90 / 314
第三章『序章』~女帝からの誘い~
ラスヴェリートの国王夫妻
しおりを挟む
「ラスヴェリート国王陛下、御正妃様、側近ヴェルガイア殿、玉座の間に入られます」
祝福を告げる柔らかな光が降り注ぐ、全面窓硝子張りの光景。
幸せそうに囀り合う小鳥達の声。僅かに零れ出そうになる欠伸を噛み殺しながら、私は内側から玉座の扉へと視線を向けた。二人のメイドさんが先に中へと入り、玉座に座っているレイフィード叔父さんへと恭しく頭を下げる。
城下町での騒ぎから翌日、私はお父さんとお母さんと一緒に、この玉座の間へと呼ばれていた。
話に聞いていたラスヴェリートの国王夫妻とお供の人達は、すでに昨日の内にウォルヴァンシア王宮へと入っていた。翌日の今日、謁見の時を迎える為に。
私も普段とは違う、王族のお姫様仕様の綺麗な水色のドレスに身を包み、今この場に立っている。
これも王族としてのお仕事のひとつ、頑張ってお姫様らしく振舞わないと!
二人のメイドさんが内側から大きな扉を左右に開くと、国王としての正装に身を包んだ男性と、豪奢な装いと共に寄り添いながら歩く女性が、先に中へと足を踏み入れた。そのすぐ後ろに続く人の姿は、まだ見えない。
玉座とレイフィード叔父さんの佇む階段の上に、年若き国王様の美しい青の双眸が向かう。
他国の王族に対する礼をとり、必要な手順を踏んで紡がれる国王様と王妃様の言葉。
それを終えると、レイフィード叔父さんがラスヴェリートの国王夫妻を心から歓迎する意を紡ぎ、玉座から立ち上がり階段の下へと。
「ようこそ、ウォルヴァンシア王国へ」
満面の笑みで国王夫妻の手を取ったレイフィード叔父さんの言葉と想いを、私達も礼を取りながら頭を垂れて復唱する。
晴れ渡る空の色と青の瞳を抱くラスヴェリートの国王様が見惚れる程に優雅な笑みを纏い、隣に寄り添っている王妃様も……、あれ?
パチパチと目を瞬き、レイフィード叔父さんと言葉を交わしている国王夫妻を凝視する。
華やかな蝶を思わせるように背を伝う黄金の髪、微笑を纏うその顔は天上の女神様と称えてもおかしくはない程に麗しい。けれど……、その横顔を見つめていた私は首を傾げた。
挨拶の時に聞こえた声音、今見えている華を纏う美貌、……どこかで会っているような気がする。
そして、そのすぐ後ろに控えている銀長髪の男性に視線をずらした私は、「あ」と間抜けな音を落としてしまった。
玉座の間に集まっている人達の視線が、一斉に私へと集中してくる。
「ん? どうかしたのかな、ユキちゃん」
「い、いえ……、あ、あの」
やけに大きく響いてしまった私の「あ」の音で、レイフィード叔父さんがゆっくりとその意味を問いに近づいてきてしまう。けれど、それよりも早く、国王夫妻のすぐ後ろで喜びに満ちた驚愕の声が上がった。
「あ~!! 貴女は~!! 昨日の麗しのおみ足女性ではありませんか~!!」
物凄く聞き覚えのあるその声にぎょっと肩を揺らした直後、レイフィード叔父さんの背後で激しい取っ組み合いの気配が伝わってきた。物騒な擬音が、いっぱい聞こえてくる!!
玉座の間に集まっているメイドさんや騎士の人達も、レイル君やお父さん達も動くに動けない状況でも目に映っているのか、誰も止めに入る気配がない。
「で、ユキちゃん、何か気になる事でもあるのかな?」
「い、いえ、あの、だから……、う、後ろ、の方々を」
「ん~?」
レイフィード叔父さんの笑顔がなんか黒くて怖い!
私の両肩を掴んで、あえてその身体の向こうで繰り広げられている光景を見せないようにしているというか。あ、今……、断末魔の悲鳴が聞こえたぁあっ!! ついでに硝子が割れる音まで!!
何? レイフィード叔父さんの背後で今何が起こっているの!?
カタカタと怯える子犬の如く震えながら涙目になっている私が向こう側を視界に映したのは、それから三分程後の事だった。
さっきまで国王夫妻の後ろにいた銀髪の男性が……、いない。
優雅に空色の髪を掻き上げ、「どうかなさいましたか?」と天使のようなロイヤル・スマイルをキラキラと放っているラスヴェリートの国王様と、パンパンと両手を払っている王妃様の姿。
絶対何か荒事をやった……、そんな気配が目の前に満ちている。
その証拠に、お二人の向こう側、全面窓硝子張りの一部に、大きな人型でくり抜かれたような恐ろしい破壊の跡が。メイドさん達が大急ぎで無理やりな壁紙をペタペタと……。あれ、意味あるのかな。
「ユキ姫様、昨日は名乗りもせずにお暇してしまい申し訳ありませんでした。改めまして、私はラスヴェリートの王妃、リデリアと申します。どうぞよろしくお願いいたしますわ」
「あ、やっぱり、リデリアさんだったんですね。それで、あの……、さ、さっきまでご一緒にいた銀髪の」
見間違いじゃなかったと、昨日知り合った美しい女性ことリデリアさんに再会の喜びを含ませた声音を向けた直後、思わぬ答えが返ってきた。
「私と陛下二人だけで謁見をさせて頂いておりましたが、何か?」
え? 思いっきりお二人の後ろに銀髪のにこやかな男性がいましたよね?
私の顔を見て、物凄く喜んだ気配で大声を上げていた……、昨日の不審者さんが。
「王妃の言う通りです」
ニッコリ。私の方へと歩みを寄せた夫妻は、迷いのない晴れやかな笑顔で言い切った。
右隣に立っているお母さんとお父さんに顔を向けると、そこはもうスルーで笑顔だけ浮かべて話を受け入れておきなさいと、無言の答えが返ってきた。はい、そうします。
世の中には一部受け止めずに流した方がいい事もある。つまりはそういう事だ。
「昨日は、我が側近がユキ姫様にご迷惑をおかけしてしまったと伺っております。有能な男ではあるのですが、少々困った趣味嗜好を抱えておりまして……、よろしれば、後程謝罪の時間を与えては頂けないでしょうか?」
「陛下の仰る通り、私も昨日の件に関しましては、ユキ姫様へのご無礼を償わせて頂きたいと思っているのです。お許し頂けますでしょうか?」
ずずいっ!! あぁ……、美しすぎる美貌の夫妻が滲ませる大迫力のお願いに首を横に振れるわけもない。華麗なる遠回しな脅しに屈した私は、コクコクと怯えの気配と共に頷くと、謁見の後に王宮医務室へと連行される事になったのだった。
祝福を告げる柔らかな光が降り注ぐ、全面窓硝子張りの光景。
幸せそうに囀り合う小鳥達の声。僅かに零れ出そうになる欠伸を噛み殺しながら、私は内側から玉座の扉へと視線を向けた。二人のメイドさんが先に中へと入り、玉座に座っているレイフィード叔父さんへと恭しく頭を下げる。
城下町での騒ぎから翌日、私はお父さんとお母さんと一緒に、この玉座の間へと呼ばれていた。
話に聞いていたラスヴェリートの国王夫妻とお供の人達は、すでに昨日の内にウォルヴァンシア王宮へと入っていた。翌日の今日、謁見の時を迎える為に。
私も普段とは違う、王族のお姫様仕様の綺麗な水色のドレスに身を包み、今この場に立っている。
これも王族としてのお仕事のひとつ、頑張ってお姫様らしく振舞わないと!
二人のメイドさんが内側から大きな扉を左右に開くと、国王としての正装に身を包んだ男性と、豪奢な装いと共に寄り添いながら歩く女性が、先に中へと足を踏み入れた。そのすぐ後ろに続く人の姿は、まだ見えない。
玉座とレイフィード叔父さんの佇む階段の上に、年若き国王様の美しい青の双眸が向かう。
他国の王族に対する礼をとり、必要な手順を踏んで紡がれる国王様と王妃様の言葉。
それを終えると、レイフィード叔父さんがラスヴェリートの国王夫妻を心から歓迎する意を紡ぎ、玉座から立ち上がり階段の下へと。
「ようこそ、ウォルヴァンシア王国へ」
満面の笑みで国王夫妻の手を取ったレイフィード叔父さんの言葉と想いを、私達も礼を取りながら頭を垂れて復唱する。
晴れ渡る空の色と青の瞳を抱くラスヴェリートの国王様が見惚れる程に優雅な笑みを纏い、隣に寄り添っている王妃様も……、あれ?
