【完結】身代わりに病弱だった令嬢が隣国の冷酷王子と政略結婚したら、薬師の知識が役に立ちました。

朝日みらい

文字の大きさ
36 / 40

第36章:最後の戦い 

しおりを挟む
ついに来てしまった。最終決戦の時が。

私はエドアルドの隣に立って、手をぎゅっと握った。

その手の温もりに、少しだけ安心する自分がいる。

戦いが始まる前から、私はずっと不安だった。

でも、エドアルドと一緒なら、きっと乗り越えられる、そんな気がして。

「リリス、大丈夫だよ。」

エドアルドが私を見つめながら、微笑んだ。

その笑顔を見て、少しだけ肩の力が抜けた。

彼が一緒にいるから、怖くないって、そんな気がした。

「うん、大丈夫。」

私も笑顔を返して、心の中で誓った。

この戦い、絶対に勝たなきゃいけない。

だって、王国も、私たちの未来も、全部守りたいから。

「行こう、リリス。」

エドアルドの声に、私は頷いて歩き出した。

進んでいく先には、敵軍が待っている。

でも、私は恐れない。

この瞬間こそが、私の力を試す時だと、そう思ったから。

戦いの中、私たちは何度も手を取り合って戦った。

エドアルドは私をかばいながら、矢を放ったり、剣を振るったり。

私も短刀を持ち、向かってくる兵士をかわしていく。

お互いに、絶妙なタイミングで息を合わせて戦う。

それが心地よくて、まるで私たちがひとつの心で動いているかのようだった。

「リリス、気をつけて!」

エドアルドの声が私の耳に届いた瞬間、私は振り向く暇もなく、突如として現れた反乱軍の兵士が私に向かって剣を振り下ろしてきた。

「あっ!」

私は避けようとしたけれど、間に合わなかった。

その瞬間、身体が重く感じ、足元がふらついた。

目の前が一瞬にして暗くなり、倒れかけた私を、エドアルドが必死で支えてくれた。

「リリス!」

エドアルドが叫びながら、私を抱きかかえて地面にひざまずく。

「エドアルド…大丈夫…」

私は必死に微笑んだけれど、身体が動かない。

痛みが広がる。

「ダメだ、リリス!」

エドアルドが私の顔を両手で優しく包み込む。

その目には、普段の冷静さが消え、必死の表情が浮かんでいた。

私がこんな目にあうなんて、彼もきっと耐えられないだろう。

でも、私はどうしても戦わなければならなかった。

王国を守るために、エドアルドを守るために。

「お願い、リリス…目を開けて。」

エドアルドの声が震えているのがわかる。

「ごめんね、エドアルド。まだ…まだ戦わなきゃいけないのに…」

私はその言葉を口にして、もう一度彼の手を握った。

その瞬間、エドアルドが私の顔をじっと見つめ、少しだけ涙を浮かべながら言った。

「君が無事でいるなら、僕は何だってできる。何でもする。だから、お願い、僕のためにも生きていてくれ。」

その言葉に、私の胸がきゅっと締め付けられる。

エドアルド…私が生きる理由は、あなたなんだ。

その気持ちを込めて、私は彼に微笑んだ。

「エドアルド、私はあなたと一緒に生きていきたい。だから、負けない。」

その言葉を聞いた瞬間、エドアルドが力強く頷いて、私を抱き上げた。

「絶対に守るから、もう少しだけ頑張って。」

その時、私は心から信じられるものを見つけた。

それはエドアルドの力強さ、そして私たちの絆だった。

戦いの中で、エドアルドが必死で戦い続けてくれた。

私は携帯していた止血薬草を含んだ包帯を巻いた。

出血がおさまり、少しずつ痛みが和らいだし、何とか立つことができた。

そして、ついに反乱軍の指導者である侯爵と最後の決戦を迎えることになった。

「リリス…」

エドアルドが私の手を握りしめ、顔を真剣にして言った。

「今度こそ、終わらせよう。」

「うん。」

私はその言葉に応えるように、エドアルドの手を握り返した。

戦いは壮絶だった。

侯爵が私たちに向かって突進してきた時、エドアルドとわたしは最後の力を振り絞り、その攻撃を防ぎ、私は目くらましの粉末を投げつけ、エドアルドは剣を突きたてた。侯爵はうめき声をあげながら倒れ、私たちはついに勝利を手にした。

