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第十一章
第292話 スタンディングオベーション
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「ここにきて、咲麗が勝ち越したぁ!」
「西宮の完璧なパスと、如月の完璧な抜け出し!」
「そして縢の泥臭いゴールだ!」
「西宮と如月、息ピッタリじゃねえか!」
「なんでリーグ戦では併用されてなかったんだ⁉︎」
「縢もよく追いついたなぁ!」
熱狂に包まれる中、咲麗イレブンは歓喜の輪を作り、得点者である誠治のもとへ駆け寄った。
「誠治!」
「よく詰めてたなぁ!」
「最高だぜお前!」
しかし、巧はその輪に加われなかった。
というより、キーパーとの接触を避けた勢いで倒れ込んだまま、立ち上がることすらできていなかった。
怪我をしたわけではない。
単純に体力の限界が来たのだ。
それまではアドレナリンと使命感が彼を動かしていたが、ただでさえ守備と真のサポートに走り回っていた彼に、無事得点が決まってなお動き続けられるほどの体力は残っていなかった。
彼は仰向けになって、寝転がった。
「空が青いなぁ……」
「「「——巧!」」」
まるで戦場で力尽きた戦士のようにつぶやいた巧のもとへ、咲麗イレブンは集結した。
「ったく、大活躍したっつーのに、最後は情けねー格好してんなぁ」
誠治は苦笑しつつ、巧の腕を自分の肩に回して引き上げた。
「あぁ、ありがとう……もう動けないや……」
弱々しく笑う巧に、チームメイトがわっと一斉に押し寄せ、我先にとその頭を叩いた。
「作戦、見事的中だな!」
「さすが俺らの監督だぜ!」
「アシストも誠治が追いつける絶妙な強さだったし、相変わらずエロいなぁお前!」
「それに、体力ねえくせによく走ったよ!」
「みなさん、痛いです……」
シャワーのようにねぎらいの言葉と平手を浴びながら、巧は誠治に支えられてピッチを後にした。
一ゴール一アシストの活躍に、会場からはスタンディングオベーションが送られた。
「すごかったぞ如月!」
「さすが咲麗の小さな魔術師だ!」
「お疲れー!」
巧の消耗を見越していた咲麗ベンチは、すでに交代の準備を整えていた。
代わって出場するのは優だ。
「優……後は頼んだよ……」
「お、おう……お前、もうゾンビみたいになってるぞ……」
息も絶え絶えの巧に、優は頬を引きつらせた。
「もしも僕がウイルスにかかっていたら、容赦なくヤっちゃって……」
「冗談言えるくらいの体力は残ってんだな……でも、マジですごかったぜ。お疲れさん」
「ありがと……」
巧の背中をポンポンと叩き、優はピッチに入った。
『選手の交代をお知らせします。咲麗高校八番、如月選手に代わり、十七番、百瀬選手が入ります』
場内アナウンスが流れる中、晴弘と蒼太が誠治から巧を受け取った。
後輩に両側から支えられて、巧はなんとかベンチに腰を下ろした。
「巧先輩っ……! もう、本っ当に最高でした!」
香奈は頬を赤らめながら、潤んだ瞳でドリンクを差し出した。
その声は震えていて、まるで今にも感極まって泣き出しそうだった。
「ありがとね……僕、ちょっとは格好良かった?」
「そりゃもうっ、すっごく……! 今日だけで百回は惚れ直しました!」
香奈は勢いよく何度もうなずき、そのまま巧の手をぎゅっと握った。
「そっか……じゃあ、頑張った甲斐があったな……」
巧は弱々しく微笑んだ。
その魂が消滅する寸前のような儚い笑顔に、皆が慌てて駆け寄る——ことはなく、じっとりした視線があちこちから向けられた。
「悲報。如月選手、彼女に惚れ直してもらうために頑張っていた」
「そんな状態でもイチャつけるなんて、もう骨の髄まで染み付いているのね」
「イチャつかないと死ぬ呪いって、あながち間違いでもねえかもしれねえな」
「それな」
巧と香奈のやり取りをきっかけに、咲麗のベンチはワイワイ盛り上がった。
——それが象徴するように、流れは一気に咲麗に傾いていた。
もう交代したとはいえ、徹底的に対策をしたのに巧の術中にハマってしまったこと、そして絶対に負けないと思っていた彼と神楽のマッチアップに土をつけられたことは、桐海陣営にとってはショック以外の何者でもなかった。
実際、桐海イレブンたちにも動揺が見えていた。
しかし、全員が全員、心を乱されているわけではなかった。
「みんな、まだ一点差なんや! 切り替えていくで——巧君もいなくなったことやしな!」
今泉はたっぷり一つの間を空けてから、そう付け足した。
それから、唇を噛みしめてうつむく後輩の名を呼んだ。
「神楽!」
「は、はひっ!」
神楽はまるでイタズラがバレた子供のように、大きく体を震わせた。
「ご、ごめんなさい! ぼ、僕が如月さんに食いつきすぎたせいで——」
「——謝るな」
「っ……!」
今泉はあえて鋭い声を出した。
神楽は頭を下げかけて、ビクッと震えた。
その瞳がしっかりと自分を捉えたのを確認して、今泉は表情と語気を和らげた。
「試合はまだ終わりやない。今は、ここからどう巻き返すかや」
「そうですね……ごめんなさい」
「ええんや。お前はまだ一年やし、名誉挽回のチャンスもあるからな。お前ならできるはずや」
「えっ?」
神楽はキョトンとした表情になった。
「多分やけどな——」
今泉はあることを耳打ちした。神楽の瞳が見開かれる。
「なるほど……わかりました。やってみますごめんなさい!」
「おう。気負うんやないで。普通にやればできるはずや」
「はい!」
大きくうなずく神楽の表情から、先程までの悲壮感はさっぱり消え失せていた。暗かった瞳に、希望の光と情熱の炎が灯った。
「おっしゃ、神楽! やり返してやろーぜ!」
「はいっ、必ず挽回しますごめんなさい!」
「おうよ!」
永井が白い歯を見せて屈託なく笑い、親指を立てた。
「こういうとき、永井の単純さはありがたいな」
「あぁ。ワシらじゃ、ああも馬鹿正直に励ますことは不可能やからな」
「そうだな」
小さく笑い、浜本は自分のポジションへと戻っていった。
今年のチームは本当にバランスがええな——。
今泉は一瞬だけ穏やかに笑ったが、すぐにその笑みの種類は異なるものへと変化した。
(さて、やられたことはやり返させてもらうで、巧君)
そうほくそ笑む今泉の視線の先にいるのは、巧と交代で出場した優の姿だった。
「西宮の完璧なパスと、如月の完璧な抜け出し!」
「そして縢の泥臭いゴールだ!」
「西宮と如月、息ピッタリじゃねえか!」
「なんでリーグ戦では併用されてなかったんだ⁉︎」
「縢もよく追いついたなぁ!」
熱狂に包まれる中、咲麗イレブンは歓喜の輪を作り、得点者である誠治のもとへ駆け寄った。
「誠治!」
「よく詰めてたなぁ!」
「最高だぜお前!」
しかし、巧はその輪に加われなかった。
というより、キーパーとの接触を避けた勢いで倒れ込んだまま、立ち上がることすらできていなかった。
怪我をしたわけではない。
単純に体力の限界が来たのだ。
それまではアドレナリンと使命感が彼を動かしていたが、ただでさえ守備と真のサポートに走り回っていた彼に、無事得点が決まってなお動き続けられるほどの体力は残っていなかった。
彼は仰向けになって、寝転がった。
「空が青いなぁ……」
「「「——巧!」」」
まるで戦場で力尽きた戦士のようにつぶやいた巧のもとへ、咲麗イレブンは集結した。
「ったく、大活躍したっつーのに、最後は情けねー格好してんなぁ」
誠治は苦笑しつつ、巧の腕を自分の肩に回して引き上げた。
「あぁ、ありがとう……もう動けないや……」
弱々しく笑う巧に、チームメイトがわっと一斉に押し寄せ、我先にとその頭を叩いた。
「作戦、見事的中だな!」
「さすが俺らの監督だぜ!」
「アシストも誠治が追いつける絶妙な強さだったし、相変わらずエロいなぁお前!」
「それに、体力ねえくせによく走ったよ!」
「みなさん、痛いです……」
シャワーのようにねぎらいの言葉と平手を浴びながら、巧は誠治に支えられてピッチを後にした。
一ゴール一アシストの活躍に、会場からはスタンディングオベーションが送られた。
「すごかったぞ如月!」
「さすが咲麗の小さな魔術師だ!」
「お疲れー!」
巧の消耗を見越していた咲麗ベンチは、すでに交代の準備を整えていた。
代わって出場するのは優だ。
「優……後は頼んだよ……」
「お、おう……お前、もうゾンビみたいになってるぞ……」
息も絶え絶えの巧に、優は頬を引きつらせた。
「もしも僕がウイルスにかかっていたら、容赦なくヤっちゃって……」
「冗談言えるくらいの体力は残ってんだな……でも、マジですごかったぜ。お疲れさん」
「ありがと……」
巧の背中をポンポンと叩き、優はピッチに入った。
『選手の交代をお知らせします。咲麗高校八番、如月選手に代わり、十七番、百瀬選手が入ります』
場内アナウンスが流れる中、晴弘と蒼太が誠治から巧を受け取った。
後輩に両側から支えられて、巧はなんとかベンチに腰を下ろした。
「巧先輩っ……! もう、本っ当に最高でした!」
香奈は頬を赤らめながら、潤んだ瞳でドリンクを差し出した。
その声は震えていて、まるで今にも感極まって泣き出しそうだった。
「ありがとね……僕、ちょっとは格好良かった?」
「そりゃもうっ、すっごく……! 今日だけで百回は惚れ直しました!」
香奈は勢いよく何度もうなずき、そのまま巧の手をぎゅっと握った。
「そっか……じゃあ、頑張った甲斐があったな……」
巧は弱々しく微笑んだ。
その魂が消滅する寸前のような儚い笑顔に、皆が慌てて駆け寄る——ことはなく、じっとりした視線があちこちから向けられた。
「悲報。如月選手、彼女に惚れ直してもらうために頑張っていた」
「そんな状態でもイチャつけるなんて、もう骨の髄まで染み付いているのね」
「イチャつかないと死ぬ呪いって、あながち間違いでもねえかもしれねえな」
「それな」
巧と香奈のやり取りをきっかけに、咲麗のベンチはワイワイ盛り上がった。
——それが象徴するように、流れは一気に咲麗に傾いていた。
もう交代したとはいえ、徹底的に対策をしたのに巧の術中にハマってしまったこと、そして絶対に負けないと思っていた彼と神楽のマッチアップに土をつけられたことは、桐海陣営にとってはショック以外の何者でもなかった。
実際、桐海イレブンたちにも動揺が見えていた。
しかし、全員が全員、心を乱されているわけではなかった。
「みんな、まだ一点差なんや! 切り替えていくで——巧君もいなくなったことやしな!」
今泉はたっぷり一つの間を空けてから、そう付け足した。
それから、唇を噛みしめてうつむく後輩の名を呼んだ。
「神楽!」
「は、はひっ!」
神楽はまるでイタズラがバレた子供のように、大きく体を震わせた。
「ご、ごめんなさい! ぼ、僕が如月さんに食いつきすぎたせいで——」
「——謝るな」
「っ……!」
今泉はあえて鋭い声を出した。
神楽は頭を下げかけて、ビクッと震えた。
その瞳がしっかりと自分を捉えたのを確認して、今泉は表情と語気を和らげた。
「試合はまだ終わりやない。今は、ここからどう巻き返すかや」
「そうですね……ごめんなさい」
「ええんや。お前はまだ一年やし、名誉挽回のチャンスもあるからな。お前ならできるはずや」
「えっ?」
神楽はキョトンとした表情になった。
「多分やけどな——」
今泉はあることを耳打ちした。神楽の瞳が見開かれる。
「なるほど……わかりました。やってみますごめんなさい!」
「おう。気負うんやないで。普通にやればできるはずや」
「はい!」
大きくうなずく神楽の表情から、先程までの悲壮感はさっぱり消え失せていた。暗かった瞳に、希望の光と情熱の炎が灯った。
「おっしゃ、神楽! やり返してやろーぜ!」
「はいっ、必ず挽回しますごめんなさい!」
「おうよ!」
永井が白い歯を見せて屈託なく笑い、親指を立てた。
「こういうとき、永井の単純さはありがたいな」
「あぁ。ワシらじゃ、ああも馬鹿正直に励ますことは不可能やからな」
「そうだな」
小さく笑い、浜本は自分のポジションへと戻っていった。
今年のチームは本当にバランスがええな——。
今泉は一瞬だけ穏やかに笑ったが、すぐにその笑みの種類は異なるものへと変化した。
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