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第二章 迫る!ダンデリオンの影
第六話 アパートの住人
しおりを挟む端末と手紙がなくなった事でギア子と旧月は念の為、アパートの住民を再確認し始めた。
このアパート自体は二階建て、上下四つずつ部屋が分かれており、一階には旧月と瑳呂紋のみ、二階にはセラ、サクラ、メガギアが住んでいる。
一応不動産屋さんには広告は出しているが入居者は大家の越褌が決めているようだった。
ギア:やっぱりどう考えても盗める人がいたとは思えないのよね。
旧月:ふむ。大家さんに聞いてみるのもありですね。
諦めきれないギア子達は住人の事を聞くべく隣の敷地の一軒家に住む越褌を訪れるのであった。
玄関先で声をかけると越褌は裏手の庭にいるようで「こっち!こっち!」と奥から声が聞こえてきた。
「お邪魔します。」と庭に入ると縁側でスイカの種を飛ばしながらパンイチで大家の越褌が座っていた。
旧月:大家さんまたそんな格好で。風邪ひきますよ?
越褌:すまんすまん、レディの前でこりゃ失礼。
そう言いながら近くにあった甚兵衛を慌てて着ながら、ギア子達に隣に座るように座布団を二枚投げて寄越した。
越褌:また瑳呂紋くんの事かい?さっきは旧月さんに合鍵を渡したが。
ギア:瑳呂紋さんの問題はまた後で。今は大家さんにアパートの住人について聞きたいんです。
旧月:そうなんです、アパートにはどんな人が住んでるか教えてくれませんか?
越褌:構わんが。ある程度は個人情報も絡むから細かい事は言えないよ?
ギア:誰が住んでるか確認するだけなんで大丈夫です。
越褌はちょっと不本意な感じで話し出した。
越褌:ここは俺の親父が建てたんだけどさ。老後にみんなでワイワイ楽しめるようなそんなアパートにしたかったらしいんだよな。
越褌:だけど親父早死にしちゃって。あとを追うように母ちゃんも死んだし俺だけになっちゃったわけよ。
越褌:金儲けの為に建てた訳じゃないからその意思を継いで助けが必要な人に貸すのが一番かなと思って入居して貰ってるんだよ。
ギア:その話はもう何十回も聞きしましたよ。今は誰が住んでるか聞きたいんです。
旧月:そうです。早く。
越褌:急ぎだったのかね。こりゃ悪かった。
ギア子と旧月は早く早くと越褌を急かした。
越褌:えっーと。一階に瑳呂紋さんと旧月さんだろ?二階には最近越してきたセラさんとサクラちゃんとギア子ちゃん達だろ?後はと孝さんだよ。
越褌:だけどさ古い木造アパートだろ?なかなか入る人も最近少なくて困ってんだよね。瑳呂紋くんも引っ越すと誰か入居してくれる人いないかね?
大家の話の途中で旧月とギア子がふと聞き慣れない人物の名前を聞いて慌てて聞き返した。
旧月:大家さん孝さんって人の事は初耳なんですけど?
越褌:孝さんかい? もうここ数十年住んでるけどあまり姿を見た事ないんだよね。
ギア:男性ですか・・・何歳くらい?
越褌:うーん。最初に契約した時に見ただけかな? スーツ着てて普通の会社員に見えたけどなあ。
それを聞いた旧月とギア子はお互い顔を見合わせた。
ギア子は今まで住んでいて隣の部屋に誰かがいる気配など全く感じなかった。
ギア:孝さんってどんな方なんです?
越褌:どこにも行くあてがなくて困ってそうだったんだよなあ。孝さんがどうかしたのかい?
旧月:ギア子さん、アパートに戻りましょ。
ギア:うん。大家さんまたね。
旧月とギア子は「ありがとうございます!」と言ってアパートに慌てて走り出した。
越褌が「スイカは~? 話もう終わり? もっと話そうよたまにはねえ??」と声をかけたが二人の耳には届かなかったようだった。
つづく
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