ウォルヴァンシアの王兄姫~淡き蕾は愛しき人の想いと共に花ひらく~

古都助(幸織)

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第二章『恋蕾』~黒竜と銀狼・その想いの名は~

悩める副団長と攻防戦

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※ウォルヴァンシア副団長補佐官、ロゼリアの視点で進みます。

 ――Side ロゼリア

「副団長、どうされたのですか?」

 夕暮れの時が過ぎゆき、静かな闇夜の帳がおりた頃。
 訓練や夕刻までの仕事を終えた団員達は寮や自宅の帰路に着き、訓練場には誰の姿もなくなっているはず、だったのだが……。
 唯、一人。その人だけは室内の訓練場に残っていた。
 剣を振るう事もなく、ただ、ぼんやりと……、立ち尽くしているだけの姿。

「副団長」

 銀の光を纏う男……。アレクディース・アメジスティー副団長は、陰鬱な気配と共に俯いており、私の声には応えない。
 
「ふぅ……」

 困った方だ。何に思いを馳せているのか……、まぁ、考えるまでもないが。
 ある一人の少女を想い、その一挙一動に振り回されるようになってしまった上官。
 
「副団長……、そのままでは風邪を引かれます。一度執務室の方へお戻りになってはいかがですか?」

 そう声をかけても、上半身裸の汗だく状態になっている副団長が心を揺らす事はない。完全にハマり込んでしまっているようだ。面倒な思考の海底へと……。
 今回は一体何があったのか……。聞き出して解決に努めるのが副団長補佐官である私の役目でもあるだろう。

「ユキ姫様がいらっしゃいましたよ」

「ユキ……?」

 はぁ……、本当に、何があってもユキ姫様の事にだけは反応が早い。
 ゆっくりとこちらに向けられた蒼の双眸には、迷い子のような戸惑いが見え隠れしている。視線を巡らし、ユキ姫様の姿を探して彷徨うそれに溜息を零してみせると、私の言った事が嘘なのだとようやく気付いたようだ。

「ロゼ……」

「申し訳ありません。声をおかけしても気付いてくださらなかったものですから」

「……すまない」

「いいえ。何を悩まれているのかには察しがついておりますから……。一度執務室の方にお戻りください。温かいお茶をお淹れいたしましょう」

 副団長を促すと、その陰鬱な表情が微かに和む様を見せてくれた。
 どれだけの間、一人で孤独の闇に沈み込んでいたのかはわからないが、その汗の多さは、自分の中の迷いと葛藤を打ち払う為に流したものなのだろう。
 私は副団長を先に執務室へと見送り、相談役として適任なもう一人を呼びに行く事にした。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「アレク……、またなのかよ、お前」

「団長、もう少し気遣って差し上げてください。ユキ姫様に関しては、騎士団で鍛え上げた鋼の精神力も意味を成さないのですから……」

 副団長執務室に向かうと、ソファーに座り込んで俯いている副団長の姿があった。
 服だけはきちんと着替えてくれたようだが、……はぁ、暗い。暗すぎる。
 私が傍を離れた事で、また一人で物思いに耽った挙句、勝手に落ち込んでしまったのだろう。団長がその背を勢いよく叩き正気に返らせると、また、ぼんやりと副団長が私達を振り返った。
 
「ルディー、ロゼ……」

「なんか悩んでんなら、さっさと話しとけよ。お前の場合、一人で抱え込むとろくな事がねーんだからさ」

「だが……、これは、俺の問題だ。お前達の手を煩わせるわけには……」

 むしろ黙って悩まれている方が困る。
 副団長が悩みを抱え孤独感に苛まれ始めると、それは団員達の不幸にも繋がるというのに……。
 ひとときでも全てを忘れたいが為に、力の加減も忘れ団員達を打ち据えていく様は、まさに容赦のない悪魔の所業だ。部隊長レベルであれば、対等に渡り合う事も可能だが、それ以外の団員達にとっては毒にしかならない。そして、本人にその自覚がないのがまた、性質(たち)が悪くて手に負えない。
 
「黙っていられる方が大迷惑だ。さっさと吐きやがれ」

「団長に同意です。ユキ姫様の事で悩まれているのはわかっていますし、早期解決を考えますと、相談して頂くのが一番の最善策かと」

「……そう、か」

「はい」

 ずいっと迫ってきた私と団長からの促しにより、副団長は少しだけまだ悩む様を見せたが、これ以上の黙秘は通じないと感じたのだろう。徐々に口を割り始めた。
 やはり悩みの理由は、ユキ姫様の事で間違いはなかった。しかし、その悩みの理由が……。
 そんな事があるわけもないのに、何を無駄な事を……、と頭を抱えたくなるような話だった。
 ユキ姫様が副団長を必要としていない? 傍にいる事を拒まれている? 
 何をどう受け止めればそんな考えに辿り着くのか……。
 私と団長の視線が冷ややかで呆れ全開となったのは当然の事だ。

「副団長……、ユキ姫様がそのような事をお考えになると、本気で思っておられるのですか?」

「そうだぞ~。姫ちゃんがお前の事をいらないとか、まずありえないだろ」

「だが……、俺の事を遠ざけたがっているように思えるんだ。……もしかしたら、俺が彼女に邪な想いを抱いている事に、気付いたのかもしれない」

 邪って……、全く、どこまで純粋で真面目極まりないのか。
 話に聞く限りでは、ユキ姫様が副団長の本来の職に対する気遣いを見せてくださっただけではないか。ご自分の護衛を担っている副団長が、早く元の生活に戻れるように、と。
 
「副団長、ユキ姫様は気を遣って本来の職務に戻そうとしてくださっただけです」

「そうそう。純粋な気遣いだって。だから、な? 頭切り替えて、そろそろ姫ちゃんに告白でもする勇気を出せよ~。そっちの方が大事だと、俺はそう思うぞ?」

「……告白」

「そうです。ユキ姫様と晴れて両想いになれば、幸せな未来が待っているのですよ」

「幸せな……、未来」

 早急に別の案件で思考を塗り替えた方がいいと判断なされたのだろう。
 団長からの提案にぴくりと肩を震わせた副団長が、そろりと顔を上げた。
 副団長はユキ姫様への想いを自覚したものの……。
 イリューヴェルの第三皇子、カイン・イリューヴェル殿下の身に起こった禁呪の件のせいで、いまだに行動に出る事が出来ていない。
 私と団長の予想としては、ユキ姫様が副団長の想いを拒んだり、蔑むような事はないと確信している。
 戸惑いはするだろうが、きっと真剣に受け止めて考えてくださるはず……。
 それをわかっているからこそ、私達は副団長に次の一手を勧めているのだ。
 
「早く告白しねーと、どっかの誰かさんにひょいっと持ってかれるかもしれないし、なぁ……?」

「どっかの……、誰か、か」

 それが誰の事を指しているのか、ここにいる全員がわかっている。
 ユキ姫様と出会い、その存在に強く惹かれ……、副団長と同じ想いを抱いた伏兵の存在を。
 騎士と皇子……。立場の違う二人は、ユキ姫様との関係性にも大きな違いがある。
 副団長は、ユキ姫様の全てを包み込んで何が何でも守り通すという接し方をしているが、カイン皇子の方は違う。他国の王兄姫に対する遠慮は一切なく、ありのままの自分を曝け出し、ユキ姫様の様々な感情を引き出している。

(副団長の想いが成就するには……、間違いなくカイン皇子の存在が壁となる気がしてならない)
 
 だからこそ、一日も早く副団長にはユキ姫様へ想いを届けて頂きたいのだ。
 後手にまわることがないよう、一刻も早く……。

「だが……、俺の想いをユキに伝える事で、困らせてしまったらと考えると……」

「副団長……、そんな事を考えていたら、告白など千年経っても実現しませんよ?」

「それは……、そう、なんだが」

 騎士団の副団長として、的確な指示や難しい案件もこなせる実力者だというのに、何故恋愛沙汰になると、ここまで萎縮してしまうのか。
 ユキ姫様を困らせてしまったら、という気持ちはわかる。
 けれど、本当は……、ユキ姫様に自分の想いを拒絶されたら、と、二度と関わる事を許して貰えなくなったら……、そちらに対する恐れの方が大きいはずだ。
 変なところで臆病というか、ある意味、微笑ましくもある。
 だが……、ここで立ち止まって自分の中に引きこもられても困るのだ。
 何とかして、ユキ姫様にその想いを伝えて頂かなくては……。

「副団長、結果に怯えずに、どうか勇気を出されてください」

「ロゼ……」

「よろしいのですか? 副団長が迷われて足を止められている間に、……カイン皇子がユキ姫様と結ばれてしまっても」

「――っ」

 少々酷な物言いをしたような気もしたが、こうでもしないと副団長の決意は定まらない。
 それに、カイン皇子の方が、副団長よりも行動力があるように思える。
 ユキ姫様に対して遠慮のない物言いが出来るところや、自分の感情に対して素直なところ。カイン皇子と副団長……。恋愛的な意味で有利なのは、前者の方だろう。
 カイン皇子が本気を出して動くその前に、一刻も早く副団長の想いをユキ姫様の許へ届けなければ。
 そう願いを込めて脅し同然の言葉を口にしてみると、それが功を奏したのか、副団長は膝の上においていた両手をきつく握り締め、その蒼の双眸にある種の炎を揺らめかせた。

「今から……、ユキの部屋に行く」

「お!! アレク、ついに告白する決意が出来たのか!!」

「あぁ……。俺は、ユキの心が欲しい。ずっと、彼女の傍に在り続けたい」

「それでこそ、我がウォルヴァンシア騎士団の副団長です。ご立派ですよ、副団長」

 副団長は決意と共に立ち上がり、扉へと向かって行く。
 その背中に、歓喜した団長が右の拳を振り上げて、応援の言葉を贈る。

「頑張れよ~!! アレク~!! もしフラれても、俺達が両手を広げて待っててやるからな~!!」

 なんという不吉極まりない事を……。
 どうせ行くなら、絶対成就の励ましをしてください、と、団長に冷たい視線を向ける。それに気付かない団長でもないはずだが、言動を改める様子はないらしい。

「大丈夫だ!! 俺の知ってる奴なんか、殴られても蹴り倒されても、何回も同じ相手に告白してたからな!! 一回フラれるのなんか全然問題なし!! 心を軽くして行ってこ~い!!」

「団長……、それはまさか……、『あの方々』のお話ですか?」

 団長は数年前に、とある国に立ち寄った際に少々厄介な事件に巻き込まれた事がある。その際に、とある公爵令嬢に迷惑極まりない迫り方をしていたとある高貴な男性が、その想いを遂げる為に、色々と面倒を引き起こしたり巻き込まれたり……。
 ――という大騒動を起こした果てに成就した恋の花。
 お相手の女性のご苦労を思うと、それを団長から土産話として聞いた私は、色々と複雑な思いに駆られたものだ。
 恐らく、その時の話を持ち出しているのだろう。
 けれど、ケースが違いすぎるので、本気でやめて頂きたい。
 ウチの副団長はその男性ほど図太くはない。
 というよりも、愛しい女性に対して犯罪紛いの付き纏いを仕掛ける副団長など、その場で斬って捨てたくなるというものだ。

「でもいい例だろ? 告白は一回だけじゃない。何度だってチャレンジ出来るんだって事がわかってれば、アレクだって気が楽だろ」

「そうは仰いますが……、もういませんよ。副団長」

「え……」

 丁度、団長があまり意味のない応援をし始めた直後に素早く扉の向こうに消え去ったと思う。少しは聞こえただろうが……、副団長にとっては一度の告白でも大事(おおごと)だ。
 ユキ姫様の部屋に向かった副団長は、果たして本当に告白を実行出来るのだろうか。想いが叶えば、副団長はこの世界で一番の幸せ者となるだろう。
 だが、もしも……、玉砕などという展開になってしまったら、ウォルヴァンシア騎士団の機能の半分は停止する事だろう。団長一人に多大な負荷がかかり、やがて……。

「団長……」

「ん?」

「追いかけましょう」

「え……」

 ソファーから立ち上がり、私は副団長の後を追う為に扉へと向かう。
 流石にやめておいた方が、と制止にかかる団長に首を振り、放っておく方が大問題だと自論を述べる。あの副団長の事だ。ユキ姫様の部屋に行く所までは実行出来るだろうが、自身の想いを正しく伝えられるかどうか……。
 あらゆる事態を想定して動くのも騎士。
 いや、今回の場合で言えば、副団長の応援団としての役目だ。
 何だかんだとブツブツ言っている団長をおいて、私は副団長執務室を後にするのだった。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「ルディー、ロゼリア……、これは、流石に不味いんじゃないか?」

「俺も流石にそう思う。レイル、ロゼ、『止めにかかる用意』、しとけよ」

「了解です」

 気付かれぬように副団長の後を追いかけて来た私達は、ユキ姫様の部屋へと続く曲がり角の、さらに手前に潜んでいた。
 ちなみに、何故ウォルヴァンシアの第一王子であられるレイル殿下がいらっしゃるのかと言うと、入浴上がりの散策をなさっていた所に出くわし、団長がお誘いになられたからだ。
 そして……、辿り着いたユキ姫様の部屋の前では今、とんでもない事が起こっている。聞こえてくるのは、柔らかでずっと聞いていたくなるようなユキ姫様の可憐なお声と、もうひとつ。

「はぁ、最悪のタイミングだ……。なんで皇子さんがいるんだよ」

「ライバル的な勘でも働いた、とでも考えるべきでしょうか……。ご覧ください。副団長が出るに出て行けず、カイン皇子への恨み嫉みのこもった殺気爆発寸前の体(てい)で向こう側を……」

 どうにかご自分を抑え込んでおられるようだが、曲がり角の壁に着いている手の先から、目に見えてわかるほどの恐ろしい亀裂がミシミシと。
 私達はこっそりと、その傍へと歩み寄った。
 そして、副団長の衣服の端をがしっと掴み込んで、暴走の時に備える。

「おい、アレク。頼むから爆発すんなよ?」

「忍耐です、強靭な鋼の精神を総動員なさってください、副団長」

「ここで騒動を起こせば、ユキの迷惑になる。アレク、頼むから堪えてくれっ」

 私達が小声で副団長を宥めている間にも、ユキ姫様とカイン皇子の楽しげな話し声が聞こえてくる。時折、カイン皇子がユキ姫様の機嫌を損ねる軽口を叩きながらも、ユキ姫様が本気で機嫌を曲げるような様子は見られない。
 カイン皇子との会話でまた楽しそうな笑顔に戻り、不意にその頭をくしゃくしゃと撫でられても、拒む気配もなく……。
 
「傍(はた)から見ると……、じゃれ合っている恋人同士のようですね」

「ロゼぇええっ!! 何言ってんだぁああっ!!」

「アレク!! 落ち着けっ!! 剣を抜こうとするな!!」

 うっかり見たままの感想を漏らしてしまった私に、団長が小声の怒声で一喝。
 我に返った私は、すぐさま副団長が抜き放とうとしている愛剣の柄に手を伸ばし押さえ込む。
 あ、危なかった……っ。私の不用意な発言で、ユキ姫様の目の前で惨劇を引き起こすところだった。三人の力と言葉に押え込まれた副団長が、どうにか平常心に主導権を渡し終えると、それを木端微塵に打ち砕くかのような発言が聞こえた。

『で、よ……。その、明日、なんだけど、よ。お前、空いてるか?』

『はい? 明日なら、特に予定もありませんけど』

『本当か? じゃあ……っ』
 
 頼むからやめてくれ!! その先を言ったら全てが終わる!!
 防いだと思った惨劇ならぬ、大惨劇がこの場に恐ろしい恐怖と共に降臨してしまう!! しかし、現実は無情だ。私達が目を見開いているその前で……。

『明日、俺と一緒に出掛けねぇか?』

 ――終わった。
 カイン皇子がその魔性とも謳われる美しい相貌に照れた気配を宿し、口にした一言。その爆弾発言が、ウォルヴァンシア騎士団、副団長アレクディース・アメジスティーの最後の逆鱗に触れてしまった。
 私達が必死になって抑え込んでいた副団長の怒りが、カイン皇子に対する恨み嫉みの感情が、堰をきって溢れ出す。
 その上、私達の視線の先では、ユキ姫様がカイン皇子からの誘いに応じてしまうという、さらに不味過ぎる光景が。

「ロゼ、レイル!! 姫ちゃん達に気付かれる前に、アレクを連れてくぞ!!」

「わ、わかった!! アレク、落ち着いて深呼吸をするんだっ。別にまだ、カイン皇子と結ばれたわけじゃない!! 頼むから堪えてくれっ!!」

「副団長っ、お気を確かに!! さぁ、参りましょう!!」

 あくまで、ユキ姫様とカイン皇子に気付かれると、さらに面倒な事になるので、小声で副団長を元来た道へと必死に促しにかかる。
 しかし、流石はウォルヴァンシア騎士団長の副団長と言うべきか、しぶとい。
 その場から動くものかと我を張っている副団長は、ぐぐっと身を前に乗り出し、今にもカイン皇子抹殺の瞬間を迎えてしまいそうだ。
 だが、幸運な事に、カイン皇子は別方向の通路の方へと駆け出してしまい、最悪の鉢合わせは未然に防がれた。ユキ姫様もご自分の部屋に戻られ、扉の向こうへと。

「ど、どうにか……、惨劇は防がれましたね」

「三人とも、放してくれ……。俺は、あの不届きな竜を追う」

「駄目だって言ってんだろ!! 皇子さんに手ぇ出したら、困るのはレイフィード陛下なんだぞ!!」

「だが……っ!!」

 北の大国、イリューヴェルの第三皇子を、万が一冥界になど送った日には、あの過保護に目覚めたと聞く皇帝陛下がどれほどお怒りになられる事か。
 副団長とウォルヴァンシアの為にも、私達の手で是が非でも惨劇を防がねば。
 私達はカイン皇子の後を追おうとする副団長の四肢にしがみつき、決死の体(てい)で諫めにかかったのだった。 
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