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想い
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ハルは王宮画家居住区内のアトリエに、脚を運び定期的に画家たちから足りない画材などを聴いている。その行く先々で、「あのモーネスが変なんだ」「突っかかっても、生返事だ」などと言って様子を伺おうとしてきていた。なにより、ハルは、ヴォルフと恋仲であるというのを、画家たちでは周知の事実でもある。
彼女からは何とも言い難い。2人の事なので、周りに触れ回るということはせず、「そうですか」とさらりと返し話しを注文の話しへと切り替えていく。
一方、アイリスは美術回廊の手入れを済ますと、絵画保管庫に向かった。画家たちのアトリエ区画別に分けられており、絵画の移動の際には特に細心の注意を払う。
湿度の状態を、湿度紙を観て確認し、空気の入れ替え時間を砂時計で計測しながら行う。灯りは強いと絵画の乾燥した部分からヒビが入るため、灯りの調整も微細に行う。
アイリスの手入れしている保管庫に、モーネスのサインが入った絵画が多くあった。薄暗い灯りの中でも、彩度が明るく感じ、色の鮮やかさ、落ち着き。静寂の中で、一輪の花が輝いているようだった。
彼の絵は、王宮画家になりたての頃より段々と変化していくのが分かる。アイリスは、トーナル氏が『あの者は、モーネスは……やりたい事の我慢というのを。時期を考えることを知らない』と苦笑いしつつもどこか嬉しそうに微笑んでいたのを何度も見ている。
「これは……ここに来た時に描かれた最初の……」
模写という言葉が一番合う絵画。手入れを続けながら観ていくと、少しずつ、彼の絵画に変化が見られ。同時に、アイリスの心は、全身が火照り心臓が早鐘を打ち、いつも優しく温かい彼の手が絵筆を握り色を塗りこめている瞳を思い浮かべた。
美術の話しになる時の、彼の瞳はひどく熱っぽく色気を漂わせ、多くの女性が自身への愛を語っていると思うほどのものだと。
その彼の瞳の眼差しを、診察の後の時間。ずっと過ごしている彼との時間を想いだし、アイリスは喉が酷く乾き唇を思わず舌で軽く舐める。
ゾクリと下腹部を刺激され、甘い吐息とともに彼の絵画の前で座り込んでいた。
「わからない……こんなに、モーネス様は……絵画に……わたしには何も……ない」
彼の絵画への情熱と目の前の絵画を観て、自分の感情と言うものをどんどんと揺さぶられ今にも心臓が壊れそうなほど高鳴っている。
保管庫での手入れと掃除をなんとか終えて、居住区を歩いているとアトリエの一角を通らねばならなかった。
アイリスはできるだけ呼吸を整え、廊下を歩いていた。いつもなら、通り過ぎる画家たちは無関心に彼女の横を通っていたが……その日は、彼女の横顔を瞳で追い廊下の柱などにぶつかる者が出ていた。
「「……あっ……」」
同時に声を出し、アイリスとモーネスは廊下で出くわした。彼女の上気した頬と潤んだ瞳。モーネスを見上げた時に、唇がかすかに開いた。
ゾクゾクと彼の背中を刺激し、喉を上下させる。その彼の瞳が絵画へ向けている瞳の熱っぽさ、それを、今、彼女に向けていた。
「アイリスは保管庫の手入れだったのか?」
「はい。モーネス様は……」
「あぁ、ひと息つくところで……君も、どうだ?」
「あの、報告を済ませてからで良ければ」
「あぁ、大丈夫だ。一緒にトーナル様のとこへ行くか」
自然と彼女の手を握り、供に廊下を歩きだす。後ろからは、「あっ、あのモーネスが」と言っている声がしたり。「あぁ、やられた」と何かに後悔するような声。2人には、届いてはいなかったが……。
