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初めての長期休み
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学園での初めての長期休みはひたすら引きこもって絵を描いたり時々商会の仕事をしてみたりと思っていたんだけど、社交ってのが私を逃がしてはくれなかった。(めんどくさい)
侯爵家の養子で既に子爵、なおかつ子爵家の所有する商会は目新しいものが多く金には困っていない上に第2王子の側近。
そんな好条件の物件は女子生徒が群がらない訳が無いよね。
なんなら格上伯爵家の令嬢達も侯爵家の養子って大義名分があるから媚びてくるんだよ!まだ幼い彼女たちが香水と化粧の匂いを撒き散らすのは正直受け付けない。
前世では女だったけどこの世界の香料は結構キツイ。まぁ毎日お風呂に入る習慣がない中世ヨーロッパでも臭い隠しの香水ってあったらしいからそんな感じの設定なんだろうけどさ、キャシーはそういうのを好まずシンプルな物を愛用しているらしくこんなに不快感は感じない。
避暑と称してサイラス殿下が避暑地に行くと知れ渡ってからご令嬢たちが押しかけてくると予想され私もついて行くことになってしまったんだよ。
長期休みに入りすぐに避暑地に行き、サイラス殿下をお迎えする準備を騎士団長子息のヤヌークとする事になり馬車に乗っている所なんだけど、コイツ苦手なんだよね。
「リーフは相変わらず少食だな。」
ランチ休憩で1度馬車から降り携帯食と簡易スープを飲んでいるとヤヌークが山盛りのソーセージを皿にのせてやってくる。
「別に馬車に乗っているだけだしそんなにお腹は空かないだろ。」
最近男言葉にもだいぶ慣れてきたなぁ。
「ふん、だからお前はひょろひょろなんだ、少しは身体を鍛えろよ。」
脳筋と一緒にしないで欲しいわ。
「私は身体を使う事より頭を使うから問題ない。」
似たような会話を側近になってから何度したと思っているんだこいつ。
「サイラス殿下に何かあった時はどうするんだ。」
「そういうのはヤヌークに任せる、最悪私は殿下の盾にはなれるさ。」
一応侯爵家で嗜みとして剣術は最低限学んだけどさ、身体を動かすことは向いてないんだよ。
前世でも学校の体育位しか身体を動かしてない筋金入りのインドア派なんだからさ、なんとか基本的な剣術だけ出来れば父上も無理強いしなかったと言うか、リーフにも苦手なものがあったのだなと笑ってたしね。
結局ヤヌークに無理やりソーセージを1本食わされて午後の馬車の中では満腹で苦しんで窓にもたれかかってやり過ごしたよ。
ちなみにヤヌークは身体がなまると騎士の馬を借りていたけどね。
乗馬も出来なくはないがこちらは移動手段として必須なので苦手でも早駆けがある程度出来る程度まで鍛えられたけどかなり辛かったなぁ…なんて遠い目になっちゃったよ。
そんなこなで、王都から2日と半日かかる避暑地にたどり着いた。
王都から比較的近いのに涼しいのは謎だけど自然も程よくある街並みで前世のテレビ特集でみた軽井沢ポイ所だ。
と言うか元々乙女ゲームだし諸々ご都合主義だなこりゃ。
湖のほとりに建つ白亜の豪邸(あくまで城規模では無いがそれなりに大きい)である離宮に到着し今日はゆっくり休む。
殿下たちは明後日到着予定なのでコチラの管理者や先に来ていた使用人たちとの確認だけなんだけど側近としての仕事の練習をさせられている。
実際は大人の執事たちが取り仕切ってくれているので大きな問題はそうそう起こらないがこれも仕事だ。
唯一ここに来てよかったのは景色が最高だ。
側近という事で比較的良い客室をあてがわれバルコニーに出ると湖が一望出来るので思わず簡易スケッチをとって居たらあっという間に夕食時になってしまっていたのは仕方が無いことだろう。
侯爵家の養子で既に子爵、なおかつ子爵家の所有する商会は目新しいものが多く金には困っていない上に第2王子の側近。
そんな好条件の物件は女子生徒が群がらない訳が無いよね。
なんなら格上伯爵家の令嬢達も侯爵家の養子って大義名分があるから媚びてくるんだよ!まだ幼い彼女たちが香水と化粧の匂いを撒き散らすのは正直受け付けない。
前世では女だったけどこの世界の香料は結構キツイ。まぁ毎日お風呂に入る習慣がない中世ヨーロッパでも臭い隠しの香水ってあったらしいからそんな感じの設定なんだろうけどさ、キャシーはそういうのを好まずシンプルな物を愛用しているらしくこんなに不快感は感じない。
避暑と称してサイラス殿下が避暑地に行くと知れ渡ってからご令嬢たちが押しかけてくると予想され私もついて行くことになってしまったんだよ。
長期休みに入りすぐに避暑地に行き、サイラス殿下をお迎えする準備を騎士団長子息のヤヌークとする事になり馬車に乗っている所なんだけど、コイツ苦手なんだよね。
「リーフは相変わらず少食だな。」
ランチ休憩で1度馬車から降り携帯食と簡易スープを飲んでいるとヤヌークが山盛りのソーセージを皿にのせてやってくる。
「別に馬車に乗っているだけだしそんなにお腹は空かないだろ。」
最近男言葉にもだいぶ慣れてきたなぁ。
「ふん、だからお前はひょろひょろなんだ、少しは身体を鍛えろよ。」
脳筋と一緒にしないで欲しいわ。
「私は身体を使う事より頭を使うから問題ない。」
似たような会話を側近になってから何度したと思っているんだこいつ。
「サイラス殿下に何かあった時はどうするんだ。」
「そういうのはヤヌークに任せる、最悪私は殿下の盾にはなれるさ。」
一応侯爵家で嗜みとして剣術は最低限学んだけどさ、身体を動かすことは向いてないんだよ。
前世でも学校の体育位しか身体を動かしてない筋金入りのインドア派なんだからさ、なんとか基本的な剣術だけ出来れば父上も無理強いしなかったと言うか、リーフにも苦手なものがあったのだなと笑ってたしね。
結局ヤヌークに無理やりソーセージを1本食わされて午後の馬車の中では満腹で苦しんで窓にもたれかかってやり過ごしたよ。
ちなみにヤヌークは身体がなまると騎士の馬を借りていたけどね。
乗馬も出来なくはないがこちらは移動手段として必須なので苦手でも早駆けがある程度出来る程度まで鍛えられたけどかなり辛かったなぁ…なんて遠い目になっちゃったよ。
そんなこなで、王都から2日と半日かかる避暑地にたどり着いた。
王都から比較的近いのに涼しいのは謎だけど自然も程よくある街並みで前世のテレビ特集でみた軽井沢ポイ所だ。
と言うか元々乙女ゲームだし諸々ご都合主義だなこりゃ。
湖のほとりに建つ白亜の豪邸(あくまで城規模では無いがそれなりに大きい)である離宮に到着し今日はゆっくり休む。
殿下たちは明後日到着予定なのでコチラの管理者や先に来ていた使用人たちとの確認だけなんだけど側近としての仕事の練習をさせられている。
実際は大人の執事たちが取り仕切ってくれているので大きな問題はそうそう起こらないがこれも仕事だ。
唯一ここに来てよかったのは景色が最高だ。
側近という事で比較的良い客室をあてがわれバルコニーに出ると湖が一望出来るので思わず簡易スケッチをとって居たらあっという間に夕食時になってしまっていたのは仕方が無いことだろう。
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