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第二章 ○○世界における魔王国の建国
第4話 条約締結
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「やあ初めまして。私は……」
『話を聞く気はない。さっさと立ち去るがいい』
巨大な狼は牙をむき「グルル……」とノドを鳴らす。
どうやらだいぶ警戒されてるみたいだな。
「少し話を……」
「おい! ワン公! 下手に出たら調子に乗りやがって!! 大将に失礼だと思わねえのか!!」
「………」
連れてきたのは間違いだったか?
話をややこしくしないでくれ……
『黙れ人間。私たちは静かに暮したいだけだ、もし帰らぬというのなら……」
気づけば周りを数十頭の狼が包囲している。
どうやら話をしているのは彼らの長みたいだ。
一糸乱れぬ統率。参考になる。
「いいぜワン公。そっちがその気ならやってやんよ!」
「おい……!!」
暴れようとするヴォルクを諫めようとした刹那、ヴォルクからとんでもない魔力が放たれるのを感じる。
「これは……!!」
ヴォルクの体が突如肥大化し、灰色の体毛が生えてくる。
目は赤く光り口は裂け爪は剣のように鋭く長くなる。
変化が収まるとそこには目の前の狼より更に大きな灰色のたくましい狼がいた。
『な……!? 貴様人間ではないのか!?』
狼が驚くのも当然だ、俺も驚いて開いた口がふさがらん。
こんな魔法聞いたこと無いぞ。
「俺の一族は代々狼を信仰してきた。そのせいか俺には狼に変身する力が宿ったんだぜ」
恐らく魔法というよりは贈呈物《ギフト》の類だろう。
ヴォルクという名はロシア語で狼という意味を持つ。そこらへんも関係してそうだ。
「どうだ? 人間じゃなければ話を聞いてくれるか?」
『ぐ……!! 仕方あるまい……』
てっきり戦うと思いきやヴォルクは狼の姿のまま交渉し、成功した。
「へえ……」
俺は思わず感心する。
こいつ、意外と頭がキレるな。
人間に不信感を持ってるのを察知して同種の姿になったってワケか。
どうやらただの脳筋では無いみたいだ。頼もしいぜ。
「それでは話をさせてもらおう。この地に住む狼の諸君、君たちには魔王国の食糧調達をお願いしたい」
『!? ふざけるな!! 貴様たちの奴隷になれというのか!!』
怒りに我を失った狼の長が牙をむき出しにして今にも襲い掛からんと構えるが、俺と狼の間にヴォルクが割込みそれを阻止する。
「おっと、俺がいる限り大将には牙一本触れさせねえぜ?」
ニッと牙を見せつけるヴォルク。
いいねえ。気に入ったぜ。
「もちろんただとは言わん。お前たち、蛇の魔獣に手を焼いてるそうじゃないか」
『なぜそれを……!!』
この森は以前からマーレに調べさせていた。
そのおかげで知能が高く念話まで習得している狼の魔獣がいて、そいつらが巨大な蛇の魔獣と戦っていることは報告されていた。
「俺たちに協力してくれるならそいつを倒してやってもいい」
『!?』
狼の長は顔色を変えずに聞いているが周りの狼たちの顔色は明らかに変わっている。
長も顔色は変えてないが内心はとても動揺しているのを共感覚で感じ取れる。
「それだけではない。安全な住居も提供しよう。我が国の敷地内にいれば狩りの最中子どもは安全だ。大人も見張りなしで休めるぞ。
『なるほど……』
魅力的な提案のはずだ。
彼らの戦闘力はこの森でも随一だが寝る時や子を守るときはどうしても隙が生まれるだろう。
「大将大将」
「ん?」
ヴォルクがデカい口を近づけ耳打ちしてくる。
牙が怖いわ。
「そんな事しなくても俺がタイマン挑んで従わせてもいいんだぜ?」
確かに獣相手ならばそれでもいいだろう。
しかし。
「私が彼らに目を付けたのは戦闘力ではなく知能の高さだ。そんな彼らを力で押さえつけては彼らの良さを殺してしまう。それに力による支配は私の美学に反する」
国民の中には力による支配にトラウマを持っている者も多いだろう。それを俺がするわけにはいかない。
「それにそのやり方では彼らのの外側しか支配できない。私が目指すのは外と内、両方を掌握する完全な支配だ」
と言ったもののこいつは理解できるだろうか。
今も俺の話を聞いてポケーっとしてやがる。
「………すげぇ」
「ん?なんて言った?」
「スゲえよ大将!! そんな事まで考えてるなんて!! っくぅ~、あんたに着いていくと決めた俺の判断は間違ってなかったみたいだな!」
おだてるのが上手いなこいつは。
少し楽しくなってきたぞ。
『確かに魅力的な提案だ。しかしそれを貴様が実行できるという保証がどこにある?』
「ククク、もっともな疑問だ。話が早くて助かるよ
ヴォルクより頭の回転が速い。
ますます欲しくなったぞ。
「実はあいつにそこまで来てもらってるんだ」
『まさか!?』
「キシャアァァァッ!!」
俺が指を鳴らすと気をなぎ倒し一匹の大蛇が現れ俺たち目がけて突っ込んでくる。
大木の如き太さで長さは20mはある。
一戸建てなら飲み込めるほど大きな口と鎧の如く頑強な鱗を持ち、牙から垂れる毒は一瞬で木々を溶かす。
『馬鹿者め!!対策なしで勝てる相手ではないぞ!!』
「まあ見てろ」
俺は暴れ狂う大蛇の前に踊りでる。
ちなみに大蛇をここまでおびき寄せたのは俺の自動操作人形《ゴーレム》だ。つまりこいつは俺にご立腹ってワケだ。
「キシャア!!」
「活きがいいな、殺すには惜しい」
大蛇の大きく開いた口が迫り今にも俺を飲み込まんとする。
『待て』
「!?」
俺の言葉に大蛇の動きがピタリと止まる。
大蛇はそろそろと口を閉じながら後退し俺の事を困惑した様子で観察する。
なぜ止まったのか自分でも理解できない様だ。
「いい子だ。こっちへ来るがいい」
「しゃあ……」
俺が手招きすると大蛇は頭《こうべ》をたれ俺の前に平伏する。
その頭を撫でてやるとぐるぐると甘えたようにノドを鳴らす。可愛い奴だ。
『バカな……!! 知性の欠片もない奴が人に隷属しただと……!?』
当然魔法の効果だが俺の使ったのは精神魔法みたいなチャチなモノなどではない。
『王の至言』
自分の国を持つ者だけが使える王属性の魔法だ。
放つ言葉に自らのカリスマ性を乗せることができ、それに屈服した者は声に従ってしまう魔法だ。特に野生動物に効果が高く、洗脳ではないので一度屈せば解けることはない。
「これで満足いただけたかな?」
『フン。最初から無理やり従わせようと思えば出来たという事か。よかろう、乗ってやる」
「協力感謝する。末永く頼むよ」
『我々が手を貸すんだ。簡単に滅んでくれるなよ?』
こうして我が魔王国最初の同盟は無事締結されたのだった。
『話を聞く気はない。さっさと立ち去るがいい』
巨大な狼は牙をむき「グルル……」とノドを鳴らす。
どうやらだいぶ警戒されてるみたいだな。
「少し話を……」
「おい! ワン公! 下手に出たら調子に乗りやがって!! 大将に失礼だと思わねえのか!!」
「………」
連れてきたのは間違いだったか?
話をややこしくしないでくれ……
『黙れ人間。私たちは静かに暮したいだけだ、もし帰らぬというのなら……」
気づけば周りを数十頭の狼が包囲している。
どうやら話をしているのは彼らの長みたいだ。
一糸乱れぬ統率。参考になる。
「いいぜワン公。そっちがその気ならやってやんよ!」
「おい……!!」
暴れようとするヴォルクを諫めようとした刹那、ヴォルクからとんでもない魔力が放たれるのを感じる。
「これは……!!」
ヴォルクの体が突如肥大化し、灰色の体毛が生えてくる。
目は赤く光り口は裂け爪は剣のように鋭く長くなる。
変化が収まるとそこには目の前の狼より更に大きな灰色のたくましい狼がいた。
『な……!? 貴様人間ではないのか!?』
狼が驚くのも当然だ、俺も驚いて開いた口がふさがらん。
こんな魔法聞いたこと無いぞ。
「俺の一族は代々狼を信仰してきた。そのせいか俺には狼に変身する力が宿ったんだぜ」
恐らく魔法というよりは贈呈物《ギフト》の類だろう。
ヴォルクという名はロシア語で狼という意味を持つ。そこらへんも関係してそうだ。
「どうだ? 人間じゃなければ話を聞いてくれるか?」
『ぐ……!! 仕方あるまい……』
てっきり戦うと思いきやヴォルクは狼の姿のまま交渉し、成功した。
「へえ……」
俺は思わず感心する。
こいつ、意外と頭がキレるな。
人間に不信感を持ってるのを察知して同種の姿になったってワケか。
どうやらただの脳筋では無いみたいだ。頼もしいぜ。
「それでは話をさせてもらおう。この地に住む狼の諸君、君たちには魔王国の食糧調達をお願いしたい」
『!? ふざけるな!! 貴様たちの奴隷になれというのか!!』
怒りに我を失った狼の長が牙をむき出しにして今にも襲い掛からんと構えるが、俺と狼の間にヴォルクが割込みそれを阻止する。
「おっと、俺がいる限り大将には牙一本触れさせねえぜ?」
ニッと牙を見せつけるヴォルク。
いいねえ。気に入ったぜ。
「もちろんただとは言わん。お前たち、蛇の魔獣に手を焼いてるそうじゃないか」
『なぜそれを……!!』
この森は以前からマーレに調べさせていた。
そのおかげで知能が高く念話まで習得している狼の魔獣がいて、そいつらが巨大な蛇の魔獣と戦っていることは報告されていた。
「俺たちに協力してくれるならそいつを倒してやってもいい」
『!?』
狼の長は顔色を変えずに聞いているが周りの狼たちの顔色は明らかに変わっている。
長も顔色は変えてないが内心はとても動揺しているのを共感覚で感じ取れる。
「それだけではない。安全な住居も提供しよう。我が国の敷地内にいれば狩りの最中子どもは安全だ。大人も見張りなしで休めるぞ。
『なるほど……』
魅力的な提案のはずだ。
彼らの戦闘力はこの森でも随一だが寝る時や子を守るときはどうしても隙が生まれるだろう。
「大将大将」
「ん?」
ヴォルクがデカい口を近づけ耳打ちしてくる。
牙が怖いわ。
「そんな事しなくても俺がタイマン挑んで従わせてもいいんだぜ?」
確かに獣相手ならばそれでもいいだろう。
しかし。
「私が彼らに目を付けたのは戦闘力ではなく知能の高さだ。そんな彼らを力で押さえつけては彼らの良さを殺してしまう。それに力による支配は私の美学に反する」
国民の中には力による支配にトラウマを持っている者も多いだろう。それを俺がするわけにはいかない。
「それにそのやり方では彼らのの外側しか支配できない。私が目指すのは外と内、両方を掌握する完全な支配だ」
と言ったもののこいつは理解できるだろうか。
今も俺の話を聞いてポケーっとしてやがる。
「………すげぇ」
「ん?なんて言った?」
「スゲえよ大将!! そんな事まで考えてるなんて!! っくぅ~、あんたに着いていくと決めた俺の判断は間違ってなかったみたいだな!」
おだてるのが上手いなこいつは。
少し楽しくなってきたぞ。
『確かに魅力的な提案だ。しかしそれを貴様が実行できるという保証がどこにある?』
「ククク、もっともな疑問だ。話が早くて助かるよ
ヴォルクより頭の回転が速い。
ますます欲しくなったぞ。
「実はあいつにそこまで来てもらってるんだ」
『まさか!?』
「キシャアァァァッ!!」
俺が指を鳴らすと気をなぎ倒し一匹の大蛇が現れ俺たち目がけて突っ込んでくる。
大木の如き太さで長さは20mはある。
一戸建てなら飲み込めるほど大きな口と鎧の如く頑強な鱗を持ち、牙から垂れる毒は一瞬で木々を溶かす。
『馬鹿者め!!対策なしで勝てる相手ではないぞ!!』
「まあ見てろ」
俺は暴れ狂う大蛇の前に踊りでる。
ちなみに大蛇をここまでおびき寄せたのは俺の自動操作人形《ゴーレム》だ。つまりこいつは俺にご立腹ってワケだ。
「キシャア!!」
「活きがいいな、殺すには惜しい」
大蛇の大きく開いた口が迫り今にも俺を飲み込まんとする。
『待て』
「!?」
俺の言葉に大蛇の動きがピタリと止まる。
大蛇はそろそろと口を閉じながら後退し俺の事を困惑した様子で観察する。
なぜ止まったのか自分でも理解できない様だ。
「いい子だ。こっちへ来るがいい」
「しゃあ……」
俺が手招きすると大蛇は頭《こうべ》をたれ俺の前に平伏する。
その頭を撫でてやるとぐるぐると甘えたようにノドを鳴らす。可愛い奴だ。
『バカな……!! 知性の欠片もない奴が人に隷属しただと……!?』
当然魔法の効果だが俺の使ったのは精神魔法みたいなチャチなモノなどではない。
『王の至言』
自分の国を持つ者だけが使える王属性の魔法だ。
放つ言葉に自らのカリスマ性を乗せることができ、それに屈服した者は声に従ってしまう魔法だ。特に野生動物に効果が高く、洗脳ではないので一度屈せば解けることはない。
「これで満足いただけたかな?」
『フン。最初から無理やり従わせようと思えば出来たという事か。よかろう、乗ってやる」
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俺はうんざりしながら答えた。
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6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
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