満月に吼える狼

パピコ吉田

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スピンオフ 騎士団への道

第十四話 ピクニック気分

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 要塞都市を抜けしばらくすると賑やかな街並みが見えて来た。

テル:うおお。始めて来たぜ。ここで補給するって事は少しは休めるんだろ?
 
ロンジ:少しはな。だが、街中にダマール兵がおるかもしらん。馬車は森に隠して買い物に行くしかねえな。
 
テル:それじゃまた留守番確定じゃねえか。つまんねーの。
 
晴:私も一緒に留守番するよ。
 
テル:ふん。何の役にも立たねえよ。
 
メル:じゃ私も残ろう。
 
テル:え?
 
メル:なんだ私では不服か? またグレイが現れては困るだろう。
 
テル:そ、そうだけど。
 
 テルはてっきり晴と二人きりになれると思っていたのだった。
 
ロンジ:じゃミミとマサとあれっくす。買い出しに行くど。
 
あれっくす:はーい。
 
晴:あれさんお願い。甘い物も買って来てくれる?
 
あれっくす:良いよ。テルとメルさんは何か欲しい物ある?
 
テル:俺は肉が食いたいな。
 
メル:私は腹が膨れれば何でも。と言いたいところだが、私は辛い物が好きでな、余裕があればお願いしたい。
 
あれっくす:甘い物と肉と辛い物ね。ミミさんお店についたら教えてくれる?
 
ミミ:かしこまりました。
 
ロンジ:じゃマサとわしは馬の餌を買いに行くか。
 
マサ:はい。
 
 四人は大きな空の袋をいくつも持って港町へと向かうのであった。
 
 港町につくとかなり人が多く賑やかではあったがあちらこちらでダマール兵の姿も見えた。
 
ロンジ:ここもダマールがおるな。ポザド要塞都市が通れるようになったせいか。
 
マサ:ポザド達をあっさり倒すくらいって事はグレイ様はかなりお強いって事ですよね。
 
ロンジ:メルがあんなに苦戦してるのは初めて見たわ。早く試練の里に三人を入れないと行く場所がなくなるかもしれんな。
 
マサ:試練の里に関してはエマ様に使い鳥を出しておきました。
 
ロンジ:さすがに反対しねえべ。さっさと用を済ませて馬車に戻るど。
 
マサ:かしこまりました。
 
 ポザド要塞都市でグレイが現れた事や、港町スーラにもダマール兵が増えている事で更に危機感を募らせたロンジだった。
 
 港町で買い出しをした四人が馬車に戻ると晴とテルはのんびりと草の上で昼寝をしていた。
 
あれっくす:戻ったよう。
 
晴:おかえりなさい。テルみんな戻ったよ。起きて、
 
テル:まだ寝たい・・むにゃむにゃ。
 
 それを見ていたロンジはなかなか起きないテルに軽く蹴りを入れた。
 
ロンジ:ほら、起きれ。出発の準備をするど。
 
テル:誰だ俺を蹴飛ばしたやつわ‼︎ ったく。
 
メル:早かったな。
 
 馬車の横で武器を磨いていたメルが何かあったのかと危惧していた。
 
あれっくす:町中なんですがダマール兵が思ったよりいたんだよね。
 
ミミ:はい・・。
 
ロンジ:港側もかなりいたど。早くマントラの森に向かった方が良さそうだ。
 
晴:・・・分かりました。テル準備しよ。
 
テル:うん・・。
 
 ダマール兵の話を聞くとさすがのテルも神妙な面持ちになり無言で荷物を積み始めていた。
 
 そして馬車は港町をからマントラの森へと一気に駆け抜けた。
 
 森の入り口に着くと馬車で入れないと知らされ全員で荷物を持って歩く事になった。
 
ロンジ:ここからは馬車で行けねえ。歩くど。
 
テル:ここがマントラの森か。本当に守り神っていんの?
 
メル:その目で確かめてみるんだな。
 
晴:荷物はこんなものかなあ。
 
ロンジ:晴、おめえピクニックに行くんじゃねえんだからその半分にしろ。
 
晴:ええ・・これでも少なくしたのに・・。
 
ミミ:私が半分お持ちしますよ。
 
晴:ほんとですか? 助かります。
 
テル:って荷物のほとんどお菓子ばっかじゃん。
 
晴:良いでしょう別に。
 
メル:晴は女の子らしくて可愛いな。
 
 メルに可愛いと言われたら晴はちょっとくすぐったい気持ちになった。
 
あれっくす:大体の荷物は持ちました。
 
ロンジ:よーし、みんな行くど。マサは馬車と馬を見ててくれ。里に送ったら戻ってくる。
 
マサ:かしこまりました。皆さまお気をつけて。
 
 晴達は森の奥へと足を踏み入れるのであった。
 
つづく
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