽しそうに笑うお兄ちゃんに、すごく戸惑う。
甘く見えるたれ目が柔らかく細められてるのに、いつものような安心感はなかった。
「何されるか、解ってる?」
何……って?
下着姿で拘束されて、される事って…
頭の端で考えて、直ぐさま否定する。
何かの冗談だと思いたい自分がいた。
この状態だけでも充分悪夢なのに、まだ何かされるのだと思うと泣いてしまいそうになる。
「駄目だな…。あきの泣き顔を見ると、もっと虐めたくなる…」
ゆっくりとお兄ちゃんが近づいてきて、肩がビクッと揺れてしまった。
そんな僕を見て楽しそうに微笑みながら、お兄ちゃんは僕に触れてくる。
この、意地悪な顔で微笑んでる人は誰だろう。
僕の中の優しいお兄ちゃんの像がガラガラと崩れていく。
僕が泣いた時、優しく慰めてくれたお兄ちゃんはいないのだと思うと、堪えきれなくなった思いがぽたりと雫になった。
0
あなたにおすすめの小説
今日もBL営業カフェで働いています!?
卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ
※ 不定期更新です。
「これからも応援してます」と言おう思ったら誘拐された
あまさき
BL
国民的アイドル×リアコファン社会人
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
学生時代からずっと大好きな国民的アイドルのシャロンくん。デビューから一度たりともファンと直接交流してこなかった彼が、初めて握手会を開くことになったらしい。一名様限定の激レアチケットを手に入れてしまった僕は、感動の対面に胸を躍らせていると…
「あぁ、ずっと会いたかった俺の天使」
気付けば、僕の世界は180°変わってしまっていた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
初めましてです。お手柔らかにお願いします。
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
二日に一度を目安に更新しております
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる