【魔力商人】の僕は異世界を商売繫盛で成り上がる~追放で海に捨てられた為、海上ギルド建てたら実力も売上も波に乗って異世界最強に~

きょろ

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第3章~建設と武術と転生カエル~

32 魔感知

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 ♢♦♢


「――いい?それじゃあ出発するよ」

 あれから直ぐに海に向かった僕達は、1隻の小型のボートに乗り込んでいた。
 ティファ―ナが魔法を繰り出すと、静かだった海面が次第にユラユラと動き出し、生まれた波が僕達のボートを勢いよく運んで行く。

「凄い魔力だなゲロ」
「どんどん行くよ!方向はこっちでいいんだよね?」
「ああ。大丈夫ケロ。そのまま進んでくれれば小さな島に辿り着く。そこが奴らのアジトだゲロ」

 波も荒れていない静かな海で、僕達のボートだけがグングン進んで行っている。出発してものの数分。早くも目的の島が見えてきた。

「あれだケロ」
「豚が偉そうな場所に住んでやがるな。そういえばバレン、お前海の上で攻撃されて漂流したって言ってたけどよ、蛙なのに“泳げない”のか?」

 確かに。

「ああ。泳げないぞ俺は。転生の時に、人間だった時の“記憶や能力”はそのまま引き継がれるって言われたからな。俺は元々カナヅチだったから当然泳げない。蛙になったからまさかと思って試してみたが、しっかりカナヅチのままだったケロよ」
「何とも不憫だぜ」
「まぁ住めば都。この蛙も今では滅茶苦茶馴染んでるよ。それに記憶や能力があったお陰で、何とか生きてこられた。本当に何もないまま蛙になっていたら混乱で死んでたゲロ」
「ハハハ!そりゃ間違いねぇな」
「それに一応、得意なのも引き継げたかッ……『――ボオォォンッ!!』

 何だ……⁉ 今何か飛んできた様に見えたぞ!

「お出迎えだぜ」

 ディオルドはニヤリと笑いながら島の方向を見ていた。視線の先にはボートに乗ったオーク達の姿が。
 ボートは3隻。そこに乗る全部で5体のオークが僕達の方に向かってきていた。その中の1体が僕達目掛けて攻撃した様だ。

「何の用だ貴様ら」
「ここから先は俺らの縄張りだ!」
「待て。アイツがいるじゃねぇか」

 ゆっくりと近づいてきたオーク達。奴らは、僕達が自分達のアジトへと侵入してきた敵だと認識したらしい。威嚇する様な口調と態度で言ってきたが、オークの中の1体がバレンを見つけ話しかけきた。

「懲りずに来たようだな蛙」
「当り前だ。カイトはどこだゲロ」
「うわぁ。初めてオーク見た」

 少しは空気を呼んだ方がいいぞティファ―ナ。絶対それ言うタイミングじゃないって。

「あのまま逃げたかと思ったが、“ボス”の言う通りだったぜ。生憎、島にも辿り着けない様な奴に用はねぇと言っていた。残念だったな。またここで沈めてやッ……⁉⁉」

 ――バキバキバキバキ……!
 オークがそう言いかけた瞬間、突如奴らが乗っていたボートが真っ二つに割れ、ブクブクと沈んでいく。

「何だ⁉ 何だ⁉」
「何故俺達のボートが沈むんだ⁉」

 瞬く間に海へと放り出されたオーク達は困惑している。何故ボートが壊れた沈んだのかも、何故自分達が海に浮かんでしまっているのかも、何も状況が理解出来てない。

「クセェ体洗って出直しな。船進めろティファ―ナ。さっさと行くぞ」

 どうやら奴らの船を攻撃したのはディオルドだったらしい。全く。いつ攻撃を仕掛けたんだよ。オーク達が海に浮きながら焦って怒り狂ってるのも頷けるぞ。君が味方で良かったよディオルド。

 そんな一騒動を終え、ティファ―ナは波でボートを勢いよく進ませた。

「豚さん達バイバ~イ!」
「お前とんでもなく強いケロなディオルド!」
「弱すぎてガッカリだぜ」

 数秒後、ボートは島へと着いた。あまり大きさはない島。
 無人島だったのか、砂浜から直ぐの所に草木が生い茂り、小さなジャングルみたいになっていた。そしてそのジャングルのちょうど真ん中辺り。オーク達のアジトなのか、建物の屋根部分が木々の上から少しだけ見えてた。 

「ここがオーク達のアジトか。カイト君はあそこかな?」
「多分そうだ。いるとしたらあそこしかないゲロ」
「あの図体の豚達が群れるには狭いだろ。むさ苦しいな」
「早く豚さんの小屋にいるカイト君見つけないと」

 島に上陸した僕達は、ジャングルの奥にあるアジトを目指して歩き始めた。……かの様に思ったが、まさに1歩踏み出した瞬間、せっかちなディオルドがまた力技に出た―。

「たかがオーク如きが何偉そうにしてやがるんだよ」
「ちょっと待った。ディオルド何を……⁉」

 ――ズバァァァァンッ!!!!!
 急に刀に手を伸ばした瞬間から嫌な予感はしたよ。止めるのが遅かった。
 魔力を練り上げたディオルドが腰に提げた刀を抜刀すると、凄まじい斬撃がジャングルの木々を薙ぎ倒し、一気にオーク達のアジトを破壊した。

 これはデジャブか? ついこの間似たような光景を入団試験で見かけたぞ。でも、その時のクレイよりディオルドの方が威力が段違いに上だけど。ってか本当にちょっと待って。マズいぞ⁉

「いきなり何やってんのディオルド⁉ あそこにはカイト君もいるかもしれないのに!」
「大丈夫。そんなのちゃんと分かってるって。“魔感知まかんち”でその子に当たらない様に攻撃したからよ」

 そう言う事ね。流石ですディオルドさん。一瞬焦ってしまったよ。魔感知でカイト君の魔力をちゃんと見つけてたんだね。さらっと言ったけど、普通ならこの距離で魔力を感知するなんてそこそこ技術がいるよ。しかも魔感知でカイト君を見つけるだけならまだしも、その“正確な位置”まで分かるなんて異常だぞ。どこまで感知出来るんだ君のその魔力センサーは。

 しかもディオルドが出来るって事はやっぱりティファ―ナも出来るのかな?
 まぁ最早2人は僕の中で化け物認定してるから驚くのは止めにするよ。いちいち驚いていたらこっちの身が持たないからね。

「成程。“この魔力”がカイト君ね。って事は残りの“28体”が全部やっつけていい豚さんか」
「弱い子供狙うなんざ豚の気が知れねぇな」

 驚くの止めにして良かった。早速効果があったもん。

 28体だって? ティファ―ナ、君もやはり化け物だったね。ディオルドもそうだけど、この距離で何となく魔力を感知するならまだ分かるが、はっきりと“誰”の魔力かまで感知して“数”まで分かるなんてさ。本当に驚くの止めて正解だったよ。余計な疲れを1回分削減出来た。コスト見直しも商人の腕の見せ所だもん。

「さぁ皆、先に進もうか」

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