スキル「共感覚」のおかげで最強の魔法使いになったので魔人を集めて魔王になることにしました 〜最恐魔王の手さぐり建国ライフ!〜

熊乃げん骨

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第六章 戦乱の京

第19話 蛇

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「ん? あそこにいるのは虎鉄じゃないか?」
「ほんまやなぁ。なにしとんやろ?」

 虎鉄と別れしばらくハコと二人で調査を続けた俺たちだったが、残念ながら芭蘭につながる情報は得られなかった。
 そろそろ一旦切り上げ虎鉄と合流しようとしていたところ、偶然にも何も無い更地に立ちすくむ虎鉄を見つけたのだった。
 いったいこんな何もないところで何をやっていたのだろうか。

「こんなとこにいたのか虎鉄」

 声をかけると虎鉄は一瞬ビクッと震えたあと、ゆっくりと振り返り平静を装う。

「……ム、これは気づかず申し訳ありませぬ。少し考え事をしておりました」

「お前が上の空とは珍しい。何かあったのか?」

「いえ、特になにもな……」

 虎鉄が言葉を続けようとした瞬間、突然辺りに爆音が鳴り響く。
 それと同時に今まで感じたことのない異様な魔力が空気に満ちていく。

「ひぃ!? いったい何が起きとるん!?」

「何か出てきたぞ!」

 虎鉄が反応した方を見てみると陰陽京の中でも一際大きな建物の天井が吹き飛び、そこに空いた穴から巨大な白い蛇のような生物が顔を出していた。
 人を簡単に丸呑みできるほどの大きな口と20mはある巨大な体を持つその蛇は、怒り狂っているように暴れまわり京を破壊していく。
 そんな化け物が計8匹。これでは京が崩壊するのも時間の問題だ。

「殿。勝手ではありますがあの化け物の相手をさせていただけませんか」

 真剣な眼差しで虎鉄が俺に戦闘の許可を求める。
 本来であればこのような異常事態に頭を突っ込むべきではない。それは虎鉄も重々わかっているだろう。

 しかしここは虎鉄の故郷。
 頭でわかっていても割り切れるものではないだろう。

「……わかった。ただし危なくなったら逃げるんだぞ?」

「はっ!!」

 虎鉄は深く頭を下げると足早に現場へ走り去っていく。
 よほど心配なのだろうな。

「で? ウチらはどうすんや? ほとぼりが冷めるまで逃げるわけじゃないやろ?」

「当たり前だ。ハコにはあることをお願いしたい」

「ウチだけで? あんさんはどうすんや?」


「俺は……ある奴・・・に会ってくる」
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