「やった…」

私は疲れきった身体で、エドアルドの胸に寄りかかりながら呟いた。

その瞬間、エドアルドが私をしっかりと抱きしめて、優しく言った。

「リリス、ありがとう。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妹の身代わりの花嫁は公爵様に溺愛される。

光子
恋愛
  お母様が亡くなってからの私、《セルフィ=ローズリカ》の人生は、最低なものだった。 お父様も、後妻としてやってきたお義母様も義妹も、私を家族として扱わず、家族の邪魔者だと邪険に扱った。 本邸から離れた場所に建てられた陳腐な小さな小屋、一日一食だけ運ばれる質素な食事、使用人すらも着ないようなつぎはぎだらけのボロボロの服。 ローズリカ子爵家の娘とは思えない扱い。 「お義姉様って、誰からも愛されないのね、可哀想」 義妹である《リシャル》の言葉は、正しかった。   「冷酷非情、血の公爵様――――お義姉様にピッタリの婚約者様ね」 家同士が決めた、愛のない結婚。 貴族令嬢として産まれた以上、愛のない結婚をすることも覚悟はしていた。どんな相手が婚約者でも構わない、どうせ、ここにいても、嫁いでも、酷い扱いをされるのは変わらない。 だけど、私はもう、貴女達を家族とは思えなくなった。 「お前の存在価値など、可愛い妹の身代わりの花嫁になるくらいしか無いだろう! そのために家族の邪魔者であるお前を、この家に置いてやっているんだ!」 お父様の娘はリシャルだけなの? 私は? 私も、お父様の娘では無いの? 私はただリシャルの身代わりの花嫁として、お父様の娘でいたの? そんなの嫌、それなら私ももう、貴方達を家族と思わない、家族をやめる! リシャルの身代わりの花嫁になるなんて、嫌! 死んでも嫌! 私はこのまま、お父様達の望み通り義妹の身代わりの花嫁になって、不幸になるしかない。そう思うと、絶望だった。 「――俺の婚約者に随分、酷い扱いをしているようだな、ローズリカ子爵」 でも何故か、冷酷非情、血の公爵と呼ばれる《アクト=インテレクト》様、今まで一度も顔も見に来たことがない婚約者様は、私を救いに来てくれた。 「どうぞ、俺の婚約者である立場を有効活用して下さい。セルフィは俺の、未来のインテレクト公爵夫人なのですから」 この日から、私の立場は全く違うものになった。 私は、アクト様の婚約者――――妹の身代わりの花嫁は、婚約者様に溺愛される。 不定期更新。 この作品は私の考えた世界の話です。魔法あり。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。

婚約者を奪われ魔物討伐部隊に入れられた私ですが、騎士団長に溺愛されました

Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のクレアは、婚約者の侯爵令息サミュエルとの結婚を間近に控え、幸せいっぱいの日々を過ごしていた。そんなある日、この国の第三王女でもあるエミリアとサミュエルが恋仲である事が発覚する。 第三王女の強い希望により、サミュエルとの婚約は一方的に解消させられてしまった。さらに第三王女から、魔王討伐部隊に入る様命じられてしまう。 王女命令に逆らう事が出来ず、仕方なく魔王討伐部隊に参加する事になったクレア。そんなクレアを待ち構えていたのは、容姿は物凄く美しいが、物凄く恐ろしい騎士団長、ウィリアムだった。 毎日ウィリアムに怒鳴られまくるクレア。それでも必死に努力するクレアを見てウィリアムは… どん底から必死に這い上がろうとする伯爵令嬢クレアと、大の女嫌いウィリアムの恋のお話です。

【完結】追放された私、宮廷楽師になったら最強騎士に溺愛されました

er
恋愛
両親を亡くし、叔父に引き取られたクレアは、義妹ペトラに全てを奪われ虐げられていた。 宮廷楽師選考会への出場も拒まれ、老商人との結婚を強要される。 絶望の中、クレアは母から受け継いだ「音花の恵み」——音楽を物質化する力——を使い、家を飛び出す。 近衛騎士団隊長アーロンに助けられ、彼の助けもあり選考会に参加。首席合格を果たし、叔父と義妹を見返す。クレアは王室専属楽師として、アーロンと共に新たな人生を歩み始める。

【完結】公爵令嬢に転生したので両親の決めた相手と結婚して幸せになります!

永倉伊織
恋愛
ヘンリー・フォルティエス公爵の二女として生まれたフィオナ(14歳)は、両親が決めた相手 ルーファウス・ブルーム公爵と結婚する事になった。 だがしかし フィオナには『昭和・平成・令和』の3つの時代を生きた日本人だった前世の記憶があった。 貴族の両親に逆らっても良い事が無いと悟ったフィオナは、前世の記憶を駆使してルーファウスとの幸せな結婚生活を模索する。

義妹に婚約者を譲ったら、貧乏鉄面皮伯爵に溺愛されました。

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「お姉さまの婚約者が、欲しくなっちゃって」 そう言って、義妹は私から婚約者を奪っていった。 代わりに与えられたのは、“貧乏で無口な鉄面皮伯爵”。 世間は笑った。けれど、私は知っている。 ――この人こそが、誰よりも強く、優しく、私を守る人、 ざまぁ逆転から始まる、最強の令嬢ごはん婚! 鉄面皮伯爵様の溺愛は、もう止まらない……!

侯爵令嬢はざまぁ展開より溺愛ルートを選びたい

花月
恋愛
内気なソフィア=ドレスデン侯爵令嬢の婚約者は美貌のナイジェル=エヴァンス公爵閣下だったが、王宮の中庭で美しいセリーヌ嬢を抱きしめているところに遭遇してしまう。 ナイジェル様から婚約破棄を告げられた瞬間、大聖堂の鐘の音と共に身体に異変が――。 あら?目の前にいるのはわたし…?「お前は誰だ!?」叫んだわたしの姿の中身は一体…? ま、まさかのナイジェル様?何故こんな展開になってしまったの?? そして婚約破棄はどうなるの??? ほんの数時間の魔法――一夜だけの入れ替わりに色々詰め込んだ、ちぐはぐラブコメ。

病弱令嬢ですが愛されなくとも生き抜きます〜そう思ってたのに甘い日々?〜

白川
恋愛
病弱に生まれてきたことで数多くのことを諦めてきたアイリスは、無慈悲と噂される騎士イザークの元に政略結婚で嫁ぐこととなる。 たとえ私のことを愛してくださらなくても、この世に生まれたのだから生き抜くのよ────。 そう意気込んで嫁いだが、果たして本当のイザークは…? 傷ついた不器用な二人がすれ違いながらも恋をして、溺愛されるまでのお話。

【完結】仕事のための結婚だと聞きましたが?~貧乏令嬢は次期宰相候補に求められる

仙冬可律
恋愛
「もったいないわね……」それがフローラ・ホトレイク伯爵令嬢の口癖だった。社交界では皆が華やかさを競うなかで、彼女の考え方は異端だった。嘲笑されることも多い。 清貧、質素、堅実なんていうのはまだ良いほうで、陰では貧乏くさい、地味だと言われていることもある。 でも、違う見方をすれば合理的で革新的。 彼女の経済観念に興味を示したのは次期宰相候補として名高いラルフ・バリーヤ侯爵令息。王太子の側近でもある。 「まるで雷に打たれたような」と彼は後に語る。 「フローラ嬢と話すとグラッ(価値観)ときてビーン!ときて(閃き)ゾクゾク湧くんです(政策が)」 「当代随一の頭脳を誇るラルフ様、どうなさったのですか(語彙力どうされたのかしら)もったいない……」 仕事のことしか頭にない冷徹眼鏡と無駄使いをすると体調が悪くなる病気(メイド談)にかかった令嬢の話。

処理中です...