27 / 59
第一章
アルバァ 第4話
しおりを挟む
その後、ギャグ神に色々この世界の話を聞いて洞窟を出た。
ここは『グアランツァン洞窟』と呼ばれていて、グアランツァンというのは封印されたドラゴンの名前だ。
ここから北東に離れたところにロナンという町がある。
まず、そこを目指して進もうと思う。
ロナンというのはいわゆる要塞都市で、城壁でガチガチに固められているらしい。
まだそこに向かう途中だからどれ程のものかよく分からないが、勇者を誕生させた国ならさぞかし立派だろうな。
前世の時、割と古代遺跡とか結構好きだった。一回コロッセオを見に行った時は感動し、同時に少し残念な気持ちにもなった。
確かに、その壮大さに驚きを感じたが、それだけだった。
かつては殺し合いの為に建てられた建築物、剣闘士たちや猛獣らが生と死をかけて闘った場。
それが今や唯の観光地に成り下がっただけだ。元の使用目的など、殆ど誰もが知れている。だが、それに使おうとする者などいないだろう。
華々しく、観客の歓声が轟いたあの“コロッセオ”はもうない。
僕は“コロッセオ”をこの目で見たことはないし、それに大した思い入れもない。
けれども、偶に思うことがある。
僕はあの賑やかで寂れた東京で働き、住んでいる。
東京、いや日本という国自体かなり豊かな国だ。テレビでニュースを見れば、政治問題だとか、他国の問題だとか色々ある。そして他愛もないニュースがそれの合間を縫う。
このこと自体が余裕がある証拠だ。余裕が無ければ他者を気にする暇はない、余裕が無ければニュースになる前にもうデモになっている。
だから、僕はどうしても思わずにはいられないことがある。
この社会は歪すぎやしないか、と。
まぁ、僕が気にしてもあまり大した意味はないし、そもそもここは地球ですらないからね。
おっ、そろそろ森を抜けられる。城壁っぽいのが見える…
と思ったその時、悲鳴が聞こえた。
「ヌアアァァァッ!」
悲鳴と言うより呻き声だ、誰かが襲われているかも知れない。
声の方向は森奥の方から聴こえてくる、急ごう。
皆さま、まずはオークを想像してもらいたい、大体2メートル半くらいの。
そして脂肪を全て筋肉に転換してくれれば良いです。
さすればあら不思議、オーガの出来上がり。
対峙するのは、これまた見事なまでにテンプレと言わんばかりの冒険者風の御一行様。
直ぐそばに、血に塗れた男?が呻きながら地面に這っている。
さっき聴こえた悲鳴の出所はここで間違いなさそうだ。
男?と思しき人物は血だらけで性別がイマイチ分からない。
万が一、女性だった場合に備えて、女性と呼ばずに…
「そちらの方は大丈夫でしょうか?」
自分から聞いてて、我ながら下手な質問をしたと思った。見るからに平気ではなさそうな感じがして、100人に聞いたら100人が真っ先に救急車を呼ぶような危篤状態。からかっているいるようにしか聞こえない。
「見れば分かるでしょ、大丈夫な雰囲気をちょっとでも感じたか!?」
やっぱり怒られました。当然です、ごめんなさい。
にしても、助けに入るべきか。
一般常識からして、同族を助けて異族を排除すべき。最低限、この危機的状況から脱出させてやった方が良いだろう。
けど、オーガが高知能種族の場合、面倒なことになるかも知れない。この冒険者風の集団がオーガの領地に踏み入れたからこうなったかも知れない。
状況がはっきりしない今は下手に動かない方が良い。
何たらかんたら考えていると、オーガの方に動きがあった。
「強者よ、そこの無法者どもに与するつもりか?」
おぉ、高知能種族だったか。
無闇に攻撃することが出来無くなってしまったが。交渉することも選択肢の一つになった。
それと、ステータスを確認してなかったが、僕のことを強者と言っていたから、僕もそれなりに強いと思う。
「もしそうならこの場は引き上げよう。強者に楯突いて無駄死にする趣味は持ち合わせていない。」
さて、オーガの方は颯爽と去っていったから、危機の殆どは無くなった。
血まみれ男は仲間の『回復魔法』がギリギリ間に合った為、一命を取り留めたらしい。
今後、何が起こるか分からないからステータスはこまめにチェックした方が良さそう。
名前:アルバァ・ヒグチ
レベル:1
種族:人族(龍族)
メインジョブ:最高付与師
サブジョブ:最高召喚師
HP:5000100/100+5000000
MP:3000030/30+3000000
攻:17
防:26
技:21
智:43
幸:限界突破
装備:村人の衣装(上・下)・村人の靴
称号:『世界に愛されし者』 『龍の器』 『偏り過ぎる者』
スキル:『精神同調』 『世界之門』 『言語LvMAX』 『大図書館』 『至高神の加護』 『収容魔法』 『念話』 『付与術LvMAX』 『召喚術LvMAX』
ここは『グアランツァン洞窟』と呼ばれていて、グアランツァンというのは封印されたドラゴンの名前だ。
ここから北東に離れたところにロナンという町がある。
まず、そこを目指して進もうと思う。
ロナンというのはいわゆる要塞都市で、城壁でガチガチに固められているらしい。
まだそこに向かう途中だからどれ程のものかよく分からないが、勇者を誕生させた国ならさぞかし立派だろうな。
前世の時、割と古代遺跡とか結構好きだった。一回コロッセオを見に行った時は感動し、同時に少し残念な気持ちにもなった。
確かに、その壮大さに驚きを感じたが、それだけだった。
かつては殺し合いの為に建てられた建築物、剣闘士たちや猛獣らが生と死をかけて闘った場。
それが今や唯の観光地に成り下がっただけだ。元の使用目的など、殆ど誰もが知れている。だが、それに使おうとする者などいないだろう。
華々しく、観客の歓声が轟いたあの“コロッセオ”はもうない。
僕は“コロッセオ”をこの目で見たことはないし、それに大した思い入れもない。
けれども、偶に思うことがある。
僕はあの賑やかで寂れた東京で働き、住んでいる。
東京、いや日本という国自体かなり豊かな国だ。テレビでニュースを見れば、政治問題だとか、他国の問題だとか色々ある。そして他愛もないニュースがそれの合間を縫う。
このこと自体が余裕がある証拠だ。余裕が無ければ他者を気にする暇はない、余裕が無ければニュースになる前にもうデモになっている。
だから、僕はどうしても思わずにはいられないことがある。
この社会は歪すぎやしないか、と。
まぁ、僕が気にしてもあまり大した意味はないし、そもそもここは地球ですらないからね。
おっ、そろそろ森を抜けられる。城壁っぽいのが見える…
と思ったその時、悲鳴が聞こえた。
「ヌアアァァァッ!」
悲鳴と言うより呻き声だ、誰かが襲われているかも知れない。
声の方向は森奥の方から聴こえてくる、急ごう。
皆さま、まずはオークを想像してもらいたい、大体2メートル半くらいの。
そして脂肪を全て筋肉に転換してくれれば良いです。
さすればあら不思議、オーガの出来上がり。
対峙するのは、これまた見事なまでにテンプレと言わんばかりの冒険者風の御一行様。
直ぐそばに、血に塗れた男?が呻きながら地面に這っている。
さっき聴こえた悲鳴の出所はここで間違いなさそうだ。
男?と思しき人物は血だらけで性別がイマイチ分からない。
万が一、女性だった場合に備えて、女性と呼ばずに…
「そちらの方は大丈夫でしょうか?」
自分から聞いてて、我ながら下手な質問をしたと思った。見るからに平気ではなさそうな感じがして、100人に聞いたら100人が真っ先に救急車を呼ぶような危篤状態。からかっているいるようにしか聞こえない。
「見れば分かるでしょ、大丈夫な雰囲気をちょっとでも感じたか!?」
やっぱり怒られました。当然です、ごめんなさい。
にしても、助けに入るべきか。
一般常識からして、同族を助けて異族を排除すべき。最低限、この危機的状況から脱出させてやった方が良いだろう。
けど、オーガが高知能種族の場合、面倒なことになるかも知れない。この冒険者風の集団がオーガの領地に踏み入れたからこうなったかも知れない。
状況がはっきりしない今は下手に動かない方が良い。
何たらかんたら考えていると、オーガの方に動きがあった。
「強者よ、そこの無法者どもに与するつもりか?」
おぉ、高知能種族だったか。
無闇に攻撃することが出来無くなってしまったが。交渉することも選択肢の一つになった。
それと、ステータスを確認してなかったが、僕のことを強者と言っていたから、僕もそれなりに強いと思う。
「もしそうならこの場は引き上げよう。強者に楯突いて無駄死にする趣味は持ち合わせていない。」
さて、オーガの方は颯爽と去っていったから、危機の殆どは無くなった。
血まみれ男は仲間の『回復魔法』がギリギリ間に合った為、一命を取り留めたらしい。
今後、何が起こるか分からないからステータスはこまめにチェックした方が良さそう。
名前:アルバァ・ヒグチ
レベル:1
種族:人族(龍族)
メインジョブ:最高付与師
サブジョブ:最高召喚師
HP:5000100/100+5000000
MP:3000030/30+3000000
攻:17
防:26
技:21
智:43
幸:限界突破
装備:村人の衣装(上・下)・村人の靴
称号:『世界に愛されし者』 『龍の器』 『偏り過ぎる者』
スキル:『精神同調』 『世界之門』 『言語LvMAX』 『大図書館』 『至高神の加護』 『収容魔法』 『念話』 『付与術LvMAX』 『召喚術LvMAX』
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
92
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる