18 / 19
小沼の勝利
しおりを挟む
小沼はアルダスの実験室に入る。
三日も空いて来なかったのに、彼はここに来たのがつい昨日のように思えた。実験室での思い出が鮮烈過ぎたのだろう。
アルダスの隣にはアリスが微笑みながら座っている。小沼は固唾を呑んでアリスの方をあまり見ないようにする。
「オヌマ、今日が約束の日だ。お前が何か大それた物を作れるとは思っていない。それでもお前の話を証明できる程の物を作ってきたのだろうな?」
勿論、アルダスはそんなことを思っていない。これはアリスとの芝居だ。
しかし、それを知らない小沼は少し慌てた。彼はスマホ様の力を借りてアレを手に入れたが、この世界で既に開発されているかもしれない。
アレとは、小沼がスマホ様の『ショップ』機能を試してある時に小沼が手に入れた物だ。
小沼はこの機能こそが彼が今最も使える機能と考えて最初に開いた。
彼のラノベ知識のとおりのことが起きた。購入可能の商品がずらりとリストに並ぶ。商品を購入するためにはポイントが必要だ。そしてそれはエネルギーを吸収することで手に入る。
スリが持ってきた『ディメル』を全部吸収してポイントは2000とちょっとまで増えた。
小沼はリストを眺めて何を買えばアルダスに殺されずに済むかを考える。
アルダスはポーションの研究をしているから、それ関係で探した結果、ポーションとそのレシピが売られていた。
レシピはポーションそのものと比べてかなり高い。ポーションの値段の10倍もする。それだけポーションのレシピは重要なのだろう。
商品にはランクがつけられており、最高ランクのポーションは桁数が恐ろしかった為、小沼は数える前に飛ばした。
自分の必要なジャンルと値段に絞る機能も搭載されているのが幸いだった。2000ポイントで買えるポーションはランク3まで、それも一本のみ、レシピはランク1まで全て買うことができるが、ランク2のレシピは『美肌ポーション』のみである。
小沼は悩んだ、ランク1よりもランク2の方が品質は良いのだろう。しかし、『美肌ポーション』というのはなんだか、うーん……。
小沼は頑張ってほかのジャンルも漁ってみたり、ランク1のレシピなども見てみた。ポーションそのものをアルダスに渡すことを考えたが、小沼は悩んだ末に諦めた。
ポーションの渡せばアルダスに配合方法を聞かれる可能性がある。小沼が作った訳でもないのにそんなことは答えられない。
そこからボロが出る可能性がある。
だからそのままレシピを渡してアルダスに研究させることにした。知識だけ授けられて自分は作れないと言えばなんとかなると小沼は思った。
それで出した候補が、ランク2の『美肌ポーション』とランク1の『回復力増強ポーション』である。
字面で見ると、小沼はどうしても後者である『回復力増強ポーション』を選びたかった。だが、ランク1は既に誰かが開発されているかもしれない。
クーリングオフ制度がある場合はともかく、それがないのならポイントは一度使ったら後がない。
だから買う商品は慎重に選ばなくてはならない。しかし、いくらランク2とはいえ『美肌ポーション』の凄さは小沼にはイマイチ伝わらなかった。
かと言って、ポーション関係でこれ以上に買える物はない。他のジャンルにアルダスは興味を抱くのかがわからない。
小沼は悩んだ末に……
「アルダス様、この三日間では僕は確かに大それた物は作れませんでした。」
「ふん!やはりお前の話は偽りであったことが証明されたな!!」
ここまではアルダスとアリスの計画どおりだった。けれどもここからが予想外になる。
「代わりに、これを進呈します。とあるポーションのレシピです。僕は『卑弥呼』様から作り方の知識だけを授けられましたので、どういう効果があるかわかりません。」
小沼は当然これが『美肌ポーション』ということを知っているが、どうしてもそれを口に出すことに抵抗があった。
アルダスとアリスは小沼がまさか何かできるとは思っていなかったから慌てた。アルダスはそのまま顔に驚きが現れていた。アリスはやはり『腹黒ロリ』の名に恥じず、ずっと笑顔を維持できた。
それでもよく観察すればわかるだろう。アリスは目を閉じて笑っている、それは目から動揺していることがバレないようにする為である。
三日も空いて来なかったのに、彼はここに来たのがつい昨日のように思えた。実験室での思い出が鮮烈過ぎたのだろう。
アルダスの隣にはアリスが微笑みながら座っている。小沼は固唾を呑んでアリスの方をあまり見ないようにする。
「オヌマ、今日が約束の日だ。お前が何か大それた物を作れるとは思っていない。それでもお前の話を証明できる程の物を作ってきたのだろうな?」
勿論、アルダスはそんなことを思っていない。これはアリスとの芝居だ。
しかし、それを知らない小沼は少し慌てた。彼はスマホ様の力を借りてアレを手に入れたが、この世界で既に開発されているかもしれない。
アレとは、小沼がスマホ様の『ショップ』機能を試してある時に小沼が手に入れた物だ。
小沼はこの機能こそが彼が今最も使える機能と考えて最初に開いた。
彼のラノベ知識のとおりのことが起きた。購入可能の商品がずらりとリストに並ぶ。商品を購入するためにはポイントが必要だ。そしてそれはエネルギーを吸収することで手に入る。
スリが持ってきた『ディメル』を全部吸収してポイントは2000とちょっとまで増えた。
小沼はリストを眺めて何を買えばアルダスに殺されずに済むかを考える。
アルダスはポーションの研究をしているから、それ関係で探した結果、ポーションとそのレシピが売られていた。
レシピはポーションそのものと比べてかなり高い。ポーションの値段の10倍もする。それだけポーションのレシピは重要なのだろう。
商品にはランクがつけられており、最高ランクのポーションは桁数が恐ろしかった為、小沼は数える前に飛ばした。
自分の必要なジャンルと値段に絞る機能も搭載されているのが幸いだった。2000ポイントで買えるポーションはランク3まで、それも一本のみ、レシピはランク1まで全て買うことができるが、ランク2のレシピは『美肌ポーション』のみである。
小沼は悩んだ、ランク1よりもランク2の方が品質は良いのだろう。しかし、『美肌ポーション』というのはなんだか、うーん……。
小沼は頑張ってほかのジャンルも漁ってみたり、ランク1のレシピなども見てみた。ポーションそのものをアルダスに渡すことを考えたが、小沼は悩んだ末に諦めた。
ポーションの渡せばアルダスに配合方法を聞かれる可能性がある。小沼が作った訳でもないのにそんなことは答えられない。
そこからボロが出る可能性がある。
だからそのままレシピを渡してアルダスに研究させることにした。知識だけ授けられて自分は作れないと言えばなんとかなると小沼は思った。
それで出した候補が、ランク2の『美肌ポーション』とランク1の『回復力増強ポーション』である。
字面で見ると、小沼はどうしても後者である『回復力増強ポーション』を選びたかった。だが、ランク1は既に誰かが開発されているかもしれない。
クーリングオフ制度がある場合はともかく、それがないのならポイントは一度使ったら後がない。
だから買う商品は慎重に選ばなくてはならない。しかし、いくらランク2とはいえ『美肌ポーション』の凄さは小沼にはイマイチ伝わらなかった。
かと言って、ポーション関係でこれ以上に買える物はない。他のジャンルにアルダスは興味を抱くのかがわからない。
小沼は悩んだ末に……
「アルダス様、この三日間では僕は確かに大それた物は作れませんでした。」
「ふん!やはりお前の話は偽りであったことが証明されたな!!」
ここまではアルダスとアリスの計画どおりだった。けれどもここからが予想外になる。
「代わりに、これを進呈します。とあるポーションのレシピです。僕は『卑弥呼』様から作り方の知識だけを授けられましたので、どういう効果があるかわかりません。」
小沼は当然これが『美肌ポーション』ということを知っているが、どうしてもそれを口に出すことに抵抗があった。
アルダスとアリスは小沼がまさか何かできるとは思っていなかったから慌てた。アルダスはそのまま顔に驚きが現れていた。アリスはやはり『腹黒ロリ』の名に恥じず、ずっと笑顔を維持できた。
それでもよく観察すればわかるだろう。アリスは目を閉じて笑っている、それは目から動揺していることがバレないようにする為である。
0
あなたにおすすめの小説
傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
※他サイトでも掲載しています
※ちょいちょい手直ししていってます
2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
転生後はゆっくりと
衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。
日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。
そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。
でも、リリは悲観しない。
前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。
目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。
全25話(予定)
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります
はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。
「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」
そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。
これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕!
毎日二話更新できるよう頑張ります!
犬の散歩中に異世界召喚されました
おばあ
ファンタジー
そろそろ定年後とか終活とか考えなきゃいけないというくらいの歳になって飼い犬と一緒に異世界とやらへ飛ばされました。
何勝手なことをしてくれてんだいと腹が立ちましたので好き勝手やらせてもらいます。
カミサマの許可はもらいました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる