ウォルヴァンシアの王兄姫~淡き蕾は愛しき人の想いと共に花ひらく~

古都助(幸織)

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第三章『序章』~女帝からの誘い~

足フェチは災難の元。

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「ふぅ~。謁見の場や公式の場って、本当に肩凝るのよね~。あ、ルイヴェルさん、私、甘さ控えめの紅茶でよろしく」

「ルイヴェル殿、俺もリデリアと同じでよろしく頼むよ」

「その前に何か言う事はないのか?」

 私の案内を受けて王宮医務室へとやって来たラスヴェリートの国王夫妻を出迎えたルイヴェルさんが、診察台のあるカーテンの中から顔を出し、ジロリと二人を睨んでいる。
 聞こえてくるのは、誰かの低い呻き声。苦痛の音……。
 こんな朝早くから怪我人か急病人でも運び込まれて来たのだろうか?
 それなら、今お邪魔してはお仕事の妨げになるのでは……と思った私とは正反対に、リデリアさんと、ラスヴェリートの国王様であるセレインさんはソファーに腰を下ろしてしまう。
 これは間違いなく、居座る気満々だ。
 
「あ、あの、ルイヴェルさんはお忙しいようですし、私がお茶を淹れますね」

「いや、お前も座っていろ。処置はもう終えてあるからな」

 白いカーテンの中から出て来たルイヴェルさんが、お茶を淹れに向かおうとする私を留め、ソファーに座るように促してくれた。
 溜息交じりの仕方なくといった体(てい)ではあったけれど、別に怒っているわけではなさそうだ。医務室の中に揃えている茶器に手を伸ばし、ルイヴェルさんは手慣れた仕草で人数分のお茶を淹れていく。お湯を沸かす時間も、魔術の存在があるこの世界ではあっという間だ。

「私達が止めなかったら、今頃ユキ姫の足にド変態がぶら下がる事になっていたと思うわよ~?」

「うんうん。他国のお姫様に不埒な真似なんてされたら、国交問題だよ。まぁ、昨日の内に仕出かしてるとは思わなかったんだけどね……」

 初耳だったのか、二人からの言葉にピクリと耳を反応させたルイヴェルさんが、診察台のカーテンの中を見ようとしていた私の首根っこに手を伸ばしてきた。
 昨日の件は、私とアレクさん、それからカインさんだけの胸に収められている珍事。
 特に大事(おおごと)にしようという気はなかったから、ルイヴェルさんが知らなくても当然なのだけど……、うん、報告の必要があったみたい。

「ユキ、変質者に出くわした場合は、保護者への連絡が必須だと思うがな?」

「はは……っ。えーと、特にお知らせするような大事件でもなかったので」

 愛想笑いで誤魔化しても意味はなし。
 ルイヴェルさんの手によって子猫のように引っ張り上げられた私は、そのままソファーへ、ぽふん。相変わらず座り心地の良い感触。
 クスクスと笑っている向かい側の席の国王夫妻の視線が、少しだけ困った気配を帯びる。

「馬……、じゃなくて、ウチのヴェルガイアは無類の足好きなのよ。十分大事だから、次からは容赦なく蹴るなり殴るなり、ぶっ飛ばすなり、死なない程度に痛めつけてやってちょうだいな」

「男でも女でも、ウチの側近は好みの足を見つけるとまっしぐらだからね……。言い聞かせてはいるんだけど、これがなかなか……。申し訳ない限りだよ」

 つまり、昨日の私の件に限らず、ラスヴェリート王国でも日常茶飯事の珍事、と?
 玉座の間でレイフィード叔父さんに向けていた物言いを崩した二人が、やれやれと同時に両手を肩の横に上げて首を緩やかに振っている。
 昨日、私の足に突撃してきた銀髪の男性こと、ヴェルガイアさん。
 彼は、とにかく自分の好みに合った足の持ち主を発見すると、何も考えられなくなりそれを追いかけ縋り付き、本能のままに擦り寄ってしまう、と。
 生きる意味=足。足=生き甲斐。それは最早、病的とも言える性癖となっているらしい。
 足を切ったりもいだりする事はないそうだけど……、無害とも言えない彼の性癖。
 突進してきたら速攻でぶっ飛ばしなさいと、リデリアさんとセレインさんが本気の顔でアドバイスをくれた。いえ、あの……、私、戦闘技術的なものは何も持ってないので、多分、無理。
 あ、でも、レイフィード叔父さんに教えて貰った防犯用の魔術で対処可能かもしれない。
 
