ウォルヴァンシアの王兄姫~淡き蕾は愛しき人の想いと共に花ひらく~

古都助(幸織)

文字の大きさ
142 / 314
第三章『遊学』~魔竜の集う国・ガデルフォーン~

皇宮内の罠

しおりを挟む

 ――Side 幸希



「その女の子は……、誰、だったんですか?」

 当時のガデルフォーン皇帝の前に現れ、娘だと名乗ったらしき幼い少女。
 彼女は自分を受け入れてくれないガデルフォーン皇帝を、ディアーネスさん達のお父さんを、最も残酷な方法で殺した……。
 操られたままの皇子様達と、彼らと反目し合っていた、正気の皇子様達。
 全てが、その金髪の愛らしくも恐ろしい少女によって引き起こされた事だと、ラシュディースさんは語ってくれた。

「ガデルフォーン皇家の血に連なる者である事は間違いないと感じたが……、やはり、あれは俺達の妹ではなかった」

 結論だけを告げると、ラシュディースさんは紅茶をひと口飲み、足を組みなおした。
 皇家の血を受け継ぎながらも、彼らの家族ではない少女……。

「どういう事だよ、ラシュ」

「その事に関しては後で話す。俺達は……、あの少女、いや、亡霊の招きに応じ、少ししてから皇都へと戻った。勿論、すぐに乗り込む事はせず、皇宮で正気を保っている弟達と接触する事から始めたがな」

 皇都で身を隠しながら、正気を保っている皇子様達から秘密裏にもたらされた情報。
 まず、ラシュディースさん達があの少女に出会った晩の翌日……、皇宮に、操られているアルフェウスさん達の傍に、一人の存在が寄り添うようになった。
 それが、話の中に出てきた黄金の髪の少女。
 殺害された皇帝の隠し子として保護したと、アルフェウスさん達は偽りの報を民に告げた。
 そして、皇宮内で生活するようになった少女は、自分勝手で我儘な性格で周りを振り回し、贅沢な衣装や装飾品に囲まれながら傲慢の限りを尽くしたという。
 その、突然現れた自分達の異母妹かもしれない少女をどう扱っていいのか、馴染めずにいたらしい。

「本当の異母妹ではないと知って、弟達は大層ほっとしていた……。俺達は力を合わせ、亡霊を捕らえる為の『檻』、その役目を果たす強力な術を創る為に奔走し、――そして」

 ある晩の事……、ラシュディースさん達はついに皇宮へと乗り込む事になった。

「成功、したのか?」


「……一度は、な」

「それは……、『檻』を破られてしまった、という事ですか?」

 皇子様達の協力を得て挑んだ戦いは、確かに一度は成功の瞬間を迎えた。
 けれど……、まさにその瞬間、ラシュディースさん達に生じた僅かな油断が、予想外の事態を生んでしまった。

「敵は、アルフェウス達だけじゃなかったんだ……。俺達に協力してくれていた弟達もまた、あの少女の操り人形だった」

「そんな……!!」

「正気だと思っていた弟達の一人がその名を呼び、ディアが振り返った瞬間……、アイツの胸を貫いたんだ」

 それは、普段カインさんが使用している竜手と同じものだった。
 ディアーネスさんの胸を貫いた皇子様の右手……。
 抉られた胸からは大量の血が溢れ出し、彼女を窮地に陥らせた。

「その一人だけではなく、他の弟達も目の色を変えて俺達に襲いかかってきた……。俺とシュディはディアを連れ、また……、皇宮から逃亡する羽目になったと、まぁ、そういうわけだ」

 ラシュディースさん達は遠くに逃げるのではなく、気配を消してある場所に向かった。
 自分達の治癒術では治療が追いつかない深手を負ったディアーネスさんを救う為、――暗部と呼ばれる、闇町へと。
 そこには、所謂裏の家業やその道の人達を治療してくれる腕の良いお医者さんがいて、彼女はそこに運び込まれたらしい。
 そして、そこで新たな協力者を得るに至った。

「そ・れ・が、後のガデルフォーンの騎士団長、サージェスティン・フェイシアなのでありましたー、ってね?」

「「「!?!?」」」

 集中してラシュディースさんの話を聞いている最中に、私の耳元にふぅっと息を吹きかけて楽しげに囁かれた男性の低い音。
 真っ赤になった耳を押さえてカインさん達と背後を振り返ると、そこには何の気配もなく近寄ってきたサージェスさんの姿が……。

「な、なななっ、な、何、やってるんですか!!」

「あー、ユキちゃんてば顔真っ赤だねー。サージェスお兄さんにときめいちゃったかなー?」

「サージェス、テメェッ!! ふざけんじゃねぇぞ!! 吃驚しただろうが!!」

「サージェス殿……、頼むから心臓に悪い真似はやめてくれないか。はぁ……」

 飛び上がる勢いで驚いたカインさんがサージェスさんの胸倉を掴み怒鳴る。
 本当に、一体いつからこの部屋にいたの……。
 だけど、サージェスさんは全く悪びれる様子もなく、私やラシュディースさんの方を見ながら言った。

「えー? だってねぇ、何か深刻な話をしてるみたいだったから、場を和ませてあげようかなぁ、なーん。一応、気を遣ったつもりだよー?」

「どこがだぁあああっ!! さりげにユキにまでちょっかい出しやがって!! ふざけんじゃねぇぞっ!!」

「か、カインさんっ、そんな事したら……」

「えいっ」

「どわああああああああっ!!」

 ――サージェスさんに報復されますよ。
 そう声をかける暇もなく、カインさんは背負い投げ一本で絨毯に叩き付けられてしまった。
 レイル君が私の隣で顔を片手で覆い、「はぁ……」と、疲れきった溜息を漏らしている。私も同じ気持ちだよ、レイル君。
 
「ははっ、サージェスは相変わらずだなぁ」

 大事なお話の、緊迫した空気を見事に台無しにしてくれたサージェスさんに対して、ラシュディースさんは苦笑を浮かべるものの、叱ったりはしなかった。
 シュディエーラさんも、「いつもの事ですからね」と、目の前の光景を受け流してしまっている。

「俺もまざっていい?」

「あぁ、構わない。あの時はお前と、お前の師匠のお陰で助かったからな」

「ははっ、いやぁ、あの時の陛下は本当にヤバかったからねー。俺、この人死ぬんじゃない? って、ちょっと焦ってたよー」

「さ、サージェスさん……」

 助かったから良かったようなものの、サージェスさん……、軽すぎですよ!!
 けれど、ツッコミを入れても無駄だと悟り、私は別の事を聞く事にした。

「あの……、サージェスさんは、闇町で生活していたんですか?」

 今は騎士団の所属だけど、過去には色々とあったのだろう。
 ほんの少しだけサージェスさんの昔に興味を持った私の質問に、にっこりと優しいお茶目な笑顔が返ってくる。

「そうだよー。あの頃は医術の勉強に興味があって、凄腕のお医者さんのところでお世話になってたんだー。まぁ、その前は流れの旅人だったんだけどね」

「お前の過去って、なんか読めねぇよなぁ……」

「確かに……。確か、サージェス殿は辺境の出身、だったと聞いた事があるが……。まさか闇町でも生活していたとは。流石にそれは知らなかった」

「うん、エリュセードの表も裏も、色々と見てまわったよー。あぁ、でも、お世話になってた孤児院がなくなってから暫くは住み込みとかで食い繋いでたんだけどね」

 人生において勉強は大きな味方だよー、と、楽しそうに笑いながら話してくれたサージェスさんなのだけど、今……、とても重要な過去を聞いてしまったような気がっ。
 カインさんがソファーに戻り、何だか申し訳なさそうな顔でサージェスさんを振り返る。

「お前……、結構苦労して生きてきたんだな」

「俺も初耳だった……。サージェス殿、大変だったんだな。すまない……、色々と誤解をしていた」

 人の生い立ちはそれぞれ。
 家族に囲まれて育つ人もいれば、親がなく、又は何らかの事情によって施設で育つ人もいる。
 サージェスさんは少年期と呼ばれる頃に、孤児院へと押し入った賊のせいで家を失ったらしい。
 そして、それを機にこの人は外で働いて暮らす事を選び、他の子供達よりも早く巣立つ事になった、と。
 どんな職をやっていたのかとか、少しだけ話してくれたサージェスさんから、私は目を逸らす事が出来なかった。生きる力を切り拓く、その逞しさ。人生において大切な勉強をずっと続けてきたこの人に、尊敬の念が止まらない。

「サージェスさん……」

「ん? 何かなー、ユキちゃん」

「先生、って、呼んでいいですか?」

「え?」

 私は自分からソファーの外に身を乗り出して、サージェスさんの両手を取った。
 いつもニコニコしているサージェスさんだけど、私のこの行動は予想外だったらしく、小首を傾げながらその足が一歩引かれてしまった。

「うわぁー……、純粋にキラッキラしたお目々だねー、ユキちゃん。でも、俺全然凄い人じゃないから、ちょっと……、サージェスお兄さん困っちゃうなぁ……」

「私も、サージェスさんみたいに、色々と人生の勉強を積み重ねていきたいです!! また今度是非、詳しいお話を!!」

「う、うん……。えーと、皇子くーん、レイルくーん、……ユキちゃん、ちょっと何かのスイッチ入っちゃったかもしれないんだけど」

「けっ、テメェでどうにかしろよ」

「ユキは普段から外で働きたいと口にしているからな……。サージェス殿に憧れを抱いたんだろう」

 サージェスさんだけじゃなく、私はウォルヴァンシアの皆さんにも時々お話を聞かせて貰ったりしている。私自身は元の世界にいた頃から外で働きたい、アルバイトをしたいと思っていたけれど、お父さんから勉学に励みなさいと言われて結局体験出来ずじまい……。
 個人的には、ウォルヴァンシアでの生活に慣れたらどこかで働いてみたいと思っているのが本音だ。まぁ……、過保護なレイフィード叔父さんが許してくれるかは難しいところだけど。
 だからこそ、今は色々と経験している人の話を聞いて、いつか外で働ける日を夢見て心の準備をしているというわけだ。

「ユキちゃん……、そんなに働きたいの?」

「はい!!」

「ふぅん……、じゃあ、いつか外で働くとしたら、俺のとこにおいでよ。騎士団長の補佐的なお仕事とかさせてあげるよ?」

「本当ですか!!」

「ちょっと待てぇえええええっ!! 何でよりにもよって最初の仕事がテメェの補佐なんだよ!? 俺もレイフィードのおっさんも、絶対ぇ許さねぇからな!!」

 ソファーから身を乗り出している私の頭を乱暴にはたき、カインさんが元の場所にきちんと座れと首根っこを掴んでくる。
 まったく……、レイフィード叔父さんやカインさんに反対されても、私だって人並みに働いてみたいのに、どうして周りには過保護な人達が多いのだろうか。
 あぁ、そういえば……、アレクさんも私が外で働いてみたいと話した時に、

『なら、俺が護衛役として同行し、お前の仕事姿を見守ろう』

 ……うん、凄く過保護だった。
 働く事に反対はしない。だけど、自分の付き添いが必須だと……。
 気持ちは嬉しいけれど、もしいつか働く日が来たら……、アレクさんには黙ってこっそり働こうと決めている。

「お前達、微笑ましい姿を見せてくれるのは有難いんだが、そろそろいいだろうか?」

 クスクスと笑いを零しながら掛けられた声で、ようやく我に返った。
 あぁ、大事なお話の途中で私は何て事を……!!
 すぐに居住まいを正し謝ると、ラシュディースさんは「話の息抜きにはなったから、問題ないぞ」と、朗らかに笑いながら許してくれた。この人は本当に度量が大きい!!

「で、だ。ディアを医者の許に運び込んだのは良かったものの、胸に出来た風穴の状態は酷いものでな……。同時に、『瘴気』と呼ばれる毒素にも侵されていた」

 瘴気。それは、以前にカインさんが禁呪によって倒れた件においても、その存在を目の当たりにしている。黒い靄のような存在で、浄化しなければ生きている者に害を及ぼすもの……。
 その中でも、特に凶悪な類の濃度をした瘴気と、彼女に死を与えようとする呪いのような魔力の気配が、ディアーネスさんの身を蝕んでいたらしい。

「幸い、浄化の類は私の得意分野でしたから、サージェスや医師殿と力を合わせ、ディアーネス様をお救いする事が叶いました」

「じゃあ、ディアーネスさんの胸の傷痕は、その時のものなんですね?」

「あぁ。消す事でも出来るというのに、ディアはそれを拒んでいる。自分自身を孤独な牢獄の中に押し込めるかのようにな」

 そう思い詰めてしまう原因が、この話の続きにあるのだろう。
 異母兄である皇子様達を『殺した』と言った、その真実が――。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。

蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。 これで、貴方も私も自由です。 ……だから、もういいですよね? 私も、自由にして……。 5年後。 私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、 親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、 今日も幸せに子育てをしています。 だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。 私のことは忘れて……。 これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。 はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

ひみつの姫君  ~男爵令嬢なのにくじ引きで王子のいる生徒会の役員になりました!~

らな
恋愛
男爵令嬢のリアはアルノー王国の貴族の子女が通う王立学院の1年生だ。 高位貴族しか入れない生徒会に、なぜかくじ引きで役員になることになってしまい、慌てふためいた。今年の生徒会にはアルノーの第2王子クリスだけではなく、大国リンドブルムの第2王子ジークフェルドまで在籍しているのだ。 冷徹な公爵令息のルーファスと、リアと同じくくじ引きで選ばれた優しい子爵令息のヘンドリックの5人の生徒会メンバーで繰り広げる学園ラブコメ開演! リアには本人の知らない大きな秘密があります。 リアを取り巻く男性陣のやり取りや友情も楽しんでいただけたら嬉しいです。

美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ 

さら
恋愛
 会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。  ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。  けれど、測定された“能力値”は最低。  「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。  そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。  優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。  彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。  人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。  やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。  不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

処理中です...