ティーシェラン戦記

ニコニ

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第10章 友を助けよう

フルドゥイに進軍。

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 今のオレは中々幸運に恵まれているじゃないかと思う。分からないないことだらけで、今も胃痛に悩まされているのは変わらないが、胃薬の量は減りそうだ。
 無事に盟友(当初の予定にはなかったが)をゲットできたし、その盟友に恩を売ること目処もついてる。
 フルドゥイ王国については話を聞く限り、強くない国に思える。産業レベルこそ数倍の差かあるものの、文明レベルは大して変わらない。
 軍事力だけ凄まじい発展を遂げているとは思えない。クアチフの十倍以上あろうとも、ちょっと行ってきて滅ぼしてくる程度だ。
 
 うちのとっては簡単な仕事でも、クアチフにとっては存亡の危機。結構な恩義を感じてくれるだろう。オレの失態(同盟国の国王に対する無礼)も水に流してくれる筈。
 フルドゥイ王国には申し訳ないが、オレのキャリアの為に滅んでくれ。

 クアチフとの同盟のことをラーさんに報告しようと思った。報・連・相は大事だことだから。しかし、フィーセド星域を出てからカシール様が使えなくなってしまった。
 カシール様があまりに便利で、他の通信手段を用意しなかったことが悔やまれる。
 距離があり過ぎたのか、同じ星域内にしか通信できないのか、それとも通信範囲はフィーセド星域限定なのか。
 どれもあり得そうで、決定的な証明性に欠く。これも後々調べなければならない。
 場合によっては、新たな通信手段を準備する必要もある。

 

 フルドゥイ王国に進軍する。

 言ってみれば、大軍が存在するように聞こえるかもしれないが、フィーセド星域から来た時は戦争の準備をしていない。
 元々は外交しに来たから、相手に警戒を抱かせるようなことはしたくない。大軍を率いての外交は従属させる時だけで良い。
 今回はそんなつもりは毛頭なかったから、連れて来た兵士も国家レベルでケンカができる量ではない。
 とは言え、フルドゥイ王国はクアチフより強くても同レベル。しかも、優しいクアチフ王は首都の崩壊と軍の重要施設の破壊だけで良いと言った。

 野戦軍の殲滅を頼ませたら、このメンツでは少々厳しい。フルドゥイ王国の軍を一箇所に集めれば一撃ほとんど全滅まで追い詰めることができるが、分散している場合は厄介だ。
 全部見つけるだけで結構な重労働。それに加えてオレはここの星図をよく知らない。どこに逃げ込めるかなんて分かる筈もない。
 そなん一桁艦隊は主に攻撃や防御といった戦闘面に重きを置いている、捜索などは三桁艦隊の仕事だ。一桁艦隊には向いていない。
 小国だろうと、情報どおりの軍があれば三桁艦隊を20連れてこない厳しい。それがないと困難を極める。

 それに比べて大距離移動や転移が難しい施設は恰好の射撃的。主力艦の主砲の砲撃を一発食わせれば任務完了だろう。

 

 クアチフ王国とフルドゥイ王国の国境線付近で、砦らしき建築物を確認する。星を丸ごと要塞化した訳ではなく、星の上にデッカい要塞があるだけ。
 ここで、技術がうちよりも遥かに劣っていることが決定した。偽装かもしれないが、スキルを使って内部を確認したところ、それはないと思う。
 いくらなんでも、探知系スキル防止を施していないというのは、偽装にしてはやり過ぎだ。逆に嘘っぽい。

 ならば、フルドゥイ王国は本当に弱い国だろう。
 軍の重要施設は一体なんなのかが不明の状況では、片っ端からぶっ壊したほうが良いがだろう。

 艦長に主砲発射命令をくだす。

 

 王国聖暦12856年、クアチフ暦3552年。
 フルドゥイは星図から消えました。
 激しい戦闘も、蹂躙も、殺戮も起きてません。瞬間的に消えました。
 後に、『王国の聖罰』と呼ばれる出来事。



 いや~~、こんなことになるとは全然思わなかったんだよ~。
 砦があったじゃん、それがあっちこっちに散らばっていたから、広範囲の放射弾を主砲に込めてぶっ放した訳よ。
 それがまさか、一つの国を丸ごと消しちゃうとは思わないだろう、ね。思うヤツがいたらオレの前に連れてこい、ぶん殴ってやろう。
 で、でも、国が丸ごと滅んだから首都も軍も壊滅した筈、よって、任務は完了した。
 はぁ、クアチフにフルドゥイの領域を無傷で渡して恩を売る計画だったのに、これでは任務をギリギリで終えただけじゃないか。
 やっと運がついて来たと思ったら、すぐにこれだよ。

 クアチフ王になんて報告すれば良いの?砲撃を一発ぶちかましたら国がなくなっちゃいました~。って言えば良いの?
 怒られる未来しか見えてこない………
 胃薬の量が倍になりそう。
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