7 / 59
第一章
ワーヒド 第3話
しおりを挟む
しばらく歩いてるうちにまだ何が近づいてきた。
敵か!と身構えしてしまったが、どうやら馬車のようだ。
これはこの世界の住民に接触するチャンスだ、近づいて相手の出方を見て慎重にいこう。
「おや、こんなところに魔法使いさんが何の用だ?この近くで魔法の実験でもするつもりか?」
異世界の言葉はどのようになっているのかが気になったが、スキルのおかげで日本語に翻訳してくれるらしい。
でもどうしよう、相手がメッチャこっちを警戒してる。
魔法使いはこの世界では危険な存在なのか?
さっきの発言からすると、もしかしたらこの世界の魔術師はあっちこっちで怪しい実験をして、一般人から疎まれているのかもしれない。
それはそれで助かる。これなら言動が多少おかしくても魔法使いということで誤魔化せるし、向こうもある程度それで片付けてくれるだろう。
取りあえず警戒を解きたい。
「怪しいものではありません、たまたま通りかかった者です。」
あくまでたまたま通りかかった者と言う。旅の者とも魔術師とも言わない。旅の者と言ったら、ここがどこなのか知らないのはおかしいし、魔術師と言っても、この世界の魔術師の詳しい情報がないままだといつかばれる恐れがある。
最低限の情報だけ言って、あとは好きに想像させれば良い。
「へぇ、さすがは魔法使いさん。田舎もんの俺と違って、礼儀正しいもんだ。」
御者の男は笑って話しているが、目には警戒の色がまだ残っている。まぁ、初対面の人にいきなり警戒を解く方がどうかしてるから気にしない。
「アル、何があったか?」
馬車の中に誰かいるようだ。声からして男性。
「どうやら魔法使いさんが通りかかったらしいぜ。」
御者の男がそう言うと、馬車の中から貴族風のいけすかないイケメンが出てきた。決して嫉妬で悪く言ったわけではない。
「魔法使いの方ですか。私はアーラム伯爵家の四男のミディール・ロン・アーラムです。お名前を伺っても?」
「ワーヒド・ヒグチと申します。」
本当に貴族だった。どうしよう、貴族と話したことなんてないから礼儀とかよくわからない、地球の方でも時代にょっては貴族の不興を買って殺されたなんてよく聞く。
でも、目の前の方あまり気にしてないようだ。単に目の前の男が礼儀を気にしないのか、はたまたこの世界の貴族の礼儀が緩いのか、よく調べる必要がある。
「どこかのお抱えの魔術師でしょうか?」
「いえ、どこにも。」
僕はこの世界の情勢に疎い、無理に嘘をつくより真実を話した方がいいだろう。
「なら、我がアーラム領へ訪れてはどうか?何か急ぎの用事あれば無理はしなくていいが。」
なんと、そちらの方からお誘いが来た。危険度も上がるが、せっかくの情報源を逃す手はない。
「是非とも、そうさせていただきます。」
そのあと馬車に案内されて、談笑の間にさりげなくこちらの情報を探ろうとするが、こちらも同じようなことをしているから悪いとは思わない。
情報戦はどのくらい大事なのか、前世の仕事で嫌だと言うほど知った。情報戦は漏らした方が悪い。
「ワーヒド殿はどちらから来たのだろうか?
東の王国から海を渡って来たのだろうか?」
東の王国と言った時、一瞬ではあるが目線が鋭くなった。この国と何があったかもしれない。
「では、何しにこちらへきたのだろうか?
ここは大したもの何もないからはずと思うが。」
出身のことを聞かれなくなったのは助かる、この世界の国について何も知らないから。
しかし、目的を聞いても特にここに用があったわけではなく、転移先がここというだけ。そんなこと言えるはずもない。
「通りかかっただけです。」
もう知らない、これで押し通る、どうにとでもなれ。
向こうが何を聞いても曖昧な返事しかできなかった。向こうも何か察したらのか、こっちのことを聞かず、アーラム領のことを話し始めた。すみませんでした、先ほど僕の嫉妬という醜い感情により悪く言いました、あなたメッチャいい人です。僕が汚いだけです。
話したことをまとめるとアーラム家は最近数十年できた新興貴族で、領地面積は平均より下、領民も少ない、経済の方も豊かではなく、貧困ではないが、ギリギリ。領の東は海に面しているため、そこから作られる名産品でなんとか賄えている様子。
さっき大したものはないと言ったが、それは謙虚ではなく、本当にないようだ。
馬車が急に止まり、何事かと思っていると。
「大変だ!オークの群れだ!30はある!」
オークというのはさっき殺したヤツだろうかだったら30くらいならなんとかなるかもしれない。
僕は窓からオークの群れを見て、実戦経験なんてさっきの一回だけなのに、なぜか簡単にできると心の底から思えた。
敵か!と身構えしてしまったが、どうやら馬車のようだ。
これはこの世界の住民に接触するチャンスだ、近づいて相手の出方を見て慎重にいこう。
「おや、こんなところに魔法使いさんが何の用だ?この近くで魔法の実験でもするつもりか?」
異世界の言葉はどのようになっているのかが気になったが、スキルのおかげで日本語に翻訳してくれるらしい。
でもどうしよう、相手がメッチャこっちを警戒してる。
魔法使いはこの世界では危険な存在なのか?
さっきの発言からすると、もしかしたらこの世界の魔術師はあっちこっちで怪しい実験をして、一般人から疎まれているのかもしれない。
それはそれで助かる。これなら言動が多少おかしくても魔法使いということで誤魔化せるし、向こうもある程度それで片付けてくれるだろう。
取りあえず警戒を解きたい。
「怪しいものではありません、たまたま通りかかった者です。」
あくまでたまたま通りかかった者と言う。旅の者とも魔術師とも言わない。旅の者と言ったら、ここがどこなのか知らないのはおかしいし、魔術師と言っても、この世界の魔術師の詳しい情報がないままだといつかばれる恐れがある。
最低限の情報だけ言って、あとは好きに想像させれば良い。
「へぇ、さすがは魔法使いさん。田舎もんの俺と違って、礼儀正しいもんだ。」
御者の男は笑って話しているが、目には警戒の色がまだ残っている。まぁ、初対面の人にいきなり警戒を解く方がどうかしてるから気にしない。
「アル、何があったか?」
馬車の中に誰かいるようだ。声からして男性。
「どうやら魔法使いさんが通りかかったらしいぜ。」
御者の男がそう言うと、馬車の中から貴族風のいけすかないイケメンが出てきた。決して嫉妬で悪く言ったわけではない。
「魔法使いの方ですか。私はアーラム伯爵家の四男のミディール・ロン・アーラムです。お名前を伺っても?」
「ワーヒド・ヒグチと申します。」
本当に貴族だった。どうしよう、貴族と話したことなんてないから礼儀とかよくわからない、地球の方でも時代にょっては貴族の不興を買って殺されたなんてよく聞く。
でも、目の前の方あまり気にしてないようだ。単に目の前の男が礼儀を気にしないのか、はたまたこの世界の貴族の礼儀が緩いのか、よく調べる必要がある。
「どこかのお抱えの魔術師でしょうか?」
「いえ、どこにも。」
僕はこの世界の情勢に疎い、無理に嘘をつくより真実を話した方がいいだろう。
「なら、我がアーラム領へ訪れてはどうか?何か急ぎの用事あれば無理はしなくていいが。」
なんと、そちらの方からお誘いが来た。危険度も上がるが、せっかくの情報源を逃す手はない。
「是非とも、そうさせていただきます。」
そのあと馬車に案内されて、談笑の間にさりげなくこちらの情報を探ろうとするが、こちらも同じようなことをしているから悪いとは思わない。
情報戦はどのくらい大事なのか、前世の仕事で嫌だと言うほど知った。情報戦は漏らした方が悪い。
「ワーヒド殿はどちらから来たのだろうか?
東の王国から海を渡って来たのだろうか?」
東の王国と言った時、一瞬ではあるが目線が鋭くなった。この国と何があったかもしれない。
「では、何しにこちらへきたのだろうか?
ここは大したもの何もないからはずと思うが。」
出身のことを聞かれなくなったのは助かる、この世界の国について何も知らないから。
しかし、目的を聞いても特にここに用があったわけではなく、転移先がここというだけ。そんなこと言えるはずもない。
「通りかかっただけです。」
もう知らない、これで押し通る、どうにとでもなれ。
向こうが何を聞いても曖昧な返事しかできなかった。向こうも何か察したらのか、こっちのことを聞かず、アーラム領のことを話し始めた。すみませんでした、先ほど僕の嫉妬という醜い感情により悪く言いました、あなたメッチャいい人です。僕が汚いだけです。
話したことをまとめるとアーラム家は最近数十年できた新興貴族で、領地面積は平均より下、領民も少ない、経済の方も豊かではなく、貧困ではないが、ギリギリ。領の東は海に面しているため、そこから作られる名産品でなんとか賄えている様子。
さっき大したものはないと言ったが、それは謙虚ではなく、本当にないようだ。
馬車が急に止まり、何事かと思っていると。
「大変だ!オークの群れだ!30はある!」
オークというのはさっき殺したヤツだろうかだったら30くらいならなんとかなるかもしれない。
僕は窓からオークの群れを見て、実戦経験なんてさっきの一回だけなのに、なぜか簡単にできると心の底から思えた。
0
あなたにおすすめの小説
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
転生貴族の領地経営〜現代知識で領地を豊かにして成り上がる
初
ファンタジー
ネーデル王国の北のリーディア辺境伯家には天才的な少年レイトがいた。しかしその少年の正体は現代日本から転生してきた転生者だった。
レイトが洗礼を受けた際、圧倒的な量の魔力やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のレイトを辺境伯領の北の異種族の住むハーデミア領を治める領主とした。しかしハーデミア領は貧困に喘いだ貧乏領地だった。
これはそんなレイトが異世界の領地を経営し、領地を豊かにして成り上がる物語である。
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!
明衣令央
ファンタジー
糸井織絵は、ある日、オブルリヒト王国が行った聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界ルリアルークへと飛ばされてしまう。
一緒に召喚された、若く美しい女が聖女――織絵は召喚の儀に巻き込まれた年増の豚女として不遇な扱いを受けたが、元スマホケースのハリネズミのぬいぐるみであるサーチートと共に、オブルリヒト王女ユリアナに保護され、聖女の力を開花させる。
だが、オブルリヒト王国の王子ジュニアスは、追い出した織絵にも聖女の可能性があるとして、織絵を連れ戻しに来た。
そして、異世界転移状態から正式に異世界転生した織絵は、若く美しい姿へと生まれ変わる。
この物語は、聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界転移後、新たに転生した一人の元おばさんの聖女が、相棒の元スマホケースのハリネズミと楽しく無双していく、恋と冒険の物語。
2022.9.7 話が少し進みましたので、内容紹介を変更しました。その都度変更していきます。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる