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~蜜愛の館(婚約編)
蒼麗侯爵様と子犬の話5
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◆◆◆◆◆(パウリスの町)◆◆◆◆◆
――side フィニア……
「も、もう……駄目」
レアンドル様の別荘に向かう為の道筋、今日の宿がある町に辿り着いた私は、馬車から降りるなり、ふらりとよろけセレイド様の腕の中に倒れ込んでしまった。
満足そうな笑みで、やけにすっきりとしたお顔……。
「大丈夫ですか、フィニア?」
「あ、有難うございます……」
元はといえば、セレイド様がこの町に至るまでの道中で私に無理をさせた事が原因なのだけど……。
彼は罪悪感の欠片もなく、私を腕の中に閉じ込めて優しく抱擁してくる。
「ふふ、……俺の匂いが移ったみたいですね。そして、貴女の甘い香りも……俺の身体に」
「は、離してくださいっ」
何だかとっても身の危険を感じるセレイド様の囁きに、身を捩らせて抵抗する。
大好きな人相手にこの態度もどうかとは思うけれど、もう私に体力はないんだものっ。
たとえその声音に深い愛情と甘さがあったとしても、無理なものは無理!
「ほんっと懲りないわね、この破廉恥眼鏡!!」
――ドスッ!!
「うっ!!」
セレイド様に動きを封じられ頬にキスを受けていると、彼の背中にアルディレーヌの華麗な回し蹴りが勢いよく炸裂してしまった。
い、今……、セレイド様の背中から凄い音がしたのだけど、だ、大丈夫なのかしら。
「セレイド様、大丈夫ですか……っ」
「ぐっ……、フィニア、俺の事を心配してくれる貴女が……愛しくてたまりま、痛っ!!」
ダメージを負っても言う事が甘いセレイド様が、さらに追加の足蹴りを……あわわっ。
怒りの青筋と共に前に出て来たアルディレーヌが、私の手を引いてグラーゼス殿下達の許に連れていく。
「あ、アルディレーヌっ、暴力は良くないわっ」
「いいのよ。アンタに多大な負担をかけた報いなんだから」
「ふ、負担?」
「私はね、自分の前でイチャつかれるのは平気だけど、愛情を押し付けて相手に無理させる変態は大嫌いなのよ」
アルディレーヌに手を引かれながら皆の所に辿り着くと、グラーゼス殿下が「少しは手加減してやれよ~」と呆れた眼差しでアルディレーヌを見やった。
けれど、ツンと横を向いた彼女はその注意を受け入れる気はないみたい。
「いや、気持ちはわかるけどな? だけど、セレイドも恋人との初めての旅行で気分が盛り上がってるっていうか、
うん、俺も是非旅行テンションにあやかってお前とだな」
「殿下、寝言は宿に行ってからどうぞ! さ、フィニア、宿屋で少し休むわよ」
「あ、アルディレーヌっ、お前っ、ツン成分がいつにも増して高めだな!! 強気なお前も好きだけどさ~……、たまには、……俺に、優しくしてくれても」
「ふふっ、アルディレーヌ嬢、君の愛情表現は少々屈折しているね。皆の前でも、少しは優しく殿下に接してあげたらどうだい?」
グラーゼス殿下の恋人としての発言もバッサリ一刀両断したアルディレーヌに、レアンドル様がくすくすと微笑ましそうに笑って殿下をフォローする発言を向けたけれど、アルディレーヌは聞こえないふりをして目の前の宿屋に入り始めてしまう。彼女に引っ張られながらも、私は後ろを振り向く。
「アルディレーヌ~~!!」
「だ、大丈夫ですかグラーゼス殿下……」
「ブランシュ、大丈夫だよ。ああ見えて、アルディレーヌ嬢も殿下に冷たいばかりじゃないさ。俺達が見ていない時に……、しっかり彼を甘やかしているようだからね」
「そ、そうなんですか?」
「あぁ。……そんな事より、せっかくの旅行なんだ。ブランシュ、君は俺との時間を大事にしてほしいな? 他の男を気にかけられるのは……少々妬けてしまうのでね」
「えっ、えっ、あ、あのっ」
馬車に手を着いて項垂れるグラーゼス殿下の横で、レアンドル様とブランシュちゃんがラブラブオーラを……。
あれは、ちょっとダメージが大きいんじゃないかしら。殿下……頑張ってください。
「フィニア!! 立ち止まらないの!!」
「あ、え、えぇ。ごめんなさい」
自然と自分の足が止まっていた事に気付き、私は今度こそ宿屋の中に入った。
前を向く寸前に視界に映ったセレイド様は、背中を痛そうにトントンと叩きながら御者の方に向かっていたけれど、アルディレーヌの蹴りは容赦のないものだったから、少し心配だわ……。
あとで少し休んだら、様子を見に行こう。
◆◆◆◆◆(宿屋・二階)◆◆◆◆◆
――side セレイド……
「はぁ……、結構派手に痛めつけてくれましたね」
「いやぁ、あれはどう考えてもお前が悪いだろ」
「蹴りだけで済んで有難いと思わないとね?」
宿屋の一室に荷物を置き、椅子に腰かけている俺に声をかけてきたのは殿下とクレイラーゼ公爵だ。
自分達の部屋があるだろうに、ご丁寧に人を批難するような事を言いに来たらしい。
何が原因かは、俺もちゃんとわかっていますけどね?
