11 / 51
1杯目~誤飲酒~
10 全てを懸けた混乱
しおりを挟む
「――それでは始めるぞ!」
トーマス君の乱入で少し話が逸れたが、雰囲気は一転して元に戻っていた。
――ブォォォォンッ……!
Dr.カガクによって生み出された世界最高技術らしいアンドロイド。そのアンドロイドがDr.カガクの合図によって何やら機械音と共に強く光り始めた。
そんな中、俺はさっきからず~~っと気になっている事がある。
「あのー、何故このアンドロイドはこんなに“ナイスボディ”なのでしょうか……?」
そう。
俺の目の前にいるアンドロイド。コイツはさっきからずっとここに置かれていた。
正確に言うと、顔だけが出ている状態で体はマントの様な物で覆われていたのだが、今しがたDr.カガクがこのアンドロイドの体を覆っていたマントを勢いよく取った。
本格的に起動させる為の準備の1つなのか、お披露目という事なのか分からないが、兎にも角にもそのアンドロイドのボディは俺の想像の斜め上を行く造りだった。
「ガハハ! これは私の知識と技術を全て詰め込んだリューテンブルグ王国の未来を守り担う力!」
そんなコンセプトはどうでもいい。
それが率直な俺の意見。
確かにとても精巧に造られている。これがDr.カガクの技術力たる所以なのか……。
今まで見えていたアンドロイドの顔だけで判断しても、一切造り物だとは分からない。
肌、髪、質感。
見ただけでは到底アンドロイドとは思えないその機械は、白く透き通るような肌に閉ざされた瞼からは長い睫毛。綺麗な品のあるブロンドの髪が胸辺りまで伸びており、その姿はまさに人間そのものだった。
強いてアンドロイドっぽい部分を言うならば、うなじから細いプラグの様な物が機械と繋がれており、起動させた事が分かるかの如く閉じていた瞼が開き目を光らせていた。心臓部分も体内から僅かに光りが確認出来た。体の中に何か機械が入っているんだろうな……恐らく。
それ以外の見た目は完全に人間。そして何と言ってもこのボンキュッボンの超絶スタイルに顔面も整っているから驚きだ。しかも隠す所だけを最低限隠したほぼ裸の様な装い。露出が多いとかのレベルじゃねぇ。見てるこっちが恥ずかしくなるわ。これを造っている時他の関係者達は何も疑問に思わなかったのか?
「Dr.カガク……このアンドロイドは一体……」
「言っただろう? これは私の“全て”をつぎ込んだリューテンブルグ王国の未来だ!」
「……」
「どうしたジンフリー君!」
訝しい表情でアンドロイドを見て固まっていた俺に、Dr.カガクが声を掛けてきた。その言葉に思わず本音が零れそうになったが辛うじて堪えた。
「え、いや……あの……このアンドロイド、凄い人間みたいな造りだなー……と」
「いい所に気が付いてくれたな! このアンドロイドはまさに“人そのもの”をイメージして造り上げたものだからな。脳と心臓、そして体内の一部以外は人間と全く同じ。鉄の塊で造ったアンドロイドというより、人間をアンドロイドにした様なイメージかの。言葉にすると些か物騒ではあるが、感覚的にはこの説明が1番近い。
膨大なデータをインプットしておるから普通の人間と同じ様な生活や会話も出来るが、どれだけ技術力があっても命を吹き込むことは不可能。所詮はよく出来た機械止まりだ。
ほぼ人間と同じではあるが、勿論そこに“感情”は無い。体も上辺は人の肉体だが血も神経も通っていない。よって痛みや感覚も感じる事は無いがの」
簡単に説明しているがこれってとんでもねぇ技術だよな。
まぁどれだけ科学技術力が優れていようが高等な魔法が使えようが、決して命を生むことは出来ないって事だな……。
誰も外見には触れないからもうこのままツッコまない方が良さそうだ。
「――百聞は一見に如かず! ジンフリー君、早速満月龍の魔力でアンドロイドを完成させよう! 心臓部分が僅かに光っておるだろう? そこには魔生循環装置を組み込んである。取り込んだ魔力を放出する機械だ。先ずはそこに手を当ててくれ!」
俺は言われた通りアンドロイドの心臓に手を当てた。
――むにゅ。
実際にこのアンドロイドを触って分かった事が2つ。
まず1つ目は、やはり肌質が人そのものという事。
そして2つ目は、魔力を注ぎ込む機械とやらが本来の心臓部より下のせいか、構図だけ見れば俺は完全に片乳を揉んでいる変態オヤジ。しかも肌質のみならず感触もお〇ぱいそのものだ。
Dr.カガク恐るべし。
「よし。そうしたら一気に心臓目掛けて全魔力を注ぎ込んでくれ!」
声を張るDr.カガクの様子から真剣さが伝わってくる。それは周りにいる他の専門家達やフリーデン様やエドからもだ。全員が今この瞬間に神経を研ぎ澄ましていた。
この場にいる全員の視線が俺に注がれ、俺は目の前のおっぱ……ナノループに満月龍の魔力を注ぎ込む――。
アンドロイドが繋がれているゴツイ機械から発せられる機械音が徐々に大きくなっている。今の俺にはそれが皆の期待の声にすら聞こえてきた。無機質な機械音とそれに応える様に光るアンドロイド。
俺は今、リューテンブルグ王国や多くの人達の期待や希望を背負っていると言っても過言じゃねぇ。
あの時と同じ――。
俺に全てが懸かっている。
自分の家族すら守れなかった俺に……多くの人を守り切れなかったこんな俺に……今も変わらず多くの人達が俺を敬ってくれている。
そろそろケジメをつける時。
変わらなきゃいけないのは俺だ。
今度こそ誰1人として失わない様に……。
満月龍の血の拒絶? そんなもん知るか。生憎、俺にとって死は残された最後のつまみ。また家族に会える唯一の楽しみなんだ。何も恐怖は感じない。寧ろ待ちわびているぐらいだからな。
全身に力を込め、俺は体に流れる満月龍の魔力全てを放出した――。
「……うらァァァァァッ!!」
……ってちょっと待て。肝心な事を忘れていた。
「“全魔力を注ぎ込む”って……俺そういえば魔力の使い方分からねぇんだけど――」
「「「……⁉⁉」」」
この後、場が大混乱になったのは言うまでもねぇ。
トーマス君の乱入で少し話が逸れたが、雰囲気は一転して元に戻っていた。
――ブォォォォンッ……!
Dr.カガクによって生み出された世界最高技術らしいアンドロイド。そのアンドロイドがDr.カガクの合図によって何やら機械音と共に強く光り始めた。
そんな中、俺はさっきからず~~っと気になっている事がある。
「あのー、何故このアンドロイドはこんなに“ナイスボディ”なのでしょうか……?」
そう。
俺の目の前にいるアンドロイド。コイツはさっきからずっとここに置かれていた。
正確に言うと、顔だけが出ている状態で体はマントの様な物で覆われていたのだが、今しがたDr.カガクがこのアンドロイドの体を覆っていたマントを勢いよく取った。
本格的に起動させる為の準備の1つなのか、お披露目という事なのか分からないが、兎にも角にもそのアンドロイドのボディは俺の想像の斜め上を行く造りだった。
「ガハハ! これは私の知識と技術を全て詰め込んだリューテンブルグ王国の未来を守り担う力!」
そんなコンセプトはどうでもいい。
それが率直な俺の意見。
確かにとても精巧に造られている。これがDr.カガクの技術力たる所以なのか……。
今まで見えていたアンドロイドの顔だけで判断しても、一切造り物だとは分からない。
肌、髪、質感。
見ただけでは到底アンドロイドとは思えないその機械は、白く透き通るような肌に閉ざされた瞼からは長い睫毛。綺麗な品のあるブロンドの髪が胸辺りまで伸びており、その姿はまさに人間そのものだった。
強いてアンドロイドっぽい部分を言うならば、うなじから細いプラグの様な物が機械と繋がれており、起動させた事が分かるかの如く閉じていた瞼が開き目を光らせていた。心臓部分も体内から僅かに光りが確認出来た。体の中に何か機械が入っているんだろうな……恐らく。
それ以外の見た目は完全に人間。そして何と言ってもこのボンキュッボンの超絶スタイルに顔面も整っているから驚きだ。しかも隠す所だけを最低限隠したほぼ裸の様な装い。露出が多いとかのレベルじゃねぇ。見てるこっちが恥ずかしくなるわ。これを造っている時他の関係者達は何も疑問に思わなかったのか?
「Dr.カガク……このアンドロイドは一体……」
「言っただろう? これは私の“全て”をつぎ込んだリューテンブルグ王国の未来だ!」
「……」
「どうしたジンフリー君!」
訝しい表情でアンドロイドを見て固まっていた俺に、Dr.カガクが声を掛けてきた。その言葉に思わず本音が零れそうになったが辛うじて堪えた。
「え、いや……あの……このアンドロイド、凄い人間みたいな造りだなー……と」
「いい所に気が付いてくれたな! このアンドロイドはまさに“人そのもの”をイメージして造り上げたものだからな。脳と心臓、そして体内の一部以外は人間と全く同じ。鉄の塊で造ったアンドロイドというより、人間をアンドロイドにした様なイメージかの。言葉にすると些か物騒ではあるが、感覚的にはこの説明が1番近い。
膨大なデータをインプットしておるから普通の人間と同じ様な生活や会話も出来るが、どれだけ技術力があっても命を吹き込むことは不可能。所詮はよく出来た機械止まりだ。
ほぼ人間と同じではあるが、勿論そこに“感情”は無い。体も上辺は人の肉体だが血も神経も通っていない。よって痛みや感覚も感じる事は無いがの」
簡単に説明しているがこれってとんでもねぇ技術だよな。
まぁどれだけ科学技術力が優れていようが高等な魔法が使えようが、決して命を生むことは出来ないって事だな……。
誰も外見には触れないからもうこのままツッコまない方が良さそうだ。
「――百聞は一見に如かず! ジンフリー君、早速満月龍の魔力でアンドロイドを完成させよう! 心臓部分が僅かに光っておるだろう? そこには魔生循環装置を組み込んである。取り込んだ魔力を放出する機械だ。先ずはそこに手を当ててくれ!」
俺は言われた通りアンドロイドの心臓に手を当てた。
――むにゅ。
実際にこのアンドロイドを触って分かった事が2つ。
まず1つ目は、やはり肌質が人そのものという事。
そして2つ目は、魔力を注ぎ込む機械とやらが本来の心臓部より下のせいか、構図だけ見れば俺は完全に片乳を揉んでいる変態オヤジ。しかも肌質のみならず感触もお〇ぱいそのものだ。
Dr.カガク恐るべし。
「よし。そうしたら一気に心臓目掛けて全魔力を注ぎ込んでくれ!」
声を張るDr.カガクの様子から真剣さが伝わってくる。それは周りにいる他の専門家達やフリーデン様やエドからもだ。全員が今この瞬間に神経を研ぎ澄ましていた。
この場にいる全員の視線が俺に注がれ、俺は目の前のおっぱ……ナノループに満月龍の魔力を注ぎ込む――。
アンドロイドが繋がれているゴツイ機械から発せられる機械音が徐々に大きくなっている。今の俺にはそれが皆の期待の声にすら聞こえてきた。無機質な機械音とそれに応える様に光るアンドロイド。
俺は今、リューテンブルグ王国や多くの人達の期待や希望を背負っていると言っても過言じゃねぇ。
あの時と同じ――。
俺に全てが懸かっている。
自分の家族すら守れなかった俺に……多くの人を守り切れなかったこんな俺に……今も変わらず多くの人達が俺を敬ってくれている。
そろそろケジメをつける時。
変わらなきゃいけないのは俺だ。
今度こそ誰1人として失わない様に……。
満月龍の血の拒絶? そんなもん知るか。生憎、俺にとって死は残された最後のつまみ。また家族に会える唯一の楽しみなんだ。何も恐怖は感じない。寧ろ待ちわびているぐらいだからな。
全身に力を込め、俺は体に流れる満月龍の魔力全てを放出した――。
「……うらァァァァァッ!!」
……ってちょっと待て。肝心な事を忘れていた。
「“全魔力を注ぎ込む”って……俺そういえば魔力の使い方分からねぇんだけど――」
「「「……⁉⁉」」」
この後、場が大混乱になったのは言うまでもねぇ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流@3/19書籍発売!
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる