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第2章~獣人国と刺客~
2-4 サラマンダーとの戦闘を引寄せ
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~サンモロウ渓谷・山~
「あぁぁ~、暑っっつ……!」
「ちょっと止めてくれるかしらその言い方! 余計暑苦しいわ」
山の麓に位置する獣人国でさえサラマンダーの影響で熱波と乾燥が凄かったが、サラマンダーがいるであろう山は更に厳しい環境になっていた。
歩くだけで汗が溢れる。
普段元気なルルカとミラーナも明らかにぐったりだ。気が付けばレベッカも口を開いていない。幸いビッグマウンテン山と比べればかなりマシな道中だけど、如何せんこの暑さが問題だった。
「皆頑張ろう。ビッグマウンテン山に比べれば全然だよ。それにもう頂上が見えてる」
暑さにやられながらも、気が付けばもう頂上付近まで来た。後少しだ。
『『ギギャア!』』
ッ……⁉
暑さに気を取られて反応が遅れた。
「ここで出やがったやんよリザードマン」
「本当に暑苦しくて嫌になるわね」
「レベッカ、下がってて。後“槍”をお願い」
「分かりました」
ジジ神様から聞いていた通り、僕達の前に現れたリザードマンは計8体の群れで姿を現した。奴らは見るからに僕達に殺意を向けている。敵と認識しているんだ。
「ここで体力は使いたくない。僕が一気に片付ける」
「ジーク様どうぞ」
レベッカは空間魔法で予め準備しておいた槍を出してくれた。数は相手のリザードマンと同じ8本。
よし。
“さっきみたいに”やれば大丈夫な筈――。
槍を手に取った僕は『必中』スキルを発動させ、勢いよくリザードマン目掛けて投擲した。
――ドシュン!
『ギガァ……!』
「よし!」
投擲した槍は見事リザードマンの胸に命中。槍を食らったリザードマンはそのまま崩れ落ちる様に地面に倒れた。
「やりましたねジーク様!」
「ああ、このまま一気に倒すぞ」
そう。
僕達は山を登る前、何とかリザードマンの群れを効率良く倒せないかと考えていた。勿論遭遇しないのが1番だが、もし遭遇したのなら戦闘は免れない。
とは言っても急にそんな都合のいい案が思い浮かぶわけもなく、僕達は半ば諦めつつ最低限の準備を整えていると、そこへ徐にジャック君が木の棒を持って僕達の所に来た。そしてジャック君は「僕も戦う」とその木の棒を力強く掲げてみせたのだ。
僕よりも小さいのにとても勇気があるなと感心した。
でも流石にこんな危険な場所へ連れて行く訳には行かない。駄々を捏ねるジャック君を皆でなだめていたが、彼は「じゃあ離れた所から木の棒を投げつける!」とまるで手に負えない状態だった。
ジャック君なりに獣人国を守ろうとしていたんだろう。
僕はそんなジャック君を懸命に止める皆の姿を微笑ましく眺めていたのだが、直後ジャック君が言った“木の棒を投げつける”という言葉にハッとした。
そこで僕はある1つの仮説に辿り着く。
もし『必中』スキルを施した“遠距離攻撃”が出来たら――。
結果は成功。
実際に確かめるまで半信半疑だったけど、ジャック君の発言からまさかの思い付きで試した実験が成功した。
レベッカ達にも事情を説明した当初、「だったら弓放てば全部倒せるな」とルルカが極論を言ったけれど、流石に『必中』スキルを使っているとは言え、根本攻撃力の低い弓では倒し切れないだろうという結論に至った。
そこでレベッカが「なら剣や槍を投擲してみては」と徐に言い出したのだが、コレが大正解となり今に至るんだ――。
そして。
『『ギギャア⁉』』
僕が全部の槍を投げ終えると、8体のリザードマンも綺麗に全て地面に倒れ込んだのだった。
「ふう。上手くいって良かった」
「やりましたねジーク様!」
「本当に凄い強さよね、ジークって」
「この調子でサラマンダーもサクッと倒すんッ……『ヴボォォォォォッ――!』
リザードマンを倒して喜んでいたのも束の間。次の瞬間ルルカの言葉をサラマンダーの咆哮が掻き消した。
空気を裂く様な咆哮。ここにきてグッと暑さが増した。
僕達の目と鼻の先には確実にサラマンダーがいる。
僕達は互いに頷きあった後、改めて気持ちを切り替え士気を高めた。
「行くぞ!」
登り切った頂上。
焼ける様な熱さの中、僕達の視線の先では凄まじい豪炎を身に纏う巨大なモンスターの姿があった。
『ヴボォォォォォォォォォッ!』
「「……⁉」」
サラマンダーはその激しい咆哮と共に強烈な熱波を周囲に放つ。
くッ、暑い……!
コイツがサラマンダーか。
リザードマンよりも遥かに大きな体格をし、全身を炎に包んだサラマンダー。まるでとてもデカいトカゲの様なその姿は、凄まじい存在感と強力な魔力を発していた。
「威圧感が半端じゃないんよ。流石Sランク」
「感心してる場合じゃないわ。早く倒してこの暑さ何とかするわよ」
「レベッカはあっちの岩陰に隠れていてくれ」
「分かりました。皆さんお気をつけて。何か必要な物がありましたら直ぐに私に仰って下さい」
そう言ってレベッカが岩陰に避難すると、サラマンダーはそれが合図と言わんばかりに一気に僕達との距離を詰め、鋭い牙がついた口を目一杯広げる。更に直後、その広げた口から灼熱の炎が勢いよく僕達に向かって放ってきた。
――ブオォォォォン!
サラマンダーによる炎ブレスの範囲が広過ぎて避け切れない。
瞬時にそう悟った僕は、握る剣に『無効』スキルを発動させ思い切り炎目掛けて横一閃で剣を振るう。
無効スキルはあらゆる魔法を無効化させるもの。
僕はサラマンダーの炎を一刀両断した――。
「あぁぁ~、暑っっつ……!」
「ちょっと止めてくれるかしらその言い方! 余計暑苦しいわ」
山の麓に位置する獣人国でさえサラマンダーの影響で熱波と乾燥が凄かったが、サラマンダーがいるであろう山は更に厳しい環境になっていた。
歩くだけで汗が溢れる。
普段元気なルルカとミラーナも明らかにぐったりだ。気が付けばレベッカも口を開いていない。幸いビッグマウンテン山と比べればかなりマシな道中だけど、如何せんこの暑さが問題だった。
「皆頑張ろう。ビッグマウンテン山に比べれば全然だよ。それにもう頂上が見えてる」
暑さにやられながらも、気が付けばもう頂上付近まで来た。後少しだ。
『『ギギャア!』』
ッ……⁉
暑さに気を取られて反応が遅れた。
「ここで出やがったやんよリザードマン」
「本当に暑苦しくて嫌になるわね」
「レベッカ、下がってて。後“槍”をお願い」
「分かりました」
ジジ神様から聞いていた通り、僕達の前に現れたリザードマンは計8体の群れで姿を現した。奴らは見るからに僕達に殺意を向けている。敵と認識しているんだ。
「ここで体力は使いたくない。僕が一気に片付ける」
「ジーク様どうぞ」
レベッカは空間魔法で予め準備しておいた槍を出してくれた。数は相手のリザードマンと同じ8本。
よし。
“さっきみたいに”やれば大丈夫な筈――。
槍を手に取った僕は『必中』スキルを発動させ、勢いよくリザードマン目掛けて投擲した。
――ドシュン!
『ギガァ……!』
「よし!」
投擲した槍は見事リザードマンの胸に命中。槍を食らったリザードマンはそのまま崩れ落ちる様に地面に倒れた。
「やりましたねジーク様!」
「ああ、このまま一気に倒すぞ」
そう。
僕達は山を登る前、何とかリザードマンの群れを効率良く倒せないかと考えていた。勿論遭遇しないのが1番だが、もし遭遇したのなら戦闘は免れない。
とは言っても急にそんな都合のいい案が思い浮かぶわけもなく、僕達は半ば諦めつつ最低限の準備を整えていると、そこへ徐にジャック君が木の棒を持って僕達の所に来た。そしてジャック君は「僕も戦う」とその木の棒を力強く掲げてみせたのだ。
僕よりも小さいのにとても勇気があるなと感心した。
でも流石にこんな危険な場所へ連れて行く訳には行かない。駄々を捏ねるジャック君を皆でなだめていたが、彼は「じゃあ離れた所から木の棒を投げつける!」とまるで手に負えない状態だった。
ジャック君なりに獣人国を守ろうとしていたんだろう。
僕はそんなジャック君を懸命に止める皆の姿を微笑ましく眺めていたのだが、直後ジャック君が言った“木の棒を投げつける”という言葉にハッとした。
そこで僕はある1つの仮説に辿り着く。
もし『必中』スキルを施した“遠距離攻撃”が出来たら――。
結果は成功。
実際に確かめるまで半信半疑だったけど、ジャック君の発言からまさかの思い付きで試した実験が成功した。
レベッカ達にも事情を説明した当初、「だったら弓放てば全部倒せるな」とルルカが極論を言ったけれど、流石に『必中』スキルを使っているとは言え、根本攻撃力の低い弓では倒し切れないだろうという結論に至った。
そこでレベッカが「なら剣や槍を投擲してみては」と徐に言い出したのだが、コレが大正解となり今に至るんだ――。
そして。
『『ギギャア⁉』』
僕が全部の槍を投げ終えると、8体のリザードマンも綺麗に全て地面に倒れ込んだのだった。
「ふう。上手くいって良かった」
「やりましたねジーク様!」
「本当に凄い強さよね、ジークって」
「この調子でサラマンダーもサクッと倒すんッ……『ヴボォォォォォッ――!』
リザードマンを倒して喜んでいたのも束の間。次の瞬間ルルカの言葉をサラマンダーの咆哮が掻き消した。
空気を裂く様な咆哮。ここにきてグッと暑さが増した。
僕達の目と鼻の先には確実にサラマンダーがいる。
僕達は互いに頷きあった後、改めて気持ちを切り替え士気を高めた。
「行くぞ!」
登り切った頂上。
焼ける様な熱さの中、僕達の視線の先では凄まじい豪炎を身に纏う巨大なモンスターの姿があった。
『ヴボォォォォォォォォォッ!』
「「……⁉」」
サラマンダーはその激しい咆哮と共に強烈な熱波を周囲に放つ。
くッ、暑い……!
コイツがサラマンダーか。
リザードマンよりも遥かに大きな体格をし、全身を炎に包んだサラマンダー。まるでとてもデカいトカゲの様なその姿は、凄まじい存在感と強力な魔力を発していた。
「威圧感が半端じゃないんよ。流石Sランク」
「感心してる場合じゃないわ。早く倒してこの暑さ何とかするわよ」
「レベッカはあっちの岩陰に隠れていてくれ」
「分かりました。皆さんお気をつけて。何か必要な物がありましたら直ぐに私に仰って下さい」
そう言ってレベッカが岩陰に避難すると、サラマンダーはそれが合図と言わんばかりに一気に僕達との距離を詰め、鋭い牙がついた口を目一杯広げる。更に直後、その広げた口から灼熱の炎が勢いよく僕達に向かって放ってきた。
――ブオォォォォン!
サラマンダーによる炎ブレスの範囲が広過ぎて避け切れない。
瞬時にそう悟った僕は、握る剣に『無効』スキルを発動させ思い切り炎目掛けて横一閃で剣を振るう。
無効スキルはあらゆる魔法を無効化させるもの。
僕はサラマンダーの炎を一刀両断した――。
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