「馬車が走行している時ならともかく、停まっている時にまでやるとはね。少し羨ましいような気もしたけれど、フィニア嬢には可哀想な行為だよ」
「フィニア嬢……、外に声が漏れてたの、気付いて……ないよなぁ」
「俺が外なんて気にならなくなるぐらいに愛し尽しましたからね」
「御者も困ってたっつーの!! 時と場所を本当弁えろよ~……、俺なんかお前らの声にあてられて、アルディレーヌにキスしようとしたら、思いっきり車内で鳩尾ストレート喰らったんだぞ……」
「あぁ、途中聞こえた凄い音は、殿下達の所だったのかい。君の所は本当に、愛情表現が過激だね」
「俺的には、セレイドのとこみたいに甘々なのが日常にならないかと切に願ってるんだが……」
十中八九無理でしょうね。
あのアルディレーヌ嬢が、俺のフィニアのように可愛らしい事を言って甘えるわけがない。
人が見ていない所での反応はわからないが、俺の見たところ、殿下は尻に敷かれている事の方が多い。
「愛しいアルディレーヌ嬢との虚しい妄想は後にして、自分の部屋に戻ってください。俺は用事があって外出するんですから」
「おや、どこかにお出掛けかい?」
「ええ。旅行前に調べたところ、腕の良い装飾品作りの職人がいるそうなので、フィニアに贈る為の品を依頼して来ようと思いましてね」
「なるほど……。じゃあ、俺もご一緒してもいいかな?」
「別に構いませんよ。……そこで羨ましげに見ている殿下もよろしければどうぞ?」
「う~ん、悩むな……」
人がせっかく同行を許可してやったというのに、殿下は腕を組んで独り言を呟き始めた。
あぁ、言っておきますが……、その声、普通に聞こえる音量のレベルですから、独り言の意味がありませんね。
「フィニア嬢達の部屋に行って、女子会に混ぜて貰おうと思ったんだがなぁ。アルディレーヌに贈るプレゼントの依頼も捨てがたい……。だが、やっぱり、女の子達のきゃっきゃっうふふな光景を眺めるのも……」
「「……」」
殿下の寝惚けた戯言に、俺とクレイラーゼ公爵の気配が全く同じものへと変わった。
二人同時に殿下の後ろ首の襟を掴み……。
―グイ!!……ズルズル
「こ、こらっ!! 何するんだ!!」
「女の子は女の子同士、男は男同士で行動した方が合理的だよ、殿下」
「フィニア達の邪魔になりますからね。大人しく表に出てください」
一応、俺達二人の顔には笑みが浮かんでいるが、内心は殿下への苛立ちで満ち溢れている。
前にフィニアが、「殿下って優しくてあったかい人ですよね」と、無防備にもそんな事を言っていたが、どんなにヘタレて無害に見えても、殿下も一応男だ。
アルディレーヌ嬢という恋人がいても、平気で小動物を可愛がる癖がある殿下の事。
フィニアやブランシュ嬢にも、ただ可愛いからという理由で、下心はなくとも抱き着く可能性がある。
そんな事態になっては俺もクレイラーゼ公爵も、うっかり次代の王を闇に葬ってしまうかもしれない。
それを考慮した上で、俺達二人は殿下を外へと連れ出したのだった。
――side フィニア……
「も、もう……駄目」
レアンドル様の別荘に向かう為の道筋、今日の宿がある町に辿り着いた私は、馬車から降りるなり、ふらりとよろけセレイド様の腕の中に倒れ込んでしまった。
満足そうな笑みで、やけにすっきりとしたお顔……。
「大丈夫ですか、フィニア?」
「あ、有難うございます……」
元はといえば、セレイド様がこの町に至るまでの道中で私に無理をさせた事が原因なのだけど……。
彼は罪悪感の欠片もなく、私を腕の中に閉じ込めて優しく抱擁してくる。
「ふふ、……俺の匂いが移ったみたいですね。そして、貴女の甘い香りも……俺の身体に」
「は、離してくださいっ」
何だかとっても身の危険を感じるセレイド様の囁きに、身を捩らせて抵抗する。
大好きな人相手にこの態度もどうかとは思うけれど、もう私に体力はないんだものっ。
たとえその声音に深い愛情と甘さがあったとしても、無理なものは無理!
