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第13章 判決
昼下がりの大広間は、まるで雪の城のように静かでした。
白い陽光が高窓から差し込み、大理石の床に溶ける。
その中央で、王——レオナルト陛下は、淡々と書類をめくっていました。
「準備を」
たった一言がすべてを動かしました。
侍従と廷臣たちがすぐに整列し、壇上が整えられる。
私を含めた側近女官は、後方で静かに控えていました。
王が玉座に座る。
その瞬間、空気が音を失います。
まるで世界が“彼の機嫌”で運行しているのだと示すように。
扉が開きました。
ルヴァール侯爵、その令嬢セレナ、そして家臣数名が、青ざめた顔で入ってくる。
彼らは歩きながら崩れ落ちそうになっていたけれど、誰も支えようとはしません。
「陛下、どうかお慈悲を――」
「お慈悲を、とは?」
微笑とともに、薄い声が降ります。
それは彼の優雅な日常会話の一部と変わりません。
けれど、その音が響くたび、人々が息を詰める。
まるで、ひとつ言葉を誤れば、心臓ごと凍りつくから。
「王を欺き、民の穀を奪い贅を尽くした一家が“慈悲”という言葉を使うのか。
……随分、都合のいい信仰だね」
誰も笑いませんでした。
けれど陛下は優しく笑いながら、手元の書類をめくり続ける。
音は紙の擦れるささやきだけ。
しかしそれが、処刑の鐘のように聞こえました。
◆
審議が始まる。
各家の貴族が呼ばれ、証言が読み上げられていく。
ルヴァール家が“管理”していた地方資金は、公的帳簿上で明らかに消失していました。
『上納金六万ギルダー』
『援助金二千八百』
『義務支給化粧資材費』
——それらの項目が、王命で照らされるたびに、静かな悲鳴が聞こえる。
「説明を」
そう陛下が命じる。
父侯爵は震えながら前に出て、言葉を探していました。
「……そ、それは……部下の不正で……私どもは決して……」
「責任者の署名は?」
開かれた帳簿に、侯爵自身の署名が鮮明に映る。
逃げ道のない真実が、一瞬で広間の温度を消した。
「……それが、あなたの“知らなかった”と言い張る誠実か」
「ひ、陛下……っ! どうか、お待ちを!」
「聞く価値があると思っていない」
淡々と。
眉を動かすことさえなく、静かに告げる。
その冷静さが、怒鳴るよりはるかに恐ろしい。
ふと、レオナルト陛下の視線がこちらを向きました。
その目が「見ていろ」と言っている。
私のことを、彼は常に“目撃者として側に置く”。
証人でも、恋人でもなく。
ただこの狂気の秩序を“理解する唯一の人間”として。
(……なぜ、そんな役を)
胸の奥がざわつきました。
◆
審判が終わると、陛下は金のペンを取り上げ、ひとつの判決文に印章を押します。
「ルヴァール侯爵家における全領地および爵位を没収する。
一族は即刻、北部の辺境へ追放。王都への再入城は、生涯、許されない」
「な、なんと残酷な! 陛下、人の家を……!」
「残酷? ……僕は優しいよ」
息を呑む空気の中、静かに立ち上がる。
王が、ゆっくり歩きながら侯爵の正面に立ちました。
「君たちの屋敷を訪ねた民たちは、飢えた中、追い返されていた。
彼らがどのように死んだか、知っているか?」
「……そ、そんな! それは――っ」
「“偶然の事故”だと? 君たちの言葉の使い方は本当に便利だね」
一歩、歩むたびに彼の金のマントが床を撫で、
足音が“死の拍子”のように響く。
「君たちは、民を飢え死にさせ、その上で王を嘘で包んだ。
それを、罪と呼ばずして何と呼ぶ?」
侯爵が口を開きかけた瞬間。
陛下の声が、それを完全に封じた。
「やめろ。
これ以上醜くなるのは、僕が見たくない」
静かにして、優しく。
それなのに刃物より鋭い声音。
その“やさしさ”が恐ろしかった。
彼は、怒りを声に出さない。
けれど、笑って人を社会から消すのです。
◆
午後――判決が正式に公布される。
広場に貼り出された“王命文”には、黄金の印章が押されていました。
《告発罪および横領によりルヴァール家を追放する》
民たちはざわつきながらも、声を潜めた。
王の威に対して、誰も異を唱えない。
宮廷前を通る時、エレノアという名を呼ぶ声が微かに聞こえた。
“あの女のために”“王が動いたらしい”。
彼女は、王の寵愛そのものなのだと。
