青い薔薇と金色の牡丹【BL】

水月 花音

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第四章【学園都市】

第五十三話 タイプ

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 午後は魔法薬学を受けた。午前中は4科目、午後は3科目の7時間授業らしかった。俺が来たのはどうやら2時間目だったみたいだった。
 午後の余った1時間は、図書館で勉強をする。

「次は特別開講の、魔法戦闘実技だって」

「魔法実技!?やったぜ!」

「良い授業なの?」

「魔法戦闘実技は、教えられる先生があまり居ないんだよ。教えられるくらいの先生は、大体各国の要人になるからね」

「そうなんだ。あ、各属性があるから、いっぱい属性持ってないとダメとか?」

「そうだね、それが一番なんだろうけど、3属性以上持ってる人なかなかいないし、戦闘用の魔道具って高いから、使いこなせるとしたら相当なお金持ちだよね」

 あれ?特別開講で、お金持ちって言ったらエリオネルじゃない?


 魔法戦闘実技の授業に行ったら、やっぱりエリオネルが居た。エリオネルを見た女生徒がキャーキャー言ってる。
 わかるわかる、カッコいいもんな。

 ふ、と目が合う。エリオネルはこちらに向けてにこっと笑ってくれた。
 教室中の生徒が悲鳴を上げる。うるさっ!

「マリヤくんは平気なんだね」

「何が?」

「先生イケメンじゃない?」

「そうだね。何?どういうこと?」

「あの顔でこっち向いて微笑まれたのに、あまり反応しないんだな、と思って」

「あー」

 慣れてるから、とは言えないよな。

「可愛い子の方が好み?」

「今のタイプはどっちかっていうと、カッコいい人……だと思うけど、よくわかんない」

 元々のタイプは、可愛いふわふわ系の子だったけどなー。エリオネルはカッコいい系だし。

「俺はマリヤめっちゃタイプ」

 アーサーくんが話に入ってくる。

「知ってるから、邪魔しないで。僕のタイプも知ってるでしょ」

「え!アイオライト、マジで?」

「マジだけど文句ある?」

「アイオライトじゃ勝ち目ねーわー」

 何の話だろうか?全然話の内容がわからなくてポカンとなる。
 とりあえずエリオネル見とこ。

 エリオネル、先生姿めっちゃ似合ってる。本当に先生と生徒なんだな、と実感した。何だか背徳的でめっちゃそそる。
 朝のガン突きとか、あの先生姿で犯されたのがもうめちゃくちゃエロくてヤバい。

 これダメだわ、興奮しすぎて鼻血出そう。ノート取って気を紛らわそ。

 気がついたら授業が終わってて、エリオネルは早々に教室を出て行ってしまっていた。


 アイオライトくんに門まで送ってもらって馬車で帰る。帰る時間はエリオネルとは別だった。
 一足先に宿屋に着くと、制服姿のままベッドにダイブする。疲れていたのか眠ってしまった。
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