「ほんっと懲りないわね、この破廉恥眼鏡!!」
――ドスッ!!
「うっ!!」
セレイド様に動きを封じられ頬にキスを受けていると、彼の背中にアルディレーヌの華麗な回し蹴りが勢いよく炸裂してしまった。
い、今……、セレイド様の背中から凄い音がしたのだけど、だ、大丈夫なのかしら。
「セレイド様、大丈夫ですか……っ」
「ぐっ……、フィニア、俺の事を心配してくれる貴女が……愛しくてたまりま、痛っ!!」
ダメージを負っても言う事が甘いセレイド様が、さらに追加の足蹴りを……あわわっ。
怒りの青筋と共に前に出て来たアルディレーヌが、私の手を引いてグラーゼス殿下達の許に連れていく。
「あ、アルディレーヌっ、暴力は良くないわっ」
「いいのよ。アンタに多大な負担をかけた報いなんだから」
「ふ、負担?」
「私はね、自分の前でイチャつかれるのは平気だけど、愛情を押し付けて相手に無理させる変態は大嫌いなのよ」
アルディレーヌに手を引かれながら皆の所に辿り着くと、グラーゼス殿下が「少しは手加減してやれよ~」と呆れた眼差しでアルディレーヌを見やった。
けれど、ツンと横を向いた彼女はその注意を受け入れる気はないみたい。
「いや、気持ちはわかるけどな? だけど、セレイドも恋人との初めての旅行で気分が盛り上がってるっていうか、
うん、俺も是非旅行テンションにあやかってお前とだな」
「殿下、寝言は宿に行ってからどうぞ! さ、フィニア、宿屋で少し休むわよ」
「あ、アルディレーヌっ、お前っ、ツン成分がいつにも増して高めだな!! 強気なお前も好きだけどさ~……、たまには、……俺に、優しくしてくれても」
「ふふっ、アルディレーヌ嬢、君の愛情表現は少々屈折しているね。皆の前でも、少しは優しく殿下に接してあげたらどうだい?」
グラーゼス殿下の恋人としての発言もバッサリ一刀両断したアルディレーヌに、レアンドル様がくすくすと微笑ましそうに笑って殿下をフォローする発言を向けたけれど、アルディレーヌは聞こえないふりをして目の前の宿屋に入り始めてしまう。彼女に引っ張られながらも、私は後ろを振り向く。
「アルディレーヌ~~!!」
「だ、大丈夫ですかグラーゼス殿下……」
「ブランシュ、大丈夫だよ。ああ見えて、アルディレーヌ嬢も殿下に冷たいばかりじゃないさ。俺達が見ていない時に……、しっかり彼を甘やかしているようだからね」
「そ、そうなんですか?」
「あぁ。……そんな事より、せっかくの旅行なんだ。ブランシュ、君は俺との時間を大事にしてほしいな? 他の男を気にかけられるのは……少々妬けてしまうのでね」
「えっ、えっ、あ、あのっ」
馬車に手を着いて項垂れるグラーゼス殿下の横で、レアンドル様とブランシュちゃんがラブラブオーラを……。
あれは、ちょっとダメージが大きいんじゃないかしら。殿下……頑張ってください。
「フィニア!! 立ち止まらないの!!」
「あ、え、えぇ。ごめんなさい」
自然と自分の足が止まっていた事に気付き、私は今度こそ宿屋の中に入った。
前を向く寸前に視界に映ったセレイド様は、背中を痛そうにトントンと叩きながら御者の方に向かっていたけれど、アルディレーヌの蹴りは容赦のないものだったから、少し心配だわ……。
あとで少し休んだら、様子を見に行こう。
◆◆◆◆◆(宿屋・二階)◆◆◆◆◆
――side セレイド……
「はぁ……、結構派手に痛めつけてくれましたね」
「いやぁ、あれはどう考えてもお前が悪いだろ」
「蹴りだけで済んで有難いと思わないとね?」
宿屋の一室に荷物を置き、椅子に腰かけている俺に声をかけてきたのは殿下とクレイラーゼ公爵だ。
自分達の部屋があるだろうに、ご丁寧に人を批難するような事を言いに来たらしい。
何が原因かは、俺もちゃんとわかっていますけどね?