ノックをし入ると、トーナルの瞳が瞬いている。
「どうかしましたか?」
モーネスの何か変だろうか? という、疑問符の表情に、トーナルの方が思わず吹き出して笑っていた。
「っ、ふははっ!! いや、すまない。して、アイリス。手入れは終わったのだな?」
「はい、トーナル様」
「今日は、このまま上がってよい。あぁ、モーネス。先日のデッサンの山だが……わたしが預かるのも心が痛まれる故、返す」
「っ!! あ、ありがとうございます」
机の上の包みにくるまれたデッサン帳の山と思しきものは、一瞬にしてモーネスの空いている片手に戻った。
「モーネスも今日は、“2人で”ゆっくりと過ごすと良い」
既にトーナルから、さっさと部屋を出ろ。という手の仕草をされ、モーネスは耳を赤くしつつ彼女と供に部屋から出た。
右手には、彼女の少し冷えているが小さく柔らかく愛おしい手。指を絡め、優しく握ると、躊躇いがちに彼女も握りかえす。先ほどの、美術保管庫で観ていた時の鼓動がアイリスに襲い始める。
横目でちらりとモーネスを見やると、彼は柔らかな表情と熱い眼差しの両極端な熱を帯びて彼女を見やる。それが、彼女の何か知りたい感情というものを揺さぶり始める。
彼女が見やった時の表情をモーネスが観た時、熱を帯び始め彼を求めている様にも感じた。喉がカラカラに乾き、食堂で冷珈琲を2つにシロップを入れ庭園で一緒に椅子に腰掛けた。
「君は、シロップだけだったか?」
「はい」
「冷珈琲が好きだと知った時、少し嬉しかったな」
「なぜ? ですか……」
「なんというか、好きな物が一緒だと。君の好きな飲み物が俺と一緒なのが、嬉しかったからかな」
一緒なのが嬉しかった、という言葉にアイリスの胸は温かくなった。彼と居ると、忘れていたものを取り戻せそうな感じがしている。同時に、怖くもあった。供に読んだ、父からの最期の手紙。フィルメント侯爵が預かっている、父の作品を、自分が彼と一緒に取りに行きたいと思い始めている。
銅の器に入っている冷珈琲はひんやりとしていて、熱く乾いた喉を潤してくれるはずがなかなか潤すことがない。それは、隣に座るモーネスも同じだった。手紙を読んだ日以来、彼女の表情は徐々に、明らかに違ってきていて周りの人間も変化に気が付き始めている。特に、男性は彼女が醸し出す色に気が付き始め、思わず廊下で彼女の手を握り牽制をしてしまう程だった。
――彼女は、俺が見つけた花。だ――
「今日、モーネス様の絵画を手入れしました」
「保管庫の? 昔のは、あまり好きではないが……」
「わたしは、その……羨ましかったです。モーネス様が……貴方は心が、あるから」
「そう、感じられるという事は君には心はあるじゃないか?」
「えっ?!」
「人をうらやむ、人と居て嬉しい、楽しい。泣く、哀しい、まぁ、色々感情には名前があるが。君は感情も心もある。それが、分かりにくかった。表に、誰かに出すことがなかなかうまくいくことができなかっただけで、心がないのではない」
「……っ……」
アイリスはモーネスの言葉に、心が欠けていると言われ続けて居たがそれが辛くなかった訳ではないことに気が付いた。自分には感情も心もあること、それを、彼は言葉にして伝えてくれた。
小さな涙の粒が、頬を伝いはじめる。彼は、周りには分からないようにと彼女の銅の器をそっと取り抱き寄せた。「大丈夫、俺が傍にいる」そう、耳元で彼女に囁き、小さな嗚咽で泣く彼女が落ち着くまで抱きよせていた。
「わたし、わたし……モーネス様と、絵を観たい」
「そうか」
「貴方の絵も、たくさん観たいです。それから……一緒に、わたし……」
「落ち着いたら、君の気持ちがはっきりしたら、その先を聞くよ。それまで、俺は待ち続ける」
「……モーネス様……はい」
涙が落ちついた彼女が顔を見せた表情は、小さな笑顔だった。それだけで、彼の心を全て奪い尽くし、彼は、アイリスでいっぱいになった。彼女を描きたい。彼女の、変わっていく表情、今の、自分だけに見せてくれている愛らしい彼女を。
彼女からは何とも言い難い。2人の事なので、周りに触れ回るということはせず、「そうですか」とさらりと返し話しを注文の話しへと切り替えていく。
一方、アイリスは美術回廊の手入れを済ますと、絵画保管庫に向かった。画家たちのアトリエ区画別に分けられており、絵画の移動の際には特に細心の注意を払う。
湿度の状態を、湿度紙を観て確認し、空気の入れ替え時間を砂時計で計測しながら行う。灯りは強いと絵画の乾燥した部分からヒビが入るため、灯りの調整も微細に行う。
アイリスの手入れしている保管庫に、モーネスのサインが入った絵画が多くあった。薄暗い灯りの中でも、彩度が明るく感じ、色の鮮やかさ、落ち着き。静寂の中で、一輪の花が輝いているようだった。
彼の絵は、王宮画家になりたての頃より段々と変化していくのが分かる。アイリスは、トーナル氏が『あの者は、モーネスは……やりたい事の我慢というのを。時期を考えることを知らない』と苦笑いしつつもどこか嬉しそうに微笑んでいたのを何度も見ている。
「これは……ここに来た時に描かれた最初の……」
模写という言葉が一番合う絵画。手入れを続けながら観ていくと、少しずつ、彼の絵画に変化が見られ。同時に、アイリスの心は、全身が火照り心臓が早鐘を打ち、いつも優しく温かい彼の手が絵筆を握り色を塗りこめている瞳を思い浮かべた。
美術の話しになる時の、彼の瞳はひどく熱っぽく色気を漂わせ、多くの女性が自身への愛を語っていると思うほどのものだと。
その彼の瞳の眼差しを、診察の後の時間。ずっと過ごしている彼との時間を想いだし、アイリスは喉が酷く乾き唇を思わず舌で軽く舐める。
ゾクリと下腹部を刺激され、甘い吐息とともに彼の絵画の前で座り込んでいた。
「わからない……こんなに、モーネス様は……絵画に……わたしには何も……ない」
彼の絵画への情熱と目の前の絵画を観て、自分の感情と言うものをどんどんと揺さぶられ今にも心臓が壊れそうなほど高鳴っている。
保管庫での手入れと掃除をなんとか終えて、居住区を歩いているとアトリエの一角を通らねばならなかった。
アイリスはできるだけ呼吸を整え、廊下を歩いていた。いつもなら、通り過ぎる画家たちは無関心に彼女の横を通っていたが……その日は、彼女の横顔を瞳で追い廊下の柱などにぶつかる者が出ていた。
「「……あっ……」」
同時に声を出し、アイリスとモーネスは廊下で出くわした。彼女の上気した頬と潤んだ瞳。モーネスを見上げた時に、唇がかすかに開いた。
ゾクゾクと彼の背中を刺激し、喉を上下させる。その彼の瞳が絵画へ向けている瞳の熱っぽさ、それを、今、彼女に向けていた。
「アイリスは保管庫の手入れだったのか?」
「はい。モーネス様は……」
「あぁ、ひと息つくところで……君も、どうだ?」
「あの、報告を済ませてからで良ければ」
「あぁ、大丈夫だ。一緒にトーナル様のとこへ行くか」
自然と彼女の手を握り、供に廊下を歩きだす。後ろからは、「あっ、あのモーネスが」と言っている声がしたり。「あぁ、やられた」と何かに後悔するような声。2人には、届いてはいなかったが……。
ノックをし入ると、トーナルの瞳が瞬いている。
「どうかしましたか?」
モーネスの何か変だろうか? という、疑問符の表情に、トーナルの方が思わず吹き出して笑っていた。
「っ、ふははっ!! いや、すまない。して、アイリス。手入れは終わったのだな?」
「はい、トーナル様」
「今日は、このまま上がってよい。あぁ、モーネス。先日のデッサンの山だが……わたしが預かるのも心が痛まれる故、返す」
「っ!! あ、ありがとうございます」
机の上の包みにくるまれたデッサン帳の山と思しきものは、一瞬にしてモーネスの空いている片手に戻った。
「モーネスも今日は、“2人で”ゆっくりと過ごすと良い」
既にトーナルから、さっさと部屋を出ろ。という手の仕草をされ、モーネスは耳を赤くしつつ彼女と供に部屋から出た。
右手には、彼女の少し冷えているが小さく柔らかく愛おしい手。指を絡め、優しく握ると、躊躇いがちに彼女も握りかえす。先ほどの、美術保管庫で観ていた時の鼓動がアイリスに襲い始める。
横目でちらりとモーネスを見やると、彼は柔らかな表情と熱い眼差しの両極端な熱を帯びて彼女を見やる。それが、彼女の何か知りたい感情というものを揺さぶり始める。
彼女が見やった時の表情をモーネスが観た時、熱を帯び始め彼を求めている様にも感じた。喉がカラカラに乾き、食堂で冷珈琲を2つにシロップを入れ庭園で一緒に椅子に腰掛けた。
「君は、シロップだけだったか?」
「はい」
「冷珈琲が好きだと知った時、少し嬉しかったな」
「なぜ? ですか……」
「なんというか、好きな物が一緒だと。君の好きな飲み物が俺と一緒なのが、嬉しかったからかな」
一緒なのが嬉しかった、という言葉にアイリスの胸は温かくなった。彼と居ると、忘れていたものを取り戻せそうな感じがしている。同時に、怖くもあった。供に読んだ、父からの最期の手紙。フィルメント侯爵が預かっている、父の作品を、自分が彼と一緒に取りに行きたいと思い始めている。
銅の器に入っている冷珈琲はひんやりとしていて、熱く乾いた喉を潤してくれるはずがなかなか潤すことがない。それは、隣に座るモーネスも同じだった。手紙を読んだ日以来、彼女の表情は徐々に、明らかに違ってきていて周りの人間も変化に気が付き始めている。特に、男性は彼女が醸し出す色に気が付き始め、思わず廊下で彼女の手を握り牽制をしてしまう程だった。
――彼女は、俺が見つけた花。だ――
「今日、モーネス様の絵画を手入れしました」
「保管庫の? 昔のは、あまり好きではないが……」
「わたしは、その……羨ましかったです。モーネス様が……貴方は心が、あるから」
「そう、感じられるという事は君には心はあるじゃないか?」
「えっ?!」
「人をうらやむ、人と居て嬉しい、楽しい。泣く、哀しい、まぁ、色々感情には名前があるが。君は感情も心もある。それが、分かりにくかった。表に、誰かに出すことがなかなかうまくいくことができなかっただけで、心がないのではない」
「……っ……」
アイリスはモーネスの言葉に、心が欠けていると言われ続けて居たがそれが辛くなかった訳ではないことに気が付いた。自分には感情も心もあること、それを、彼は言葉にして伝えてくれた。
小さな涙の粒が、頬を伝いはじめる。彼は、周りには分からないようにと彼女の銅の器をそっと取り抱き寄せた。「大丈夫、俺が傍にいる」そう、耳元で彼女に囁き、小さな嗚咽で泣く彼女が落ち着くまで抱きよせていた。
「わたし、わたし……モーネス様と、絵を観たい」
「そうか」
「貴方の絵も、たくさん観たいです。それから……一緒に、わたし……」
「落ち着いたら、君の気持ちがはっきりしたら、その先を聞くよ。それまで、俺は待ち続ける」
「……モーネス様……はい」
涙が落ちついた彼女が顔を見せた表情は、小さな笑顔だった。それだけで、彼の心を全て奪い尽くし、彼は、アイリスでいっぱいになった。彼女を描きたい。彼女の、変わっていく表情、今の、自分だけに見せてくれている愛らしい彼女を。
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