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王都に行きたくない。
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ついに第2王子のストーリーです!
主人公はヒロインなのですがw
楽しんで貰えたら嬉しいです。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ナタリア・カロナリア18歳
逃げ回っていた社交界デビューの適齢期ギリギリの年齢でのデビュー。
早い子は14歳でデビューして、16歳で結婚しているので22歳過ぎると行き遅れと言われる中ではかなり珍しいデビューになる。
下位貴族は資金繰りとかの関係でその歳頃でデビューする人も稀にいるとからしいが伯爵家では変わり者の変人くらいらしい
近隣の令嬢が集まるお茶会には行ったことはあるが、どうやら兄さんたちのせいでもあって『お転婆』と評判らしい。
お転婆なのは自覚してるよ?
そしたらさ、お見合いした令息にズボンをはいて男のように馬に乗っている所を見られてから『跳ねっ返り令嬢』と揶揄されるようになってしまったんだよね。
別に王都のお淑やかな令嬢みたいになりたいとか無いし、なんならデビューしないでウチの騎士団の有望株の誰かが結婚してくれたらラッキーくらいにしか思って無かったけど、親的には貴族に嫁いでもう少し女らしくしていて欲しいみたい。
いやーちょっとは努力したんだよ?
夜会とかお茶会の間くらいは令嬢に擬態出来るくらいにはさ、長時間は無理よ。
そんなこんなで産まれて始めて王都に向かっている私の気持ちはどんよりしている。
王都に向かうルートでがけ崩れがあり、旧マールブルク領(現王領)を通ることになった時、山賊に襲われた。
元々この地はマールブルク家っていう伯爵家が収めていたけど色々やらかしてお家取り潰しになった後王家の直轄領になったそう。
最初の数年はまともな代官だったようだがここ数年の代官がやらかして治安が悪くなったので街道も荒れ山賊が増えた事でこのルートは避けて王都に行く予定だったのに……
まぁウチの精鋭護衛には無意味だったよねー
ものの数分で片付きますから。
山賊を縛り上げてさぁどうしようかと護衛に着いてくれたウチの騎士団長(過保護だよね……)と相談していると馬の脚音が複数聞こえる。
騎士団長は警戒しているが、この脚音は訓練された軍馬たちのもののようなので多分大丈夫だろう。
「旅の者か?」
馬上から偉そうな物言いね。
「カロナリア辺境伯家のお嬢様を王都にお連れしているところでございます。」
ちょっと騎士団長ったら彼の顔を見た途端最高位の礼をしだしたって事はヤバい。
「カロナリア辺境伯の末の娘のナタリアと申します。」
団長が礼をしたと言うことは家より高位の方、それも王族か公爵家の方だろう。
「あぁ、カロナリア辺境伯の……まず顔をあげてくれ。」
下馬され近寄ってくるがめんどくさいので関わりたくないのが本音。
「私はアルフォード・フォロバ、現国王の弟だ。」
げぇ、まさかの王弟殿下。
「お初お目にかかります王弟殿下。」
「非公式の場だ気を楽にしてくれ、それに山賊に襲われて怖い思いをしただろう?」
「え?あ、ああ!お気遣いありがとうございます。」
ぶっちゃけ怖い思いとかなかったわ~
なんなら終わった途端馬車から降りてるくらいには呑気だったりするから反応が遅れてしまう。
「くくくっ……、さすが辺境伯家の娘だな。」
なんとも思っていなかったのがバレたらしく殿下は意地が悪い笑いを堪えるようにしている。
こういう人のことを腹黒って言うんだろうね。
「恐れ入ります。」
「山賊の後始末は部下たちにさせるからカロナリア嬢を領都まで送ろう。」
「い、いえお気遣いありがとうございます、ですがわたくしどもだけで大丈夫ですので殿下のお手を煩わせる訳にはまいりません。」
「私がそうしたいのだから気にするな。」
「ですが、」
「ほら、貴殿がこの隊の隊長か?先導するから令嬢を馬車に乗せて着いてくるように。」
「はっ!」
ちょっと団長!!
逆らえないの分かるけど、分かるけどさぁーーー!
厄介な人と関わってしまった……
さっきまでの王都に行くのに抱えていた気持ちがより一層の重たくなったのだった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
初っ端から殿下登場!
尊大な言い方は10年後でも変わりませーん( ̄▽ ̄;)
主人公はヒロインなのですがw
楽しんで貰えたら嬉しいです。
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ナタリア・カロナリア18歳
逃げ回っていた社交界デビューの適齢期ギリギリの年齢でのデビュー。
早い子は14歳でデビューして、16歳で結婚しているので22歳過ぎると行き遅れと言われる中ではかなり珍しいデビューになる。
下位貴族は資金繰りとかの関係でその歳頃でデビューする人も稀にいるとからしいが伯爵家では変わり者の変人くらいらしい
近隣の令嬢が集まるお茶会には行ったことはあるが、どうやら兄さんたちのせいでもあって『お転婆』と評判らしい。
お転婆なのは自覚してるよ?
そしたらさ、お見合いした令息にズボンをはいて男のように馬に乗っている所を見られてから『跳ねっ返り令嬢』と揶揄されるようになってしまったんだよね。
別に王都のお淑やかな令嬢みたいになりたいとか無いし、なんならデビューしないでウチの騎士団の有望株の誰かが結婚してくれたらラッキーくらいにしか思って無かったけど、親的には貴族に嫁いでもう少し女らしくしていて欲しいみたい。
いやーちょっとは努力したんだよ?
夜会とかお茶会の間くらいは令嬢に擬態出来るくらいにはさ、長時間は無理よ。
そんなこんなで産まれて始めて王都に向かっている私の気持ちはどんよりしている。
王都に向かうルートでがけ崩れがあり、旧マールブルク領(現王領)を通ることになった時、山賊に襲われた。
元々この地はマールブルク家っていう伯爵家が収めていたけど色々やらかしてお家取り潰しになった後王家の直轄領になったそう。
最初の数年はまともな代官だったようだがここ数年の代官がやらかして治安が悪くなったので街道も荒れ山賊が増えた事でこのルートは避けて王都に行く予定だったのに……
まぁウチの精鋭護衛には無意味だったよねー
ものの数分で片付きますから。
山賊を縛り上げてさぁどうしようかと護衛に着いてくれたウチの騎士団長(過保護だよね……)と相談していると馬の脚音が複数聞こえる。
騎士団長は警戒しているが、この脚音は訓練された軍馬たちのもののようなので多分大丈夫だろう。
「旅の者か?」
馬上から偉そうな物言いね。
「カロナリア辺境伯家のお嬢様を王都にお連れしているところでございます。」
ちょっと騎士団長ったら彼の顔を見た途端最高位の礼をしだしたって事はヤバい。
「カロナリア辺境伯の末の娘のナタリアと申します。」
団長が礼をしたと言うことは家より高位の方、それも王族か公爵家の方だろう。
「あぁ、カロナリア辺境伯の……まず顔をあげてくれ。」
下馬され近寄ってくるがめんどくさいので関わりたくないのが本音。
「私はアルフォード・フォロバ、現国王の弟だ。」
げぇ、まさかの王弟殿下。
「お初お目にかかります王弟殿下。」
「非公式の場だ気を楽にしてくれ、それに山賊に襲われて怖い思いをしただろう?」
「え?あ、ああ!お気遣いありがとうございます。」
ぶっちゃけ怖い思いとかなかったわ~
なんなら終わった途端馬車から降りてるくらいには呑気だったりするから反応が遅れてしまう。
「くくくっ……、さすが辺境伯家の娘だな。」
なんとも思っていなかったのがバレたらしく殿下は意地が悪い笑いを堪えるようにしている。
こういう人のことを腹黒って言うんだろうね。
「恐れ入ります。」
「山賊の後始末は部下たちにさせるからカロナリア嬢を領都まで送ろう。」
「い、いえお気遣いありがとうございます、ですがわたくしどもだけで大丈夫ですので殿下のお手を煩わせる訳にはまいりません。」
「私がそうしたいのだから気にするな。」
「ですが、」
「ほら、貴殿がこの隊の隊長か?先導するから令嬢を馬車に乗せて着いてくるように。」
「はっ!」
ちょっと団長!!
逆らえないの分かるけど、分かるけどさぁーーー!
厄介な人と関わってしまった……
さっきまでの王都に行くのに抱えていた気持ちがより一層の重たくなったのだった。
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初っ端から殿下登場!
尊大な言い方は10年後でも変わりませーん( ̄▽ ̄;)
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