スキル「共感覚」のおかげで最強の魔法使いになったので魔人を集めて魔王になることにしました 〜最恐魔王の手さぐり建国ライフ!〜

熊乃げん骨

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第三章 開戦

第11話 突入!!金色邸!!

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 小さい頃、欲しいものは全て手に入った。

 行きたいところはどこでも連れてってもらえたし、何をしても褒められた。

 あの頃は世界は優しくて俺の味方なのだと信じて疑わなかった……


 そう、あの時までは。



 ◆




「こちらにお座りください」

 無駄に豪華でピカピカしているゴルディオの邸宅をしばらく進むと、広い部屋に案内される。

 部屋の中央には大きい長方形のテーブルが鎮座しており、ゴルディオの秘書にそこに座るよう促される。
 ちなみにテーブルも純金製みたいだ。果たして売ったらいくらになるのだろうか。

「うおっ、あの鎧スゲーな」
「確かに。よく出来てるな」

 席に座ると正面に置いてある、これまた純金製の大きい全身鎧《フルプレートメイル》が目に付く。
 魔力を感じられるため魔道具なのだろう。ゴルディオが着るのだろうか? 似合わなそうだ。

 それにしても魔道具にうるさい俺から見ても見事な出来だ。

 そんなことを思っているとあのうるさい声が聞こえてくる。

「ハハハ!! 待たせたな諸君!!」
「来たか……」

 俺たちが入ってきたのとは別の扉よりゴルディオが入室してくる。

 ゴルディオは昨日より更に服装が派手になっている。

 金ぴかのスーツに金ぴかの靴。
 純金のネックレスに指輪、ピアス、サングラス、etc……

 全身真っ金々の成金スタイル。
 昨日の服装はまだ遠慮していたみたいだな。

「さて、話し合いを始めようじゃないか」

 ゴルディオは俺たちの向かいにドカッと腰を下ろすとそう切り出してくる。

「話し合い……だと?」

 俺はその言葉にイラつき、純金製の机に右足の踵《かかと》を『ダン!』と振り下ろす。

「ふざけるなよ。もう話し合いなんて次元は超えてるんだ、俺たちはお喋りしに来たんじゃない。お前をぶち殺しに来たんだ」

「俺の真意も聞かずに早計じゃないかな? 何も俺はあんたの国を滅ぼしたいワケじゃないんだぜ?」

 もっともらしい事を言うゴルディオ。
 今すぐその頭吹っ飛ばしてもいいがここまで言われて何も聞かないのも後味が悪いか。

「……いいだろう。ここまで来たんだ、戯言くらい聞いてやろう」

「賢明な判断、感謝するよ。俺がお前らの国にちょっかいをかけた理由、それは……」




「お前の国を貰うためさ!!」



 舌を出し挑発的に言い放つゴルディオ。

 俺は体が急速に冷めていくのを感じる。
 どうやら人は怒りが頂点を突破すると冷静になるみたいだ……

 話を聞こうと思った俺が馬鹿だったよ。
 いいぜ。やってやるよ。

「ヴォルク」
「おうよ大将。俺も限界だぜ!」

 俺の呼びかけと共に目の前の不届き者に飛び掛かるヴォルク。

 既に半狼化しており、気合が入っているのかこの前よりも速く、鋭い。

「死にさらせやっ!!」

 ゴルディオの首元に迫る凶爪。

 しかしその一撃は思いもよらない人物に止められる。


「なにっ!!」

 すんでの所でヴォルクの腕を掴んだのは、なんと先ほどまで物言わぬ置物だった黄金の鎧だ。
 おそらく鎧に魔力遮断効果があるのだろう。
 まさか中に人がいるとはな。

「俺の自慢の騎士《ナイト》さ。遊んでやれ」
「御意」

 鎧の男は3m近い体躯を持つ。
 しかし半狼化したヴォルクも負けず劣らずデカい。十分勝てるだろう。

「そいつは任せたぞ」
「任せて下さい大将。アレ・・、使わせて貰います」

 ヴォルクはそう言うと「ふんぬらっ!!」と黄金騎士を壁に投げ飛ばす。
 黄金の壁はその衝撃に耐えきれず大穴が空き、隣の部屋とつながる。

「では俺たちは上でやりあうとしようか。いい場所を用意してある。」

 そう言い指を鳴らすと天上より階段が下りてくる。
 無駄なところに凝りやがる。

 嫌いじゃないがな。

「いいぜ、思う存分語り合おうじゃないか」

 俺はガン! と拳を突き合わせ宣言する。

「拳でな!!」




 ◇




「くくっ、取り残されてしもうたのお。折角じゃ、わしらもやるか?」

 4人が部屋から退出したことによりテレサとゴルディオの秘書、リアだけが残っていた。

「勘弁してください。私は戦闘は不得手なのです」
「ほう、その割には堂々としとるの。わしが怖くないのか?」

 テレサは妖艶に舌をペロリと出しながら杖をリアの顎に当てる。
 この距離なら彼女の首など痛みを感じる前に吹っ飛ばせるだろう。

「怖くないと言ったら嘘になります。しかしゴルディオ様から貴女は野蛮な方ではないと聞き及んでおります」
「かっ! あの若造め。知った口を聞きおって」

 テレサのそんな様子にリアは少し頬を緩める。
 やはり緊張しているようだ。

「それで? わざわざわしと二人きりになったんじゃ。何か言いたいことがあるんじゃろ?」

「話が早くて助かります。実は……」


 邸内で起こる二つの激戦をよそに女性たちの密会は静かに行われたのだった……
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