(……これが、“仕返し”なのね)
切なくも皮肉な思いがこみ上げました。
誰も血を流さないのに、誰かが確かに死んでいく。
この王の世界では、名誉が命に等しい。
◆
「処刑の報告、届いた?」
夜。
執務室には再び静かな灯りがともっていました。
彼は私にそう尋ねながら、手元のペンを置いた。
「はい。……本日午後、正式に王命文が発布されました。
侯爵家はすでに、北方の護衛隊に引き渡されたとのことです」
「そうか。……君の泣き顔を、見ずに済んだ」
「……陛下」
「正義を行っても、君が涙を流すなら、それは僕にとって悪だ。
でも、もう泣いてないね」
触れるだけの一言が怖い。
同時に、聞きたくてたまらない。
「私は……泣きません。
ただ……彼らが“悪”であっても、人なのですよ」
「人? 僕にとって、君が“人”の基準だ。
君を傷つける者は人じゃない。だから罰した。――論理的だろう?」
「論理的、なんて。そんな言葉で……!」
想いの波がこみ上げたとき、彼は静かに近づき、髪を撫でた。
優しい仕草。血も涙もない審判官の指先が、私を慰撫する。
「エレノア。君の優しさは、美しいね。
もし君まで、僕のように冷たくなってしまったら……この国ごと腐ってしまう」
「……そんな言い方ずるいです」
「ずるくない。君が涙を堪えるだけで、この国が息をする。
君はそれほど大きな存在になったんだよ」
「望んで……なったわけではありません」
「でも、僕が望んだ。
君を証人に、君を救いに、君を正義にした。――僕の世界を、君で染めるために」
言葉が喉を刺す。
息が上手くできない。
彼の愛の形は甘く、そしてやっぱり狂っています。
「怖いです……陛下」
「怖がっていい。
でも逃げないで、エレノア。僕が地獄に行くなら、君の白い手を握って堕ちるだけだ」
「……そんなの、救われません」
「違う。君が傍にいる限り、どこまでも救われてる」
囁きながら、額に口づけを落とす。
白い髪を指で整え、背に手を添えて、まるで壊れものを扱うように。
「ねえ、エレノア。
彼らを罰するために、僕は王であり続けた。
でも、君を愛するために――僕は人を捨てた」
「……レオナルト様」
「この国が僕の檻だ。君が鍵なんだ。離さない」
ふと見上げた横顔は、光を浴びて美しかったのです。
白い陽光が高窓から差し込み、大理石の床に溶ける。
その中央で、王——レオナルト陛下は、淡々と書類をめくっていました。
「準備を」
たった一言がすべてを動かしました。
侍従と廷臣たちがすぐに整列し、壇上が整えられる。
私を含めた側近女官は、後方で静かに控えていました。
王が玉座に座る。
その瞬間、空気が音を失います。
まるで世界が“彼の機嫌”で運行しているのだと示すように。
扉が開きました。
ルヴァール侯爵、その令嬢セレナ、そして家臣数名が、青ざめた顔で入ってくる。
彼らは歩きながら崩れ落ちそうになっていたけれど、誰も支えようとはしません。
「陛下、どうかお慈悲を――」
「お慈悲を、とは?」
微笑とともに、薄い声が降ります。
それは彼の優雅な日常会話の一部と変わりません。
けれど、その音が響くたび、人々が息を詰める。
まるで、ひとつ言葉を誤れば、心臓ごと凍りつくから。
「王を欺き、民の穀を奪い贅を尽くした一家が“慈悲”という言葉を使うのか。
……随分、都合のいい信仰だね」
誰も笑いませんでした。
けれど陛下は優しく笑いながら、手元の書類をめくり続ける。
音は紙の擦れるささやきだけ。
しかしそれが、処刑の鐘のように聞こえました。
◆
審議が始まる。
各家の貴族が呼ばれ、証言が読み上げられていく。
ルヴァール家が“管理”していた地方資金は、公的帳簿上で明らかに消失していました。
『上納金六万ギルダー』
『援助金二千八百』
『義務支給化粧資材費』
——それらの項目が、王命で照らされるたびに、静かな悲鳴が聞こえる。
「説明を」
そう陛下が命じる。
父侯爵は震えながら前に出て、言葉を探していました。
「……そ、それは……部下の不正で……私どもは決して……」
「責任者の署名は?」
開かれた帳簿に、侯爵自身の署名が鮮明に映る。
逃げ道のない真実が、一瞬で広間の温度を消した。
「……それが、あなたの“知らなかった”と言い張る誠実か」
「ひ、陛下……っ! どうか、お待ちを!」
