祝福は貴方だけに捧げます!!

中村湊

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彼の愛し方は激しすぎて……

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 今日から、リヒャルト様と一緒の馬車に乗って王宮へ執務にお出かけ。キッチンでサンドイッチも頑張って。
 ギルバートさんにも、お昼にと用意したら……「奥様、このギルバート幸せです!!」と。とても喜んでくれました。時間があったら、侍女の方々にも作ってみたい。
 馬車の中の彼。書類に目を通していて、とってぇーーも静か。邪魔しないのが良いですね。

 王宮につくと、彼のエスコートで執務室に通されましたが……一緒にいて、良いのか? 悩んでましたが。「構わない」と。なにやら、そっけない感じ。
 私、なにかイケナイ事をしてしまったのだろうか? お茶を頂きつつ、手持ちぶさたにならないようにと持参した刺繍道具で新しい刺繍を。
 デザインは、今までの中でお気に入りの模様。絹の白地の薄い生地に、白の糸で縫って。絹でも薄い生地を使っているので、ほつれたりしないようにするのが難しい。

 コンコン。

 「王妃様のお越しです」
 「…………」
 「リヒャルト様?」
 
 間があります。バァンと、勢いよく王妃様入ってきて。「ちょっとぉ!! マリアちゃんが来ているのに、教えてくれないって、酷いじゃない!!」とご立腹。
 いえいえ、王妃様? 仕事中で、私は、付き添いで……って、横にすでに座ってます。

 「マリアちゃん、お久し振り」
 「ご無沙汰しております。王妃様」
 「お、か、あ、さ、ま」
 「お義母かあ様」
 
 あっ、親子だなぁ……こういうときの、暴走? みたいな感じ。リヒャルト様と似ています。
 私の手許がどうやら気になったらしく、「レース地の刺繍です」と教えると。「すごーい!! 綺麗~~!!」と褒めてくださりました。

 「この生地、わりと大きいけれど……何か洋服の生地かしら?」
 「……えぇっと……」

 言いにくい。言ってはいけない、気がする。彼のいる前では……ロイ侯爵、もとい、オネエちゃんが。「アナタの刺繍で、レース刺繍の下着? 作っちゃいなさいな!!」って、言われて試しに作っているなんて……。
 リヒャルト様と、刺繍を交互に思わず見ていたら……お義母様が、分かったらしく。「楽しみよ」って、とぉっても微笑ましく。うん、微笑ましい? なにか、違う意味で期待をしてます。

 王妃様が追い出され……いえ、執務の邪魔にならないようにと帰られたあと。リヒャルト様は、お昼のサンドイッチを頬張って。「美味しかった」と。
 執務机で、黙々と仕事。私は、刺繍。
 帰りの馬車でも、彼は書類と睨めっこ。帰ってからも、執務室に籠もって。寝室には、それから私は1人で。寝ました。

 気がつくと、1週間、2週間……3週間。同じ状態。彼からは、たまにキスはされますが。あの日みたいに、熱烈に求められることは全くなくなりました。今までみたいに、「マリア、マリア」と言われたり。も、なくなって、倦怠期けんたいきでしょうか?
 婚約も婚姻も……していないですけれど。あれだけ、求められていたのが。一気になくなると、ソレはそれで寂しいですし。好き、愛してる。も、言われていない。気がします。
 お話ししようにも、なんだか……避けられたり、顔をあまり見てくれなくなったり。

 王宮の執務室にいると、王妃様だけでなく、国王様や王子様も普通にきています。お茶したり、だんだんと私のサンドイッチを食べていたり。リクエストを頂いたり。
 リヒャルト様は、黙々とお仕事。たまに、眉間に恐いくらいにしわがよったり。とても端正で、素敵なお顔ですが、眼光鋭いので怖さもあったり。でも、そういうのも、私は好きです。リヒャルト様だから。

 実務。例の無力化魔法を使う仕事も行うようになり、祝福をと思いキスをしようとしたら……。断られてしまい。

 「手に触れるか、抱き締めるだけで十分だ」

 と、リヒャルト様は抱き締めて終わり。
 
 なんだか、淡泊に。私、魅力がなくなったのでしょうか。リヒャルト様?
 彼をみると、なんだか険しい顔になって引きはがされてしまう。
 王宮に一緒に行くようになって、2ヶ月近く。この状態に、私は哀しくなるばかり。

 「リヒャルト様? 今日は、同行した方がいいですか?」
 「っ?! なぜ、そのようなことを?」
 「えっと、お弁当でしたら。朝渡しますので」
 「っ、マリア?」

 用意していたお弁当。リヒャルト様だけでなく、国王様たちの分も、一緒にバスケットに入れたのを渡して。お見送りしました。
 お昼が必要なら、朝出る時に渡せばすむし。祝福が抱き締めるくらいで大丈夫って、言うし。
 ギルバートさんは、少し不安そうでしたが。
 部屋で、ひたすら刺繍。生地の刺繍はできてきたので、あとは……仕上げの、縫い付け。

 「はぁ!! できたぁ!!」

 試しに、着てみて……いいよね? 
 
 衝立ついたてでドレスを脱いで、着ていた下着を全部脱ぐ。そして、仕上がった薄絹地の刺繍模様の下着。着てみた。
 うぅーん、刺繍の具合。少し縫い方強かったかなぁ? 色を違うので挑戦しても、面白いかな?

 「な、なんだ、その……」
 「へっ?!」
 「…………」
 「リ、リヒャルト様? いつ、お帰りに?」
 「今しがた……マリア? っ、それは……」
 「えぇっと、刺繍?」

 完全に硬直してる? 軽く、指で鼻に触れても。反応がない。似合わないよね?

 「今すぐ、着替え?! っやぁ、あっ!!」
 「誘惑するのか?」

 背中を指で、つぅーっと撫でられて。思わずでてくる甘い声。久し振りの彼の指に、とても敏感に反応していく。

 「っ、んんっ!! ぁんっ、らっ、やぁ!!」
 「こういうものを着たら、男がどういう風になるか? 教えないと、なぁ? マリア?」
 「ふっ、あぁ……りひゃ、る、とさ、まぁ……ぁあっ!!」

 絹地の隙間から、器用に彼の指が身体の敏感な部分を的確に刺激してくる。ビクビクと反応して、小さい口でキスを求める。
 彼のキスで、感じて声がとまらない。
 薄い絹の布地で、刺繍は胸の頂きを見え隠れするように仕上がっていたり、身体の線に併せて流れるような花や葉、茎の模様。そして、胸の形を強調するように流れる刺繍模様。スリットの入ったワンピースのように仕立て上げた。
 抱き締めてキスをしている彼の滾ったモノが、下腹部にあたって。今までにないくらい。1度受け入れている以上のように、熱く感じて。
 
 「っん、はぁ。ずっ、るぅい……ダメぇ」
 「んっ? なにがズルイ? ダメなんだ? マリア」
 
 鋭い瞳で捉えられた獲物のようになって、ふるふると震える。あぁ、違う。もっと、彼に求められたい。彼に……。
 彼の大きな節張った指が、胸を優しく悪戯に撫でてくる。頂きを布地越しに唇と舌で愛撫をはじめ、水音を唇から。わざと聞かせているように。
 胸に触れていない手が、下腹部の下へと撫でおりていき蜜が溢れ出ているところを刺激する。ビクンと跳ね上がる身体が、離れないようにキスもされる。
 もう、身体も心も、頭も全部。一気にとかされて……彼に必死にしがみついている。

 「ぅん、リヒャルト様。もっと欲しいです」
 「なにが、欲しい?」
 「リヒャルト様の……愛」
 「アカネ。さすが、俺の妻だな」
 「マリアは?」
 「あぁ、2人とも……俺の妻だ」

 甘く響く、低くて痺れる声。耳元で囁いて、耳たぶを甘噛みしたりしながら「我慢していたが、むりだ」と言う彼。

 「わ、たし。リヒャルト様に嫌われたんじゃないかって……」
 「その、君を初めて抱いた夜が……シ過ぎだと、ギルバートに」 
 「……えぇっと、気絶した日? ですよね?」
 「加減は気を付けてみるが、いいか?」
 「はい」

 彼が、少し何かの魔法を遣って。「アルとロイに教わったスキルだから、安心してくれ」と苦虫にがむしつぶす表情で言ってましたが。
 よっぽど、2人に聞くのが嫌だったのでしょうね。エッチの時に役立つようなスキルを聞くのが……2人には、お礼をしておきます。私が。

 「ぁっ、あぁ!! やっ、なに? ひゃぁ!!」
 「効いてきたみたいだな? 互いに感じやすくなるのと、疲労の回復もあると言っていたアルバルトが。ロイのは……今は、子どもは早いと……そういうスキルらしい」
 「ふぁ、やっ、あぁ!! 指、らめぇ!!」
 「俺も触れてるだけで、気持ちが良い」

 彼が3ヶ月ぶりに愛し始めてくれたけれど……超絶絶倫に変わりはなくて。
 身体中が敏感で、彼に触れられるだけでキスするだけで。互いに……リヒャルト様は、私と繋がった中の状態で愛撫もとても丁寧にしてくれて。
 頭がふわふわして、リヒャルト様だけしか見れていないのに。もっと、もっと、彼だけの心になりたくて。どんどん、彼に意地悪な言い方もされたくて。

 「リヒャルト様ぁ!! いっぱい、欲しいですぅ」
 「マリア? その言い方は、イヤラシいぞっ!! ぅくっ!!」
 「っあ、あぁ!! やぁん!! また、きちゃうぅ!!」
 「このスキル……あぶなっい、なっ!!」
 「あっ、あぁん!! 好きぃ、リヒャルト様ぁ!! 愛してますぅ!!」
 「俺も愛してる!! なぁ、マリア? このまま、しばらくっ!! していないとっ、マズい!!」
 「んっ、あぁ!! やぁ、あっあぁ!! やぁ、ダメ、ダメェ!!」

 彼の魔法の器。元々が大きすぎるが故に、祝福を与えられる人がいなかった。魔法の力が戻って、もとの器が元通り以上にさらに満たされる祝福。
 彼の心も満たされているが故に、スキルはアルバルトが発動するよりも強く大きくなっていた。リヒャルトは思っていた以上に、堪り過ぎていたので……反動で、マリア。アカネを久し振りに愛し合えると、同意を得たが。元々の超絶絶倫。
 彼女の愛らしい甘い声、「リヒャルト様」とく声。キスを求め、背中にしがみついてくる彼女。

 衝立の中で、彼女を何度か抱き。そこからは、ベッドへ移動し、彼女を愛した。
 一晩、愛し合った。初めて抱いた時は、勢いが強かったが。今回は……中身が濃かった。

 「~~~っ。リヒャルト様。あの魔法スキル……強すぎます!!」
 「今回は強く発動したが、次回は善処する」
 「おねがい、します」
 「あぁ。マリアは気絶しなかったし。俺も嬉しい」
 「えっと、それは……気絶なしはアリガタイデス」

 お腹がどちらからともなく、鳴った。
 ガウンを着た彼が、扉を開けるとワゴンに軽食が用意されていた。準備もタイミングもばっちり。ギルバートさん!! あなたには、なにかアルのでしょうか? 魔法スキル、聞いたらいけません!! リヒャルト様に仕える執事長ですから……きっと、豊富なスキル発動できるのです。きっと。

 「アレは、誰しも分かるタイミングですから」

 と、翌日。ギルバートさん。ほっほって、好々爺こうこうやみたいに柔やかに笑顔で……って、指は耳をさして……。あぁぁぁぁあぁぁ!! こぉえーーーーーーー?!
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