【完結】透明令嬢だったけれど、素敵な愛を知ることができました。

(47)ハッピーエンド

結婚してからの日々は、まるで夢のように幸せで、アリシアとレオネルの愛は日々深まっていった。

最初の頃はぎこちなかったお互いの距離も、今では自然に寄り添うことができるようになり、どんな小さな問題でも、二人で乗り越え、どんな困難でも力を合わせて解決してきた。

ふたりの世界はますます強固に、そして甘美に育まれていった。

「ねぇ、レオネル。」

アリシアは微笑みながら、レオネルを見つめた。彼は机に向かって仕事をしている最中だったが、その視線を感じて顔を上げる。

「ん？どうした、アリシア？」

レオネルがにっこりと笑って、目の前の書類を片手に彼女に目を向ける。

「今日は君と二人きりで過ごすのが楽しみなの。」

アリシアは少し照れながら言った。その言葉に、レオネルはにやりと微笑み、仕事の手を止めた。

「そう言ってくれるのは嬉しいな。」

レオネルは軽く腰を浮かせると、アリシアの方へとゆっくり歩み寄った。

「じゃあ、今日は君の好きなように過ごそうか？」

「うん！今日は、君と一緒にゆっくりしたいの。」

アリシアは嬉しそうに手を伸ばして、レオネルの腕にしがみついた。レオネルはあっけにとられたが、そのまま彼女を抱きしめ、頭を撫でた。

「君がそう言うなら、何でも付き合うよ。」

レオネルは軽くアリシアの髪を撫でながら、優しく囁いた。

「どんなことでも、君と一緒なら楽しい。」

「ほんと？」

アリシアは少し驚いた顔をしながらも、笑顔を浮かべた。

「じゃあ、今日は私の好きな本を読んでくれない？」

「本か…もちろん、君が喜ぶならなんでもするよ。」

レオネルは大げさに手を広げて見せると、アリシアの笑顔を見てさらに嬉しそうに微笑んだ。

「それなら、選んでみて。」

アリシアは棚から本を一冊取って、レオネルに差し出した。

「今日は少しロマンチックな話がいいな。」

「ロマンチックね…よし、任せておけ。」

レオネルはその本を手に取り、アリシアの横に座った。

二人並んでソファに座り、レオネルは静かに本を読み始めた。アリシアはその横顔を見つめながら、時々、彼の言葉に合わせて顔をほころばせた。

しばらくすると、レオネルがふと本を閉じてアリシアを見つめた。

「なぁ、アリシア。」

レオネルは少し真剣な顔をして言った。

「俺たち、これから先もずっとこんな風に一緒にいられるんだよな？」

アリシアは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに柔らかい笑みを浮かべて答えた。

「もちろん。だって、私たちはずっと一緒だよ。」

「本当に？」

レオネルは顔を少し近づけ、アリシアの顔を見つめながら尋ねた。

その真剣な眼差しに、アリシアは少し照れて顔を赤くしながらも、頷いた。

「うん、ずっと一緒。」

アリシアはレオネルに手を伸ばして、優しくその手を握った。

「私、君と一生を共にしたい。」

その言葉に、レオネルは思わず笑顔を浮かべ、アリシアを抱き寄せた。

「俺も、アリシア。君と一緒にいられるなら、どんな未来だって怖くない。」

そう言って、軽くキスをした。

その後、二人はソファでくっつきながら、いつまでもお互いの手を握り、幸せな時間を過ごした。

しばらくすると、アリシアはレオネルの胸に頭をもたれかけて、ふわっとした幸福感に包まれた。

「ねぇ、レオネル。」

アリシアは少しふざけた声で言った。

「もし、何十年後に私たちが年を取ったら…君、まだ私を愛してくれる？」

レオネルはちょっと考え込み、そして無邪気な笑顔を浮かべて答えた。

「もちろんだよ。年を取って、シワが増えても、髪の毛が白くなっても、君は俺の大切な人だから。」

「それなら、安心したわ。」

アリシアはにっこりと微笑んだ。

「だって、俺たちの愛は、どんなに時間が経っても変わらないって信じてるから。」

レオネルはそう言いながら、アリシアの髪を優しく撫でた。

「君と過ごす毎日が、一番の幸せだよ。」

アリシアはその言葉を胸に、レオネルの腕の中で目を閉じた。

「私も。ずっと一緒にいることが、私にとっての幸せなの。」

そして、二人はその後も何気ない会話を続けながら、夕暮れ時の温かい空気の中でお互いの存在をかみしめ、幸せなひとときを過ごした。


（FIN）