「馬車が走行している時ならともかく、停まっている時にまでやるとはね。少し羨ましいような気もしたけれど、フィニア嬢には可哀想な行為だよ」
「フィニア嬢……、外に声が漏れてたの、気付いて……ないよなぁ」
「俺が外なんて気にならなくなるぐらいに愛し尽しましたからね」
「御者も困ってたっつーの!! 時と場所を本当弁えろよ~……、俺なんかお前らの声にあてられて、アルディレーヌにキスしようとしたら、思いっきり車内で鳩尾ストレート喰らったんだぞ……」
「あぁ、途中聞こえた凄い音は、殿下達の所だったのかい。君の所は本当に、愛情表現が過激だね」
「俺的には、セレイドのとこみたいに甘々なのが日常にならないかと切に願ってるんだが……」
十中八九無理でしょうね。
あのアルディレーヌ嬢が、俺のフィニアのように可愛らしい事を言って甘えるわけがない。
人が見ていない所での反応はわからないが、俺の見たところ、殿下は尻に敷かれている事の方が多い。
「愛しいアルディレーヌ嬢との虚しい妄想は後にして、自分の部屋に戻ってください。俺は用事があって外出するんですから」
「おや、どこかにお出掛けかい?」
「ええ。旅行前に調べたところ、腕の良い装飾品作りの職人がいるそうなので、フィニアに贈る為の品を依頼して来ようと思いましてね」
「なるほど……。じゃあ、俺もご一緒してもいいかな?」
「別に構いませんよ。……そこで羨ましげに見ている殿下もよろしければどうぞ?」
「う~ん、悩むな……」
人がせっかく同行を許可してやったというのに、殿下は腕を組んで独り言を呟き始めた。
あぁ、言っておきますが……、その声、普通に聞こえる音量のレベルですから、独り言の意味がありませんね。
「フィニア嬢達の部屋に行って、女子会に混ぜて貰おうと思ったんだがなぁ。アルディレーヌに贈るプレゼントの依頼も捨てがたい……。だが、やっぱり、女の子達のきゃっきゃっうふふな光景を眺めるのも……」
「「……」」
殿下の寝惚けた戯言に、俺とクレイラーゼ公爵の気配が全く同じものへと変わった。
二人同時に殿下の後ろ首の襟を掴み……。
―グイ!!……ズルズル
「こ、こらっ!! 何するんだ!!」
「女の子は女の子同士、男は男同士で行動した方が合理的だよ、殿下」
「フィニア達の邪魔になりますからね。大人しく表に出てください」
一応、俺達二人の顔には笑みが浮かんでいるが、内心は殿下への苛立ちで満ち溢れている。
前にフィニアが、「殿下って優しくてあったかい人ですよね」と、無防備にもそんな事を言っていたが、どんなにヘタレて無害に見えても、殿下も一応男だ。
アルディレーヌ嬢という恋人がいても、平気で小動物を可愛がる癖がある殿下の事。
フィニアやブランシュ嬢にも、ただ可愛いからという理由で、下心はなくとも抱き着く可能性がある。
そんな事態になっては俺もクレイラーゼ公爵も、うっかり次代の王を闇に葬ってしまうかもしれない。
それを考慮した上で、俺達二人は殿下を外へと連れ出したのだった。
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