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第一章 ○○世界における魔王国建国の経緯(いきさつ)
第24話 対話
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「勝った……のか?」
俺とマーレは地上に降り立ち準神善光《デミ・マズダー》を受け動かなくなった悪神の元に近づく。
その身は黒く焦げ付いているが力強くそびえ立ったままで今にも動き出しそうだ。
「そのようですね。悪神の中から神力が抜け出ています、もう動くことは無いでしょう」
「そうか……」
辛い戦いだった。
この数時間で二人しかいなかった仲間を二人も失ってしまった。もしマーレを生み出すことに失敗していたら心が壊れていただろう。
「さて、これからどうしたものか。建国するという目標に変わりは無いが人も物も何もかも足りないな」
「そうですね。でしたらまずは……ッ!?何事!?」
「何だこの力は!?」
マーレが今後の動きを提案しようとした瞬間、突如とんでもない力を上空より感じる。
「この力……神力!? しかも悪神より強力だぞ」
「マズいですね、こっちに真っすぐ向かってきてます。この速さ、逃げることは不可能でしょう」
俺の横でマーレが汗を垂らしながら警戒する。
冷静な彼女がここまで焦っているということはそうとうヤバい状況なのだろう。
俺ももう戦う気力など無いが……腹をくくるしかないか。
「……来ます!!」
ソレは光輝く巨人だった。
悪神の半分ほどの大きさのソレは大きな翼をはためかせ、俺たちの前で制止する。
「お、お前はいったい……」
ジッとこちらを見るだけで何もしてこないソレに思わず話しかけてしまう。
『我はアフラ・マズダー。人の子よ、警戒しなくとも危害は加えぬ。」
「喋った……!!」
口は動いてないので恐らく念話みたいなものだろう。
それにしてもまさか意思の疎通ができるとは思わなかったぜ。
どうやら敵意は無いみたいなので上手く立ち振る舞えば戦わずに済むかもしれないな。
「アフラ・マズダー、悪神アンリ・マンユの対になる光と善を司どる神の名前です。とはいえこちらの味方とは限りません。お気を付けください」
マーレが俺に耳打ちして情報をくれる。
出来た奴だぜ。
「それでアフラ・マズダーさん……でいいのかな? あなたはいったいどうして現れたんだ? 悪神なら俺たちが倒してしまったからあなたの出番は無いと思うのだが」
『不思議に思うのも無理はない。私が顕現した理由、そんなもの無いのだからな」
「へ?」
神が何の理由もなしに現れることなんてあるのか。
マーレの方を見てみるが彼女も分からないのか首をふるふるしてる。
『理由は無いが現れる必要があった。悪神が討たれた場所に私がいないのは神話として成り立たないからな」
「そういう事か……!」
何やらマーレは納得しているが俺はさっぱりだ。
すると彼女はそんな俺に気づいたのか俺に説明してくれる。
「過程と結果の逆転です。本来であれば善神が現れ悪神を討つ。これが定められた物語です」
「そうだな」
「しかし今回善神が現れる前に悪神を討ってしまいました。これでは定められた物語が狂ってしまいます。ですので整合性を持たせるために……」
『私が顕現したというワケだな』
善神はそう言うとはっはっはっはっはと笑う。
意外と話しやすそうだ。
『なのでせっかく顕現したが我がすることは無い。時が経てば勝手に消えるゆえ、安心するがよい』
「よかった……これで安心ですね」
確かに戦わずに済んだのは僥倖だ。
しかし……本当にこれで終わっていいのか?
このままでは俺の目標が達成されるのは順調にいっても数年はかかるだろう。
その間に何人の魔人が傷つき殺される?
そんなの絶対に許せない。
そのためだったら何でも利用してやる。
「なあ。もし消えるんだったら……その力、俺に貸してもらえないか?」
「何を言ってるんですか! 危険すぎます!」
「少し黙れ。誰が意見を求めた?」
「――――!! 失礼しました!!」
マーレは頬を紅潮させ勢いよく頭を下げる。なぜか息遣いも荒くて怖い。
勢いで強く言ってしまったがこういう態度の方が好きなのだろうか?
『面白い。なぜ我がそんなことをしなければいけない?』
「こっちは命懸けであんたのしなくちゃいけない事を代わりにやったんだ。少しくらいいいだろ?」
神にこんな物言いしてバチが当たりそうだが、そんな不確かなものにビビって何が魔王だ。ここは強気にいく!
『成る程、一理あるな。しかし残念ながら我は人の言うところの本物の神ではない。整合性を取るために世界に作られた神性存在に過ぎぬ。それでもいいのか?」
「ああ、もちろんだ。そんなに難しいことは頼まないさ」
よし、何とかいい方向に話が進んだぞ。
問題は願い事だが……実はもう考えてある。
「そこにある悪神の骸《むくろ》……あれを譲って欲しい」
『ほう? そのような物、我がいなくなった後好きにすればいいではないか』
「あれは神の遺骸だ。考えなしに扱えばどんなしっぺ返しをくらうか分からない」
あの人の受け売りだ。
神骸や神具は軽い気持ちで扱うととんでもない事態になる事が多いらしい。
『成る程、いいいだろう。神の名において許可する。これでいいか?」
「ああ、ありがとう」
よし、ここまでは想定内だ。
だが俺の本当の狙いはこれではない。
俺の真の願いはこの旅の目的でもある。
もし叶うのなら、この世界になってからここにいたるまでの旅路は今このためにあったのかもしれない。
「もう一つ願いがある。聞いてもらえるか」
『申してみよ』
俺の本当に欲しいもの、それは……
「名前をくれ。俺はあんたに名前を付けて欲しいんだ」
それはこの世界になって最初に失ったもの。
返してもらうぜ。
俺とマーレは地上に降り立ち準神善光《デミ・マズダー》を受け動かなくなった悪神の元に近づく。
その身は黒く焦げ付いているが力強くそびえ立ったままで今にも動き出しそうだ。
「そのようですね。悪神の中から神力が抜け出ています、もう動くことは無いでしょう」
「そうか……」
辛い戦いだった。
この数時間で二人しかいなかった仲間を二人も失ってしまった。もしマーレを生み出すことに失敗していたら心が壊れていただろう。
「さて、これからどうしたものか。建国するという目標に変わりは無いが人も物も何もかも足りないな」
「そうですね。でしたらまずは……ッ!?何事!?」
「何だこの力は!?」
マーレが今後の動きを提案しようとした瞬間、突如とんでもない力を上空より感じる。
「この力……神力!? しかも悪神より強力だぞ」
「マズいですね、こっちに真っすぐ向かってきてます。この速さ、逃げることは不可能でしょう」
俺の横でマーレが汗を垂らしながら警戒する。
冷静な彼女がここまで焦っているということはそうとうヤバい状況なのだろう。
俺ももう戦う気力など無いが……腹をくくるしかないか。
「……来ます!!」
ソレは光輝く巨人だった。
悪神の半分ほどの大きさのソレは大きな翼をはためかせ、俺たちの前で制止する。
「お、お前はいったい……」
ジッとこちらを見るだけで何もしてこないソレに思わず話しかけてしまう。
『我はアフラ・マズダー。人の子よ、警戒しなくとも危害は加えぬ。」
「喋った……!!」
口は動いてないので恐らく念話みたいなものだろう。
それにしてもまさか意思の疎通ができるとは思わなかったぜ。
どうやら敵意は無いみたいなので上手く立ち振る舞えば戦わずに済むかもしれないな。
「アフラ・マズダー、悪神アンリ・マンユの対になる光と善を司どる神の名前です。とはいえこちらの味方とは限りません。お気を付けください」
マーレが俺に耳打ちして情報をくれる。
出来た奴だぜ。
「それでアフラ・マズダーさん……でいいのかな? あなたはいったいどうして現れたんだ? 悪神なら俺たちが倒してしまったからあなたの出番は無いと思うのだが」
『不思議に思うのも無理はない。私が顕現した理由、そんなもの無いのだからな」
「へ?」
神が何の理由もなしに現れることなんてあるのか。
マーレの方を見てみるが彼女も分からないのか首をふるふるしてる。
『理由は無いが現れる必要があった。悪神が討たれた場所に私がいないのは神話として成り立たないからな」
「そういう事か……!」
何やらマーレは納得しているが俺はさっぱりだ。
すると彼女はそんな俺に気づいたのか俺に説明してくれる。
「過程と結果の逆転です。本来であれば善神が現れ悪神を討つ。これが定められた物語です」
「そうだな」
「しかし今回善神が現れる前に悪神を討ってしまいました。これでは定められた物語が狂ってしまいます。ですので整合性を持たせるために……」
『私が顕現したというワケだな』
善神はそう言うとはっはっはっはっはと笑う。
意外と話しやすそうだ。
『なのでせっかく顕現したが我がすることは無い。時が経てば勝手に消えるゆえ、安心するがよい』
「よかった……これで安心ですね」
確かに戦わずに済んだのは僥倖だ。
しかし……本当にこれで終わっていいのか?
このままでは俺の目標が達成されるのは順調にいっても数年はかかるだろう。
その間に何人の魔人が傷つき殺される?
そんなの絶対に許せない。
そのためだったら何でも利用してやる。
「なあ。もし消えるんだったら……その力、俺に貸してもらえないか?」
「何を言ってるんですか! 危険すぎます!」
「少し黙れ。誰が意見を求めた?」
「――――!! 失礼しました!!」
マーレは頬を紅潮させ勢いよく頭を下げる。なぜか息遣いも荒くて怖い。
勢いで強く言ってしまったがこういう態度の方が好きなのだろうか?
『面白い。なぜ我がそんなことをしなければいけない?』
「こっちは命懸けであんたのしなくちゃいけない事を代わりにやったんだ。少しくらいいいだろ?」
神にこんな物言いしてバチが当たりそうだが、そんな不確かなものにビビって何が魔王だ。ここは強気にいく!
『成る程、一理あるな。しかし残念ながら我は人の言うところの本物の神ではない。整合性を取るために世界に作られた神性存在に過ぎぬ。それでもいいのか?」
「ああ、もちろんだ。そんなに難しいことは頼まないさ」
よし、何とかいい方向に話が進んだぞ。
問題は願い事だが……実はもう考えてある。
「そこにある悪神の骸《むくろ》……あれを譲って欲しい」
『ほう? そのような物、我がいなくなった後好きにすればいいではないか』
「あれは神の遺骸だ。考えなしに扱えばどんなしっぺ返しをくらうか分からない」
あの人の受け売りだ。
神骸や神具は軽い気持ちで扱うととんでもない事態になる事が多いらしい。
『成る程、いいいだろう。神の名において許可する。これでいいか?」
「ああ、ありがとう」
よし、ここまでは想定内だ。
だが俺の本当の狙いはこれではない。
俺の真の願いはこの旅の目的でもある。
もし叶うのなら、この世界になってからここにいたるまでの旅路は今このためにあったのかもしれない。
「もう一つ願いがある。聞いてもらえるか」
『申してみよ』
俺の本当に欲しいもの、それは……
「名前をくれ。俺はあんたに名前を付けて欲しいんだ」
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返してもらうぜ。
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