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第7章 王の独占欲
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日が沈んでも、王宮は明るすぎました。
ところどころで灯された燭台が長い影を落とし、まるで光そのものが私を逃さないように絡みついてくるみたいです。
昼間の会話が、耳の奥で響いていました。
「去る? ……僕の許可なく?」
何も答えられなかった私に、陛下はふと笑って「明日の夜、話そう」とだけ言いました。
――その声が、怖かった。
優しいのに、底の見えない静けさがあったのです。
そして今夜。
約束のとおり、私は再び執務室の扉の前に立っていました。
「お入り」
扉の向こうから、穏やかな声。
まるで毎夜と変わらない調子――けれど、胸の中の鼓動だけが違っていました。
「失礼いたします……」
入ると、陛下は静かに立っておられました。
机の上には書類も置かれておらず、室内はいつになくすっきりしています。
代わりに、二つ並んだグラスと葡萄酒のボトル。
「仕事は今夜は終わりだ。君に付き合ってほしい」
「……私に、ですか?」
「ああ。もう“部下”なんて呼び方はしないでくれ」
何気ないように言いながら、足音も立てずに近づいてこられる。
香水も何もつけていないはずなのに……この人の匂いに包まれると、胸が締めつけられます。
「緊張してる?」
「……いえ」
「嘘だね。ほら、指先が冷たい」
すっと伸ばされた手が、私の左手を包み込みました。
その瞬間、肺の奥まで熱い空気が流れ込んだように息が詰まります。
「……冷え性なだけです」
「そういうことにしておこう。けれど――僕といる時は、もう少し楽に構えていい。
君が逃げようとすると、僕は余計に追いたくなる」
「陛下、やはり私は――」
「まだその話をするつもりかい?」
声の調子が、ほんの少し低くなりました。
――それだけで、背中が硬くなる。
「……今は、臣下としての私を置いてください。
私はただ、一人の女として――」
「嫌だ」
「……え?」
「王としても、男としても、君を手離すのは嫌だ。
“臣下”や“女官”という言葉で自分を囲うのは、やめて」
指先から伝わる温度が、熱を帯びていく。
まるで心臓の鼓動が、そのまま掌を伝って重なっているようでした。
「君を呼ぶ声を手放すなんて、想像できないよ。
明日、誰が“エレノア”と呼ぶ?」
「陛下……」
「そもそも、君は僕を信用していない。違う?」
「そんなこと――」
「ある。ずっと感じていた。
僕を“女たらしの王”だと思ってるんだろう?」
「……っ!」
息が止まりました。
まさか、その心の奥底を言葉にされるとは思ってもいませんでした。
「……一度たりとも、信じられる隙を見せてくださらなかったからです」
「そうしないと、近づけなかったからだよ」
「え……?」
「君は“特別扱い”を嫌う。
だから僕は、あえて誰にでも優しい王を演じていた。
君が、安心して僕のそばに居られるように」
動揺して声が出ない。
ゆっくりと彼の青い瞳が、こちらを射抜くように見ていた。
「……演じて、いた?」
「そうだ。
本当の僕は、君にしか興味がない。
他の誰かに微笑むたび、いつも考えていた。――君ならどう反応するか」
「……そんな……」
「ねえ、エレノア。
どうやったら君は僕を見て、僕を泣かせてくれるんだろう?」
低い声が、静かに胸の奥まで染み渡ってくる。
距離が、どんどん近づいていくのに、足が動かない。
「やっぱり僕は、残酷かな」
「……はい」
「でも、君が去るというなら――もっと残酷になると思う」
囁かれた息が、耳に触れて凍えるように熱い。
耳朶のすぐそばで、囁きだけが空気を震わせる。
「……理解できません、陛下の仰ることは」
「理解しなくていい。
ただ、僕のことを――忘れようとするのだけは、許さない」
逃げようと一歩後ろへ下がったその時、
彼の指先があっという間に私の手首を掴みました。
強くではなく、まるで“触れる程度”に優しく。
「離してください」
「いやだ」
短い拒否の声。
けれどそこに籠もる熱が、心を追い詰めていく。
「僕が君を苦しめるなら、それでもいい。
君が僕を嫌いになるのが――もっと怖い」
「そんな……」
「それなら、苦しめたほうがましなんだ」
言葉の意味が、恐ろしいのに甘美で。
心臓がどくどくと音を立て、思考を溶かしていく。
「……陛下、どうか。もう、やめ――」
言葉を最後まで言う前に。
彼の指が頬に触れ、耳の後ろを撫でて、あごの下を軽く支える。
「その呼び方を、やめて」
「……え?」
「“陛下”じゃない。“レオナルト”って呼んで」
「……そんな――」
「王じゃなく、ただの男として。
君に触れたいと思っている人間として」
そのまま、彼の額が触れ合いました。
視線と息と、鼓動さえ混ざっていく。
「ねえ、僕を見て。
王でも、仮面でもなく――今、目の前にいる僕を」
目を逸らしたいのに、逸らせなかった。
あの青の中には、王ではない何かが住んでいた。
たぶん、それは“狂おしいほどの愛”の形。
「……レオナルト様」
恐る恐る呼ぶと、まるで嬉しそうに彼の瞳が細まる。
その一瞬の微笑が、どんな花よりも美しかった。
「……もう一度」
「……レオナルト様」
「うん、それでいい」
その言葉と同時に、髪先が軽く撫でられる。
頬に落ちた彼の指が、優しく形をなぞる。
まるで“存在を確かめる”みたいな触れ方。
「僕の名前を呼ぶ君の声が、いちばん好きだ」
低く震える声。
耳の奥で響くほど近くて、息ごと絡まるような囁き。
「去ってもいいと言うつもりはないよ。
――これは命令じゃない。願いだ」
言葉と共に、彼の掌がそっと頬に添えられます。温かかった。
ああ、こうやって“檻”は作られていくのだと、どこかで理解していました。
「そんな顔をするな。
僕は君を縛りつけたいんじゃない。ただ――」
彼の瞳が、微かに笑う。
その甘さが、砂糖よりも危険。
「君がいないと、国が廃れる気がするんだ」
「……レオナルト様、それは極論です」
「理屈じゃないよ。全ての歯車が回る気がしないんだ。
だからお願い――この国のためにでもいい。君のためにでもいい。
僕の傍にいて」
その言葉は、甘い鎖でした。
「……嫌なんです」
「君が?」
「……違います。
“嫌になれない”自分が、嫌なんです」
そう言うと、彼は少しだけ目を閉じました。
次の瞬間、堪えきれなくなったように笑って、囁いた。
「――じゃあ、仕方ないね」
「……え?」
「君が“嫌になれない”のなら、僕はその感情の責任を取ろう」
「責任……?」
「君の人生、全部預かる。
君が泣いても笑っても、僕が全部見ていく」
その誓いのような言葉が、胸の奥に刺さる。
彼が握っていた手が、ほんの少し力を強くした。
「怖がらないで。
これは罰じゃない――褒美だよ。……君が僕に関心をくれた“その報い”だ」
微笑みと同時に、彼は手を離した。
しかし離されたのは、皮膚だけで。心は完璧に捕まれていた。
「エレノア。もう二度と僕の前で、“辞める”なんて言わないでくれ」
「……はい」
「いい子だ」
最後に、彼の掌が髪を一度撫でました。
あたたかくて、苦しくて、どうしようもなく心地よい。
そうしてレオナルト陛下は、扉の方へ歩き出してから――
振り返らずに言いました。
「次に“逃げようとしたら”、その時は、僕は君を国ごと閉じ込める」
静かな声。
脅しではなく、まるで“宣言”のように。
壁際まで追い詰められたのは、私でした。
ところどころで灯された燭台が長い影を落とし、まるで光そのものが私を逃さないように絡みついてくるみたいです。
昼間の会話が、耳の奥で響いていました。
「去る? ……僕の許可なく?」
何も答えられなかった私に、陛下はふと笑って「明日の夜、話そう」とだけ言いました。
――その声が、怖かった。
優しいのに、底の見えない静けさがあったのです。
そして今夜。
約束のとおり、私は再び執務室の扉の前に立っていました。
「お入り」
扉の向こうから、穏やかな声。
まるで毎夜と変わらない調子――けれど、胸の中の鼓動だけが違っていました。
「失礼いたします……」
入ると、陛下は静かに立っておられました。
机の上には書類も置かれておらず、室内はいつになくすっきりしています。
代わりに、二つ並んだグラスと葡萄酒のボトル。
「仕事は今夜は終わりだ。君に付き合ってほしい」
「……私に、ですか?」
「ああ。もう“部下”なんて呼び方はしないでくれ」
何気ないように言いながら、足音も立てずに近づいてこられる。
香水も何もつけていないはずなのに……この人の匂いに包まれると、胸が締めつけられます。
「緊張してる?」
「……いえ」
「嘘だね。ほら、指先が冷たい」
すっと伸ばされた手が、私の左手を包み込みました。
その瞬間、肺の奥まで熱い空気が流れ込んだように息が詰まります。
「……冷え性なだけです」
「そういうことにしておこう。けれど――僕といる時は、もう少し楽に構えていい。
君が逃げようとすると、僕は余計に追いたくなる」
「陛下、やはり私は――」
「まだその話をするつもりかい?」
声の調子が、ほんの少し低くなりました。
――それだけで、背中が硬くなる。
「……今は、臣下としての私を置いてください。
私はただ、一人の女として――」
「嫌だ」
「……え?」
「王としても、男としても、君を手離すのは嫌だ。
“臣下”や“女官”という言葉で自分を囲うのは、やめて」
指先から伝わる温度が、熱を帯びていく。
まるで心臓の鼓動が、そのまま掌を伝って重なっているようでした。
「君を呼ぶ声を手放すなんて、想像できないよ。
明日、誰が“エレノア”と呼ぶ?」
「陛下……」
「そもそも、君は僕を信用していない。違う?」
「そんなこと――」
「ある。ずっと感じていた。
僕を“女たらしの王”だと思ってるんだろう?」
「……っ!」
息が止まりました。
まさか、その心の奥底を言葉にされるとは思ってもいませんでした。
「……一度たりとも、信じられる隙を見せてくださらなかったからです」
「そうしないと、近づけなかったからだよ」
「え……?」
「君は“特別扱い”を嫌う。
だから僕は、あえて誰にでも優しい王を演じていた。
君が、安心して僕のそばに居られるように」
動揺して声が出ない。
ゆっくりと彼の青い瞳が、こちらを射抜くように見ていた。
「……演じて、いた?」
「そうだ。
本当の僕は、君にしか興味がない。
他の誰かに微笑むたび、いつも考えていた。――君ならどう反応するか」
「……そんな……」
「ねえ、エレノア。
どうやったら君は僕を見て、僕を泣かせてくれるんだろう?」
低い声が、静かに胸の奥まで染み渡ってくる。
距離が、どんどん近づいていくのに、足が動かない。
「やっぱり僕は、残酷かな」
「……はい」
「でも、君が去るというなら――もっと残酷になると思う」
囁かれた息が、耳に触れて凍えるように熱い。
耳朶のすぐそばで、囁きだけが空気を震わせる。
「……理解できません、陛下の仰ることは」
「理解しなくていい。
ただ、僕のことを――忘れようとするのだけは、許さない」
逃げようと一歩後ろへ下がったその時、
彼の指先があっという間に私の手首を掴みました。
強くではなく、まるで“触れる程度”に優しく。
「離してください」
「いやだ」
短い拒否の声。
けれどそこに籠もる熱が、心を追い詰めていく。
「僕が君を苦しめるなら、それでもいい。
君が僕を嫌いになるのが――もっと怖い」
「そんな……」
「それなら、苦しめたほうがましなんだ」
言葉の意味が、恐ろしいのに甘美で。
心臓がどくどくと音を立て、思考を溶かしていく。
「……陛下、どうか。もう、やめ――」
言葉を最後まで言う前に。
彼の指が頬に触れ、耳の後ろを撫でて、あごの下を軽く支える。
「その呼び方を、やめて」
「……え?」
「“陛下”じゃない。“レオナルト”って呼んで」
「……そんな――」
「王じゃなく、ただの男として。
君に触れたいと思っている人間として」
そのまま、彼の額が触れ合いました。
視線と息と、鼓動さえ混ざっていく。
「ねえ、僕を見て。
王でも、仮面でもなく――今、目の前にいる僕を」
目を逸らしたいのに、逸らせなかった。
あの青の中には、王ではない何かが住んでいた。
たぶん、それは“狂おしいほどの愛”の形。
「……レオナルト様」
恐る恐る呼ぶと、まるで嬉しそうに彼の瞳が細まる。
その一瞬の微笑が、どんな花よりも美しかった。
「……もう一度」
「……レオナルト様」
「うん、それでいい」
その言葉と同時に、髪先が軽く撫でられる。
頬に落ちた彼の指が、優しく形をなぞる。
まるで“存在を確かめる”みたいな触れ方。
「僕の名前を呼ぶ君の声が、いちばん好きだ」
低く震える声。
耳の奥で響くほど近くて、息ごと絡まるような囁き。
「去ってもいいと言うつもりはないよ。
――これは命令じゃない。願いだ」
言葉と共に、彼の掌がそっと頬に添えられます。温かかった。
ああ、こうやって“檻”は作られていくのだと、どこかで理解していました。
「そんな顔をするな。
僕は君を縛りつけたいんじゃない。ただ――」
彼の瞳が、微かに笑う。
その甘さが、砂糖よりも危険。
「君がいないと、国が廃れる気がするんだ」
「……レオナルト様、それは極論です」
「理屈じゃないよ。全ての歯車が回る気がしないんだ。
だからお願い――この国のためにでもいい。君のためにでもいい。
僕の傍にいて」
その言葉は、甘い鎖でした。
「……嫌なんです」
「君が?」
「……違います。
“嫌になれない”自分が、嫌なんです」
そう言うと、彼は少しだけ目を閉じました。
次の瞬間、堪えきれなくなったように笑って、囁いた。
「――じゃあ、仕方ないね」
「……え?」
「君が“嫌になれない”のなら、僕はその感情の責任を取ろう」
「責任……?」
「君の人生、全部預かる。
君が泣いても笑っても、僕が全部見ていく」
その誓いのような言葉が、胸の奥に刺さる。
彼が握っていた手が、ほんの少し力を強くした。
「怖がらないで。
これは罰じゃない――褒美だよ。……君が僕に関心をくれた“その報い”だ」
微笑みと同時に、彼は手を離した。
しかし離されたのは、皮膚だけで。心は完璧に捕まれていた。
「エレノア。もう二度と僕の前で、“辞める”なんて言わないでくれ」
「……はい」
「いい子だ」
最後に、彼の掌が髪を一度撫でました。
あたたかくて、苦しくて、どうしようもなく心地よい。
そうしてレオナルト陛下は、扉の方へ歩き出してから――
振り返らずに言いました。
「次に“逃げようとしたら”、その時は、僕は君を国ごと閉じ込める」
静かな声。
脅しではなく、まるで“宣言”のように。
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