29 / 143
第一章 ○○世界における魔王国建国の経緯(いきさつ)
第18話 G
しおりを挟む
「俺が怖い?」
「ええ」
意味が分からんぞ。
優しさだけが取り柄のような俺が怖いとはどういう了見だ。
「あなたは気づいてないでしょうが、魔道具を身に着けたことであなたはとても強くなられた。僕も少し怖いくらいにね」
「怖いって…………俺がそんなことしないってわかってるだろ」
「ええ、しかし理屈じゃないんですよ。こういうのは」
そんなもんか。
まあでもそのおかげで楽にここまで来られたならいいとするか。
「じゃあこのまま山頂まで行くとするか」
「ええ、ゴールは目前です。あと少しだけお願い致します」
ケビンは何か眩しいものを見る様に山頂を見やる。
この時、ケビンの表情の持つ意味に気づけていたら何かがかわったのだろうか。
俺たちの旅の終わりは、近い。
◇
道中も魔獣に襲われることはなく、俺たちは数時間で山頂までたどり着くことが出来た。
「こいつは凄い……!!」
山頂は異様な空気に包まれていた。
高すぎる魔力濃度のせいで過剰に魔力摂取してしまった魔獣の死体がそこかしこに転がっている。俺も流石にここまで濃いと呼吸が苦しく感じる。
「悪循環ね。魔力に惹かれた魔獣がここに来て死に、その魔獣の魔力がこの地に染み込み更に魔力濃度が上がる。このままにしては日本全土に悪影響が出かねないわ」
舞衣さんのいう事も最もだが、それだけではない。
火口から今まで感じた事がない程のとんでもない火の魔力を感じる。
少しでも刺激したら今にも噴火しそうだ。
俺と舞衣さんは警戒して辺りを見ていたが、ただ一人反応の違う者がいた。
「はは、はははははははは!! 凄い! 予想以上だ! これならいけるぞ!!」
「ケビン……!?」
突然タガが外れたかのように笑い出すケビン。
いったいどうしたってんだ?
「いやごめんなさいね、まさかここまで好条件だとは思わなかったんです。これで悲願が果たせます」
「的を得ない回答ね。はぐらかすつもり?」
殺気むき出しで舞衣さんが構える。
俺も嫌な予感を感じケビンに臨戦態勢をとる。
「僕は今まで嘘はついてないですよ。世界平和のためにここまで来たんです」
「この状況、平和とは程遠いと思うのだけど?」
「そうですね。だけどあるモノを呼び出すのにピッタリなんですよこの状況は」
「あるモノ……?」
「そう、神です」
「!?」
何を言ってるんだこいつは!?
そんなの呼び出してどうするってんだ!?
「絵空事ね。魔力濃度が濃いだけでそんな事が出来ると思ってるの?」
「魔力濃度《そんなもの》は数ある要因のひとつです。重要なのは火口に眠る膨大な火の魔力です。これさえあれば呼び出せる。」
ケビンは初めて見せる歪な笑顔でその名を告げる。
「悪神アンラ・マンユを」
「つっ――――――!?」
ケビンの言葉に驚愕のあまり目をむく舞衣さん。
そんなにやべえ奴なのかそのアンラなんとかってのは。
「そうか、だから火の魔力……!! 日本選んだのもそれが理由ってワケね」
「ええ、理解が早くて助かりますよ」
「え!? 俺にも分かるように言ってくださいよ!!」
魔法初心者の俺にはちんぷんかんぷんだ。
分かりやすく説明してくれ。
「ふふ、いいですよ。どうせもう止めることは出来ないのですから」
気が付けば火口を取り囲むように半透明のドーム状の壁が出来ていた。
俺と舞衣さんはその外側、ケビンは内側にいる。そのため壁を何とかしないと止められない。
「なめんな! こんな壁壊してやるよ!!」
「やめなさい!!」
「!?」
振り上げた拳を下ろそうとした瞬間、舞衣さんに制される。
その顔には焦燥の色が浮かんでおり、額には脂汗が垂れている。
「この壁はマズい。神力を感じるわ」
確かに普通の魔力とは何か違うと感じてはいたが、これが神力なのか。
ということは……!
「本当に神を降ろす気なのか!」
「さっきからそう言ってるじゃないですか」
ケビンはヤレヤレと首を振る。ぐぬぬ。
「話を戻すわ。悪神アンラ・マンユはゾロアスター教という宗教に登場する悪神の事よ」
「ゾロアスター教?」
聞いた事がないな。
「ええ、日本ではあまり聞かないかもしれないけど、世界最古の宗教とも言われている歴史のある宗教よ。火を神聖視していて拝火教《はいかきょう》とも言われているわ」
「拝火教……火の魔力……日本……そういうことか!」
点と点がつながる感覚。
思わず鳥肌が立ってしまう。
「そう、日《火》の本の国だなんて拝火教にピッタリでしょう? 言葉の力は魔法に大きく作用しますからね。そしてこの富士山は日本の中でも一際強い火の魔力を持っていたんです。僕は実は魔力大規模感染《マジカル・パンデミック》が起きる前からここに目をつけていました、なのでここに魔力溜まりが出来たと知ってからスムーズに事を進められました」
そう言いケビンは懐より何やら白い棒のような物を取り出す。
「これはゾロアスター教で厳重に保管されていた聖遺物でしてね、一説には開祖の遺骨と言われているものなんだ」
「…………マズいわね。ここまで材料を揃えられると流石に絵空事じゃ無くなって来たわね」
「……そして最後に僕が生贄になる」
「!? 馬鹿なことを言うな!! そんなことして何になる!!」
神を降ろすため死ぬ?
そこまでしてこいつは何がしたいんだ!?
「………僕はドイツでKevin・G・Barthと名乗っている。でも、それは真の名前ではないんです」
「どういうことだ……!?」
「僕の真の名はKevin・God・Birth。僕の一族は神を降ろすために作られた一族なんだ」
「ええ」
意味が分からんぞ。
優しさだけが取り柄のような俺が怖いとはどういう了見だ。
「あなたは気づいてないでしょうが、魔道具を身に着けたことであなたはとても強くなられた。僕も少し怖いくらいにね」
「怖いって…………俺がそんなことしないってわかってるだろ」
「ええ、しかし理屈じゃないんですよ。こういうのは」
そんなもんか。
まあでもそのおかげで楽にここまで来られたならいいとするか。
「じゃあこのまま山頂まで行くとするか」
「ええ、ゴールは目前です。あと少しだけお願い致します」
ケビンは何か眩しいものを見る様に山頂を見やる。
この時、ケビンの表情の持つ意味に気づけていたら何かがかわったのだろうか。
俺たちの旅の終わりは、近い。
◇
道中も魔獣に襲われることはなく、俺たちは数時間で山頂までたどり着くことが出来た。
「こいつは凄い……!!」
山頂は異様な空気に包まれていた。
高すぎる魔力濃度のせいで過剰に魔力摂取してしまった魔獣の死体がそこかしこに転がっている。俺も流石にここまで濃いと呼吸が苦しく感じる。
「悪循環ね。魔力に惹かれた魔獣がここに来て死に、その魔獣の魔力がこの地に染み込み更に魔力濃度が上がる。このままにしては日本全土に悪影響が出かねないわ」
舞衣さんのいう事も最もだが、それだけではない。
火口から今まで感じた事がない程のとんでもない火の魔力を感じる。
少しでも刺激したら今にも噴火しそうだ。
俺と舞衣さんは警戒して辺りを見ていたが、ただ一人反応の違う者がいた。
「はは、はははははははは!! 凄い! 予想以上だ! これならいけるぞ!!」
「ケビン……!?」
突然タガが外れたかのように笑い出すケビン。
いったいどうしたってんだ?
「いやごめんなさいね、まさかここまで好条件だとは思わなかったんです。これで悲願が果たせます」
「的を得ない回答ね。はぐらかすつもり?」
殺気むき出しで舞衣さんが構える。
俺も嫌な予感を感じケビンに臨戦態勢をとる。
「僕は今まで嘘はついてないですよ。世界平和のためにここまで来たんです」
「この状況、平和とは程遠いと思うのだけど?」
「そうですね。だけどあるモノを呼び出すのにピッタリなんですよこの状況は」
「あるモノ……?」
「そう、神です」
「!?」
何を言ってるんだこいつは!?
そんなの呼び出してどうするってんだ!?
「絵空事ね。魔力濃度が濃いだけでそんな事が出来ると思ってるの?」
「魔力濃度《そんなもの》は数ある要因のひとつです。重要なのは火口に眠る膨大な火の魔力です。これさえあれば呼び出せる。」
ケビンは初めて見せる歪な笑顔でその名を告げる。
「悪神アンラ・マンユを」
「つっ――――――!?」
ケビンの言葉に驚愕のあまり目をむく舞衣さん。
そんなにやべえ奴なのかそのアンラなんとかってのは。
「そうか、だから火の魔力……!! 日本選んだのもそれが理由ってワケね」
「ええ、理解が早くて助かりますよ」
「え!? 俺にも分かるように言ってくださいよ!!」
魔法初心者の俺にはちんぷんかんぷんだ。
分かりやすく説明してくれ。
「ふふ、いいですよ。どうせもう止めることは出来ないのですから」
気が付けば火口を取り囲むように半透明のドーム状の壁が出来ていた。
俺と舞衣さんはその外側、ケビンは内側にいる。そのため壁を何とかしないと止められない。
「なめんな! こんな壁壊してやるよ!!」
「やめなさい!!」
「!?」
振り上げた拳を下ろそうとした瞬間、舞衣さんに制される。
その顔には焦燥の色が浮かんでおり、額には脂汗が垂れている。
「この壁はマズい。神力を感じるわ」
確かに普通の魔力とは何か違うと感じてはいたが、これが神力なのか。
ということは……!
「本当に神を降ろす気なのか!」
「さっきからそう言ってるじゃないですか」
ケビンはヤレヤレと首を振る。ぐぬぬ。
「話を戻すわ。悪神アンラ・マンユはゾロアスター教という宗教に登場する悪神の事よ」
「ゾロアスター教?」
聞いた事がないな。
「ええ、日本ではあまり聞かないかもしれないけど、世界最古の宗教とも言われている歴史のある宗教よ。火を神聖視していて拝火教《はいかきょう》とも言われているわ」
「拝火教……火の魔力……日本……そういうことか!」
点と点がつながる感覚。
思わず鳥肌が立ってしまう。
「そう、日《火》の本の国だなんて拝火教にピッタリでしょう? 言葉の力は魔法に大きく作用しますからね。そしてこの富士山は日本の中でも一際強い火の魔力を持っていたんです。僕は実は魔力大規模感染《マジカル・パンデミック》が起きる前からここに目をつけていました、なのでここに魔力溜まりが出来たと知ってからスムーズに事を進められました」
そう言いケビンは懐より何やら白い棒のような物を取り出す。
「これはゾロアスター教で厳重に保管されていた聖遺物でしてね、一説には開祖の遺骨と言われているものなんだ」
「…………マズいわね。ここまで材料を揃えられると流石に絵空事じゃ無くなって来たわね」
「……そして最後に僕が生贄になる」
「!? 馬鹿なことを言うな!! そんなことして何になる!!」
神を降ろすため死ぬ?
そこまでしてこいつは何がしたいんだ!?
「………僕はドイツでKevin・G・Barthと名乗っている。でも、それは真の名前ではないんです」
「どういうことだ……!?」
「僕の真の名はKevin・God・Birth。僕の一族は神を降ろすために作られた一族なんだ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった
ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。
学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。
だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。
暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。
よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!?
……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい!
そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。
赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。
「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」
そう、他人事のように見送った俺だったが……。
直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。
「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」
――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました
まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。
その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。
理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。
……笑えない。
人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。
だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!?
気づけば――
記憶喪失の魔王の娘
迫害された獣人一家
古代魔法を使うエルフの美少女
天然ドジな女神
理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ
などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕!
ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに……
魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。
「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」
これは、追放された“地味なおっさん”が、
異種族たちとスローライフしながら、
世界を救ってしまう(予定)のお話である。
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる