好きな世界を選んでいいと言われたんですが、多すぎるから分裂しちゃいました。

ニコニ

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第ニ章

アルバァ 第3話

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 なんやかんやで僕が独りで百面相しているうちに『ロナン』についてしまった。僕はコルネーリオさんたちと一緒に門の前の列に並んだ。

 列の。というか全く人が見えない。精々三人くらいだろう。なのに門まで辿り着くのに結構時間がかかった。先に並んでいる方が

 ここまで普通に読んでいればお気づきだろう。僕が言っていることは矛盾しているように思う人もいる筈だ。
 だが、僕が言っていることに何ら偽りもなければ語弊もない。

 ほとんどはじゃなかったからだ。列に並んでいる者の全体数は目測で40よりも少し多いところだろうか。

 鱗が生えていたり、角が生えていたり、肌の色が白と黒どころか緑と青だったり、三メートル以上高かったり、一メートルにも満たなかったりと、統一感が全くない列だった。

 5メートルはあるだろう門と10メートル以上ある城壁を見て、最初はこんなに大きく建てるのは予算の無駄遣いじゃないかと賢しらも勘繰っていた。
 単純に僕の見識が浅薄だった、恥ずかしい限りである。

 今は寧ろ、もっと高くて分厚くしても足りないじゃないかと考え始めた。10メートルでも、攀じ登れるヤツが普通にいそうな気がする。
 丁度前に並んでいる翼が生えている方なんかは、そのまま城壁を越えようとすれば簡単にできるだろう。

 そう言えば、何処かのテレビ番組で鳥類の飛行能力は身体がとにかく軽いから成し得る技と言っていた。もし人類がそれに相当する能力を手に入れようとすれば骨がスカスカになり、自分の重さで潰れかねないとも言っていた。

 潰れていないことから想像するに、恐らく骨はスカスカになってはいない。しかし、この世界と前世の物理法則が同じとは限らない。
 この世界では骨はとても軽い上に恐ろしく頑丈な構造をしているかもしれない。若しくはこの方の種族のみに存在する特性なのかもしれない。

 この世界にはまだ僕が既知の未知だけでも幾つかある。
 当然と言えば当然だ。この世界に来てからまだ僅か数時間。とんでもない天才でもない僕がそんなにこの世界について知らないのも無理はない。
 並外れた洞察力で周囲の状況を一瞬で分析して答えを導くことができたら、どんなに素晴らしいことか。

 だからと言って、困っていないと言えば否だ。まるでこの世に生まれたばかり赤ん坊(見た目は違うが生まれて数時間という意味ではそのとおりだ)のようなこの状態にはもどかしさを感じている。


 「すごい列ですね。」

 「やはりそう思いますか?私たちも最初にこの町に来た時は驚きました。確かに、これほどの多種族が一列に並んでいるのは珍しいことですね。この国は元々『人族至上主義』を掲げてましたので、『人族』以外には寛容ではありません。
 当代の国王陛下は他種族に対して様々な緩和政策を実施していらっしゃるのですが、長年この国に植え付けられた思想回路を作り変えることは中々に難しいものです。」

 コルネーリオさんは相変わらず笑顔で淡々と話しているけど、どこか寂しい雰囲気を漂わせていた。

 ……気のせいかもしれないが、一瞬だけゾワリとさせる寒気を発していた。

 しかし、カヴァリエーレさんも、ドナートさんも特に何か感じた様子はない。やはり僕の勘違いだったのだろうか。この身体は未だに使いこなせていないし、単に身体の不調ということかもしれない。

 そんなことよりもコルネーリオさんの話を聞こう。この世界で初めて知り合ったし、今の僕にとっては貴重な情報源だ。



 「普通は滅多に見れない他種族でも、ここでは違います。ロナンはこの『バロレア王国』の玄関口です。隣国の『スペクリア十公同盟』には多種多様な種族が存在し、この『フェセーク大陸』では恐らく『同盟』より多様な種族が共存している国は存在しません。
 ただでしたら『パネン海洋都市国家』ですが……」

 またさっきの寒気を感じた。もしかしたら気のせいじゃないかもしれない。一体何が彼にそんな感情を抱かせるのだろう。

 その寒気は並大抵のことではとても発することができはしない。僕は何度かそれを感じたことがある。
 そのうち一回は通り魔の男から感じた。会社の通勤途中で偶々出会ってしまった。自然体そのものでカッターを持ち、交差点を歩いていた。
 そして顔色ひとつ変えずに近くの誰かの首目掛けて大きく腕を振った。直ぐに警察が来てその男を逮捕したが、彼はとても満足した顔をしていた。

 コルネーリオさんから彼と何か通じるものを感じた。
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