【完結】契約結婚ですが、心を開いてみたら、素敵な恋になりました。

朝日みらい

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(9)あなたが家事?! 

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その後、エリスとロバートはますますお互いの存在が自然になってきた。

最初はわだかまりだらけだったが、今では何気ない日常の中に、少しずつ温かな空気が流れ始めていた。

ある日、二人は近くの森を散歩していた。

秋の風が心地よく、木々の葉が色づき始め、ちょっとした冒険気分を味わえるくらいだった。

「ねえ、ロバート。もし私たちが契約じゃなくて本当の夫婦になったら、どんな生活が待ってると思う?」

エリスは歩きながら、ぽつりと言った。

ロバートはその問いに少し考え込み、すぐにふざけた口調で答えた。

「まあ、朝から晩までお前の機嫌を取る生活かな。」

「えっ?」

エリスは驚いた顔をして振り返った。

「私はそんなに面倒くさくないわよ!」

「ほんとかなー?」

ロバートは不敵な笑みを浮かべながら、ちょっと肩をすくめた。

「お前、たまに『私って、そんなに気にするタイプじゃない』って言うくせに、ちょっとしたことで機嫌が悪くなるよな。」

「そんなことないもん!」

エリスは完全に否定しようとしたが、心の中では確かに思い当たる節があった。

確かに、ちょっとしたことで落ち込んだり、くよくよしたりすることがあった。

でもそれをロバートに指摘されるのは少し恥ずかしい。

「まあ、冗談だよ。」

ロバートは笑って肩をポンと叩いた。

「でも、実際、毎日一緒にいると、どんな生活になるのか気になるな。」

「そうね。」

エリスは少し考えた。

「でも、少なくとも、普通に生活できるならいいかなって。あ、でも…」

「でも?」

ロバートがすぐに続けた。

「もし私たちが本当に結婚したら、私はきっと料理をがんばると思うわ。」

エリスは自信満々に言った。

「おいしい料理を作って、毎日あげるから。」

ロバートは目を丸くして驚いた顔をした。

「お前、料理ができるの?」

「もちろんよ!家庭的なことはちゃんとできるわ。」

エリスはちょっと誇らしげに胸を張った。

「じゃあ、俺も家事をやらなきゃな。」

ロバートはひらひらと手を振った。

「洗濯とか掃除とか。」

「え、あなたが家事やる?!」

エリスは目を見開いて驚きの声を上げた。

「絶対、無理でしょ。」

「無理じゃないさ。」

ロバートはふざけた口調で言った。

「ただ、今から練習すれば、意外と得意かもしれない。」

「練習って…」

エリスは苦笑しながら見守った。

「まあ、もしあなたが掃除をしてくれたら、私も料理の腕を上げるわ。お互いに助け合ってね。」

「おお、いいね、それ。」

ロバートは冗談めかして言った。

「じゃあ、俺が掃除しないと、お前が怒るんだろうな?」

「もちろん!」

エリスは即答した。

「掃除をしないあなたにご飯は作らないつもりよ。」

ロバートは面白がって、もう一度肩をすくめた。

「じゃあ、掃除しておかないと、今後一生食べられないってことだな?」

「そうよ、まさにその通りね!」

エリスはしっかりと答えた。

二人は笑いながら歩き続け、森を抜けて小さな丘の上に登った。

丘から見下ろす景色は、広がる緑と街の小さな家々が美しく広がっていた。

「こうして一緒にいると、普通の生活でも素敵に思えるものね。」

エリスは少し感慨深く言った。

ロバートはその言葉を聞いて、しばらく黙って景色を眺めていた。やがて、彼は静かに答えた。

「確かに…もう少しだけお前と一緒にいる時間を増やしたいな。」

エリスはその言葉に心が温かくなるのを感じた。彼の目が真剣だったからだ。

「それって、どういう意味かしら?」

エリスは少し不安そうに尋ねた。

「つまり…」

ロバートはしばらく言葉を選んだ後、思い切って言った。

「俺たちが本当に夫婦だって、大丈夫だって思えるくらい、もっとお前と理解し合いたいんだよ。」

その言葉に、エリスの胸が高鳴った。

ロバートは照れくさそうに頭をかきながらも、真剣な目をしている。

「私も…もっと理解したいわ。」

エリスは自然とそう言っていた。

自分でも驚くくらい、素直な気持ちが口に出ていたのだ。

「じゃあ、もう少し…お互いのこと、知ろうな。」

ロバートは穏やかに微笑んだ。

その微笑みが、エリスの心を一気に溶かしてしまった。
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