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第二章 ○○世界における魔王国の建国
第3話 集う民
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幻影自己人形《ドッペルゴーレム》を見送り20分も経つとちらほら人が来るようになった。
そのほとんどが衰弱しており衣服も擦り切れた状態で中には栄養失調で今にも息絶えそうな者もいた。
「よく来たな愛すべき同胞よ!! まずは身を清め疲れを癒すがいい!!」
転移門《ゲート》のすぐそばには大人数が入れる入浴施設とふかふかのベッド、食事する施設も用意してある。
「す、すごい!! 本当に使っていいんですか!!」
「当然だ。もうお前たちを脅かす者はいない。私に全てを委ねるがいい」
「きゅ、救世主だ……!!」
「何という慈悲深さ……」
「ジーク様万歳!!ジーク様万歳!!」
口々に避難民から感謝の声が上がる。
最初は半信半疑だった者も、湯に入り腹いっぱいになる頃には疑念は完全に消え失せ、俺に感謝の声を送ってきた。
「ジーク様! 私の子供が目を覚まさないんです!!」
「ふむ」
時折衰弱した者や病気に罹った者を連れてくる者もいた。
「目覚めよ。特大回復《エクステンドヒール》」
「ん、んん……」
「ああ!! マルコ!! ありがとうございます!! この御恩は忘れません!!」
喜びのあまり地面を頭にこすりつけ感謝を述べる親。
回復魔法を使える者は少ない。今後の課題だな。
「よい。頭を下げるくらいなら他の困っている者の助けをするがよい。その方が私は嬉しいぞ」
「なんと寛大な心! わかりました、必ずやお役に立って見せます!」
ここに来るものはみな大変な思いをしているので助け合いの精神を持っている者が多い。
回復した者は自発的に自分の得意な分野で他者を助け始めている。素晴らしい。
「くくく、これで骨はくっついた。もう歩けるはずだ」
「!? すごい! ありがとうございます!!」
今は足の骨にひびが入ったという若い女性を治療している。
日本人の様で痛みを押し殺しながらも子供や老人を保護しながらここまで来たらしい。たいした人物だ。
「よい、その気持ちは他者に返すがよい」
「でも私得意ことなんてなにも……」
「そんなことはない。子供との接し方実に見事だったぞ」
「そんなことで役に立てるのでしょうか?」
「当然だ!! 子を預けられればその分他の事に秀でた人物の手が空く。更に優秀な教育者に育てられた子供は未来の魔王国を支えることになるだろう! 誇るがいい、貴様は優秀な人材だ」
「そんな……うう、ぐすっ」
よし、心に響いてるみたいだ。
こっ恥ずかしいセリフも仮面をかぶればスラスラ出てくるから不思議だ。
俺は懐より漆黒のハンカチを取り出し目元を拭う。
「名を何という?」
「あ、愛子と言います……」
「そうか愛子。貴様はもう我が国の貴重な人材だ! 使い倒してやるから覚悟するがいい!」
「!! はい!頑張ります!!」
こうして俺は順調に人材を確保していった。
◇
「マーレ、進捗はどうだ?」
転移門を開いて次の日。
既にかなりの人数が魔王国に集まりつつあった。
「入国者は1万人を超えています。幸い積極的に動いてくれる者がたくさんいるため労働力は問題ありませんが……」
「食料、か」
「ええ、想定より消費が激しいです。今のうちに対策を講じなければ」
「そうだな、あの計画を早めに……ん!? この魔力は!?」
突如俺は他の魔人とは一線を画す量の魔力を感知する。
「転移門の方ですね、行ってみますか」
「ああ!」
俺とマーレはひとっ飛びで転移門のある広場に向かう。
「お!! いたいた!! 大将! 約束通り来たぜ!」
「お前は……」
そこにいたのは裸ベストにモヒカンと強烈な見た目の大男だった。
「おう! 大将ぅの忠実なる僕《しもべ》、ヴォルクただいま参上したぜぇ!!」
「はあ」
多分俺の幻影自己人形《ドッペルゴーレム》が救出した一人だろう。
ヴォルクなる男は俺を知ってるみたいだが俺は初見だ。こんなのが来るならあらかじめ報告してくれ。
「見るからに脳筋タイプですが魔力は申し分ないですね」
「ああ、せっかくだからあの仕事を任せてもいいかもな」
俺はなぜかマッスルポーズをキメこんでいるヴォルクに話かける。
「ちょうどいいところに来た。仕事を頼みたいんだがよろしいかな?」
「当然だぜ大将ぅ!! 完っ璧にこなしていせるぜぇ!!」
「はあ」
よく幻影自己人形《ドッペルゴーレム》はこいつにここまで好かれたな!!
