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第五話 パジャマパーティ
しおりを挟む美留來を追いかけて来た数鋸だったが部屋の扉には鍵がかかって開かない状態だった。
数鋸:美留來、開けて!聞いて!お願いだ!
美留來:開けない!お兄ちゃんなんて嫌い!
数鋸:そんな事言うなよ・・・へそ曲げないで美留來ちゃん。今度蔵カフェでキャロットパンケーキ奢るからさ。
美留來:え?ほんとに?
数鋸:うん、ほんと!だから出ておいで美留來ちゃん。
美留來:ってそんな事で釣られる訳ないでしょ!もうほっといてよ!
ドアの方に美留來が何か投げたのかドン!と音がした。
数鋸:ダメか・・・でもな、兄ちゃんお前の事を思ってだな。だから話を聞いてくれよ。
美留來:聞く必要ない!お兄ちゃんのせいで今まで彼氏が一回も出来た事ないんだよ!わかってんの?!
それを聞いた数鋸は一言も発する事が出来ずにいた。
美留來:お兄ちゃんのばかあああああ!うわああああん!!
この状態になっては何を言っても無駄だと思い数鋸はそっとしておくしかないと部屋の前から立ち去った。
トボトボと歩きながら厩舎に入ると父の梅男がブロハチの世話をしていた。
梅男:美留來の機嫌は治ったか?
数鋸:だめ。全然話を聞いてくれない。
梅男:そうか。まあ少し過保護過ぎるが美留來もそのうち分かってくれるよ。
がっくりと肩を落とした数鋸に元気出せよと言わんばかりに背中をぽんぽんと優しく叩く梅男だった。
翌日に蔵カフェに美留來と花音とびす子がランチに来ていた。
びす子:翼ちゃんがかず兄に飛び蹴りて!ぎゃははははは。
花音:もう笑い事じゃないんだってばぁ・・・。
美留來:お兄ちゃんがずっと私の恋愛に干渉してたかと思うとざまあみろ!って感じだよ。
数鋸の過保護ぶりは周知の事実だったのでそこは花音とびす子は口をつぐんだ。
どんよりした空気を払拭しようとびす子がある提案をした。
びす子:じゃさ今夜、花音がいる小屋でパジャマパーティーしない?
花音:良いね!ね、美留來もへそをいつまでも曲げてないで今夜は楽しもうよ久しぶりに三人で。
美留來:そうだね。よおおし!今夜は飲むぞう!
烈:おう!今夜は飲むぞう!
いつの間にか烈が後ろに立っていた。
びす子:いつの間に!お前は来なくて良いよ!
烈:つれない事言うなよびす子ちゃ~ん。ぼくちんは美留來ちゃんと花音ちゃんの間に寝るね。
びす子:むむむ?私はどこに寝るんだよ!この野郎!
花音:てか、お姉ちゃんに余計な事を言う人は来なくて良いよ。
烈:あっ!あれは悪気があった訳じゃなくてえ。翼ちゃんにうっかりついね、えへへへ。
びす子:つい、うっかりかよ。まあ、そういう事だから烈は来なくて良いからな!
びす子にビシッと人差し指を立てられ烈は「ぼくちんも参加したかったな」と泣いたふりをしながら厨房に戻って行った。
つづく
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