走る婦警さん。

猫野 尻尾

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最終話:恐るべし婦警さん。

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「そこまで!!動かないで・・・全員逮捕します!!」

その声に驚いて犯人たちが振り向くと、そこに拳銃をかまえた婦人警官が立っていた。

「げげっ・・・・振り切ったと思ったのに・・・おまわりじゃねえか」

すると別の奴が言った。

「なんだ?こいつだけか?」
「他の連中はまだ来てないようだな」
「婦人警官ひとりたあ、度胸あるじゃねえかよ・・・ネエちゃん」

「動かないで・・撃つわよ」

「上等じゃねえか?おまえ・・・人撃ったことあんのかよ」

「動かないでって言ってるでしょ」

心音はすぐに自分のスマホに話しかけた。

「錨さん・・・・何やってるんですか?」
「犯人たち抑えてますから早く来てください」

《心音か?バカやろう・・・また余計なことに顔つっこみやがって!!》

「そんなことそうでもいいですから、早く応援よこしてください」

「なにごちゃごちゃやってんだよ」

そう言うと最初に心音に声をかけた男が近ずいてきた。

「ネエちゃん・・・前の海に沈みてえか?」

「来ないで、本当に撃ちますよ」

「おう、撃ってみろよヘタレ女」

そい言われて心音は拳銃を一発撃った。
婦警さんと言えども一応は銃の撃ち方の練習はしてるわけで弾は男の額に
みごとに命中した。

「おわっ・・・っと」
「いってえ~・・・なにしやがる、このアマ~」

「動かないでって・・・また撃つわよ」」

「なんだよ、それエアガンじゃじゃねえかよ・・・ふざけやがって」

「錨さん・・・ヨッシーなにやってんのよ、早く来て」

そう思った時パトカーのサイレンの音が聞こえた。

「やっと来た・・・よかった」

「くそっ、ヤバイぞ・・・おまわりが来やがった」
「金だけ奪って、とっととにここから、ずらかるぞ」

心音がエアガンで撃った男が逃げようとしたので、心音はすかさず
男に近ずくと手を取って腕ごとひっくり返って男のバランスを崩した。

「いててて・・・野郎痛いじゃねんか?離しやがれ」

人間の骨格の仕組みを利用した合気道の基本技だ。

「逃がさないわよ」

すると錨さんとヨッシーを筆頭に捜査一課及び警官たちが倉庫に踏み込んできた。

「心音、大丈夫か?」

「いかりさ~ん・・・ここで~す・・・ここここ」

「心音・・おまえなにやってんだよ」

「ヨッシー遅いよ」
「犯人、犯人・・・捕まえたよ」

「まあな、お手柄だよ・・・けど危険なことはやめろよ・・・」
「これでも心配してやってるんだからな・・・あとは俺たちの任せて湾岸署にとっとと帰れ」

ってことで心色の活躍で6億円強奪犯たちはめでたく逮捕された。

心音はとうぜん上司から大目玉を食らった。
でも犯人早期逮捕ってことで今回も上からのお咎めはなし、始末書だけで済んだ。

「心音・・・これはなんだ?」

錨さんは右手に心音が犯人逮捕の時に使ったエアガンを持っていた。

「あ、それ?」

「なんでこんなもん持ってんだよ」

「護身用兼趣味の範囲です」

「エアガンでも婦警がこんなもん持ってぶっ放しちゃいかんだろうが?」

「それ自衛隊の特殊作戦群が装備しているH&K USPです」
「ちなみに家に同じく自衛隊所有のM9ってサブマシンガンも持ってます」
「他には・・・」

「そんなことどうでもいいわ・・・オタク女が・・・」
「おまえの上司には黙っておいてやるから、とっとと持って帰れ」

「はい、すいません」

心音はいつか時間が取れたらサバゲーに参加したいと密かに思っていた。

現金強奪事件のあと湾岸署にはそれなりに暇が戻ってきていた。

でもそのあと心音は検問にひっかかった黒い軽四の中から大麻を発見している。
心音は犬並みに嗅覚がするどいのだ。

大麻を所有していた男から芋ずる式に薬の取引現場の情報を得ることができて
あげくに薬密売の組織壊滅という大それた事件の解決に発展していった。

恐るべし婦警さん。
婦警さん辞めて空港で働く麻薬取締官にでもなればいいと思うんだけど
でもそれじゃ~つまんない・・・薬の匂いより事件の匂いがしないと。

そして今日も今日とて心音は捜査一課でハエみたいにうろちょろして錨さんから
ウザがられていた。

「花園・・・心音、なにまた捜査一課でうろちょろしてんだよ」

「すいません、部屋を間違えたみたいです」

「おまえな、そのセルフもう聞き飽きたわ」
「なんか別の言い訳持ってこいよ」

「事件なんか、早々ねえんだから真面目に自分の職務を全うしろ~!!」
「ハエみたいに、ここでうろちょろするんじゃねえわ・・・」
「ハエたたきで、しばくぞ」

おしまい。
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