◇
俺とヴォルクは魔王国より少し離れたところにある大森林に来ていた。
魔王国の周りは基本的に過剰な魔力汚染により荒廃した大地になっているが、少し離れれば富士の樹海の名残が残っている。
「大将、いったいこんなところになにがあるんです?」
「直にわかるさ」
ヴォルクは暇そうにダンベルを上げ下げしながらついてくる。
ここまでキャラを貫き通すと心地いいな。愛すべきバカというやつだ。
『何しに来た、人間よ』
「!? 何だ!?」
「ほう……」
咄嗟に俺の前に身を出し盾になるヴォルク。
バカだが見上げた忠誠心だ。
「下がるがいい。この声の主に用があったんだ」
俺はヴォルクを下げ、声の方に進む。
そこにいたのは……全長10mはある巨大な狼だった。
そのほとんどが衰弱しており衣服も擦り切れた状態で中には栄養失調で今にも息絶えそうな者もいた。
「よく来たな愛すべき同胞よ!! まずは身を清め疲れを癒すがいい!!」
転移門《ゲート》のすぐそばには大人数が入れる入浴施設とふかふかのベッド、食事する施設も用意してある。
「す、すごい!! 本当に使っていいんですか!!」
「当然だ。もうお前たちを脅かす者はいない。私に全てを委ねるがいい」
「きゅ、救世主だ……!!」
「何という慈悲深さ……」
「ジーク様万歳!!ジーク様万歳!!」
口々に避難民から感謝の声が上がる。
最初は半信半疑だった者も、湯に入り腹いっぱいになる頃には疑念は完全に消え失せ、俺に感謝の声を送ってきた。
「ジーク様! 私の子供が目を覚まさないんです!!」
「ふむ」
時折衰弱した者や病気に罹った者を連れてくる者もいた。
「目覚めよ。特大回復《エクステンドヒール》」
「ん、んん……」
「ああ!! マルコ!! ありがとうございます!! この御恩は忘れません!!」
喜びのあまり地面を頭にこすりつけ感謝を述べる親。
回復魔法を使える者は少ない。今後の課題だな。
「よい。頭を下げるくらいなら他の困っている者の助けをするがよい。その方が私は嬉しいぞ」
「なんと寛大な心! わかりました、必ずやお役に立って見せます!」
ここに来るものはみな大変な思いをしているので助け合いの精神を持っている者が多い。
回復した者は自発的に自分の得意な分野で他者を助け始めている。素晴らしい。
「くくく、これで骨はくっついた。もう歩けるはずだ」
「!? すごい! ありがとうございます!!」
今は足の骨にひびが入ったという若い女性を治療している。
日本人の様で痛みを押し殺しながらも子供や老人を保護しながらここまで来たらしい。たいした人物だ。
「よい、その気持ちは他者に返すがよい」
「でも私得意ことなんてなにも……」
「そんなことはない。子供との接し方実に見事だったぞ」
「そんなことで役に立てるのでしょうか?」
「当然だ!! 子を預けられればその分他の事に秀でた人物の手が空く。更に優秀な教育者に育てられた子供は未来の魔王国を支えることになるだろう! 誇るがいい、貴様は優秀な人材だ」
「そんな……うう、ぐすっ」
よし、心に響いてるみたいだ。
こっ恥ずかしいセリフも仮面をかぶればスラスラ出てくるから不思議だ。
俺は懐より漆黒のハンカチを取り出し目元を拭う。
「名を何という?」
「あ、愛子と言います……」
「そうか愛子。貴様はもう我が国の貴重な人材だ! 使い倒してやるから覚悟するがいい!」
「!! はい!頑張ります!!」
こうして俺は順調に人材を確保していった。
◇
「マーレ、進捗はどうだ?」
転移門を開いて次の日。
既にかなりの人数が魔王国に集まりつつあった。
「入国者は1万人を超えています。幸い積極的に動いてくれる者がたくさんいるため労働力は問題ありませんが……」
「食料、か」
「ええ、想定より消費が激しいです。今のうちに対策を講じなければ」
「そうだな、あの計画を早めに……ん!? この魔力は!?」
突如俺は他の魔人とは一線を画す量の魔力を感知する。
「転移門の方ですね、行ってみますか」
「ああ!」
俺とマーレはひとっ飛びで転移門のある広場に向かう。
「お!! いたいた!! 大将! 約束通り来たぜ!」
「お前は……」
そこにいたのは裸ベストにモヒカンと強烈な見た目の大男だった。
「おう! 大将ぅの忠実なる僕《しもべ》、ヴォルクただいま参上したぜぇ!!」
「はあ」
多分俺の幻影自己人形《ドッペルゴーレム》が救出した一人だろう。
ヴォルクなる男は俺を知ってるみたいだが俺は初見だ。こんなのが来るならあらかじめ報告してくれ。
「見るからに脳筋タイプですが魔力は申し分ないですね」
「ああ、せっかくだからあの仕事を任せてもいいかもな」
俺はなぜかマッスルポーズをキメこんでいるヴォルクに話かける。
「ちょうどいいところに来た。仕事を頼みたいんだがよろしいかな?」
「当然だぜ大将ぅ!! 完っ璧にこなしていせるぜぇ!!」
「はあ」
よく幻影自己人形《ドッペルゴーレム》はこいつにここまで好かれたな!!
◇
俺とヴォルクは魔王国より少し離れたところにある大森林に来ていた。
魔王国の周りは基本的に過剰な魔力汚染により荒廃した大地になっているが、少し離れれば富士の樹海の名残が残っている。
「大将、いったいこんなところになにがあるんです?」
「直にわかるさ」
ヴォルクは暇そうにダンベルを上げ下げしながらついてくる。
ここまでキャラを貫き通すと心地いいな。愛すべきバカというやつだ。
『何しに来た、人間よ』
「!? 何だ!?」
「ほう……」
咄嗟に俺の前に身を出し盾になるヴォルク。
バカだが見上げた忠誠心だ。
「下がるがいい。この声の主に用があったんだ」
俺はヴォルクを下げ、声の方に進む。
そこにいたのは……全長10mはある巨大な狼だった。
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