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それから──。
アナリスは、ラファエルと共に王宮の第一王子と第二王子の執務室へとあいさつ回りをした。
王宮といっても、城壁で囲まれた敷地は広くて大きい。
第一王子の執務室では、すでに王国の重鎮たちが集まっており、アナリスとラファエル王太子殿下の婚約を祝ってくれた。
彼らはみな好意的な目で自分を見つめていたので、アナリスはホッとした。
「はじめまして、メイリーン・アダムス公爵令嬢」
第二王子は、りりしい青年だった。
「お会いできて光栄です、第二王子殿下」
アナリスは深々とお辞儀をした。
緊張で手が震える。
すると、ラファエルが優しく手を握ってくれる。
(あっ……)
彼の体温を感じると、不思議と心が落ち着いた。
先ほどまでの不安な気持ちはどこへやらである。
「ラファエル……本当にお美しい方と婚約したものだ……うらやましい限りだ」
第2王子が呟くように言ったので、アナリスは思わずドキッとした。
頬が赤くなっていくのがわかる。
「あ……ありがとう……ございます……」
アナリスは、恥ずかしさで消え入りそうな声で答えた。
「お兄様、その通り。メイリーンのような美しくて可憐な女性が私の妻になると思うと、今から興奮してしまうよ」
ラファエルが、熱っぽい目でこちらを見つめてきた。
(ええっ?!)
アナリスは驚いてしまった。
まさか、第二王子の面前でそんなことを言われるとは思わなかったからだ。
「……メイリーン嬢が困っているぞ」
第二王子は、そう言って笑った。
アナリスはホッとすると同時に、恥ずかしさに顔を赤らめた。
☆☆☆
(緊張したなあ……)
アナリスはラファエル王太子殿下に連れられて、広大な王宮の回廊を歩いている最中だった。
だが、まだ胸のドキドキが止まらなかった。
「大丈夫? アナリス」
ラファエルが優しく尋ねてくる。
「ええ、なんとか……」
アナリスは笑みを浮かべた。
まだ顔が火照っているような気がする。
(ああ……それにしても……)
アナリスは思った──。
国王陛下も王妃殿下も、お優しそうな方たちでよかったな。
アナリスは、ラファエルと共に王宮の第一王子と第二王子の執務室へとあいさつ回りをした。
王宮といっても、城壁で囲まれた敷地は広くて大きい。
第一王子の執務室では、すでに王国の重鎮たちが集まっており、アナリスとラファエル王太子殿下の婚約を祝ってくれた。
彼らはみな好意的な目で自分を見つめていたので、アナリスはホッとした。
「はじめまして、メイリーン・アダムス公爵令嬢」
第二王子は、りりしい青年だった。
「お会いできて光栄です、第二王子殿下」
アナリスは深々とお辞儀をした。
緊張で手が震える。
すると、ラファエルが優しく手を握ってくれる。
(あっ……)
彼の体温を感じると、不思議と心が落ち着いた。
先ほどまでの不安な気持ちはどこへやらである。
「ラファエル……本当にお美しい方と婚約したものだ……うらやましい限りだ」
第2王子が呟くように言ったので、アナリスは思わずドキッとした。
頬が赤くなっていくのがわかる。
「あ……ありがとう……ございます……」
アナリスは、恥ずかしさで消え入りそうな声で答えた。
「お兄様、その通り。メイリーンのような美しくて可憐な女性が私の妻になると思うと、今から興奮してしまうよ」
ラファエルが、熱っぽい目でこちらを見つめてきた。
(ええっ?!)
アナリスは驚いてしまった。
まさか、第二王子の面前でそんなことを言われるとは思わなかったからだ。
「……メイリーン嬢が困っているぞ」
第二王子は、そう言って笑った。
アナリスはホッとすると同時に、恥ずかしさに顔を赤らめた。
☆☆☆
(緊張したなあ……)
アナリスはラファエル王太子殿下に連れられて、広大な王宮の回廊を歩いている最中だった。
だが、まだ胸のドキドキが止まらなかった。
「大丈夫? アナリス」
ラファエルが優しく尋ねてくる。
「ええ、なんとか……」
アナリスは笑みを浮かべた。
まだ顔が火照っているような気がする。
(ああ……それにしても……)
アナリスは思った──。
国王陛下も王妃殿下も、お優しそうな方たちでよかったな。
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