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カラフルなあじさいが咲き始めた、ある五月の曇りの朝のこと。中学生のオレは、昼飯を買いに登校近くのコンビニに立ち寄った。
近ごろサービス業で人手不足がしんこくらしい。レジも人ではなく、自動支払い機で精算ことが多くなった。それでもまだ人が足りないということで、動物まで働くことができるようになった。今朝のニュースで、パンダのチョンソンが、上野駅の駅長になったことを知った。
いつもの通り、店内は会社員や学生たちでこんざつしている。オレの母ちゃんは仕事をしていて忙しいので、昼飯が作れないこともしばしばある。サンドイッチとコーヒーのペットボトルをカゴに入れると、支払い機を待つ長い列に加わった。
先頭のおじいさんが、支払いの操作が遅いせいで、みんながイライラしている。オレもみょうに腕時計の時間が気になりだした。
「ウオーウ」
鳴き声で顔を上げて、思わず目が丸くなる。レジで、エプロン姿の黒いクマが手を上げていたんだ。
クマは、大きな手にはめている革手袋で、またこちらに手招きした。他のお客は怖いんだろう、二の足を踏んで近づこうとしない。だけどオレは逆にこの子、かわいいなって思って、クマの前にカゴを置いてみた。もしかしてオレ、クマから買い物をした第一号の人間になる、かも。
「ウオウオン」
クマは、ていねいにおじぎした。そして、オレの目をのぞいた。黒くて、澄んだキラキラした瞳をしている。なんてきれいな目なんだろう。胸のネームプレートに「花子」とある。女の子なんだ。かわいい名前。
近ごろサービス業で人手不足がしんこくらしい。レジも人ではなく、自動支払い機で精算ことが多くなった。それでもまだ人が足りないということで、動物まで働くことができるようになった。今朝のニュースで、パンダのチョンソンが、上野駅の駅長になったことを知った。
いつもの通り、店内は会社員や学生たちでこんざつしている。オレの母ちゃんは仕事をしていて忙しいので、昼飯が作れないこともしばしばある。サンドイッチとコーヒーのペットボトルをカゴに入れると、支払い機を待つ長い列に加わった。
先頭のおじいさんが、支払いの操作が遅いせいで、みんながイライラしている。オレもみょうに腕時計の時間が気になりだした。
「ウオーウ」
鳴き声で顔を上げて、思わず目が丸くなる。レジで、エプロン姿の黒いクマが手を上げていたんだ。
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