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16 町長さんの依頼を受けます
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「ハハハ……ちょっといいかエミリア」
「ん、どうしたの?」
「あのなぁ、俺はあまり目立ちたくないって言っただろ? 俺が狙われたらエミリアも危険だ。何の為に1人で街まで行ってくれたんだよ。もしこの町長さんに俺やハクの情報が伝わっていたらどうッ……「――それは大丈夫! ちゃんと町長さんに確認したから!」
エミリアは屈託のない笑顔を俺に向けて言ってきた。
「いや、そういう事じゃなくて。俺達は今から王都にも向かわなきゃいけないだろ」
「ごめんなさい。それは分かっていたんだけど、たまたま町長さんと街の方が話しているのが聞こえちゃって……。とても困ってるみたいだからどうかお願いします!」
「言ってる事滅茶苦茶だぞ。俺は困った人を助けるヒーローじゃない」
「勿論それも分かってるけどそこを何とか! ヒーローになれるチャンスだよ!」
やっぱり仲間にしなければ良かったと率直に思ったが、俺とエミリアが口論しているとハクが俺の足元に寄ってきた。
「どうしたハク。 まさかお前この村長の助けろとか思ってるんじゃ……」
「バウ!」
ハクはそうだと言わんばかりに大きく吠えた。
どうやら俺はもう請け負うしかないらしい。何だ?まるで俺が空気読めない奴みたいなこの雰囲気は。
思うところが多々あったが、エミリアとハクに促された俺は一先ず町長さんの話を聞く事にした。すると町長さんは「ありがとうございます」と言いながら話を始めた――。
町長さんの話しによると、街から南に数キロ行った場所に石碑が置かれた広場があるらしく、そこは昔から街の人達が先祖への祈りの為に皆で管理している場所との事。
だがここ暫くの間、終焉の影響でノーバディが出没しているせいで街の皆が石碑に行く事が出来ず、その間に何やら怪しい者達が石碑の場所に住み着いてしまった挙句に不審な行動をしているそうだ。
村長さんが俺に頼みたいのは、この怪しい者達を石碑の場所から退去させる事。
話を聞いた俺は「申し訳ないがそれは俺じゃなくて王都の騎士魔法団に頼んだ方がいいと思う」と告げると、町長さん達は既に何か月以上も前に依頼を出したにも関わらず未だに団員が来てくれないという――。
「つい先日も3度目の依頼を騎士団に依頼したのですが、今は終焉のせいでどこも人手不足だから無理だと言われてしまいました……。
それでも街の多くの者にとって、あの場所は代々先祖を祭ってきた大事な神聖な場。騎士魔法団がダメならと、皆で話し合ってフリーの冒険者を雇ったのですが、物凄い怪我で戻ってきたのです……」
「その石碑に住み着いてる奴らが強いという事か?」
「私共には詳しく分かりません。ただ、その冒険者の方は“悍ましい化け物”を見たと全身震えるながら口にして、そのまま大きな病院のある王都まで運ばれていってしまいました……」
成程。それで強い人を探しているって訳か。
「今日出会ったばかりの方にこんなご相談はとても失礼かと思いますが、あの場所は昔から街の皆で管理してきた大事な場所であります。
騎士魔法団も当てにならない今、もう我々では成す術がなかったのですが、こちらのエミリアさんがとても強い仲間がおられると申してくださいまして……。失礼を承知しながら藁にも縋る思いで頼ませていただいた所全です。
勇者様、どうかお助け願います……! 当然お礼はしっかりとさせて頂きますのでどうか――!!」
村長さんは本当に藁にも縋る程の勢いで頭を下げてきた。そんな村長を見てエミリアとハクは俺をジッと見ている。
はぁ。マジかよ。これで断ったら何か俺が悪者みたいじゃないか。
「村長さん。それにエミリアもハクも。冷たい言い方かもしれないが、俺はヒーローでもなければ勇者でもない。なんなら今や騎士団とは敵対し追われる身。それは俺とハクは勿論、仲間になったエミリアもだ。それをお前達はちゃんと理解しているか?」
「それは分かっているけど、でも……」
「ワウ……」
俺が厳しくそう言うと、ハクもエミリアも少し顔を俯けた。
「だったらこれからはもう少し緊張感を持ってくれ。それだけ分かってくれれば今回だけは話を受ける。
エミリアに1人で街まで行ってもらったし、町長さんにもこんな所まで来てもらったからな――」
「グリム……ッ!」
「バウワウ!」
「本当ですか⁉ あ、ありがとうございます勇者様!」
俺の言葉に、皆が嬉しそうに喜んでいる。
「だから俺は勇者ではないんですって」
「あ、そうでしたね! 名前はグリム様でしたよね? 本当にありがとうございます。もう何とお礼を申し上げればよいか」
「いえ、まだ全く解決もしてないのでお礼は全部終わった後で」
「確かにそうですが、こんな話を聞いて受けてくれるという返事を聞けただけでも有難い事でして……!
