【完結】契約結婚ですが、心を開いてみたら、素敵な恋になりました。

朝日みらい

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(8)面倒くさいって…! 

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その後も、エリスとロバートの毎日は予想以上に楽しく、時には思いもよらない展開を迎えていた。

ある日、二人が一緒に昼食を取っていたときのことだ。エリスは食べかけのパンを見つめながら、ふと思い出したことがあった。

「ねえ、ロバート。」

エリスが急に声をかけた。ロバートは無言でパンをかじりながら彼女を見た。

「何だ?」と、ちょっと面倒くさそうに言うその顔が、なんとも可愛らしい。

エリスはその顔を見るたびに、心がきゅんとするのだった。

「もし、契約結婚じゃなかったら、あなたと結婚してたかしら?」

エリスがニヤリと笑いながら聞いた。

ロバートはちょっと間を置いて、にやっと笑った。

「それはどうだろうな。お前がこんなに面倒くさいとは思わなかったし。」

「面倒くさいって何よ…!」

エリスは思わず笑いながら突っ込んだ。

「私はそんなに手がかかるわけじゃないわよ。」

「そう言う意味じゃなくてさ…」

ロバートは手を上げて冗談めかして返した。

「お前可愛いずきるから、気になりすぎて……面倒くさいんだよ。」

「可愛い?」

エリスはちょっと顔を赤らめた。

「ちょっと、今、何て言ったの?」

「いや、別に…」

ロバートは軽く肩をすくめると、しれっと言った。

「まあ、お前可愛いから、無駄に気を使ってるんだろうな、俺。」

「気を使ってるって…それ、照れるよ。」

エリスはお茶を飲みながら笑った。

「でも、確かに前よりは少し…優しくなったかも。」

「お前だって少しは成長しただろう?」

ロバートはまたにやりと笑った。

「最初の頃のお前を思うと、だいぶ変わったと思うぞ。」

エリスはその言葉にちょっと考え込んだ。確かに最初は、ロバートがどうしてこんなにも冷たいのか、まるで理解できなかった。

しかし、今は少しずつ彼が見せる一面に、だんだんと心を動かされている自分がいた。

「私だって、成長してるわよ。」

エリスはちょっと得意げに言った。

「ほら、私だって、ロバートの冗談に反応できるようになったし。」

「おお、確かに。」

ロバートはあっさりと認めた。

「最初はまるで俺の冗談が通じなかったもんな。」

「そ、そうだったかな?」

エリスは少し考え込んでから、ちょっと照れくさそうに笑った。

「まあ、私も少しは慣れてきたってことよ。」

「慣れてきた?」  

ロバートはあえて怪しげに言った。

「じゃあ、俺に対しての気持ちはどう…?」

「ちょっと!」

エリスは顔を真っ赤にして叫んだ。

「何を言わせるのよ!そんなこと、聞かないでよ!」

ロバートはくすっと笑って、少しの間、エリスをからかうように見つめていた。

その表情が、何だか少し優しくて、エリスはまた心臓がドキドキするのを感じた。

「本当に…」

エリスは恥ずかしそうに目をそらしながら言った。

「もう、私、あなたのこと…」

その言葉を引き止めるように、ロバートが言った。

「うん、分かってるよ。お前も俺に気を使ってるんだろ?気持ちが…ちょっとだけ、混乱してるんだろ?」

「そう…かもしれないわね。」

エリスは少し首をかしげながら言った。

「でも、それって…」

「まあ、お前の気持ちは分かる。」

ロバートはニヤリと笑った。

「俺だって、お前に何かを感じてるから。」

その言葉に、エリスはドキッとした。

ロバートがこんなことを言うなんて、あまりにも予想外すぎて、エリスは自分の胸の鼓動が速くなるのを感じた。

「でも、まあ、契約結婚だしな。」

ロバートは肩をすくめると、少しだけ目を細めた。

「でも、お前といる時間が、悪くないって思うようになったよ。」

その言葉に、エリスは自分でも驚くほど嬉しさを感じた。

ロバートがそんな風に言ってくれるなんて、最初は考えもしなかった。

「私も、ロバートと一緒にいると、安心するの。」

エリスはしばらく黙ってから、ようやく言葉を続けた。

「どんなにツンデレでも、あなたがいてくれる…」

「ツンデレって!」

ロバートは驚いたように叫んだが、すぐにまた笑って言った。

「まあ、悪くないかもな。」

「本当?」

エリスは、もう一度顔を赤くしながら尋ねた。

「うん、本当に。」

ロバートは真剣な顔で答えた。

「お前がいないと、俺も退屈だしな。」
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