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第六章 戦乱の京
第18話 をち水
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「おお……」と、その怪しい水を見た元老院たちから感嘆の声が漏れ出る。
ある者は手を伸ばし、またある者は涙を流す始末。それほど彼らにとって『老い』とは恐ろしいものなのだ。
「……成る程。『不老』に釣られたのですね。実に愚かで嘆かわしい」
龍々家は悲しげな声で元老院を非難する。
「お前も直にわかるさ。手にした物を失う辛さは失わないとわかるまい」
「分かりたくもねえな。そんな怪しいもんを飲むくらいならポックリ逝った方がマシだぜ」
「そうね。それに失う辛さなら私たちだって知ってるわ」
興亀と虎虎が元老院の言葉に真っ向から反対する。
元老院はその様子を見て彼らを仲間にするのは不可能と判断し、残りの二人へ勧誘をする。
「青松院よ、お前はどうだ? 共に永遠の力で京を繁栄させようではないか!」
目を見開き、焦点の定まっていない瞳で元老院は訴える。
すでに彼らは正気ではない。
「私は……」
俯きながら龍々家は答え始める。
同時に興亀と虎虎は答える龍々家に注意しながら密かに魔力を溜める。
もし龍々家が向こうにつくならここで仕留めなければいけない。
「私は、この身を京とそこに住まう民に捧げております」
「おおそうか! ならば共に京の為に……」
「はい。だからこそ私欲の為にその身を売ったあなた方とは共に戦えない」
ジャキリ、と杖の先端を元老院たちに向け龍々家は臨戦態勢を取る。
薄く開かれたその目には強い決意を感じられ、とても軽い言葉では覆りそうにない。
「なんと愚かな……」
「愚かなのはあなた方だ。先の戦いで我々は多くのものを失った。しかし、それでも前に進み強くなった。しかし貴様らはそうだ? 戦いから逃げ出しただけに飽き足らず次は永遠の命とは。人間の強さは心の強さ、貴様らに陰陽師を名乗る資格などない!!」
語気を荒げ元老院を強く非難する龍々家。
ここまで感情を露わにする彼を初めて見た他の三人は思わず呆気にとられてしまう。
そして同時に理解する。
一見言葉が少なく周りに興味がなさそうに見える彼だが、その心の中では誰よりもこの京を愛する同士だということを。
「へへ……自分が嫌になるぜまさかお前がそんな風に考えてたなんて思わなかったぜ」
「そうね。だけどもう間違えないわ」
構える龍々家に並び立つように興亀と虎虎も武器を構える。
その様子を見た元老院は忌々しげに舌打ちをすると残る一人に声をかける。
「朱凰院よ、お前はわかってくれるな?」
「え、俺? えーとですねそりゃもちろん……」
言葉を濁しながら雀長は他の三人の顔を伺う。
はっきりとしない雀長に向けられる三人の顔はとても冷ややかであり、気の弱い彼はそれでけで心臓が縮みあがり気を失いそうだった。
「いやあ……俺も協力したいのは山々なんですけどね。ほら俺の同期ってみんなおっかないじゃないですか? だから、その……今回は諦めてもらえますか?」
申し訳なさそうにしながらも雀長は元老院に向け己の得物である鉄扇を突きつける。
「愚か、実に愚か……!」
唇を噛み憎々しげに四人を睨みつける元老院。
そんな彼らとは対照的に芭蘭はのほほんとしている。どうやら彼からしたら四人が仲間になるかどうかなどどうでもいいようだ。
「どうやら交渉は決裂のようですね。ではとっとと済ませましょう」
パチン! と芭蘭が指を鳴らすと八人の元老院の前へ『をち水』がなみなみと注がれたグラスが現れる。
「さあ、どうぞぐぐいと」
「ああ、とうとう永遠が我々のものに……」
恍惚とした表情で元老院たちはグラスを手に取ると一気に飲み干す。
「ああ、なんという高揚感……!!」
