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第1話:出会い。
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季節は8月。
それは蝉の鳴き声がやたらうっとしい暑い夏に始まった。
僕の名前は「藍原 悠人」
某看板屋さんに勤めるプロの職人。
年齢は35才。
仕事はトラックや箱バンのボディーに店名や社名のシールを貼る
仕事をしていた。
ほとんど出先の個人の車屋さんやメーカーでの作業が主だった。
その日も僕は、個人の車屋さんへ社名のシール貼りを頼まれて朝からでかけた。
その車屋さんの社長さんとは、10年来のお得意さんでタメ口で話せるくらい
親しくしてもらっていた。
仕事は慣れた作業だったので、すぐ終わるはすだったが加工用のカッターを
忘れてることに気がついた僕は、会社に取りに帰ろうかと思った。
でも、もしかしたら事務所へ行けば、カッターの一個や二個くらいある
だろうと思って、そのまま事務所を除いた。
そしたら
「いらっしゃいませ」
って明るい声がして、一人の女の子がこちらを見ていて軽くお辞儀をした。
一瞬、えっ?って僕は思った。
(ん?誰・・・あ~新しい事務員さん?)
「あの、すいません、カッターあったら貸していただけませんか?」
そう言うと事務員さんは机からカッターを出して僕に渡してくれた。
「それでよろしいですか?」
「はい、ありがとうございます」
「じゃ~ちょっとお借ります」
僕は事務所から出て、もう一度、若い事務員さんのことを思い出した。
気になったからだ・・・それほど僕には彼女が印象的だった。
その子の顔には、まだあどけなさが残っていて化粧っ気もなく・・・
髪は今時にしては珍しく黒髪のロングをポニーテールにしていた。
社会に出てまださほど日にちも経ってないのかと思った。
初々しい感じの子だ。
たしか7月にはいなかったし、一週間前までにもいなかった。
やっぱり今年、学校を卒業して入社した事務員さん?って思った。
でも季節は夏・・・入社するなら春過ぎだよなって僕は思った。
でも、まだ仕事が残っていたので、そこまでは深くは考えなかった。
作業が無事、終わったて僕は事務所にカッターを返しに言った。
また彼女に会えるかと、少し胸が弾んだ。
でも、あいにく彼女は事務所にいなかった。
(カッターありがとう、助かりました)
そうメモに書き残してカッターと一緒に彼女の机の上に置いてきた。
もう一度会いたかった・・・可愛くて感じのいい子だと思ったから・・・。
もしかして、一目惚れ?・・・淡い恋心か・・・。
(でも僕と彼女とじゃ歳が離れすぎてるだろうからな・・・)
そう思って僕は苦笑いした。
でも彼女の胸にかかっていた名札は見逃さなかった。
彼女の名前は「成瀬 凛」
それが彼女の名前。
まさか、この先、その子が、その事務員さんが僕の彼女になるなんて
その時、思いもしなかった。
つづく。
それは蝉の鳴き声がやたらうっとしい暑い夏に始まった。
僕の名前は「藍原 悠人」
某看板屋さんに勤めるプロの職人。
年齢は35才。
仕事はトラックや箱バンのボディーに店名や社名のシールを貼る
仕事をしていた。
ほとんど出先の個人の車屋さんやメーカーでの作業が主だった。
その日も僕は、個人の車屋さんへ社名のシール貼りを頼まれて朝からでかけた。
その車屋さんの社長さんとは、10年来のお得意さんでタメ口で話せるくらい
親しくしてもらっていた。
仕事は慣れた作業だったので、すぐ終わるはすだったが加工用のカッターを
忘れてることに気がついた僕は、会社に取りに帰ろうかと思った。
でも、もしかしたら事務所へ行けば、カッターの一個や二個くらいある
だろうと思って、そのまま事務所を除いた。
そしたら
「いらっしゃいませ」
って明るい声がして、一人の女の子がこちらを見ていて軽くお辞儀をした。
一瞬、えっ?って僕は思った。
(ん?誰・・・あ~新しい事務員さん?)
「あの、すいません、カッターあったら貸していただけませんか?」
そう言うと事務員さんは机からカッターを出して僕に渡してくれた。
「それでよろしいですか?」
「はい、ありがとうございます」
「じゃ~ちょっとお借ります」
僕は事務所から出て、もう一度、若い事務員さんのことを思い出した。
気になったからだ・・・それほど僕には彼女が印象的だった。
その子の顔には、まだあどけなさが残っていて化粧っ気もなく・・・
髪は今時にしては珍しく黒髪のロングをポニーテールにしていた。
社会に出てまださほど日にちも経ってないのかと思った。
初々しい感じの子だ。
たしか7月にはいなかったし、一週間前までにもいなかった。
やっぱり今年、学校を卒業して入社した事務員さん?って思った。
でも季節は夏・・・入社するなら春過ぎだよなって僕は思った。
でも、まだ仕事が残っていたので、そこまでは深くは考えなかった。
作業が無事、終わったて僕は事務所にカッターを返しに言った。
また彼女に会えるかと、少し胸が弾んだ。
でも、あいにく彼女は事務所にいなかった。
(カッターありがとう、助かりました)
そうメモに書き残してカッターと一緒に彼女の机の上に置いてきた。
もう一度会いたかった・・・可愛くて感じのいい子だと思ったから・・・。
もしかして、一目惚れ?・・・淡い恋心か・・・。
(でも僕と彼女とじゃ歳が離れすぎてるだろうからな・・・)
そう思って僕は苦笑いした。
でも彼女の胸にかかっていた名札は見逃さなかった。
彼女の名前は「成瀬 凛」
それが彼女の名前。
まさか、この先、その子が、その事務員さんが僕の彼女になるなんて
その時、思いもしなかった。
つづく。
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