そうだ! 今回の報酬はどうすれば宜しいですかな?」
「報酬か……。それならお金は要らないから、もし出来るならコレ以外にもう1組だけでも双剣を用意してもらえませんか?」
これから王都に向かうのにやはり双剣1組では心細い。多くても邪魔で動けないが、それでも予備を準備しておかないと。それに、今の話しの“悍ましい化け物”とやらも何か嫌予感がする。
「え、双剣……ですか?」
「はい。今街で買わせてもらったんですが、コレしかなかったみたいで……。どうにか町長さんの力でもう1組だけ双剣を譲ってもらえないでしょうか?」
俺の申し出に村長さんは戸惑いを見せながらも、「街中を探して用意しておきます!」と力強く言ってくれた。
こうして、俺達は村長さんから石碑の場所を記した地図を受け取り、何やらそこに住み着いているという怪しい者達の討伐に明朝向かう事を決めたのだった――。
「ん、どうしたの?」
「あのなぁ、俺はあまり目立ちたくないって言っただろ? 俺が狙われたらエミリアも危険だ。何の為に1人で街まで行ってくれたんだよ。もしこの町長さんに俺やハクの情報が伝わっていたらどうッ……「――それは大丈夫! ちゃんと町長さんに確認したから!」
エミリアは屈託のない笑顔を俺に向けて言ってきた。
「いや、そういう事じゃなくて。俺達は今から王都にも向かわなきゃいけないだろ」
「ごめんなさい。それは分かっていたんだけど、たまたま町長さんと街の方が話しているのが聞こえちゃって……。とても困ってるみたいだからどうかお願いします!」
「言ってる事滅茶苦茶だぞ。俺は困った人を助けるヒーローじゃない」
「勿論それも分かってるけどそこを何とか! ヒーローになれるチャンスだよ!」
やっぱり仲間にしなければ良かったと率直に思ったが、俺とエミリアが口論しているとハクが俺の足元に寄ってきた。
「どうしたハク。 まさかお前この村長の助けろとか思ってるんじゃ……」
「バウ!」
ハクはそうだと言わんばかりに大きく吠えた。
どうやら俺はもう請け負うしかないらしい。何だ?まるで俺が空気読めない奴みたいなこの雰囲気は。
思うところが多々あったが、エミリアとハクに促された俺は一先ず町長さんの話を聞く事にした。すると町長さんは「ありがとうございます」と言いながら話を始めた――。
町長さんの話しによると、街から南に数キロ行った場所に石碑が置かれた広場があるらしく、そこは昔から街の人達が先祖への祈りの為に皆で管理している場所との事。
だがここ暫くの間、終焉の影響でノーバディが出没しているせいで街の皆が石碑に行く事が出来ず、その間に何やら怪しい者達が石碑の場所に住み着いてしまった挙句に不審な行動をしているそうだ。
村長さんが俺に頼みたいのは、この怪しい者達を石碑の場所から退去させる事。
話を聞いた俺は「申し訳ないがそれは俺じゃなくて王都の騎士魔法団に頼んだ方がいいと思う」と告げると、町長さん達は既に何か月以上も前に依頼を出したにも関わらず未だに団員が来てくれないという――。
「つい先日も3度目の依頼を騎士団に依頼したのですが、今は終焉のせいでどこも人手不足だから無理だと言われてしまいました……。
それでも街の多くの者にとって、あの場所は代々先祖を祭ってきた大事な神聖な場。騎士魔法団がダメならと、皆で話し合ってフリーの冒険者を雇ったのですが、物凄い怪我で戻ってきたのです……」
「その石碑に住み着いてる奴らが強いという事か?」
「私共には詳しく分かりません。ただ、その冒険者の方は“悍ましい化け物”を見たと全身震えるながら口にして、そのまま大きな病院のある王都まで運ばれていってしまいました……」
成程。それで強い人を探しているって訳か。
「今日出会ったばかりの方にこんなご相談はとても失礼かと思いますが、あの場所は昔から街の皆で管理してきた大事な場所であります。
騎士魔法団も当てにならない今、もう我々では成す術がなかったのですが、こちらのエミリアさんがとても強い仲間がおられると申してくださいまして……。失礼を承知しながら藁にも縋る思いで頼ませていただいた所全です。
勇者様、どうかお助け願います……! 当然お礼はしっかりとさせて頂きますのでどうか――!!」
村長さんは本当に藁にも縋る程の勢いで頭を下げてきた。そんな村長を見てエミリアとハクは俺をジッと見ている。
はぁ。マジかよ。これで断ったら何か俺が悪者みたいじゃないか。
「村長さん。それにエミリアもハクも。冷たい言い方かもしれないが、俺はヒーローでもなければ勇者でもない。なんなら今や騎士団とは敵対し追われる身。それは俺とハクは勿論、仲間になったエミリアもだ。それをお前達はちゃんと理解しているか?」
「それは分かっているけど、でも……」
「ワウ……」
俺が厳しくそう言うと、ハクもエミリアも少し顔を俯けた。
「だったらこれからはもう少し緊張感を持ってくれ。それだけ分かってくれれば今回だけは話を受ける。
エミリアに1人で街まで行ってもらったし、町長さんにもこんな所まで来てもらったからな――」
「グリム……ッ!」
「バウワウ!」
「本当ですか⁉ あ、ありがとうございます勇者様!」
俺の言葉に、皆が嬉しそうに喜んでいる。
「だから俺は勇者ではないんですって」
「あ、そうでしたね! 名前はグリム様でしたよね? 本当にありがとうございます。もう何とお礼を申し上げればよいか」
「いえ、まだ全く解決もしてないのでお礼は全部終わった後で」
「確かにそうですが、こんな話を聞いて受けてくれるという返事を聞けただけでも有難い事でして……!
そうだ! 今回の報酬はどうすれば宜しいですかな?」
「報酬か……。それならお金は要らないから、もし出来るならコレ以外にもう1組だけでも双剣を用意してもらえませんか?」
これから王都に向かうのにやはり双剣1組では心細い。多くても邪魔で動けないが、それでも予備を準備しておかないと。それに、今の話しの“悍ましい化け物”とやらも何か嫌予感がする。
「え、双剣……ですか?」
「はい。今街で買わせてもらったんですが、コレしかなかったみたいで……。どうにか町長さんの力でもう1組だけ双剣を譲ってもらえないでしょうか?」
俺の申し出に村長さんは戸惑いを見せながらも、「街中を探して用意しておきます!」と力強く言ってくれた。
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