飲んだ瞬間、水に含まれる未知の成分が体に溶け込み体を変質させていく。
「さあ! 楽しいパーティを始めましょう!」
ある者は手を伸ばし、またある者は涙を流す始末。それほど彼らにとって『老い』とは恐ろしいものなのだ。
「……成る程。『不老』に釣られたのですね。実に愚かで嘆かわしい」
龍々家は悲しげな声で元老院を非難する。
「お前も直にわかるさ。手にした物を失う辛さは失わないとわかるまい」
「分かりたくもねえな。そんな怪しいもんを飲むくらいならポックリ逝った方がマシだぜ」
「そうね。それに失う辛さなら私たちだって知ってるわ」
興亀と虎虎が元老院の言葉に真っ向から反対する。
元老院はその様子を見て彼らを仲間にするのは不可能と判断し、残りの二人へ勧誘をする。
「青松院よ、お前はどうだ? 共に永遠の力で京を繁栄させようではないか!」
目を見開き、焦点の定まっていない瞳で元老院は訴える。
すでに彼らは正気ではない。
「私は……」
俯きながら龍々家は答え始める。
同時に興亀と虎虎は答える龍々家に注意しながら密かに魔力を溜める。
もし龍々家が向こうにつくならここで仕留めなければいけない。
「私は、この身を京とそこに住まう民に捧げております」
「おおそうか! ならば共に京の為に……」
「はい。だからこそ私欲の為にその身を売ったあなた方とは共に戦えない」
ジャキリ、と杖の先端を元老院たちに向け龍々家は臨戦態勢を取る。
薄く開かれたその目には強い決意を感じられ、とても軽い言葉では覆りそうにない。
「なんと愚かな……」
「愚かなのはあなた方だ。先の戦いで我々は多くのものを失った。しかし、それでも前に進み強くなった。しかし貴様らはそうだ? 戦いから逃げ出しただけに飽き足らず次は永遠の命とは。人間の強さは心の強さ、貴様らに陰陽師を名乗る資格などない!!」
語気を荒げ元老院を強く非難する龍々家。
ここまで感情を露わにする彼を初めて見た他の三人は思わず呆気にとられてしまう。
そして同時に理解する。
一見言葉が少なく周りに興味がなさそうに見える彼だが、その心の中では誰よりもこの京を愛する同士だということを。
「へへ……自分が嫌になるぜまさかお前がそんな風に考えてたなんて思わなかったぜ」
「そうね。だけどもう間違えないわ」
構える龍々家に並び立つように興亀と虎虎も武器を構える。
その様子を見た元老院は忌々しげに舌打ちをすると残る一人に声をかける。
「朱凰院よ、お前はわかってくれるな?」
「え、俺? えーとですねそりゃもちろん……」
言葉を濁しながら雀長は他の三人の顔を伺う。
はっきりとしない雀長に向けられる三人の顔はとても冷ややかであり、気の弱い彼はそれでけで心臓が縮みあがり気を失いそうだった。
「いやあ……俺も協力したいのは山々なんですけどね。ほら俺の同期ってみんなおっかないじゃないですか? だから、その……今回は諦めてもらえますか?」
申し訳なさそうにしながらも雀長は元老院に向け己の得物である鉄扇を突きつける。
「愚か、実に愚か……!」
唇を噛み憎々しげに四人を睨みつける元老院。
そんな彼らとは対照的に芭蘭はのほほんとしている。どうやら彼からしたら四人が仲間になるかどうかなどどうでもいいようだ。
「どうやら交渉は決裂のようですね。ではとっとと済ませましょう」
パチン! と芭蘭が指を鳴らすと八人の元老院の前へ『をち水』がなみなみと注がれたグラスが現れる。
「さあ、どうぞぐぐいと」
「ああ、とうとう永遠が我々のものに……」
恍惚とした表情で元老院たちはグラスを手に取ると一気に飲み干す。
「ああ、なんという高揚感……!!」
飲んだ瞬間、水に含まれる未知の成分が体に溶け込み体を変質させていく。
「さあ! 楽しいパーティを始めましょう!」
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