「応戦する事が難しいのであれば、避ける特訓でもしておけ。ヴェルガイアは足めがけて一直線に突進してくるからな。コツさえ掴めばお前でも可能だろう」

「は、はい……。あの、ところで、ちょっと気になったんですけど、ルイヴェルさんはお二人と以前からのお知り合いだったりするんですか?」

 そうでなければ、他国の国王夫妻に礼儀を伴わない言葉遣いは出来ないだろう。
 リデリアさんとセレインさんに向けられている、慣れ親しんだ人への落ち着いた眼差し。
 医務室に入って来た時も、ルイヴェルさんは他国の王族に対する礼をとらなかった。
 
「何年か前にね、ルイヴェルさんには色々とお世話になったのよ。だから、公式の場以外は大抵こんな感じなの。お友達、って感じかしらねぇ」

「まぁ、そんなところだな。――で? 今回の訪問は、『あれ』絡みか?」

 私の隣に腰を据えたルイヴェルさんが、真剣さを含んだ深緑の双眸を国王夫妻に向け、お茶請け用に並べたお皿からクッキーを一枚手に取った。
 サクッと、小気味良い音が聞こえたけれど、場を包み始めたのは少しだけ緊張した気配。
 セレインさんがティーカップを持ち上げ、それを静かに口に含むのが見える。
 リデリアさんの方は両腕を胸の前で組み、微かに零れ出た吐息と共に、ルイヴェルさんからの問いを肯定する頷きを見せた。
 何だか私だけ場違いな気がして、居場所を求めるように身動ぎをしてしまう。

「正解。まぁ、まだ重大事が起こってる、ってわけじゃないんだけど……、念には念を、ってね」

「レイフィード陛下との話し合いの後、ルイヴェル殿にも何かしら話があると思うよ。また、手を貸して貰う事になるかもしれない。先に謝っておくよ」

「負い目を感じる必要はないだろう? 俺はこのウォルヴァンシアに仕える臣の一人だ。レイフィード陛下からの命(めい)が下れば、どこへなりと向かう」

 王宮医師のルイヴェルさんの力を借りる何か……。
 ラスヴェリート王国に、ウォルヴァンシアの力を借りなくてはならない病が生じたという事だろうか? この異世界に来て数か月……。日本にいた頃でさえ知っていた病気の数は少ない私だ。
 エリュセードという世界にどんな病気があるのか、それを知るスタート地点にさえ立っていない。
 出て行った方がいいだろうかと、ソファーから立ち上がりかけたその時、王宮医務室の扉が開いた。

「あら? ルイヴェル、お客様がいらしているのかしら?」

 今日も変わらず見目麗しいウォルヴァンシアの女神様こと、白衣姿が様になっている美人女医のセレスフィーナさん。彼女は腕に本を二冊程抱えて中へと入ってくる。
 ソファーに座っているのが他国の貴人だとわかったのか、彼女は本を診察台のある場所の横に据えてある机に置き、ラスヴェリートの国王夫妻の前に膝を着いた。

「お久しぶりでございます。セレイン陛下、リデリア妃殿下。謁見の後にこちらへお越しになられているとは知らず、失礼をいたしました」

「久しぶりね、セレスフィーナさん。堅苦しい挨拶はいらないから、楽にしてちょうだい」

「ルイヴェル殿も、全然気にしていなかったからね。まぁ、その方が俺達も楽だし、それで頼むよ」
 
 セレスフィーナさんとも面識があるのか、ラスヴェリートの国王夫妻はその顔を上げさせ、彼女をソファーへと促している。
 けれど、双子の弟さんであるルイヴェルさんが夫妻に礼儀を払っていなかったと知った彼女の対応は早かった。

「ルイヴェル、いくらお二人がお許し下さっているからといって、甘え過ぎては駄目じゃないの」

 ぎろりと迫力の籠った視線を双子のお姉さんから向けられても、ルイヴェルさんは涼やかな顔で流すばかり。背後に立った双子のお姉さんに右耳を引っ張られ、再度言い含めるように怒られて、ようやく仕方なしとばかりに頷きを見せていた。
 その様を夫妻と一緒に微笑ましく眺めながら、和らいだ気配にほっとしていると……。

『……あ、し』

「え?」

 今、どこからか不気味な笑い声を含む音が聞こえたような……。
 ゴクリと唾を喉の奥に飲み込み、ブツブツと続きだしたその音の方向へ顔を向けると。

「はぁ、……はぁ、素晴らしきおみ足の気配っ」

 ひいいいいいい!! 診察台を覆っているカーテンの隙間から、多大なるホラー顔が覗いている! 思わずティーカップを取り落としてしまった私は、ブルブルと恐怖に震えながら指先を持ち上げた。全身をじわりじわりと侵食する酷過ぎる悪感と、聞こえてくる危ない吐息の気配。
 私の只ならぬ様子に気づいた四人が、同じように診察台へと視線を向ける。

「スリットから覗く、艶めかしい真白のおみ足……!! ああぁっ、お久しぶりの素晴らしき光景が私の目の前に!! ――セレスフィーナ殿ぉおおおおおお!!」

 騒々しい大きな物音が室内に響き渡り、天井近くに飛び上がった誰かが、驚愕に目を見開くセレスフィーナさんの許へとダイブしていく。
 それが誰なのか、あの気配と暴走全開の台詞ですぐにわかった。
 
「セレスフィーナさん!! 危ない!!」

 麗しき女神様が変態、ごほんっ、もとい、ラスヴェリートの有能な側近さんによって穢されてしまう!! ソファーから身を乗り出しセレスフィーナさんを庇おうとしたその瞬間、一直線に襲い掛かってきたヴェルガイアさんの嬉々とした顔面が、何らかの黒い影に遮られ吹き飛ばされた。
 私とセレスフィーナさんの目の前に翻った白衣、渾身の右ストレートを放ったとしか思えない体勢……。

「る、ルイヴェル……、さん?」

 乱暴に薙ぎ払ったその右手には、いつ装着したのかわからない、鋭く長い爪状の刃が備わった黒の手甲の姿があった。……ベットリと赤いものが付着しているような気がするのは、気のせい、かな? 王宮医務室の扉が反撃のせいで無残な姿となり、ヴェルガイアさんをその向こうの廊下の壁が何とか受け止めているようだった。
 ずるりと落ちたヴェルガイアさんの身体と、見てはいけない反撃を受けた顔面。
 詳しくは口にしたくないけれど、同情の余地は……、なし。
 廊下を通っていたらしきメイドさん達の悲鳴まで聞こえてくる始末だ。
 そして、もうひとつ、足早に近づいてくる駆け足の音が。

「これは……、ユキ!! 無事か!?」

 自業自得で恐ろしい状態となっているヴェルガイアさんを一瞥したアレクさんが、王宮医務室の中へと駆け込んでくる。アレクさん、何で私が中にいるって知ってるんですか……。
 それに、アレクさんの後に現れたカインさんまでが、私が襲われたと勘違いし、ヴェルガイアさんの胸ぐらを掴んで揺さぶっている。

「えーと……、今のは、ですね。私じゃなくて、セレスフィーナさんがロックオン、る、ルイヴェル、さん?」

 無言で黒爪を携えたまま、ルイヴェルさんが廊下へと出て行く。
 その背中を見送った私達は、立ち昇る殺意と怒気の恐ろしい波動に慄きつつ、ガッと後ろ襟首に黒爪の先を喰い込ませられたヴェルガイアさんが別の場所に連行されて行く光景を無言で見守る。
 今は何も言ってはいけない。双子のお姉さんに手を出されそうになった王宮医師様は、爆発しそうな怒りをどうにか抑え込んでいる状態なのだ。
 そして、……それを発散出来る場所に辿り着いたその時、ヴェルガイアさんは間違いなく、とんでもない目に遭わされるのだろう。

「い、いいんでしょうか……」

「いいんじゃないかしらねぇ……。私とセレインの結婚式の時も、セレスフィーナさんの足に執着してたヴェルガイアだし、今後の問題を避ける為にも」

「最初が肝心っていうからね。ルイヴェル殿にはヴェルガイアのさらなる躾を任せておこう」

 とりあえず、死ななければ問題なし。
 ズルズルと廊下の向こうに引き摺られて行く自国の臣下を救出に行くでもなく、ラスヴェリートの国王夫妻のお二人は、互いに息の合ったタイミングで二度頷いたのだった。
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