【完結】契約結婚ですが、心を開いてみたら、素敵な恋になりました。

朝日みらい

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(10)森の中で 

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エリスとロバートが結婚してから数ヶ月が経った。

最初は契約だった関係も、日々の生活の中で少しずつ変わりつつあった。

ある日、二人で森へ出かけることに。

ロバートは「散歩くらいなら」と言ったが、エリスにはどうしても、彼の周りにある冷たいオーラを感じていた。

彼が無言で歩くたび、エリスは心の中で少しだけため息をついていた。

「ロバート、ちょっと待ってよ!」

エリスが駆け足で追いかけると、ロバートは振り返りもせずに歩き続ける。

「歩くの早すぎだよ!」と言いながらも、エリスはなんとか追いつく。

「お前が遅いだけだ。」

ロバートは冷たい声で言ったが、目は少しだけ優しさを含んでいた。

そんな彼の言葉に、エリスはちょっと不満顔になりながらも、心の中で彼の優しさを感じ取っていた。

「あなた、意地悪だわ!」

エリスは肩をすくめて言ったが、ロバートはふっと笑った。

「でも、お前がついて来るなら、仕方ないな。」

そう言って手を差し伸べてきた。

エリスは少し驚いたが、すぐにその手を取る。

「ロバート…。」

「ん?」

ロバートはその手をしっかりと握り返してきた。

「お前がついてきてくれるなら、これからもずっと一緒に歩くよ。」

その言葉にエリスは胸がきゅんとした。

無言のまま、二人は手をつなぎながら歩き続けた。森の中、木々のざわめきと鳥のさえずりが、二人の間にある静かな幸せを感じさせてくれる。



ある日の夕食時、エリスがロバートのために料理を作ることになった。

普段は家政婦に頼んでいることが多かったけれど、今日はエリスが頑張ってみようと思ったのだ。

「ロバート、ちょっと待っててね!」

エリスはキッチンで必死に料理をしていた。どうしても自信がなくて、少し焦っていた。

「何か手伝おうか?」

ロバートが台所に顔を出すと、エリスは慌てて「大丈夫!」と手を振った。

しかし、数分後、うっかり鍋の中で野菜が焦げてしまい、焦りまくるエリスを見たロバートは、ふっと笑いながら台所に入ってきた。

「お前、本当にダメだな。」

ロバートはエリスの肩に手を置いて、優しく言った。

「でも、そんなお前も可愛いと思ってる。」

エリスは顔を赤くしながら「もー!自分でやるから!」と叫んだ。

しかし、ロバートは優しく彼女を抱きしめ、「手伝うよ、だって、お前が作る料理、俺も食べたいからな。」と囁いた。

その一言に、エリスはほっとして、思わず微笑んだ。

「ありがとう、ロバート。」

「どういたしまして、俺がいなければお前、きっと料理ができないからな。」

ロバートは冗談を言いながらも、優しく料理を手伝ってくれた。

二人で笑いながら食事を楽しみ、キッチンを片付けるその時間が、心地よい静けさの中で流れた。
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