パチパチと目を瞬き、レイフィード叔父さんと言葉を交わしている国王夫妻を凝視する。
華やかな蝶を思わせるように背を伝う黄金の髪、微笑を纏うその顔は天上の女神様と称えてもおかしくはない程に麗しい。けれど……、その横顔を見つめていた私は首を傾げた。
挨拶の時に聞こえた声音、今見えている華を纏う美貌、……どこかで会っているような気がする。
そして、そのすぐ後ろに控えている銀長髪の男性に視線をずらした私は、「あ」と間抜けな音を落としてしまった。
玉座の間に集まっている人達の視線が、一斉に私へと集中してくる。
「ん? どうかしたのかな、ユキちゃん」
「い、いえ……、あ、あの」
やけに大きく響いてしまった私の「あ」の音で、レイフィード叔父さんがゆっくりとその意味を問いに近づいてきてしまう。けれど、それよりも早く、国王夫妻のすぐ後ろで喜びに満ちた驚愕の声が上がった。
「あ~!! 貴女は~!! 昨日の麗しのおみ足女性ではありませんか~!!」
物凄く聞き覚えのあるその声にぎょっと肩を揺らした直後、レイフィード叔父さんの背後で激しい取っ組み合いの気配が伝わってきた。物騒な擬音が、いっぱい聞こえてくる!!
玉座の間に集まっているメイドさんや騎士の人達も、レイル君やお父さん達も動くに動けない状況でも目に映っているのか、誰も止めに入る気配がない。
「で、ユキちゃん、何か気になる事でもあるのかな?」
「い、いえ、あの、だから……、う、後ろ、の方々を」
「ん~?」
レイフィード叔父さんの笑顔がなんか黒くて怖い!
私の両肩を掴んで、あえてその身体の向こうで繰り広げられている光景を見せないようにしているというか。あ、今……、断末魔の悲鳴が聞こえたぁあっ!! ついでに硝子が割れる音まで!!
何? レイフィード叔父さんの背後で今何が起こっているの!?
カタカタと怯える子犬の如く震えながら涙目になっている私が向こう側を視界に映したのは、それから三分程後の事だった。
さっきまで国王夫妻の後ろにいた銀髪の男性が……、いない。
優雅に空色の髪を掻き上げ、「どうかなさいましたか?」と天使のようなロイヤル・スマイルをキラキラと放っているラスヴェリートの国王様と、パンパンと両手を払っている王妃様の姿。
絶対何か荒事をやった……、そんな気配が目の前に満ちている。
その証拠に、お二人の向こう側、全面窓硝子張りの一部に、大きな人型でくり抜かれたような恐ろしい破壊の跡が。メイドさん達が大急ぎで無理やりな壁紙をペタペタと……。あれ、意味あるのかな。
「ユキ姫様、昨日は名乗りもせずにお暇してしまい申し訳ありませんでした。改めまして、私はラスヴェリートの王妃、リデリアと申します。どうぞよろしくお願いいたしますわ」
「あ、やっぱり、リデリアさんだったんですね。それで、あの……、さ、さっきまでご一緒にいた銀髪の」
見間違いじゃなかったと、昨日知り合った美しい女性ことリデリアさんに再会の喜びを含ませた声音を向けた直後、思わぬ答えが返ってきた。
「私と陛下二人だけで謁見をさせて頂いておりましたが、何か?」
え? 思いっきりお二人の後ろに銀髪のにこやかな男性がいましたよね?
私の顔を見て、物凄く喜んだ気配で大声を上げていた……、昨日の不審者さんが。
「王妃の言う通りです」
ニッコリ。私の方へと歩みを寄せた夫妻は、迷いのない晴れやかな笑顔で言い切った。
右隣に立っているお母さんとお父さんに顔を向けると、そこはもうスルーで笑顔だけ浮かべて話を受け入れておきなさいと、無言の答えが返ってきた。はい、そうします。
世の中には一部受け止めずに流した方がいい事もある。つまりはそういう事だ。
「昨日は、我が側近がユキ姫様にご迷惑をおかけしてしまったと伺っております。有能な男ではあるのですが、少々困った趣味嗜好を抱えておりまして……、よろしれば、後程謝罪の時間を与えては頂けないでしょうか?」
「陛下の仰る通り、私も昨日の件に関しましては、ユキ姫様へのご無礼を償わせて頂きたいと思っているのです。お許し頂けますでしょうか?」
ずずいっ!! あぁ……、美しすぎる美貌の夫妻が滲ませる大迫力のお願いに首を横に振れるわけもない。華麗なる遠回しな脅しに屈した私は、コクコクと怯えの気配と共に頷くと、謁見の後に王宮医務室へと連行される事になったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
ひみつの姫君 ~男爵令嬢なのにくじ引きで王子のいる生徒会の役員になりました!~
らな
恋愛
男爵令嬢のリアはアルノー王国の貴族の子女が通う王立学院の1年生だ。
高位貴族しか入れない生徒会に、なぜかくじ引きで役員になることになってしまい、慌てふためいた。今年の生徒会にはアルノーの第2王子クリスだけではなく、大国リンドブルムの第2王子ジークフェルドまで在籍しているのだ。
冷徹な公爵令息のルーファスと、リアと同じくくじ引きで選ばれた優しい子爵令息のヘンドリックの5人の生徒会メンバーで繰り広げる学園ラブコメ開演!
リアには本人の知らない大きな秘密があります。
リアを取り巻く男性陣のやり取りや友情も楽しんでいただけたら嬉しいです。
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
【完結】断頭台で処刑された悪役王妃の生き直し
有栖多于佳
恋愛
近代ヨーロッパの、ようなある大陸のある帝国王女の物語。
30才で断頭台にかけられた王妃が、次の瞬間3才の自分に戻った。
1度目の世界では盲目的に母を立派な女帝だと思っていたが、よくよく思い起こせば、兄妹間で格差をつけて、お気に入りの子だけ依怙贔屓する毒親だと気づいた。
だいたい帝国は男子継承と決まっていたのをねじ曲げて強欲にも女帝になり、初恋の父との恋も成就させた結果、継承戦争起こし帝国は二つに割ってしまう。王配になった父は人の良いだけで頼りなく、全く人を見る目のないので軍の幹部に登用した者は役に立たない。
そんな両親と早い段階で決別し今度こそ幸せな人生を過ごすのだと、決意を胸に生き直すマリアンナ。
史実に良く似た出来事もあるかもしれませんが、この物語はフィクションです。
世界史の人物と同名が出てきますが、別人です。
全くのフィクションですので、歴史考察はありません。
*あくまでも異世界ヒューマンドラマであり、恋愛あり、残業ありの娯楽小説です。
白い結婚の行方
宵森みなと
恋愛
「この結婚は、形式だけ。三年経ったら、離縁して養子縁組みをして欲しい。」
そう告げられたのは、まだ十二歳だった。
名門マイラス侯爵家の跡取りと、書面上だけの「夫婦」になるという取り決め。
愛もなく、未来も誓わず、ただ家と家の都合で交わされた契約だが、彼女にも目的はあった。
この白い結婚の意味を誰より彼女は、知っていた。自らの運命をどう選択するのか、彼女自身に委ねられていた。
冷静で、理知的で、どこか人を寄せつけない彼女。
誰もが「大人びている」と評した少女の胸の奥には、小さな祈りが宿っていた。
結婚に興味などなかったはずの青年も、少女との出会いと別れ、後悔を経て、再び運命を掴もうと足掻く。
これは、名ばかりの「夫婦」から始まった二人の物語。
偽りの契りが、やがて確かな絆へと変わるまで。
交差する記憶、巻き戻る時間、二度目の選択――。
真実の愛とは何かを、問いかける静かなる運命の物語。
──三年後、彼女の選択は、彼らは本当に“夫婦”になれるのだろうか?
妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。
彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。
公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。
しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。
だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。
二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。
彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。
※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。
戦姫のトロイメライ~断罪される未来が視えたので先に死んだことにしました
志熊みゅう
恋愛
十三歳の誕生日、侯爵令嬢エディット・ユングリングは、自分が死ぬ瞬間を"夢"に視た。
卒業舞踏会で、婚約者であるフィーラ帝国・第一皇子マティアス殿下から、身に覚えのない罪で断罪され、捕らえられる。傍らでは見知らぬピンクブロンドの令嬢が不敵に微笑む。貴族牢のある北の古城に連行される途中、馬車ごと“死の谷”へと落ちていった――そんな妙に生々しい夢。
マティアス殿下は聡明で優しく、エディットを大切にしているように見えた。だから誰もその"夢"のことを気に留めなかった。しかし、兄の怪我、愛猫の死、そして大干ばつ――エディットの"夢"は次々と現実になっていく。ある日、エディットは気づく。この"夢"が、母の祖国・トヴォー王国の建国の軍師と同じ異能――"未来視"であることに。
その頃、一年早く貴族学院に入学したマティアス殿下は、皇宮から解放され、つかの間の自由を知った。そして、子爵令嬢ライラに懸想するようになる。彼女は、"夢"の中で冷酷に微笑むあの令嬢に瓜二つ。エディットは自分が視た"夢"が少しずつ現実になっていくことに恐怖した。そんな時に視た、黒髪の令息が「愛しているよ」と優しくはにかむ、もう一つの『未来』。エディットは決心する。
――断罪される未来を変えたい。もう一つの未来を自分で選び取る。
彼女は断罪される前に、家族と共に自らの死を偽装し、トヴォー王国へと身を隠す。選び取った未来の先で、エディットは『戦姫』として新たな運命の渦に飲まれていく――。
断罪の未来を捨て、愛する者のために戦う令嬢の恋愛ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる