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~蜜愛の館(婚約編)
蒼麗侯爵様と子犬の話11◆
しおりを挟む◆◆◆◆◆パウリスの町・宿屋・セレイドの部屋◆◆◆◆◆
――Side セレイド
当時のグレイシャール侯爵こと、俺の父親である男は、旅先であるひとつの出会いを果たした。
柔らかな波を思わせる蒼の髪、一度目が合えばその輝きに一瞬で囚われるようなアメジストの瞳。
男を虜にするような魅惑と神秘さをほどよく織り込んだ容姿を纏っていた女は、見事に父を惹き付けた。
素性も、どこの誰かもわからぬ女は傷を負っており、父は屋敷へと連れ帰り、親身になって介抱したという。
そして……、父は女を愛し、……女はその愛に応えた。
「それが……セレイド様のお母様なんですか?」
「ええ。貴族ではなく、さらにいえば、身元さえ判明しない女性でしてね。父上も若さと愛だけで突っ走ったようなものなんでしょうが、心から母を愛し、妻にと欲しました。周囲の反対が起きるとわかっていたでしょうに」
貴族でもなく、かといって、どこの誰かもわからない女をどうにか妻にした父は、最大級の幸福をその心に感じながら、終わりのある幸せだとは知らずに、溺れこんだ。
「どうにか母を妻にした父は、今私がフィニアを愛している以上に、母の全てに溺れ、愛情を注ぎ贅を尽し、何処にも飛び立つ事がないように愛したのですよ」
「……」
「そして、数年後、母は第一子を生みました」
「それが、セレイド様なんですね?」
「……いいえ。俺ではありません」
「え……」
フィニアは意外な事を聞いたとばかりに、その可愛らしい素直な空色の瞳を見開かせ、口許に手をあてた。
彼女が知る事のない過去、グレイシャール家に、本当は子供が二人いた事。
俺の兄である人が生まれてからの事を、音に乗せていく。
「本来、グレイシャール家には子供が二人いました。長男である俺の兄上。そして、次に生まれた末っ子の私です。
ですが……、俺が四歳ほどの時……、幸せは幕を引きました」
「……」
「当時、俺はまだ幼かったものですから、男女の関係というものを知りませんでした。屋敷を訪ねて来た一人の男、身形は貴族風だったような気はしますが、顔はあまり覚えていません。しかし、その男が母の私室で……、彼女と何をしていたのかは、今となっては特に大した事ではありませんでした」
珍しい客人が来たと、俺と兄上は部屋に戻っているように言われたのも無視し、母の私室の扉の隙間から……覗いてしまった。
子供が視界に焼き付けるには、あまりに酷い裏切りの光景……。
「その男は、母の服を乱し、その白い肌に口付け……、所有の証を残しながら……グレイシャール侯爵の妻を寝取っていたのですよ」
「そんな……っ!!」
今の俺からすれば、貴族に限らず、どこにでもあるような話のひとつだ。
けれど、素直で純粋なフィニアには、到底寛容出来るような話ではなかった……。
愛を誓い合って結婚したはずの夫婦の片方が、他の愛を受け入れていた。
これを裏切りと呼ばずに何と呼ぶのか……。
男の腕の中で乱れていた母、それを見てしまった俺と兄上……。
ここまでは、本当によくある話のひとつ……。
「その男は、父のいない隙を読んだかのように屋敷を訪れては、母をその腕の中で乱し、父を嘲笑うかのように汚し続けました……。そして、三ヶ月ほどが経った、……ある豪雨と雷鳴が轟く晩の事」
――母は、裏切りを犯しただけでなく……。
「父を……刺したのですよ」
「――っ!?」
正直、こんな面倒で汚れすぎている話を愛する女性には聞かせたくない。
いっそ、当たり障りのない嘘を吐いてしまえばいいと……、そう思った瞬間もあったけれど、俺の事を心の底から案じ、痛みや苦しみを共有し支えたいと言ってくれたフィニアに嘘を吐く事は、酷い裏切りのように思えて……、俺は真実を語る事にした。
四歳の子供が背負うにはあまりに残酷で、根深い痛みと傷を残す……その話を。
「幸いな事に、父は急所が外れていた為、一命を取り留める事が出来ました。ですが、母は迎えに来た男の手を取り、兄上を連れて……逃げたんです。後に残されたのは、悲鳴をあげるメイド達や家令、そして……」
何もわからず、ただただ悲しくて、怖くて、泣きじゃくっていた俺だけ。
「父は愚かな人ですよ。自分の妻に刺され、挙句の果てに不貞の相手と逃げられたのに、王国側に通報する事を決して行おうとはしませんでした……。傷を負い、寝台で苦しんでいても、呼ぶのは母の名ばかり……。幼かった私も母と兄の姿を求めて、泣いてばかりの日々でした……」
どうして浮気などしたのか。父を刺す必要があったのか……。
幼い俺だけをその場に残し、兄上だけを連れて行ったのか……。
大人になった今でもわからない事も多いが、結果的に分かっている事は……。
「母が父を裏切り不貞を行い、暴挙に走った挙句、今もどこかでのうのうと生きている……。俺はね……それがどうしても許せないんですよ。幼く無知だった俺は、母や兄を探して泣き喚き探し続ける事しか出来なかったけれど、今の俺は違います。もう二度と、母の姿は見たくない。もし……俺の前に現れる事があれば……」
「セレイド様っ!!」
俺の瞳に殺意の気配が揺らめいたのを察したフィニアが、椅子から立ち上がり、俺の頭を抱え腕の中へと抱き寄せた。温かで……優しい匂いのする……俺だけの愛しい人。
貴女に辛い思いをさせている自分が許せませんよ……。
俺はフィニアの胸に顔を寄せられたまま、口を開き呟いた。
「大人になるにつれて、母の事は忘れていたつもりだったんです……。ですが、……貴女がフィニーを拾って来た日、ひとりぼっちにされてしまったフィニーが……、幼い頃の自分と重なったように思えて……」
家族と別れて、フィニーはたったひとりで橋の下にいた。
助けてくれる手はどこにもなく、酷く辛い思いをしていたに違いない……。
それを思うと、どうしても……在りし日の俺と重なってしまった。
「その上、このパウリスの町では、母に良く似た人を見かけてしまって、昔を思い出さずにはいられなかったんですよ……。もし本人であれば、自分の中の恨みが表に溢れ出てきそうで……」
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あの装飾品店で母に良く似た女性を目にした瞬間、かろうじて保たれていた精神の均衡が崩れ、私は情けない事に、その場で殿下達に迷惑をかける事になってしまった。
「セレイド様、もしかして……、その良く似た女性がいたのが、あのお店、なんですか?」
「ええ……。とても良く似ていました。笑った顔が特に……。ですが、母にあった特徴でもある右目の下にあったホクロがありませんでした。それに、声も違っていましたし、……別人で良かったですよ」
母がそこにはいなかった事に、俺は心から安堵した。
自分を捨てた母を、父を裏切り害した母を、……到底許す事など出来はしないのだから。
「ごめんなさい……セレイド、様」
「フィニア?」
ふいに俺の顔へと落ちた雫……。
それが彼女の瞳から伝い落ちたものだと気付いた私は、右手をフィニアの頬に伸ばし、首を傾げた。
「何故貴女が謝るんですか? むしろ、家族の醜聞を聞かせ、愛しい貴女の心を苦しめた俺が、謝罪を口にするべきだと思うんですが……」
「セレイド様にとって……、辛い過去を強く思い出させて……しまった、から、です。私……貴方の事を、支えていきたいって……辛い事があるなら、その心に寄り添っていきたいって思ってました……、だけどっ」
「フィニア……」
「セレイド様が涙を流しながらお母様を求めて彷徨っていた時代に飛んで行って、その小さな身体を抱き締める事も出来なければ……、貴方の痛みや苦しみを、本当の意味で一緒に背負っていけるのかって……。ごめんなさい……。私、やっぱり、無力な存在ですね……。セレイド様をどうやって慰めればいいのか、笑顔になって頂く方法さえわからないんです。婚約者……失格ですね」
……あぁ、本当に彼女は、いじらしいほどに……深く優しい愛を俺に与えてくれる。
自分の事を貴女は無力だと嘆くけれど、そんな事は微塵もない……。
俺の事を想い、寄り添いたいと願ってくれるだけで……俺は。
「フィニア、俺は……とても幸せな男ですね」
「えっ」
「愛しい貴女を泣かせてしまっている事を罪深いと思うのに、一方で、俺の事をここまで強く想ってくれる貴女に、愛しさが一層深くなっていくのを感じるんです」
「せ、セレイド様は、私に対して……甘すぎる気が、しますよ? 私は、貴方の辛い過去を聞かせて貰ったのに、何が出来るのか全然わからないんですから」
何かしようなんて、そんな事は思わないで良い……。
フィニアが俺を愛してくれている事、この心に寄り添い抱き締めてくれる事……。
――その全てが愛おしくて、人生最大の幸せなのだから。
俺はフィニアの腕の中から顔を離すと、一度椅子から立ち上がった。
「せ、セレイド……様?」
あぁ、もう……そうやって不思議そうに首を傾げて疑問の声を上げる様さえ、俺にとっては幸せの源だというのに。今すぐ食べてしまいたい気持ちを抑え、俺はフィニアを抱き寄せると、再び席へと腰を下ろした。
愛する彼女を膝の上に乗せ、腕の中にいるフィニアをうっとりと眺める。
「俺の愛しいフィニア……。もっとよく顔を見せてください」
「え? えぇ、あ、あの、セレイド様、な、何をっ」
「貴女が俺を喜ばせるような言葉や行動ばかりするので、我慢が出来そうにないのですよ……」
何故こうなってしまったのかわからないという風に困惑している彼女の額に口付け、俺は親愛を込めたキスをフィニアの肌へと移動させながら触れさせていく。
今の俺にとって、彼女の存在こそが救いであり、幸せの形そのものだ。
俺の為に流してくれた涙、力になれない事が悲しいと健気な言葉をくれたフィニア。
母も兄も失ったけれど、貴女がいてくれるなら……それが俺の最大の幸福だ。
「フィニアには俺に対して出来る事はいっぱいあるんですよ?」
「え? な、何が出来るんでしょうかっ。私、セレイド様の力になれるなら、何でもし、……あ」
「今……、何でも、と、言いましたね? 俺の可愛い人」
「い、いえっ、あ、あのっ、で、出来る範囲……でっ」
「大丈夫です。俺の愛しい貴女なら、その出来る範囲とやらの中で沢山の事が出来ます」
迂闊な事を口にしたと思っても、もう遅いんですよ?
今、しっかりと……俺は聞いてしまいましたからね。
「俺とフィニアの愛の結晶……いっぱい、作りましょうね?」
「ええええ!? あ、あのっ、セレイド様、か、顔が笑顔全開に!!」
「とりあえず、早く俺と貴女の結婚式が実現するように、ひと晩……頑張りましょうか」
俺は彼女の首筋に軽いキスを二、三度繰り返し、慌てながら抵抗しようとするフィニアの唇を塞ぐと、柔らかな舌の感触を自分のそれに絡ませ、ゆっくりと味わい始めた。
「ンンッ……!! ふぁ、っ、セレイド、さまっ」
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「良い子ですね、フィニア……。さぁ、貴女の愛で、俺を慰めてください」
「せ、セレイド様っ、私は……真剣に、貴方の事を……」
「……わかっていますよ。俺の為に出来る事を、一生懸命考えてくれているのでしょう? あんな話を聞かされれば、普通は距離をとるか、よくある話だと一蹴するものですが、貴女は俺から逃げずに、支えとなれる事を考え寄り添おうとしてくれた……。その事が、どれほど俺にとっての救いであり、希望となっているか、貴女は気付いていないのでしょう?」
「で、でも……っ」
まだ納得出来ないようですね……。
俺はフィニアを抱き上げ、寝台へと運び押し倒すと、その身体を強く抱き締めた。
「俺の幸いは、貴女という存在そのものです。フィニア……。決して俺から離れないでください……。どこにも、行かないで……この腕の中に……」
唇を塞ぎ、フィニアの甘い吐息ごと呑み込んだ俺は、彼女が与えてくれる極上の愛を求めて、その肌に数多の華を散らし、漏れ聞こえる淫らな蜜声を貪った……。
――フィニア、俺の愛しい人……。
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「ンゥゥッ、……ぁんっ……せ、はぁ……セレ、イ、ドっ」
「そうです。良い子ですね……。もっと俺の名を呼んでください。貴女の愛を……感じさせてください……そして」
――俺の愛を、貴女の奥深くまで刻み込ませてください。
俺の下で乱れる愛しい女性の痴態を目に焼き付けながら、俺は魂の底まで求めるように強い律動を繰り返した。
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けれど、この世界で出会えた、唯一人の貴女だけは……。
「絶対に……離しませんよ。俺の……愛する、はぁ、フィニアっ」
一歩間違えば狂気にもなりそうなこの愛を、どうか受け止めてほしい。
一生、いいえ、死んでも貴女を愛する事をやめられない哀れな男を、同じように、愛してください。
――俺の可愛い人。
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