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しおりを挟む今日は大切な舞踏会があるというのに、ついつい仕事に夢中になってしまった。
「お嬢様、婚約者のアラン様より本日はお迎えにいらっしゃれないと、先ほどご連絡がありました。舞踏会には参加されるようですが…」
「あら、そうなの? どうしたのかしら?」
「理由は伺っておりません…」
アリスは、首をかしげる。
「そう。分かったわ。でも、自分で歩いて行くから大丈夫!」
「かしこまりました。では馬車をお回し致しますので、お部屋でお待ちくださいませ」
アリスは頭を下げると、踵を返した。
アナリスも、自分のドレッサールームへと向かった。
******
「お嬢様、お疲れ様でございます」
アリスが用意してくれた白いドレスに着替えたアナリスは、馬車に揺られながら王宮の大広間へと向かった。
王宮へ到着すると、待っていた使用人に大広間の前まで案内される。
「お時間になりましたら、アラン様がいらっしゃるはずです。どうぞお楽しみくださいませ」
使用人は綺麗な礼をすると、一礼して去っていった。
アナリスは緊張で胸が高鳴るのを感じながら、大広間のドアを開く。
中ではすでにダンスが始まっていて、優雅な曲調が響いていた。
壁際には、色とりどりのドレスを着た若い貴族たちが集まっている。
中央にある大きなシャンデリアの下で踊る男女を、アナリスはうっとりと眺めていた。
「やっぱり王宮舞踏会は華やかだわ。だけど……」
アナリスは14歳で社交界デビューをしたものの、まだ苦手だ。
誰もが知っている名士たちが集まる会場に足を踏み入れていると思うと、そわそわして落ち着かない。
そんな時、不意に目の前に影が差した。
「……アナリス?」
その声に驚いて顔を上げると、目の前に立っていたのは、金色の髪に紫色の瞳を持つ美青年だった。
まるで彫刻のように整った顔立ちに、優雅な所作。
アナリスの知る人物の中では、一番王子様という言葉が似合う人だ。
「まあ! アラン様!」
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