「聞く価値があると思っていない」
淡々と。
眉を動かすことさえなく、静かに告げる。
その冷静さが、怒鳴るよりはるかに恐ろしい。
ふと、レオナルト陛下の視線がこちらを向きました。
その目が「見ていろ」と言っている。
私のことを、彼は常に“目撃者として側に置く”。
証人でも、恋人でもなく。
ただこの狂気の秩序を“理解する唯一の人間”として。
(……なぜ、そんな役を)
胸の奥がざわつきました。
◆
審判が終わると、陛下は金のペンを取り上げ、ひとつの判決文に印章を押します。
「ルヴァール侯爵家における全領地および爵位を没収する。
一族は即刻、北部の辺境へ追放。王都への再入城は、生涯、許されない」
「な、なんと残酷な! 陛下、人の家を……!」
「残酷? ……僕は優しいよ」
息を呑む空気の中、静かに立ち上がる。
王が、ゆっくり歩きながら侯爵の正面に立ちました。
「君たちの屋敷を訪ねた民たちは、飢えた中、追い返されていた。
彼らがどのように死んだか、知っているか?」
「……そ、そんな! それは――っ」
「“偶然の事故”だと? 君たちの言葉の使い方は本当に便利だね」
一歩、歩むたびに彼の金のマントが床を撫で、
足音が“死の拍子”のように響く。
「君たちは、民を飢え死にさせ、その上で王を嘘で包んだ。
それを、罪と呼ばずして何と呼ぶ?」
侯爵が口を開きかけた瞬間。
陛下の声が、それを完全に封じた。
「やめろ。
これ以上醜くなるのは、僕が見たくない」
静かにして、優しく。
それなのに刃物より鋭い声音。
その“やさしさ”が恐ろしかった。
彼は、怒りを声に出さない。
けれど、笑って人を社会から消すのです。
◆
午後――判決が正式に公布される。
広場に貼り出された“王命文”には、黄金の印章が押されていました。
《告発罪および横領によりルヴァール家を追放する》
民たちはざわつきながらも、声を潜めた。
王の威に対して、誰も異を唱えない。
宮廷前を通る時、エレノアという名を呼ぶ声が微かに聞こえた。
“あの女のために”“王が動いたらしい”。
彼女は、王の寵愛そのものなのだと。
(……これが、“仕返し”なのね)
切なくも皮肉な思いがこみ上げました。
誰も血を流さないのに、誰かが確かに死んでいく。
この王の世界では、名誉が命に等しい。
◆
「処刑の報告、届いた?」
夜。
執務室には再び静かな灯りがともっていました。
彼は私にそう尋ねながら、手元のペンを置いた。
「はい。……本日午後、正式に王命文が発布されました。
侯爵家はすでに、北方の護衛隊に引き渡されたとのことです」
「そうか。……君の泣き顔を、見ずに済んだ」
「……陛下」
「正義を行っても、君が涙を流すなら、それは僕にとって悪だ。
でも、もう泣いてないね」
触れるだけの一言が怖い。
同時に、聞きたくてたまらない。
「私は……泣きません。
ただ……彼らが“悪”であっても、人なのですよ」
「人? 僕にとって、君が“人”の基準だ。
君を傷つける者は人じゃない。だから罰した。――論理的だろう?」
「論理的、なんて。そんな言葉で……!」
想いの波がこみ上げたとき、彼は静かに近づき、髪を撫でた。
優しい仕草。血も涙もない審判官の指先が、私を慰撫する。
「エレノア。君の優しさは、美しいね。
もし君まで、僕のように冷たくなってしまったら……この国ごと腐ってしまう」
「……そんな言い方ずるいです」
「ずるくない。君が涙を堪えるだけで、この国が息をする。
君はそれほど大きな存在になったんだよ」
「望んで……なったわけではありません」
「でも、僕が望んだ。
君を証人に、君を救いに、君を正義にした。――僕の世界を、君で染めるために」
言葉が喉を刺す。
息が上手くできない。
彼の愛の形は甘く、そしてやっぱり狂っています。
「怖いです……陛下」
「怖がっていい。
でも逃げないで、エレノア。僕が地獄に行くなら、君の白い手を握って堕ちるだけだ」
「……そんなの、救われません」
「違う。君が傍にいる限り、どこまでも救われてる」
囁きながら、額に口づけを落とす。
白い髪を指で整え、背に手を添えて、まるで壊れものを扱うように。
「ねえ、エレノア。
彼らを罰するために、僕は王であり続けた。
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