313 / 328
第十二章
第313話 それぞれの時間 —大介と花梨①—
しおりを挟む
駅の改札を通り抜けると、柱のそばに立って携帯をいじったり、ぼーっとしている人がちらほら見受けられた。
待ち合わせをしているのだろう。
大介はサッと周囲を見回した。花梨の姿がないことを確認し、息をつく。
呆れたわけではない。安心したのだ。
(まあ、さすがに三十分前に来るはずもないか)
苦笑しながら近くの柱にもたれ、荷物を足元に置いた。
決勝からほぼ一週間。日曜日の今日は、久しぶりの完全オフだ。
花梨とは前々から、タイミングを見て遊びに行こうと話しており、今日は駅で待ち合わせて映画を観ることになっていた。
約束の三十分前に到着したのは、もちろん楽しみだったというのもあるが、それ以降の電車の乗り継ぎが悪く、次の電車に乗ると十分前になってしまうからだ。
花梨の乗る電車を調べると、それより二分早く着く便があった。彼女の性格を考えると、そのくらいの余裕は持つことが予想された。
大介は先に到着していたい派であるため、現在の電車を選択したのだ。
携帯を取り出し、今日のプランを復習する。
昨日の夜の時点で記憶していたし、なんなら電車内でも確認していたが、入念すぎる分には問題ないだろう。万が一のトラブルも想定済みだ。
遅刻してきた誠治を待っているときなどは時間が長く感じられるが、今日はあっという間に感じた。
頭上から、電車の到着する音が聞こえる。間もなくして、階段から降りてきた一団の中に、一際目立つオレンジ色が見えた。
向こうも大介に気づいたようだ。あっと言うように口が動いた。
「っ……!」
わずかに早足になって近づいてくるその姿に、大介は目を奪われた。
花梨は落ち着いたオレンジブラウンのコートを羽織り、淡いベージュのマフラーをふんわりと巻いていた。
足元は黒のタイツにシンプルなショートブーツ。コートの裾から覗くクリーム色のスカートが、動くたびにふわりと揺れ、柔らかな雰囲気を添えている。
メガネをかけたジャージ姿のときは、真面目なマネージャーというイメージが強かった。
しかし今は、髪色にふさわしい温かみのある華やかさと、それに調和する優しい色合いのコーディネートが、彼女の明るく朗らかな魅力を存分に引き出していた。
「ごめんねー。待たせちゃったかな?」
「いや、俺も今来たところだ」
「そっか!」
花梨はふふ、と頬を緩めた。
「私服姿を見るのは初めてだが、よく似合っているぞ。コートと髪色の組み合わせもすごくいいな」
「えっ、あ、ありがとう……!」
褒められると思っていなかったのか、花梨は一瞬驚いたような表情をした後、照れくさそうにはにかんだ。
満更でもなさそうな様子に、大介の胸が高鳴った。
「今日はメガネをかけていないんだな」
「う、うん。お出かけのときコンタクトにしてるんだ。その……大介君的には、どっちがいいかな?」
そう言いながら、花梨はそわそわと指先をいじった。
口調こそさりげない風を装っていたが、視線はチラチラと大介を見上げている。
その可愛らしい所作に目を奪われそうになりながら、大介は考え込むように腕を組んだ。
「ふむ、難しいな……メガネのときは真面目でお淑やかな印象だったし、今はより明るい印象だから、どっちもいいと思うぞ」
「そ、そう? ありがとう」
花梨は照れくさそうに笑ったが、どこか納得していないように感じられた。
「——ただ、こうして一緒に出かけるなら、今の明るい雰囲気のほうがいいな」
「えっ、ホントっ⁉︎ あっ……」
思わず声を弾ませてしまったことが恥ずかしいのか、花梨は頬を染めてうつむいた。
どうやら、大介の言葉選びは正しかったようだ。
「あっ、えっと、その、大介君もカッコいいね!」
「ありがとう。ただ、花梨の隣を歩くとなると、少しシンプルすぎる気もするな」
「全然そんなことないよー。背が高くて体格がいいから、シンプルなコーデが映えると思う!」
花梨がはにかむように笑った。
まっすぐに褒められると、やはり少し気恥ずかしいものだ。大介は小さく咳払いをして、軽くうなずいた。
「そうか。なら、そういうことにしておこう」
「うん、そういうことだよっ!」
花梨はイタズラっぽく笑った。
「さて、そろそろ行くか」
「うんっ、楽しみだね!」
花梨が軽くステップを踏むように、軽やかな足取りで歩き出す。
「うむ、楽しみだ」
大介は口元にわずかに笑みを浮かべながら、その隣へと歩を進めた。
映画館の売店前には、甘いバターの香りが漂っていた。
列に並びながら、大介は財布を取り出した。
「ここは俺が出そう」
「えっ、ダメだよ!」
花梨が、慌てた様子で大介の袖を引いた。
大介はふっと微笑んで、
「遠慮するな。ポップコーンはシェアするのだし、おしゃれをして来てくれたお礼のようなものだ」
「そ、そう言ってくれるのは嬉しいけどっ……! でも、この前はココアを奢ってもらったし、むしろ私が奢るよ! あのとき約束したし!」
花梨がいそいそと財布を取り出す。
大介は驚いたように目を見張った。
「あんな小さなことを覚えていたのか?」
「もちろん! その、すごく嬉しかったしっ……」
最後の一言は小さくなったが、花梨はしっかりと大介を見上げている。
その瞳には、譲る気のなさがはっきりと表れていた。
「でも、あれは真冬で外に待たせていたのだから、当然だろう?」
「当然じゃないよ! それに、優勝のお祝いもしてないし、ここは私に出させて!」
花梨は真剣な表情で言い切った。
このままでは折れてくれなさそうだと察し、大介は腕を組んで考え込んだ。
「……ふむ。なら、今回は飲み物は各々が購入し、ポップコーンは折半にしよう」
「えっ、それじゃあ——」
「まあ、聞いてくれ」
大介は柔らかく花梨を遮った。
「花梨の気持ちはすごく嬉しい。だが、俺にも男のプライドがあるのでな。だからココアの分は、いつか自販機とかコンビニで飲み物を買うタイミングがあれば、そのときに返してくれないか?」
「っ……もう、その言い方はずるいなぁ」
花梨がぷうっと頬を膨らませた。
「ははは、すまないな。では、そういうことでいいか?」
「仕方ないなぁ、今回はそれでいいよ」
「うむ、交渉成立だ」
飲み物は各々が、ポップコーンは大介が受け取った。
渡されたストローを挿しながら、花梨がふいに笑った。
「ごめんね。ちょっと意地張っちゃった」
「お互い様だろう。それに、俺はああいうのも嫌いじゃないぞ」
「うん……確かにちょっと楽しかったかも」
花梨が照れくさそうに微笑む。大介も「そうだな」と口元を緩めた。
さっきまでの軽い押し問答が嘘のように、二人の間には穏やかな空気が流れていた。
「でも、優勝のお祝いはいつかするからね」
「応援に来てくれたことを考えると、むしろ俺がお礼をする立場だと思うのだが」
「だーめ。マネージャーとして、そこは譲れません!」
「他校なのにか?」
「他校なのにです」
ふんっと胸を張る花梨の姿が微笑ましくて、大介はつい笑みをこぼした。
「あっ、馬鹿にしたでしょ!」
「そうではないぞ。花梨も意外と強引なのだな、と思っただけだ」
「大介君だって人のこと言えないと思うなー」
「それはそうだな」
そんな他愛ないやり取りをしているうちに、入場時間がやってきた。
選んだのは恋愛映画だ。
「私はこういうのよく見るけど、大介君はどう?」
「あまり機会はなかったが、予告を見る限り面白そうだと思ったぞ。評判もいいのだろう?」
「そうなんだよ。元から期待されてたんだけど、それを超えてきたって話題で」
そんな会話を交わしながら、席に着く。
映画の予告や注意喚起、そしてお馴染みの映画泥棒の映像が流れ、照明が落ちる。そして、いよいよ本編が始まった。
待ち合わせをしているのだろう。
大介はサッと周囲を見回した。花梨の姿がないことを確認し、息をつく。
呆れたわけではない。安心したのだ。
(まあ、さすがに三十分前に来るはずもないか)
苦笑しながら近くの柱にもたれ、荷物を足元に置いた。
決勝からほぼ一週間。日曜日の今日は、久しぶりの完全オフだ。
花梨とは前々から、タイミングを見て遊びに行こうと話しており、今日は駅で待ち合わせて映画を観ることになっていた。
約束の三十分前に到着したのは、もちろん楽しみだったというのもあるが、それ以降の電車の乗り継ぎが悪く、次の電車に乗ると十分前になってしまうからだ。
花梨の乗る電車を調べると、それより二分早く着く便があった。彼女の性格を考えると、そのくらいの余裕は持つことが予想された。
大介は先に到着していたい派であるため、現在の電車を選択したのだ。
携帯を取り出し、今日のプランを復習する。
昨日の夜の時点で記憶していたし、なんなら電車内でも確認していたが、入念すぎる分には問題ないだろう。万が一のトラブルも想定済みだ。
遅刻してきた誠治を待っているときなどは時間が長く感じられるが、今日はあっという間に感じた。
頭上から、電車の到着する音が聞こえる。間もなくして、階段から降りてきた一団の中に、一際目立つオレンジ色が見えた。
向こうも大介に気づいたようだ。あっと言うように口が動いた。
「っ……!」
わずかに早足になって近づいてくるその姿に、大介は目を奪われた。
花梨は落ち着いたオレンジブラウンのコートを羽織り、淡いベージュのマフラーをふんわりと巻いていた。
足元は黒のタイツにシンプルなショートブーツ。コートの裾から覗くクリーム色のスカートが、動くたびにふわりと揺れ、柔らかな雰囲気を添えている。
メガネをかけたジャージ姿のときは、真面目なマネージャーというイメージが強かった。
しかし今は、髪色にふさわしい温かみのある華やかさと、それに調和する優しい色合いのコーディネートが、彼女の明るく朗らかな魅力を存分に引き出していた。
「ごめんねー。待たせちゃったかな?」
「いや、俺も今来たところだ」
「そっか!」
花梨はふふ、と頬を緩めた。
「私服姿を見るのは初めてだが、よく似合っているぞ。コートと髪色の組み合わせもすごくいいな」
「えっ、あ、ありがとう……!」
褒められると思っていなかったのか、花梨は一瞬驚いたような表情をした後、照れくさそうにはにかんだ。
満更でもなさそうな様子に、大介の胸が高鳴った。
「今日はメガネをかけていないんだな」
「う、うん。お出かけのときコンタクトにしてるんだ。その……大介君的には、どっちがいいかな?」
そう言いながら、花梨はそわそわと指先をいじった。
口調こそさりげない風を装っていたが、視線はチラチラと大介を見上げている。
その可愛らしい所作に目を奪われそうになりながら、大介は考え込むように腕を組んだ。
「ふむ、難しいな……メガネのときは真面目でお淑やかな印象だったし、今はより明るい印象だから、どっちもいいと思うぞ」
「そ、そう? ありがとう」
花梨は照れくさそうに笑ったが、どこか納得していないように感じられた。
「——ただ、こうして一緒に出かけるなら、今の明るい雰囲気のほうがいいな」
「えっ、ホントっ⁉︎ あっ……」
思わず声を弾ませてしまったことが恥ずかしいのか、花梨は頬を染めてうつむいた。
どうやら、大介の言葉選びは正しかったようだ。
「あっ、えっと、その、大介君もカッコいいね!」
「ありがとう。ただ、花梨の隣を歩くとなると、少しシンプルすぎる気もするな」
「全然そんなことないよー。背が高くて体格がいいから、シンプルなコーデが映えると思う!」
花梨がはにかむように笑った。
まっすぐに褒められると、やはり少し気恥ずかしいものだ。大介は小さく咳払いをして、軽くうなずいた。
「そうか。なら、そういうことにしておこう」
「うん、そういうことだよっ!」
花梨はイタズラっぽく笑った。
「さて、そろそろ行くか」
「うんっ、楽しみだね!」
花梨が軽くステップを踏むように、軽やかな足取りで歩き出す。
「うむ、楽しみだ」
大介は口元にわずかに笑みを浮かべながら、その隣へと歩を進めた。
映画館の売店前には、甘いバターの香りが漂っていた。
列に並びながら、大介は財布を取り出した。
「ここは俺が出そう」
「えっ、ダメだよ!」
花梨が、慌てた様子で大介の袖を引いた。
大介はふっと微笑んで、
「遠慮するな。ポップコーンはシェアするのだし、おしゃれをして来てくれたお礼のようなものだ」
「そ、そう言ってくれるのは嬉しいけどっ……! でも、この前はココアを奢ってもらったし、むしろ私が奢るよ! あのとき約束したし!」
花梨がいそいそと財布を取り出す。
大介は驚いたように目を見張った。
「あんな小さなことを覚えていたのか?」
「もちろん! その、すごく嬉しかったしっ……」
最後の一言は小さくなったが、花梨はしっかりと大介を見上げている。
その瞳には、譲る気のなさがはっきりと表れていた。
「でも、あれは真冬で外に待たせていたのだから、当然だろう?」
「当然じゃないよ! それに、優勝のお祝いもしてないし、ここは私に出させて!」
花梨は真剣な表情で言い切った。
このままでは折れてくれなさそうだと察し、大介は腕を組んで考え込んだ。
「……ふむ。なら、今回は飲み物は各々が購入し、ポップコーンは折半にしよう」
「えっ、それじゃあ——」
「まあ、聞いてくれ」
大介は柔らかく花梨を遮った。
「花梨の気持ちはすごく嬉しい。だが、俺にも男のプライドがあるのでな。だからココアの分は、いつか自販機とかコンビニで飲み物を買うタイミングがあれば、そのときに返してくれないか?」
「っ……もう、その言い方はずるいなぁ」
花梨がぷうっと頬を膨らませた。
「ははは、すまないな。では、そういうことでいいか?」
「仕方ないなぁ、今回はそれでいいよ」
「うむ、交渉成立だ」
飲み物は各々が、ポップコーンは大介が受け取った。
渡されたストローを挿しながら、花梨がふいに笑った。
「ごめんね。ちょっと意地張っちゃった」
「お互い様だろう。それに、俺はああいうのも嫌いじゃないぞ」
「うん……確かにちょっと楽しかったかも」
花梨が照れくさそうに微笑む。大介も「そうだな」と口元を緩めた。
さっきまでの軽い押し問答が嘘のように、二人の間には穏やかな空気が流れていた。
「でも、優勝のお祝いはいつかするからね」
「応援に来てくれたことを考えると、むしろ俺がお礼をする立場だと思うのだが」
「だーめ。マネージャーとして、そこは譲れません!」
「他校なのにか?」
「他校なのにです」
ふんっと胸を張る花梨の姿が微笑ましくて、大介はつい笑みをこぼした。
「あっ、馬鹿にしたでしょ!」
「そうではないぞ。花梨も意外と強引なのだな、と思っただけだ」
「大介君だって人のこと言えないと思うなー」
「それはそうだな」
そんな他愛ないやり取りをしているうちに、入場時間がやってきた。
選んだのは恋愛映画だ。
「私はこういうのよく見るけど、大介君はどう?」
「あまり機会はなかったが、予告を見る限り面白そうだと思ったぞ。評判もいいのだろう?」
「そうなんだよ。元から期待されてたんだけど、それを超えてきたって話題で」
そんな会話を交わしながら、席に着く。
映画の予告や注意喚起、そしてお馴染みの映画泥棒の映像が流れ、照明が落ちる。そして、いよいよ本編が始まった。
21
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
S級ハッカーの俺がSNSで炎上する完璧ヒロインを助けたら、俺にだけめちゃくちゃ甘えてくる秘密の関係になったんだが…
senko
恋愛
「一緒に、しよ?」完璧ヒロインが俺にだけベタ甘えしてくる。
地味高校生の俺は裏ではS級ハッカー。炎上するクラスの完璧ヒロインを救ったら、秘密のイチャラブ共闘関係が始まってしまった!リアルではただのモブなのに…。
クラスの隅でPCを触るだけが生きがいの陰キャプログラマー、黒瀬和人。
彼にとってクラスの中心で太陽のように笑う完璧ヒロイン・天野光は決して交わることのない別世界の住人だった。
しかしある日、和人は光を襲う匿名の「裏アカウント」を発見してしまう。
悪意に満ちた誹謗中傷で完璧な彼女がひとり涙を流していることを知り彼は決意する。
――正体を隠したまま彼女を救い出す、と。
謎の天才ハッカー『null』として光に接触した和人。
ネットでは唯一頼れる相棒として彼女に甘えられる一方、現実では目も合わせられないただのクラスメイト。
この秘密の二重生活はもどかしくて、だけど最高に甘い。
陰キャ男子と完璧ヒロインの秘密の二重生活ラブコメ、ここに開幕!
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編6が完結しました!(2025.11.25)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる