9 / 11
第一章 少年期
第八話 「媾合」
しおりを挟む
ロベルは、その仏頂面に反して人並みに好奇心が旺盛な少年である。
むしろ、年相応だった好奇心は留まる事を知らず、いつしか年不相応な程に膨れ上がっていた好奇心は、表の世界へと足を踏み入れるきっかけとなった。
だから、そういった事に興味が無い訳では無かった。
裏の世界では、強姦や死姦はありふれたものであったし、ロベルが目にする機会も数え切れない程あった。
実際に経験した事こそ無いものの、女体に触れる事等幾らでもあったし、好奇心が先行して一歩手前までいった事もあった。
これからする行為に恐れは無い──はずだった。
「はあぁん! 可愛いわあ! 良いわよ、出しなさい!」
「⋯⋯!」
「たっくさん出したわね⋯⋯でも、もっとよ。もっと出しなさい!」
「⋯⋯疲れた、少し休憩を」
「何をふざけた事を言っているの。坊やは子供なんだから、体力は有り余っているでしょう? うふふ⋯⋯」
「さあ、早く動かしなさい! 早く!」
「まだ出せるはずよ! こんなに溜まっているんですもの⋯⋯!」
最早性暴力と化したそれは、児童と言って差し支えない少年に対する行いとしてはあまりに酷く、無慈悲だった。
夫は長期間王都へ出向いており、溜まりに溜まった性欲は生来の少年好きと相まって、ロベル相手に爆発した。
今までも、夫が不在の間は度々冒険者組合に依頼を出し、好みの男が来れば相手をさせ、そうでない場合や女だった場合は適当に言葉を交わして返していた。
相手をさせた男には相応の金を握らせて黙らせた。そもそも、貴族の美女と事を成した時点で本来なら首が飛ぶ案件だったので、本人も口を開く気は無かった。
報酬に関しては事前に組合へと支払っているので問題は無かった。
ただ、今回現れた少年は彼女の性的嗜好に合致する所が多く、彼女自身、膨れ上がる性的欲求に慄いていた。
しかし抑えられなかった。背徳的劣情を催させられる少年を前に、行き場を失った性欲の矛が我を忘れて向いてしまったのである。
それ故の、惨劇であった。
「で、では、報酬は執事に用意させるわ⋯⋯! とっても気持ち良かったわよ、また呼ぶわ」
そう言って彼女は去っていった。
後には、皺がつき乱雑になった湿り気のあるシーツを乗せたベッドと、その上に倒れ込むロベルの姿だけがあった。
暫くすると、いつの間にか姿が消えていた老執事が現れ、豪奢な机の上に別報酬の入った金袋が用意された。
通常よりも多めに入れられた金は、果たしてカザミーナの好意の証か老執事が気を利かせたが故か。
老執事は、失礼しますと言葉を残して再び部屋を去った。
彼はヴィーゼル辺境伯家の執事長であると同時に、カザミーナのお付き執事である。しかし彼は、カザミーナが実家に居る頃から彼女に付き従ってきた執事だ。どちらを重く見ているか等、考えるまでも無い。
彼は執事長という立場にものを言わせて強権を振るい、今日もカザミーナの不貞行為を皆に黙殺させた。
◇◇
気絶状態から目覚めたロベルは、そそくさと帰り支度を進め、城館を去ろうとした。
貴人の私室を出る時、視界の端に上品さと下品さが入り交じったベッドが映った。
ふと、ドアノブに翳した手を見ると、鳥肌が立ち、僅かに震えているのが分かった。
両足は完全に硬直してしまっているのに、頭の中は煩悩とこの部屋から去る事でいっぱい。
相反する考えが思考を鈍らせる。
(せっかくだ。もう少し、ここを見てから帰るか)
先程まで一刻も早くこの城館を去りたかったのに、今では城館の見学をする方へ気が向いている。
はだけた上着を着直し、ロベルは歩き出した。
むしろ、年相応だった好奇心は留まる事を知らず、いつしか年不相応な程に膨れ上がっていた好奇心は、表の世界へと足を踏み入れるきっかけとなった。
だから、そういった事に興味が無い訳では無かった。
裏の世界では、強姦や死姦はありふれたものであったし、ロベルが目にする機会も数え切れない程あった。
実際に経験した事こそ無いものの、女体に触れる事等幾らでもあったし、好奇心が先行して一歩手前までいった事もあった。
これからする行為に恐れは無い──はずだった。
「はあぁん! 可愛いわあ! 良いわよ、出しなさい!」
「⋯⋯!」
「たっくさん出したわね⋯⋯でも、もっとよ。もっと出しなさい!」
「⋯⋯疲れた、少し休憩を」
「何をふざけた事を言っているの。坊やは子供なんだから、体力は有り余っているでしょう? うふふ⋯⋯」
「さあ、早く動かしなさい! 早く!」
「まだ出せるはずよ! こんなに溜まっているんですもの⋯⋯!」
最早性暴力と化したそれは、児童と言って差し支えない少年に対する行いとしてはあまりに酷く、無慈悲だった。
夫は長期間王都へ出向いており、溜まりに溜まった性欲は生来の少年好きと相まって、ロベル相手に爆発した。
今までも、夫が不在の間は度々冒険者組合に依頼を出し、好みの男が来れば相手をさせ、そうでない場合や女だった場合は適当に言葉を交わして返していた。
相手をさせた男には相応の金を握らせて黙らせた。そもそも、貴族の美女と事を成した時点で本来なら首が飛ぶ案件だったので、本人も口を開く気は無かった。
報酬に関しては事前に組合へと支払っているので問題は無かった。
ただ、今回現れた少年は彼女の性的嗜好に合致する所が多く、彼女自身、膨れ上がる性的欲求に慄いていた。
しかし抑えられなかった。背徳的劣情を催させられる少年を前に、行き場を失った性欲の矛が我を忘れて向いてしまったのである。
それ故の、惨劇であった。
「で、では、報酬は執事に用意させるわ⋯⋯! とっても気持ち良かったわよ、また呼ぶわ」
そう言って彼女は去っていった。
後には、皺がつき乱雑になった湿り気のあるシーツを乗せたベッドと、その上に倒れ込むロベルの姿だけがあった。
暫くすると、いつの間にか姿が消えていた老執事が現れ、豪奢な机の上に別報酬の入った金袋が用意された。
通常よりも多めに入れられた金は、果たしてカザミーナの好意の証か老執事が気を利かせたが故か。
老執事は、失礼しますと言葉を残して再び部屋を去った。
彼はヴィーゼル辺境伯家の執事長であると同時に、カザミーナのお付き執事である。しかし彼は、カザミーナが実家に居る頃から彼女に付き従ってきた執事だ。どちらを重く見ているか等、考えるまでも無い。
彼は執事長という立場にものを言わせて強権を振るい、今日もカザミーナの不貞行為を皆に黙殺させた。
◇◇
気絶状態から目覚めたロベルは、そそくさと帰り支度を進め、城館を去ろうとした。
貴人の私室を出る時、視界の端に上品さと下品さが入り交じったベッドが映った。
ふと、ドアノブに翳した手を見ると、鳥肌が立ち、僅かに震えているのが分かった。
両足は完全に硬直してしまっているのに、頭の中は煩悩とこの部屋から去る事でいっぱい。
相反する考えが思考を鈍らせる。
(せっかくだ。もう少し、ここを見てから帰るか)
先程まで一刻も早くこの城館を去りたかったのに、今では城館の見学をする方へ気が向いている。
はだけた上着を着直し、ロベルは歩き出した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる