跳ね返り令嬢、腹黒殿下に捕まります!?

さくらもち

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絡まれました!

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私がお茶会で擬態する理由のひとつが女性の嫉妬が怖い事。
辺境伯家周辺のお茶会でもお兄様達が人気で妹ってだけで嫉妬されていたのに、王都では優良物件の王弟殿下が未だ独身で行き遅れ令嬢がチラホラいる現状の中田舎者が横からかっさらったみたいになってるよね……
辺境伯家周辺の令嬢たちより王都の方が陰湿だから気をつけてと1番上のお兄様の奥さんであるお義姉様から注意されていたけど今その修羅場?の佳境かもしれない。

「まぁ、田舎者らしいドレスだこと。」
「そのようなこと言っては可哀想よ、王都の洗練されたデザインを知らないのよ。」
「あの方もきっと物珍しい珍獣に興味を持たれたのかしら。」
おー言いたい放題だ。
ドレス貶したのは伯爵令嬢だそう、珍獣と言い放ったのは子爵令嬢。
マナー的な問題の話をすると私はこの人たちと会話は一切していない。
勝手に名乗っていたがどの方も私より身分的には下になるのに勝手に私に話しかけてきて喚く喚く。
喚いていることから察するにどうやら伯爵家に滞在していて王都に屋敷も持てない爵位の低い家のものだろうと思っているらしい。
反論してもいいが、めんどくさいので黙っておく。
ヒートアップして周りもそろそろ眉をひそめてこちらに注目しているのにも気づけない程度の方々なのね。

あーそれはダメだ、一切反応しないでお茶を飲み続けている私に苛立った1人が隣の席にあったティーカップを持ち上げる。
一応避けることも出来るけど、自滅してもらいましょうか。ドレスには大変申し訳無いと言うかかなり葛藤したけど。

『バシャッ!』
「貴女方何をなさっていらっしゃるの?」

彼女たちの後ろにシェーングレン公爵夫人が近づいてきていたのであえて黙っていた。
「リディア様ごきげんよう。」
「ナタリア、大丈夫?」
たとえ私が悪かったとしても公爵夫人の前で人にお茶をかけることろを見られたのはマズイ!って事くらい把握出来てるらしく顔が真っ青になってる。
「はい、ですがせっかくのリディア様のショップのドレスを汚してしまい申し訳ございません。」
そうなの、殿下ったらデイドレスも数着勝手に注文していて先日届いたのを今日は着ていたのにそのドレスをバカにしていたのがこの3人の令嬢って訳で……
その事は後々近くにいて傍観していた誰かがリディア様のお耳に入れることになるだろうね。
突然現れた公爵夫人の名前呼びを許されておりその上夫人の経営するドレスショップのドレスを貶したとかもうこの人たちの人生は終わったも同然よね…

「ナタリアはドレスを着替えましょうね。」
リディア様がそつなく手配してくれて客室に通され何故かサイズピッタリのデイドレスに着替えさせてもらいお茶会の会場に戻る。

戻った会場は異様な雰囲気で会話が一切なく案内されリディア様の元に戻ると優雅にお茶を飲まれているリディア様の前に3人が並んで立っており俯いてドレスを握りしめているとかどういう状況よ。

「あらナタリア、そのドレスもとってもよくお似合いよ。」
「リディア様もどりましたわ、素敵なドレスをお貸しいただいてありがとうございます。」
「いいのよ、わたくしも初めてのお茶会の時に同じ事があったの。ナタリアも同じ事があった時に困らないように用意しておいてよかったわ。」
えぇ、この人にお茶ぶっかけるとか勇者かな?
「リディア様程の方でもそのような事があったのですね。」
「私の場合は特殊だと思うわ?」
「今後の参考に今度ご迷惑でなければその時の事を教えて頂けますでしょうか?」
「ええ、ナタリアにならいくらでも教えますわ!」
「ありがとうございます。」

まぁ周りは皇后陛下のご実家のシェーングレン家のリディア様と懇意にしていることに困惑しているよね?
あの令嬢は誰だろうってなるよね?

「さて、貴女方はいつまで黙っていらっしゃるのかしら?」
私に話しかけるとは違う厳しいお声……
「あ、う、えっ……」
「………」
「ぐすっ」
1人泣いてません?

「はぁ、困りましたわね。ねぇそこのライラックのドレスの方知っていることをお話してくださる?」
本人たちは喋らないので近くにいた大人しそうな令嬢に声をかけて話を聞かれるようだ……

それから何人かにリディア様がお尋ねになられていた。
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