章くんの憂鬱【BL】

水月 花音

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「そんなこと、言われても。お兄ちゃんが初めてだもん」

「本当に?」

「本当だよ。お兄ちゃんこそ、何でこんなことするの?」

「あきが好きだから」

 挿入ってるお兄ちゃんを思いっきり締めつけてしまった。

「僕のこと好き?」

「好きだよ」

 ゆっくり抜き差しされて、お尻がプチュプチュといやらしい音を立てる。

「やめっ、何も考えられなくなっちゃう」

「いいよ、俺のことだけ感じて」

 腰を掴まれて、思いっきり抜き差しされる。パンッパンッと肌がぶつかる音がして、意識が飛びそうになった。気持ちよすぎて、口からは、アンアンと喘ぎ声が漏れている。

「あ、アンッ、あんっ、は」

「中良すぎ」

 後ろから穿たれて、本当に意識を手放しそうになった。出たり入ったりする度に、すごい快感が襲ってくる。

「ア、アン、アンッ」

 アンアン以外の言葉が口から出ない。いつの間にこんなにバカになってしまったのだろうか。
 それでも気持ちがよすぎてどうでもよくなる。

 僕がイッても、お兄ちゃんは離してくれなくて、動きが早くなったと思ったら、お兄ちゃんも僕の中でイッた。
 ドクドクお腹の中に注ぎ込まれて、そんな刺激も気持ちいい。

 やっと終わった、と思ったらお兄ちゃんは挿れたまま復活して、本当に七発もヤるのかとゾッとした。結局、離してくれたのは、あと二回連続で中に出してからだった。
 もう最後の方はイキすぎて、記憶が定かじゃない。



「あき、大丈夫?」

「大丈夫じゃない!腰痛いし!絶倫!」

「褒めてる?」

 ベッドの上でキスされる。とろけそうなキスに絆されそうになる。

「待って、お兄ちゃん僕と付き合いたいの?」

 大事なことだ。

「あき、俺と付き合ってくれる?」

「うん」

 手を取ってキスされる。その仕草が王子様みたいで、考えずに返事が出てしまった。

「ちょ、今のなしっ!」

「無しなの?あき、愛してるよ。トロトロに甘やかしてあげるから、俺の彼氏になりなよ」

「うー」

「俺以外で満足できるとは思えないけど」

「確かに」

「でしょ、お試しでもいいから付き合おう?」

 必死に言い募られて、優越感が首をもたげてくる。

「そんなに付き合いたい?」

「付き合いたい。ずっと好きだったんだよ」

「ずっとって?」

「小学六年の時から」

「出会った時じゃん!」

「そうだよ。ずっと我慢してたのに、あきが高斗と乳繰り合うから」

「ちちくり……は!そういえば、何で知ってるの?」

「内緒。言ったら情報入って来なくなるじゃん」

「言って」

 冷たく言い放つ。

「わかったよ、コレ」

 そう言って、お兄ちゃんは僕のネクタイピンを手に取った。高校入学のお祝いにお兄ちゃんから貰ったやつだ。

「やっぱり盗聴してたの!?」

「あき、可愛いから心配で……」

「しょぼんってしてもダメ!もうしないで!」

「ごめん。あきが浮気しないって誓ってくれるなら、もうしない」

 いつの間にか付き合うことになっている。でも、この兄に捕まったら、逃げられないのは薄々わかっていた。

「浮気するわけないでしょ、お兄ちゃんこそしないでよ」

「するわけない!大事にする!あき!」

 お兄ちゃんのあまりの喜びように、こんなのも悪くないんじゃないかと思った。
 兄の絶倫ぶりにちょっと後悔することになるのは、また別のお話。





FIN.
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