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第七章 憤怒の果てに
第7話 水球
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女王の間で二人が杖を構えお互いの出方を伺う。
常人から見たら理解できないが、二人は相手の魔力の練り方を見て次に出す魔法を予測しようとしている。
もちろん相手が自分の魔力を観察していることは双方理解しているので、相手に自分の使う魔法を悟られぬよう通常とは違う練り方で魔力を練るといったことまでしている。
「かかっ、まさかお前と本気で相まみえる事になるとはの」
「ふふっ、そうですね」
お互い顔はにこやかだが、その部屋は二人の殺気で充満している。
油断すれば一瞬で勝負がつくことをお互いが理解しているのだ。
そんな中先に動いたのはテレサだった。
一瞬で魔力を複雑に練り込みマーレに構築する魔法を悟られないようにする。
「紅玉の弾幕!!」
テレサの掛け声とともに拳大ほどのルビが大量にマーレへ降り注ぐ。
このルビーは一つ一つが魔力を吸収する能力を持つ。魔力を吸えば吸うほど硬く速くなるためこの魔法は対魔法使いに特化しているのだ。
マーレ目掛け飛んでいく魔法。
その一つ一つが致命傷を与えうるものと知りつつもマーレは慌てていなかった。
マーレは近づいてくる魔法を気にせずに魔法を構築し始める。
彼女の体から放たれる魔力は彼女の前方に集まっていき一つの水の球体が出来上がっていく。
「なんじゃあれは……?」
その魔法は魔法のスペシャリストであるテレサも見たことがないものだった。
最初は水色だった宙に浮く水球だが、徐々に色が深く黒くなっていき最終的に黒に限りなく近い青色になる。大きさは1m程だ。
(いったいどんな魔法なんじゃ? しかし今はそれを考えている暇はない!)
テレサはひとまず魔法のことを忘れ攻撃に専念する。
しかしテレサはその魔法の正体をすぐに知ることになる。
「目を覚ましなさい。群青色の星」
紅玉の弾幕がマーレに着弾するかという瞬間、それは動きを見せた。
いや動きを見せたというのは語弊があるかもしれない。正確に言えば動きを見せたのはテレサの魔法だからだ。
「な!? わしの魔法が曲がった!?」
なんと放物線を描くようにしてマーレへ向かっていったルビーが突如軌道を変え、水球に向かっていったのだ。
そして進路を変え水球に当たったテレサの魔法はバシャバシャバシャ!! と音を立てて水球の中に入っていき……出てくることはなかった。
その様子を見たテレサは魔法の正体に気づき小さく舌打ちをする。
その魔法あテレサが想定した中でもかなり最悪の部類で厄介だったからだ。
「重力……か。厄介な魔法を使いおる!」
「ふふ、お褒めに預かり光栄だわ」
マーレの出した水球は極限まで水を圧縮した代物だ。
高密度に圧縮された水は黒く染まり、まるで小さな『深海』へと姿を変える。
密度が高いということは質量も大きい。そして質量が大きいということは……
「重力が生まれる。この魔法は今や小さな星のようなもの、哀れ引き寄せられたモノは吸い込まれ抜け出すことは叶わない……」
「かかっ。簡単に行ってくれるわ。いったいどれほど魔力があればそんな物を作れるんじゃ」
単純《シンプル》な物量による攻撃。
それはテレサの苦手なものだった。
搦手であれば豊富な経験と卓越した技術を持つ彼女の右に出る者はいない。
しかしまだ成長途中の肉体である彼女にはまだ全盛期の半分の魔力もない。純粋な瞬間火力でいえば幹部の中でも低位に位置する。
「さあ、休む暇は与えませんよ!」
マーレが杖を振ると水球がテレサ目掛けて動き出す!
とんでもない質量だというのにかなりのスピードだ。
「ちぃ! 真紅の両羽翼!!」
テレサは身にまとうマントをコウモリのような羽に変え飛ぶようにして水球から距離を取る。
アレに近づいてしまえば立ちどころに吸い込まれ、中に入ったら原型も残らず押しつぶされてしまうだろう。
なのでよく観察することもできず、ほぐしも使えない。
かといって結界を張って閉じ込めてもそれをぶち壊して進むだろう。何という力押しの魔法なのだとテレサは怒りすら覚えた。
しかし水球から距離を取ったことでテレサはあることに気づく。
マーレは水球を攻撃に使ったせいで防御が手薄になっているのだ。
流石にあの化け物魔法を使いながらでは防御にまで手は回らないのだろう。テレサはそう当たりをつけて地面スレスレを飛びながらマーレに魔法を放つ。
「緑宝玉の竜巻!!」
高密度の竜巻が鋭利なエメラルド巻き上げながらマーレに襲いかかる!
テレサ渾身の攻撃はマーレに命中した……かに思えたが、次の瞬間驚くべき事が起きる。
「二個目……じゃと!?」
なんと二個目の水球が現れテレサの攻撃を全て吸い取ってしまったのだ。
テレサはマーレのことを侮っていない。
むしろ彼女のことを内心では高く買っていた。
しかしこれはあまりにも予想外。あまりにも規格外。
「行きなさい」
しかしそんな動揺など意に介さずマーレは二個目の水球にも攻撃司令を出す。
二つの水球はその数を活かし挟み込むようにテレサを狙う。
「くっ!」
急いで逃げようとするテレサだが動揺したせいで対処が遅れ水球の持つ重力の範囲内に入ってしまう。
そのせいで二つの方向から引き寄せられるテレサは動くことができなくなってしまった。
このままでは二つの水球に挟まれ体が二つに裂けてしまう。
「ちぃ! 真紅の波動!!」
テレサは自分の渾身の魔法を、なんと床に向けて放った。
地面に激突した強大な力の波はテレサに跳ね返り、彼女を天井まで吹き飛ばす。
テレサは天井に激突し一瞬意識を失いかけるもすぐに気合で持ち直し、水球から離れたところへ高速で逃げ込む。
「はあ……はあ……」
「まさか自爆覚悟で抜け出すとはね。そんな泥臭い戦い方をするとは思わなかったわ」
息も絶え絶えのテレサと未だ余裕の表情を浮かべるマーレ。
どちらが有利な状況なのかは素人でもわかるだろう。
「まさかここまでとはの。仕方ない、アレを使うとするかの」
テレサはそうボヤくと何やら古めかしい懐中時計を取り出す。
「それは一体……!?」
その時計を見たマーレの顔が曇る。
なぜならその時計からとてつもない魔力を感じたからだ。
(間違いない、アレはジーク様が作った魔道具!)
「くく、貴様に見せてやろう!! わしの本当の姿を!!」
そう叫びテレサが魔道具を起動すると、女王の間全体に光が満ち溢れ……そして収まる。
特にマーレには何も起きていない。
しかしテレサにはとてつもない変化が起きていた。
「その姿は……!」
「くく、流石にちと服が小さいのお」
なんとそこには大人になり妖艶なオーラを出すテレサがいた。胸やお尻は何倍にも膨れており彼女のただでさえ扇情的な服をいっそう際立たせている。
テレサは自身に満ちた目でマーレを見据え、言い放つ!
「さあ、ここからが本番じゃ!!」
常人から見たら理解できないが、二人は相手の魔力の練り方を見て次に出す魔法を予測しようとしている。
もちろん相手が自分の魔力を観察していることは双方理解しているので、相手に自分の使う魔法を悟られぬよう通常とは違う練り方で魔力を練るといったことまでしている。
「かかっ、まさかお前と本気で相まみえる事になるとはの」
「ふふっ、そうですね」
お互い顔はにこやかだが、その部屋は二人の殺気で充満している。
油断すれば一瞬で勝負がつくことをお互いが理解しているのだ。
そんな中先に動いたのはテレサだった。
一瞬で魔力を複雑に練り込みマーレに構築する魔法を悟られないようにする。
「紅玉の弾幕!!」
テレサの掛け声とともに拳大ほどのルビが大量にマーレへ降り注ぐ。
このルビーは一つ一つが魔力を吸収する能力を持つ。魔力を吸えば吸うほど硬く速くなるためこの魔法は対魔法使いに特化しているのだ。
マーレ目掛け飛んでいく魔法。
その一つ一つが致命傷を与えうるものと知りつつもマーレは慌てていなかった。
マーレは近づいてくる魔法を気にせずに魔法を構築し始める。
彼女の体から放たれる魔力は彼女の前方に集まっていき一つの水の球体が出来上がっていく。
「なんじゃあれは……?」
その魔法は魔法のスペシャリストであるテレサも見たことがないものだった。
最初は水色だった宙に浮く水球だが、徐々に色が深く黒くなっていき最終的に黒に限りなく近い青色になる。大きさは1m程だ。
(いったいどんな魔法なんじゃ? しかし今はそれを考えている暇はない!)
テレサはひとまず魔法のことを忘れ攻撃に専念する。
しかしテレサはその魔法の正体をすぐに知ることになる。
「目を覚ましなさい。群青色の星」
紅玉の弾幕がマーレに着弾するかという瞬間、それは動きを見せた。
いや動きを見せたというのは語弊があるかもしれない。正確に言えば動きを見せたのはテレサの魔法だからだ。
「な!? わしの魔法が曲がった!?」
なんと放物線を描くようにしてマーレへ向かっていったルビーが突如軌道を変え、水球に向かっていったのだ。
そして進路を変え水球に当たったテレサの魔法はバシャバシャバシャ!! と音を立てて水球の中に入っていき……出てくることはなかった。
その様子を見たテレサは魔法の正体に気づき小さく舌打ちをする。
その魔法あテレサが想定した中でもかなり最悪の部類で厄介だったからだ。
「重力……か。厄介な魔法を使いおる!」
「ふふ、お褒めに預かり光栄だわ」
マーレの出した水球は極限まで水を圧縮した代物だ。
高密度に圧縮された水は黒く染まり、まるで小さな『深海』へと姿を変える。
密度が高いということは質量も大きい。そして質量が大きいということは……
「重力が生まれる。この魔法は今や小さな星のようなもの、哀れ引き寄せられたモノは吸い込まれ抜け出すことは叶わない……」
「かかっ。簡単に行ってくれるわ。いったいどれほど魔力があればそんな物を作れるんじゃ」
単純《シンプル》な物量による攻撃。
それはテレサの苦手なものだった。
搦手であれば豊富な経験と卓越した技術を持つ彼女の右に出る者はいない。
しかしまだ成長途中の肉体である彼女にはまだ全盛期の半分の魔力もない。純粋な瞬間火力でいえば幹部の中でも低位に位置する。
「さあ、休む暇は与えませんよ!」
マーレが杖を振ると水球がテレサ目掛けて動き出す!
とんでもない質量だというのにかなりのスピードだ。
「ちぃ! 真紅の両羽翼!!」
テレサは身にまとうマントをコウモリのような羽に変え飛ぶようにして水球から距離を取る。
アレに近づいてしまえば立ちどころに吸い込まれ、中に入ったら原型も残らず押しつぶされてしまうだろう。
なのでよく観察することもできず、ほぐしも使えない。
かといって結界を張って閉じ込めてもそれをぶち壊して進むだろう。何という力押しの魔法なのだとテレサは怒りすら覚えた。
しかし水球から距離を取ったことでテレサはあることに気づく。
マーレは水球を攻撃に使ったせいで防御が手薄になっているのだ。
流石にあの化け物魔法を使いながらでは防御にまで手は回らないのだろう。テレサはそう当たりをつけて地面スレスレを飛びながらマーレに魔法を放つ。
「緑宝玉の竜巻!!」
高密度の竜巻が鋭利なエメラルド巻き上げながらマーレに襲いかかる!
テレサ渾身の攻撃はマーレに命中した……かに思えたが、次の瞬間驚くべき事が起きる。
「二個目……じゃと!?」
なんと二個目の水球が現れテレサの攻撃を全て吸い取ってしまったのだ。
テレサはマーレのことを侮っていない。
むしろ彼女のことを内心では高く買っていた。
しかしこれはあまりにも予想外。あまりにも規格外。
「行きなさい」
しかしそんな動揺など意に介さずマーレは二個目の水球にも攻撃司令を出す。
二つの水球はその数を活かし挟み込むようにテレサを狙う。
「くっ!」
急いで逃げようとするテレサだが動揺したせいで対処が遅れ水球の持つ重力の範囲内に入ってしまう。
そのせいで二つの方向から引き寄せられるテレサは動くことができなくなってしまった。
このままでは二つの水球に挟まれ体が二つに裂けてしまう。
「ちぃ! 真紅の波動!!」
テレサは自分の渾身の魔法を、なんと床に向けて放った。
地面に激突した強大な力の波はテレサに跳ね返り、彼女を天井まで吹き飛ばす。
テレサは天井に激突し一瞬意識を失いかけるもすぐに気合で持ち直し、水球から離れたところへ高速で逃げ込む。
「はあ……はあ……」
「まさか自爆覚悟で抜け出すとはね。そんな泥臭い戦い方をするとは思わなかったわ」
息も絶え絶えのテレサと未だ余裕の表情を浮かべるマーレ。
どちらが有利な状況なのかは素人でもわかるだろう。
「まさかここまでとはの。仕方ない、アレを使うとするかの」
テレサはそうボヤくと何やら古めかしい懐中時計を取り出す。
「それは一体……!?」
その時計を見たマーレの顔が曇る。
なぜならその時計からとてつもない魔力を感じたからだ。
(間違いない、アレはジーク様が作った魔道具!)
「くく、貴様に見せてやろう!! わしの本当の姿を!!」
そう叫びテレサが魔道具を起動すると、女王の間全体に光が満ち溢れ……そして収まる。
特にマーレには何も起きていない。
しかしテレサにはとてつもない変化が起きていた。
「その姿は……!」
「くく、流石にちと服が小さいのお」
なんとそこには大人になり妖艶なオーラを出すテレサがいた。胸やお尻は何倍にも膨れており彼女のただでさえ扇情的な服をいっそう際立たせている。
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俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
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そして正義は、リーダーとして皆に言った。
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